はじめに
ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが、皆様のお悩みや一般的な疑問にお答えする連載企画。
今回は、「何歳までに転職すべき、という基準はありますか?」という相談者さんからのご相談です。
巷で噂される「35歳転職限界説」は本当なのか、何歳までならどこに転職できるのか。
キャリアデータを知り尽くすキャリアアナリスト佐賀が、率直にお答えします。
本コンテンツは、Podcastまたは記事のお好きな方法でお楽しみいただけます。
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本日のお便り
お世話になっております、ONE CAREER PLUSの佐賀です。
キャリアアナリストである私佐賀が、キャリアのお悩みに答えていくこの企画。
これまでONE CAREER PLUSに寄せられた相談や、一般的に皆さんが悩むであろうテーマを取り上げ、ラジオ形式で解決していく、シンプルなコーナーでございます。
さて、本日のお便りはこちら。
ラジオネーム「フラッシュ暗算」さんからのお便りです。
「佐賀さんこんにちは、フラッシュ暗算と言います。
地方国立大学を卒業後、地場の会計事務所に入社して、今年で2年目の25歳です。
特に大きな不満もなくやりがいを持って働いているのですが、一生今の会社にいる未来は見えません。
将来転職をするとしたら、いつまでに転職すべき、という基準はありますか?」
最近、こういったお悩みは増えている印象がございます。
今までは、
「この会社にいても年収が上がらない」
「現職での働き方がハードすぎる」
「新たにやりたいことができたが、今の会社では難しい」
などのように、転職活動を始める際には明確な課題感や悩みなどがある状態の方が多かったです。
一方で最近は、周囲で転職をする方々が増えているからか、
「現職に特に不満はないが、転職を考えておかなければいけないな」
などのように、明確な悩みがない状態でご相談にお越しになる方も増えています。
このような状態の方に対して、私は問題があるとは思っていません。
むしろ、「キャリアを現職だけではなく様々な会社の中で作っていく」という前提を持てている点で素晴らしいアクションだと思っています。
そのため、このようなご相談は大歓迎でございます。
何歳までなら未経験職種や他業界に転職できるの?
まず基本的な転職の考え方について説明します。
巷では「35歳転職限界説」などと言われることもありますが、何歳でも転職は可能です。
ただ、年齢やスキル、経験に応じて転職先は変わってきます。
相談者さんのように会計事務所というスペシャリティが明確な職種の場合、転職先を選ばないのであれば転職市場でのニーズは常にあります。
その上で、「〇〇への転職をしたいのであれば、△△歳までに検討や意思決定をしましょう」のように、転職先に合わせて基準となるタイミングについて話していこうと思います。
①未経験職種への転職は27,8歳までに
未経験職種への転職について説明します。
- 就職した会社でのキャリア形成を考えていたが、働き始めてそのイメージができなくなった
- 全く違う職種にキャリアチェンジできるチャンスを残しておきたい
これらの場合は、未経験職種への転職を検討することになると思いますが、節目になるのは27,8歳です。
この辺りの年齢を過ぎると、未経験職種への転職はハードルは徐々に上がっていきます。
要因としては、現場の受け入れの問題が考えられます。
一定の年齢を過ぎた方を未経験者として採用すると、前職での知識や経験などが頭の中にあるからこそ、会社側としては育成をしづらい部分があります。
また、年齢を重ねると新しいことや変化に対応することが難しくなってきます。
このような要因から、企業としては未経験者の採用は27,8歳を一つの基準に置いている場合が多いです。
実際に30歳前後の方を支援していた際、転職活動中に
「26,7歳なら採用したが、今のタイミングで未経験からのチャレンジだと、採用するのは難しい」
というフィードバックがエージェントにくることもありました。
そのため、27,8歳を基準に未経験職種への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
現在25歳のご相談者さんからすると、2,3年後までには現職の会計事務所や会計系の仕事をその後も中長期的に続けていくのか否か、の判断をしておくとよいと思います。
▼未経験からマーケターへの転職についての解説記事はこちら
②汎用性のあるスキルがあれば30歳でも他業界へ
そして、もう一つの基準は30歳です。
このタイミングで、マネジメントや営業などの業界問わず活用できる汎用性の高いスキルセットや経験を持っていれば、他業界への転職も可能になってきます。
一方で、30歳までに汎用性の高いスキルや経験を身につけていない場合は、他業界へのチャレンジは難しくなってきます。
そのため、「30歳までに年齢相応な経験を積み上げることができているか」という基準で、自身のスキルや経験を客観的に分析すると良いのではないでしょうか。
▼マネジメント・営業の経験を持った30代が他業界・他職種へ転職した事例
考え方は、転職も大学受験も同じ!?
年齢とそれに応じた経験やスキルを基準に、これまでお話させていただいたのですが、この考え方は多くの方がこれまで経験してきたであろうことにすごく近しいです。
それは大学受験です。
転職についての考え方は、大学受験と通ずる部分があります。
大学受験の際には、
「夏の模試の時点でB判定が取れなかったら、志望大学を変える」
「センター試験の〇週間前に、〇%取れていなかったら志望度を変える」
などのように、基準となる時期と数値を設定していたと思います。
この考え方と同じで、キャリアにおいても「いつまでに何ができていれば青信号か」という基準となる転職のタイミングを設けておくことで、目の前のキャリアに集中がしやすくなると思います。
この基準については、現職の業務内容や業界、職種などによって異なってくるものであるため、上司や外部のプロのエージェントに相談していただくとよいのではないでしょうか。
▼転職時期を検討したい方向けのキャリア面談はこちらから
さいごに
さあ、いかがでしたでしょうか。
このコーナーでは、皆様からのお便りを大募集しています。
詳細欄のURLの部分から、キャリアに関する疑問やお悩みをどしどしとお寄せください。
また、佐賀や他のキャリアアナリストと直接話してみたいという方は、無料のキャリア面談も受け付けております。
こちらもお気軽にご応募ください。
それでは、また次のラジオコーナーでお会いしましょう。
さようなら!