「ゆるブラック企業」という言葉を知っているだろうか。残業はないし、上司のパワハラ・セクハラもないが、成長できない職場のことだ。
「成長できないからブラックなんて、ワガママすぎる」
と、言いたくなる年配の気持ちは分かる。月230時間残業を経験した私も、「なにがゆるブラックだ」と思ったのは事実だ。
だが、ゆるブラック企業には大きなデメリットがある。給与が低いことだ。残業がないから、基本給しか支給されない。ボーナスが年収の大半を占めるタイプの雇用形態だと、かなりしんどいことになる。
例えば、私の友人は平均年収が1,000万に近い、トップ企業へ内定した。だが、その年収はボーナス込みの会社だった。入社直後に働き方改革が行われ、残業は実質ゼロに。その結果、スキルアップもできず、想定した年収より数百万も手取りが減ってしまった。
だから、転職したくなる気持ちは分かる。せっかく大手企業へ入れたのに、30歳で500万円。もっと低い人はいくらでもいるだろうが、良い大学を出てこれか……と、周りを見て思うことは分かる。
そして、成長と年収アップが確約された外資系コンサルティングファームへ転職を決める。大体は、こんなシナリオである。
一度「ゆるさ」に慣れたら、激務には耐えられない
さらに・・・