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【アクセンチュアから次はどこ?】データでわかる、総合・ITコンサルからの転職・キャリアパス

—あなたの職種から次はどこへ


次のキャリアが見える、転職サイト「ONE CAREER PLUS」がお届けする、職種ごとのキャリアパスをオープンにする企画。


コンサル「への」キャリアは長らく注目を集めています。

みなさんの多くは、キャリアの広がりや市場価値の高まりを期待してコンサルをキャリアに取り入れる選択をするでしょう。


一方、コンサル卒業後のキャリアに目を向けると、「コンサルからの転職」だからといって可能性が無限に広がるという特急券は存在しません。これはどの業界・職種でも共通して言えることです。

キャリアを投資するからには、どういった目的で・何年・どのファームに…という明確な戦略が、飛躍のカギとなります。


この記事では、アクセンチュア、PwCコンサルティング合同会社、デロイト トーマツ コンサルティングといった総合・ITコンサルティングファームでコンサルタントを経験された方のネクストキャリアの傾向を転職実例をもとに解説。


コンサルのその先のキャリアとして見据えるべきゴールはどこなのか、そして、そのゴールに至るまでにはどういった道筋があるのか、紐解いていきます。


※この記事は総合・ITコンサルからの転職実例について、400件以上のデータを知るキャリアアナリスト監修の下作成しています





1. 総合・ITコンサルタントからの転職を考えるきっかけ


総合・ITコンサル在籍者が転職を考えるきっかけは下記3つの傾向がありました。


  • 自分がより興味のある案件に携わりたい
  • 給与 / 待遇を改善したい
  • 事業を実際に作る側に回りたい


具体的にはONE CAREER PLUSの転職体験談に以下のような声が集まっています。


セキュリティコンサルタントとして、規程づくりやペンテストのような具体的な対策実施を支援するだけではなく、中長期的なセキュリティ戦略の策定や、次世代の脅威を踏まえたグランドデザイン構想に関わりたいと思い、グローバル案件・上流案件が多い会社に転職を志しました。(アクセンチュア/女性/社会人5~10年)


自社に長くとどまるよりも、転職を重ねることで、自分の市場価値を上げながら、自らの生涯年収の最大化をしたいと考えてました。1年間の前職への在籍を経て、良いオファーをもらえたので転職しました。(アビームコンサルティング/男性/3年未満)


コンサルタントとして身に着けたスキル/経験をもとに、社会に対してインパクトのある事業を、主体者として作り上げる仕事をしたいと思ったため。(シグマクシス・ホールディングス/男性/5~10年)





2. はじめに:コンサルからの転職・キャリアパターン


まずはONE CAREER PLUSに寄せられた転職体験談データをもとに、コンサルからのキャリアパターンを解説します。

今回の調査データの内訳は、下記のとおりです。





キャリアパスとしてまず着目すべきは、57%がコンサルからコンサルへの転職だということです。

コンサルからのネクストキャリアとしてイメージに上がりやすい経営企画のキャリアを選んだ人は5%に満たないという結果でした。





ここからは、「総合・ITコンサル」を取り上げ、キャリアパスを詳しく解説します。




キャリアパターンごとに、年収変化はどうなる?


実際に転職を考えるとなると、「転職時に年収がどのように変化するのか」「転職先で将来的にどれぐらいの年収が見込めるのか」が気になる人も多いでしょう。

キャリアパターンごとの年収変化について詳細を知りたい方には、キャリアアナリストが面談で直接お答えします。


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3. データから見る5つの転職・キャリアパス


総合・ITコンサルからのキャリアは、大きく5つの主要なパターンが存在します。

コンサルへの転職が60%、その他への転職が40%という結果となりました。





(1) [60%] コンサルへの転職:希望案件への関与、年収アップを求めて


コンサルへの転職をさらにブレークダウンすると、下記結果となりました。

全体傾向と比較して、年収が上がったと答えた人が多いことが特徴です。





(1)-a 総合・ITコンサルへの転職:「他案件による成長機会」「働き方・待遇の改善」


総合・ITコンサルからコンサルへの転職のうち、6割弱を占めるのが同じく総合・ITコンサルへ転職するパターンです。

社会人歴は3年未満から10~15年まで幅広く事例が見られましたが、転職理由として年次に関わらず共通して挙がっているのは、「他案件による成長機会」「働き方・待遇の改善」の2つのキーワードです。


最も多かったのは「他案件による成長機会」という理由でした。

「総合コンサル」と冠がついたとしても、ファームや配属によって関われる案件が限定的であることを受け、より自分が興味のある領域の案件が担当できるファームに移動したり、似たような案件をこなすことによるスキル停滞からの脱却を意図する事例が複数存在します。




「働き方・待遇の改善」においては、「激務からの解放」「給与をより上げるため」という理由が目立ちました。


コンサルタントは残業が多くタフな働き方を求められることも多い仕事です。ここ数年で働き方改革も進み、退社時間も早まり週末も休めることが多くなりました。多忙を極めた働き方から、自分のライフスタイルに合った働き方へ変えることを目的に転職する人もいます。


また、コロナ禍においてリモートワークが浸透したこともあり、ある総合コンサルティングファームで働く方は、年間で2度しかオフィス出社をしなかったとのことです。


ただし、こういった働き方の柔軟性は携わるプロジェクトによって異なります。一部では、リモートワークの浸透に伴い働き方の柔軟性は上がったものの、部下とのコミュニケーションが気軽に取れず状態把握が難しいといった弊害や、コロナ前であれば部下に業務指示していた仕事を自身でこなしているなど、マネジャーの負担増加に繋がっているという声も聞かれます。


また、コンサル業界は役職が変わるごとに給与レンジが大きく変わる傾向にありますが、どの年次で役職が上がるかはファームによってまちまちです。

現在のファームではコンサルタント/アソシエイトレイヤーでも、他ファームに移ることでマネージャーとしてスライドできる場合などには、給与の大幅アップが見込まれます


<働き方の改善>


<給与UP>



(1)-b 戦略コンサルへの転職:「経営/上流の意思決定への関与」


このキャリアパスでキーワードとして目立つのは、「経営/上流の意思決定への関与」です。

また、同じ年次では戦略ファームの方が給与レンジが高いこともあり、この転職パターンでは年収が上がったまたは同程度という方が9割を超えています。


これは10年以上前からコンサル業界全体で見られるトレンドでもありますが、戦略ファームであってもピュアな戦略案件のみに終始するクライアントリレーションは少なくなっており、策定した戦略をベースに戦術ひいては実行までプロジェクトのすそ野を広げている傾向にあります。


そのため、総合・ITファーム出身者が戦略ファームに転職して感じるギャップも、以前ほど大きくないというのが実態でしょう。






(2) [40%] 事業会社への転職:自らの手で事業を作る側へ


外部の人間であるコンサルタントとして関わるのではなく、事業会社に身を置いて自分自身で事業を動かしていきたいという目的での転職が多くみられます。

コンサルは一般的に報酬が高い傾向にあるため、事業会社への転職でさらに年収がアップした事例は2割程度にとどまりました。



(2)-a [10%] 営業への転職:カルチャー重視・目的重視の二極化


事業会社へのチャレンジを試みて営業やCSなど現場メンバーからスタートするケース。半数がカスタマーサクセスとしての転職でした。

また、年収はステイまたはダウンと回答した人が85%となりました。


転職時に重視したポイントとして最も多かったのは、カルチャー観点です。

「フラット」「裁量」などのキーワードが目立ちました。




事業への共感や職種を重視するケースも見られます。

「カスタマーサクセス」という職種や「教育」領域など、明確に携わりたい職種や業界があるパターンです。

特にカスタマーサクセスは、パッケージ導入コンサルタントやシステムコンサルタントとして、製品を実際に取り扱いながらクライアントへの導入・定着を支援している経験が直に生きるキャリアパスだと言えるでしょう。



転職先の企業は、スタートアップから外資系IT大手など多岐にわたります。

リクルートや楽天などに代表されるメガベンチャーへの転職事例と比較して、スタートアップへの転職事例が目立つのは一つの特徴といえるかもしれません。






(2)-b [9%] 事業企画への転職:基礎+@の価値を示し、事業視点で意思決定


事業企画への転職では、「事業」を目的語にしたコメントが目立ちました。

事業の成長性や自身がパッションを持てる領域の事業であることを前提としたうえで、自身の成長、カルチャー、待遇面をチューニングするような転職になるようです。


また、社会人歴が5年以上での転職が6割を超えていることも特徴です。


一般に事業企画とは企業ごとに求められる貢献や採用要件が異なるため、企業とのすり合わせに一定のハードルが存在します。

コンサルタントの基礎であるプロジェクトマネジメントやofficeツールなどのハードスキルに加え、事業企画という職務内容の幅が広いフィールドでどのような価値貢献ができるのか、自身が保有する職能や知識の言語化が肝要でしょう。


例えば、特定のファンクション(物流、組織設計など)のコンサルティングを行っていた場合、事業会社の特定ファンクションの企画(物流→物流企画)に転職している例などがあります。


<事業を主軸に意思決定をした転職事例>


<自身の成長やカルチャーにフォーカスした転職事例>






(2)-c [5%] 経営企画への転職:スキルを活かしてメンバーからスタート


経営企画への転職では、事業企画より顕著に社会人歴が長い方の転職体験談が多く見られました。

ONE CAREER PLUSに現在寄せられている転職体験談の範囲内では、社会人歴3年未満で経営企画へ転職した事例は存在しません。


また、6割以上が年収がダウンしたと回答。年収アップを実現した人は1割に届きませんでした。


個社別の転職先を見てみると、ミドル~メガベンチャーにメンバーレイヤーで入社した事例が目立ちます。

経営企画業務の中でも、特にIRや中期経営計画策定などの守りの業務は、コンサル時代のリサーチ・分析経験などがダイレクトに生きます。

コンサルで得たポータブルスキルを活かしてまずはメンバーとして成果を出し、その後徐々にイニシアチブを握ることになるのでしょう。


メンバーとしてコンサル時代と比較的近い業務を事業会社で遂行するのか、リーダーとして経営者の右腕的に意思決定に携わるのか、自身の理想に照らし合わせてアサインを慎重に選びたいところです。






4. 最後に:中途でのコンサル入社を考える (監修者コメント)


コンサルに入ると、高いプロフェッショナルスタンダードや、ハードスキルを使いこなせることによる高い生産性を身に着けることができます。

上記は、どういった職種でも汎用性があるポータブルスキルといえるでしょう。


一方で、自身がコンサルで社会人基礎力を高めている間、事業会社で職能を高めている同期がいる事実にも目を向けたいところです。


つまり、例えば自身がコンサルで2年間かけてポータブルスキルを学んでいる傍らで、事業会社で現場の最前線として営業スキルやマーケティングスキルを磨いている同期とは、実務経験で2年の差がつきます。

他の人の時間が止まっているわけではないのです。


新卒ではなく中途でコンサルにチャレンジする際は、コンサルタントとして生涯キャリアを歩むケースを除いて、「コンサルに入って何を学ぶのか」を戦略的に組み立てないとキャリアの足踏みになる危険性があります。


具体的には、コンサルを経たその先にどの業界・職種を見据えるかが非常に大切です。


目的地を定めたうえで、学びたい業界・ファンクション (職種)に強みがあるファームなのか、入社後当該領域のプロジェクトにアサインされるのか、各プロジェクトの期間はどの程度なのか (1つ1つのプロジェクトが長いと定常業務が多くなり新しい学びが少ないことも)、などを見極めたうえで入社するファームを選択したいところです。


例えばパッケージ導入コンサルタント経験者がカスタマーサクセス職と相性がいいように、コンサルでの経験によって知識や職能を加速させることは十分可能です。

そのためには、事業会社で実務経験を積む同期以上に何を学ぶのかを明確に定め、戦略的な意思決定をおすすめします


コンサルに入って身につくことの概要やファームの選び方はこちらでも解説しています。

本記事は新卒学生向けに執筆したため、中途入社においては記事内の観点に加えて上述のような「どの業界・職種を見据えるか」まで解像度を上げられるとよいでしょう。



結局のところ、飛び込むだけで市場価値が上がる業界・職種は存在せず、コンサルもまた例外ではありません。


キャリアにオーナーシップを持ち、目的をもって戦略的にネクストステップを見定めることが重要です。

自身の経験をどう市場価値に翻訳するか、そのうえでどのようなキャリアの可能性が存在するのかは、データを知り尽くした弊社のキャリアアナリストが良い壁打ち相手になるでしょう。


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ONE CAREER PLUS 事業企画シニアエキスパート

石川 広華

京都大学法学部出身。新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。小売・製造・エネルギー・官公庁・金融・通信など多岐にわたるプロジェクトに従事し、プロジェクト外の組織活動のリード経験も多数。 現在は、株式会社ワンキャリア ONE CAREER PLUS事業部にて、事業企画 / シニアエキスパートとしてコンテンツ・プロダクト・ブランディングをリード

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