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日本IBMから戦略コンサル (MBB)。400万円の年収アップ。労働時間は2倍に | 辞めコン実録集 vol.9


コンサルキャリアで最も特筆すべきことは、「ネクストキャリアを見越した入社」の方が多いことでしょう。

そして、コンサルに入社した方の多くが直面するのが、以下のような問いです。

・いつファームを去るべきか

・コンサルを経由したからこそ行けるネクストキャリアはどこか

・年収の増減をどう捉えるか


本シリーズでは、実際にコンサルを卒業してネクストキャリアを歩まれる方々にインタビューをし、ポストコンサルキャリアの実録を集めていきます。





今回の実録:日本IBMから戦略コンサル (MBB)


今回お話を伺ったのは、日本IBM、戦略コンサル (MBB)を経験し、現在独立し起業しているAさんです。

早慶学部卒で、新卒で日本IBMに入社しSE (システムエンジニア)として約4年間勤務。


その後戦略コンサル (MBB)に転職し、戦略コンサルティングを行った後、現在は独立しコンサルティングサービスの提供やサービス開発を行っています。

また、徹底的な対策の結果MBBに内定を獲得した経験をもとにケース面接や内定獲得に必要な情報をメディアで発信しています。

外資戦略コンサル内定・ケース面接対策のためのメディア「Strategy Career」


SIerから戦略コンサルへと転職をしたAさんに、両者の違いやキャリアのうまみを聞きました。






転職先は戦略コンサル一択。徹底した選考準備



日本IBMに入社後1年半ほどは、研修が充実していたり、仕事ができるようになる過程で多くを学んだりと、充実して仕事に取り組んでいたAさん。

ある程度業務が板についてからは、より面白そうな仕事があるのではと外の機会に目を向け始めます。


もともと学生時代から独立を視野に入れていました。
いきなり起業に踏み切れなかった自分は、独立しても通用する汎用性の高いスキルを身に着けるために就職を決め、学生時代のバックグラウンドも相まってSE職に就きました。

「絶対に戦略コンサルに転職したい」と考えたのは、SIerではクライアントから求められた仕様に沿ってシステムを構築する業務が中心でしたが、これだけでは将来の起業を見据えた際にビジネス的な視点が身につかないと感じていたからです。
日本IBM時代に所属していた部署が特定の製品群のみを扱う部署だったこともあり、これ以上特定製品の知識を深めても独立のための汎用的なスキルには紐づかないと考えました。
また、SIerは人月単価での取引が行われますが、より上流に行くほど単価が上がっていくため最も人月単価が高い戦略コンサルティングファームで働くことが自身の市場価値が最も上がるのではないかと整理しました。

将来の独立を考えたときに、自分の時間単価を最大値まで上げることが私のキャリア戦略だったんです。
私の性格上スタートアップ的な大きな資金調達をしてビジネスを伸ばしていくタイプではなく、自己資本でサービスを立ち上げるために、最初は労働集約的な形でもよいので時間単価が高い領域でキャッシュを溜めることを想定していました。


戦略コンサルはそもそも会社数が多くなく、一度不合格になると一定期間再チャレンジができないファームもあるため、1年以上の期間を設けて徹底的に選考対策を行いました。

MBBと呼ばれるマッキンゼーアンドカンパニー、ボストンコンサルティンググループ、ベインアンドカンパニーをはじめ、A.T.カーニーやStrategy&、ローランドベルガーなど戦略コンサル各社へ応募をしました。


転職の過程では、「自分のケース面接の仕上がり具合が分からず不安になった」と言います。

自分は心配性だったので、かなり力を入れて選考対策をしていましたが、それでも他の方と比較して自分がどの程度のレベルまで対策ができているのかは知りえません。
周囲で戦略コンサルに挑戦して不合格だったという方も多くいたので、ケース面接対策サービスやエージェントを頼りながら納得いくまで対策をやり切りました。


最終的には目標としていたMBBの一社からの内定を獲得し、社会人4年目で転職を実現します。


▼ITコンサルから戦略コンサルへの転職体験談▼







転職で年収は400万円アップ。労働時間は約2倍に



ファーム内で2番目にジュニアな等級で入社したAさんは、日本IBM退職時700万円前後だった年収が、戦略コンサルに入社後1,100万円になりました。


▼MBBの役職別年収が知りたい方はこちら▼






400万アップした年収と引き換えに、働き方は大きく変化します。

日本IBM在籍時はほぼ残業がなく毎日8時間程度の労働時間でしたが、戦略コンサルに入社後は労働時間がほぼ倍になったと言います


業務時間の長さと密度・速さは前職と大きく異なる点でした。
戦略コンサルは自身のマックス出力で長時間働く環境だったので、消費されるエネルギー量は、労働時間の差以上に感じましたね。


SIerやITコンサルから戦略コンサルへの同業界転職と整理できはしますが、実態は完全に未経験転職でした。
日本IBM時代は、上長から「こういうコードを書いてきて」という粒度で仕事を受け、比較的長い時間をかけて丁寧にコードを書き進めるという仕事の進め方でした。
戦略コンサルでは抽象的な論点を渡されて、問いを解くための作業設計から調査やインタビューの実行までをハイスピードで進める必要があり、自分でコントロールしないといけない範囲に大きな違いがあります。
また、求められるアウトプットのクオリティもかなり高いレベルを求められるようになりました。



一方で、前職での経験が活きた場面もあったと振り返ります。

自身が実行者としてIT領域に関わってきたため、デジタル戦略を描くときに実行フェーズの解像度が高い提案ができました

また、大企業の同一部署に3年以上所属していた経験から、日本の大企業の組織力学や物事のスムーズな進め方に対する感覚が身についていたことも相まって、自身の提案をクライアントに受け入れてもらうスキルは新卒入社者より高かったと感じています。


戦略コンサル社内の方々はモチベーションが高すぎるので、新卒入社でそれが当たり前だと思っている方はクライアントとの意識の差を感じやすいと思います。
正しいことを伝えれば誰もが全力でそこに向かって突き進んでくれれば簡単ですが、そうはいきません。
その点では、新卒でいわゆる日本企業らしい文化の中で仕事をしていたことは、コンサルに活きる経験でした






労働時間は半分以下で、戦コン同程度の年収水準を実現



戦略コンサルにて数年間勤務した後、30歳になった節目のタイミングであることやある程度コンサルタントとして1人でプロジェクトを回せるようになり独立してもやっていける自信がついてきたと感じ、ファームを卒業します。


現在は独立しコンサル案件を受けています。報酬面は戦略コンサル在籍時と同程度ですが、稼働時間を戦略コンサル時代の半分以下に抑えながら空いた時間を新規サービス開発に充てています。


個人である程度稼げるようになったので、企業の中で市場価値を高めるフェーズは終わりと決めました。
今後は、個人でしっかりと稼ぎを生みつつ、学生時代からの目標であった自社サービスのローンチに向けて準備を進めたいと思っています






「戦略コンサルは偉い」という誤解



私と同じようにコンサルでスキルを身に着けて独立をしたいと考えてらっしゃる方は多いと思います。
ただ、個人で企業に価値提供をすることを見据えるなら、戦略コンサルはおすすめしません


戦略コンサルから独立したAさんは、「戦略コンサル時代にやっていた全社戦略等、企業の大方針を決める重要案件は大手ファームに依頼するケースが多く独立直後の個人に仕事を依頼するケースはあまりない」と語ります。

戦略コンサルとして抽象的かつ大きな問いを解くスキルが身についても、そうした戦略案件が個人で請け負う対象になることは少ないそうです。

加えて、戦略案件は案件単価は高いですが、期間が短く継続性がないため、安定して仕事を受注し続ける難易度が高いというのが実態のようです。



また、「戦略コンサルの方がすごいと世間的には言われがちだが、独立し安定して稼げるようになりたいという人はITコンサルの方がおすすめです」と語るAさん。


戦略コンサルで身につく基準値やベーススキルはもちろん貴重な経験です。
一方で、戦略案件は短期の伴走しかできませんし、企業からすると経営を左右する重要論点を丸ごとコンサルに渡すことは少ないでしょう。
戦略コンサルや経営コンサルは、最終的に戦略を意思決定し実行するクライアントに対して、そのサポートをするにすぎません。

かたやIT案件は、例えば基幹システムの導入などプロジェクトを確実に完遂しないとそもそも業務自体が立ち行かなくなる案件ばかりです。
企業運営の根幹にかかわる案件が多いですし、要件定義から実装までご一緒するとなると長期にわたってクライアントとお付き合いができます


個人のキャリアにおいても、ITコンサルはスキルとして何ができる・できないが非常に明確ですよね。
一方で戦略コンサルは、「ロジカルシンキング」などふわっとしたスキルになるので、コンサル卒業後のキャリアは不安定な部分もあると思います。
個人の能力値が高くても、スキルが抽象的な分、在籍していたファーム名で判断されがちな点は少しもったいないと感じます


ITコンサル、戦略コンサル、独立を経験したAさんの実体験を踏まえた言葉は、今後のキャリアを考える貴重な材料になりそうです。






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ONE CAREER PLUS 事業企画シニアエキスパート

石川 広華

新潟県出身。京都大学法学部卒業。 新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。小売・製造・エネルギー・官公庁・金融・通信など多岐にわたるプロジェクトに従事し、プロジェクト外の組織活動のリード経験も多数。 現在は、株式会社ワンキャリアの中途事業 ONE CAREER PLUSにて、事業開発 / シニアマネージャーとしてコンテンツ・メディア領域をリード

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