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未経験からコンサル転職まとめ|必要なスキル・資格、適した年齢、前職の経験は?

コンサルティング業界への転職は、近年ますます注目を集めています。未経験からコンサルティングファームへの転職を検討している人も増えています。「そもそも未経験でも転職できるのか」「どのような人が未経験でコンサルに転職しているのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。


本記事では、ONE CAREER PLUSに集まる1,000件以上の転職体験談データや現役コンサルタントの声をもとに、未経験からコンサル転職の実態を徹底解説します。必要なスキルや資格、年齢による難易度、そして具体的な転職事例まで、データに基づいた情報をお届けします。


目次



1. 未経験からコンサルへの転職は難しい?


1-1. コンサルは中途入社が多い


コンサルティング業界では近年、中途採用の枠が大幅に拡大しています。特に外資系ファームでは顕著であり、戦略系ファームでも直近3年で採用枠が年々増加しています。総合ファームにおいても同様の拡大傾向が見られます。実際に、アクセンチュアなど主要ファームが公表している中途採用比率は以下の通りです。


  • アクセンチュア:72%(2024年9月1日時点)
  • デロイト トーマツ コンサルティング:62%(2024年度 新卒採用1,507人 中途採用2,421人)
  • KPMGコンサルティング:79%(2024年度)
  • アビームコンサルティング:52.5%(2024年度)

(参考)アクセンチュア 採用情報デロイト Impact Report2024KPMG キャリア採用情報アビーム コンサルティング キャリア採用情報


これらの情報からもわかるように、日本企業におけるコンサルティング需要が増加していることで、引き続きコンサル業界の中途採用は広く門戸が開かれています。




1-2. コンサル転職の事例のうち約75%が未経験転職


ONE CAREER PLUSに集まるコンサル・シンクタンクへの転職体験談全1,170件のデータによると、転職前の出身業界を見ると、同業界であるコンサルからの転職は全体の4分の1程度に留まり、残りはIT・通信、メーカー、金融といった異業種からの転職事例となっていました。つまり、全体の約75%が異業種からの未経験転職となります。このデータからも、コンサル業界への転職は必ずしも同業界からの転職だけではなく、未経験者にも門戸が開かれていることが明らかです。

(参考)コンサル転職:完全攻略ロードマップNo.4|転職サイト【ONE CAREER PLUS】






2. 未経験からのコンサル転職に適した年齢


2-1. 第二新卒~30代前半までがメイン


未経験でコンサルへの転職を志す場合、遅くとも30代前半までには転職をすることがおすすめです。


実際にONE CAREER PLUSに集まった転職体験談で、コンサルへ転職した人のデータの社会人歴コンサルへの転職時の社会人歴をみると、社会人歴3~5年が35.7%、社会人歴5~10年が29.3%、社会人歴3年未満(第二新卒)が25.5%、社会人歴10~15年が6.8%、社会人歴15年以上が2.7%という結果となりました。


つまり、未経験からコンサル転職する人の約9割は20代〜30代前半の若手社会人であるということがわかります。



注意が必要なのは、第二新卒(社会人歴3年未満)の採用は、各社募集の積極度にばらつきが生じることです。第二新卒枠は、新卒と同じ職位からスタートすることが多いのですが、新卒採用で優秀な人材が多数確保できたファームは、第二新卒枠の募集を絞る傾向があります。


そのため、コンサル転職で一番狙い目なのは、ある程度前職の会社で社会人経験を積み、業界知識を持っている社会人3~10年目のタイミングと言えます。




2-2. 30代半ば以降・40代の転職は高難易度?


30代半ば以降になると、未経験のコンサル転職は難しいのでしょうか?


前提として、コンサル業界に限らず、30代半ば以降で未経験の領域に転職することは一般的に難易度が高いとされています。その理由は、「新しい環境・知識へのキャッチアップ速度が20代と比べて劣ると考えられている」ことと、「30代半ば以降の人材に企業が求めるのは、専門性の発揮や管理職としての役割発揮である」ことなどが考えられます。


ONE CAREER PLUSのコンサル転職のデータでみても、社会人歴10年(32歳)以上の転職事例は全体の1割程度の結果となりました。

一方、少数派ではありますが、以下のようなケースでは30代や40代でのコンサル転職の可能性があります。


  • 特定の業界・領域について深い専門性を持っていてその知見がコンサルで活かせる場合
  • 社内コンサルのような形で近い業務を経験している場合
  • 管理職経験があり、コンサル入社後も管理職としての活躍が期待できる場合


実際に、ONE CAREER PLUSに集まる転職体験談を詳細にみると、社会人歴10~15年の未経験コンサル転職を行っている人のうち約7割は前職で役職者(係長、課長、部長など)であり、前職で役職があってコンサルへ未経験転職した人の約8割は転職先でも役職者として入社をしていることがわかりました。


<転職事例:トヨタからアクセンチュアへ|30代女性

社会人歴:10~15年
退職時の役職:課長・マネージャークラス
入社先の役職:課長・マネージャークラス
転職活動で重視したポイント:
コンサル未経験ではありますが、社内コンサルのような経験はあったので、それを評価して管理職として採用してくれる会社が魅力的
転職で役立ったこれまでの経験
プロセス最適化や自動化技術の開発・実装の仕事をしていたので、お客様に対しても技術的な観点で深い洞察を提供できたことは、他コンサルタントとの大きな差別化点だった






3. MBA、英語力など、コンサル転職に求められるスキルは?


3-1. 学歴の必要性


従来、特に戦略ファームでは東京一工や早慶上位学部出身者が主流を占めていましたが、近年は「学歴の多様化」という顕著なトレンドが見られます。戦略ファームでも旧帝大やMARCH上位層の採用が増えており、総合ファームではさらに幅広い大学出身者にチャンスが広がっています。




3-2. MBAやその他資格の必要性


資格については、特定の領域に特化したコンサルティングを行う場合を除き、必須とされるものは少ないと言えます。ただし、財務・会計コンサルティングでは公認会計士資格、ITコンサルティングではIT関連の資格が評価されるケースがあります。


重要なのは、資格そのものよりも「論理的思考力」「問題解決能力」「コミュニケーション力」といった基本的なスキルと、前職での具体的な実績です。特に経験者採用では「何を経験したか」「どのような価値を提供したか」が重視されます。




3-3. 英語力の必要性

英語力については、プロジェクトによっては必要な場合もありますが、基本的には入口時点では必須ではないケースが多いようです。ただし、外資系ファームの場合は英語力があった方が有利であり、日系ファームでも英語が使えることでアサインされるプロジェクトの幅が広がる可能性があります。


(参考)【コンサル転職】データから見えた「4つのトレンド」






4. 未経験からコンサル転職する具体的な方法


ONE CAREER PLUSでは、シリーズ企画「コンサル転職:完全攻略ロードマップ」で未経験からコンサル転職を目指す人に向けた転職成功の方法を全7回にわたり解説しています。ぜひご活用ください。


<導入編>


<業界理解編>



<実践編>



<入社後活躍編>






5. コンサル転職の前職は?


異業種からの未経験転職の場合、前職はどのような経験をしている人が多いのでしょうか。

ONE CAREER PLUSに集まるコンサルへの転職体験談をみると、前職の業界の内訳は以下の通りでした。



  • IT・通信:20.9%
  • メーカー:19.1%
  • 金融:15.9%
  • 商社:4.7%
  • 人材・教育:4.1%
  • その他(不動産・建設、広告・マスコミ、インフラ・交通、公務員・団体職員など):12.2%


IT・通信、メーカー、金融からの出身者が特に多い傾向にありますが、その他の業種もみると多様なバックグラウンドの人材がコンサルへ転職していることがわかります。






6. 【年次別】未経験からコンサル転職の事例解説


実際に、コンサル転職した人の具体事例も年次別にいくつかみてみましょう。




6-1. 第二新卒の転職ケース


社会人経験が浅い若手からの転職事例をいくつか紹介します。


<転職事例:シャープから日本総合研究所へ|20代女性

社会人歴:3年未満
前職の職種:海外営業
入社先の職種:戦略コンサルタント
転職で役立った前職の経験:
海外子会社との英語によるコミュニケーション、損益計算書等になる子会社の財務状況把握、顧客・商品セクター等の売り上げ分析


<転職事例:JICAからKPMGコンサルティングへ|20代男性

社会人歴:3年未満
前職の職種:団体職員
入社先の職種:セキュリティコンサルタント
転職で役立った前職の経験:
セキュリティコンサルティングに役立つスキルはありませんでしたが、様々な案件、特に公共案件のデリバリーにおいて、公的機関で得たコミュニケーション能力や調整のノウハウは役に立ちました。




6-2. 20代半ば〜30代前半の転職ケース


ボリュームゾーンとなる中堅社会人のコンサル転職のケースもみてみましょう。


<転職事例:エス・ビー・エスからアビームコンサルティングへ|20代男性

社会人歴:3~5年
前職の職種:SE
入社先の職種:業務プロセスコンサルタント
転職で役立った前職の経験:
SEからコンサルという未経験職種への転職かつ社会人経験が浅かった為、成長意欲と未経験の環境での活躍をアピールしました。
具体的には複数資格取得までの密度やプログラム未経験からSEのキャリアを経験した過程の話が受けが良かったと感じます


<転職事例:三井住友銀行からEYストラテジー・アンド・コンサルティングへ|30代男性

社会人歴:5~10年
前職の職種:コーポレートファイナンス
入社先の職種:戦略コンサルタント
転職で役立った前職の経験:
1.大企業における経営判断の一端に関わったことがあったこと(子会社の切り離し、レベレッジドバイアウト、上場廃止等)
2.ファイナンス
の知見の二点が主たる役立った要素。戦略コンサルタントの主な仕事として、CFOの右腕となり経営判断の影響や市場動向を数字で示すことが挙げられるが、そのためには重要な指標を特定し情報収集することや、経営判断によるBS・PL・CFへの影響を見せることが必要。勘所を見極め、分析を行ううえで、銀行で得たスキルと経験がバックボーンになっている。


<転職事例:マルハニチロから三菱UFJリサーチ&コンサルティングへ|20代男性

社会人歴:5~10年
前職の職種:法人営業
入社先の職種:戦略コンサルタント
転職で役立った前職の経験:
企画部門3年間、事業部門3年間の両部門を経験したこと。バックオフィスで会社全体を俯瞰して企画を遂行する業務と、フロントポジションで売りを立てる経験は非常に役に立った。




6-3. 30代後半・40代の転職ケース


少数派ではありますが、専門性の高さを評価されて30代後半以降の人材がコンサル転職するケースも見受けられました。


<転職事例:東京海上日動火災保険からEYストラテジー・アンド・コンサルティングへ|40代女性

社会人歴:25~30年
前職の職種:内部監査・内部統制
入社先の職種:業務プロセスコンサルタント
転職で役立った前職の経験:
即戦力としてすぐに売り上げ貢献することを求められるため、これまでの経験と人脈をフル活用して案件獲得につとめました。その際には、前職でお付き合いのあった方や、最初に入ったコンサル会社の同僚がお客様になることも多く、専門知識もさることながら今まで積み上げてきた信頼や社外に広がるネットワークの重要さを知りました。着実に案件を積み上げていった結果、初年度で最高の人事評価をいただくことができました。


<転職事例:SAPジャパンからアビームコンサルティングへ|30代男性

社会人歴:15~20年
前職の職種:事業企画・事業統括
入社先の職種:パッケージ導入コンサルタント
転職で役立った前職の経験:
SAP、Oracleという2大基幹システムのうち、SAPについてはオンプレ・クラウドともに導入から改修まで担当したことがあるため、転職後もSAP案件を多く担当しました。顧客からもSAPについて何でも知っているクライアントの信頼度は高いですし、SAP本体と交渉し値引きやカスタマイズの迅速化を勝ち取る際にも、彼らに睨みの利くコンサルタントの存在は貴重だと自負しています。実際に、クライアントからはSAPの製品知識だけでなく、SAPの営業との交渉を通じたコスト最適化を頼りにされ、契約をいただけることもありました。






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