まもなくキャンプインを迎えるプロ野球。ルーキーや移籍した選手についての話題が多いが、それ以上に注目を集めるのがチームを率いる監督だ。今シーズンは相川亮二(DeNA)、池山隆寛(ヤクルト)、サブロー(ロッテ・本名は大村三郎)と3人の新監督が誕生しており、その発言は既に多く報道されている。近年ではチームを2年連続2位に浮上させた新庄剛志(日本ハム)もその言動や振る舞いが話題となることが多い。
ある意味チームの顔とも言える存在の監督だが、プロ野球球団を一つの企業として考えると、現場の最高責任者ではあるものの、補強などの決定権はゼネラル・マネージャー(GM)や編成部長などが担うのが一般的となっている。
そういう意味では経営者というよりも一部門の責任者という立場であり、管理職を担うビジネスパーソンにとってそのマネジメント手法は参考になる部分も多いのではないだろうか。
そこで今回は、プロ野球の監督の成功事例などから、管理職がマネジメントにおいて重要となるポイントと重なる部分を探ってみたいと思う。
管理職への第一歩:プレイヤーとしての実績という信頼
まずプロ野球の監督は当然その球団の数しか存在しておらず、選手出身者であっても誰しもがなれるものではない。まず重視されるのはやはり選手時代の実績だ。今シーズンプロ野球の12球団で指揮を執る監督の現役時代の通算成績などをまとめてみると、以下の表1のような結果となった。
現役時代の通算成績を見てもほとんどの選手が主力として十分な結果を残してきたことがよく分かるだろう。
超一流と言われる名球会入会の基準(2000本安打、200勝、250セーブのいずれか。日米通算も含む)についても阿部慎之助(巨人)、新井貴浩(広島)、小久保裕紀(ソフトバンク)の3人がクリアしており、藤川球児(阪神)と西口文也(西武)についてもそれに近い成績を残している(藤川は特例枠として名球会に入会)。
唯一レギュラーと言えるような成績を残していないのが三木肇(楽天)だが、それでも現役として13年間プレーしており、これはプロ野球選手の平均現役年数と言われる6~8年を大きく上回っており、そういう意味ではチームにとって必要な選手であったことは間違いないだろう。
なお、過去には選手としてわずか3シーズンしかプレーした実績がなかったものの、監督として通算20年間指揮を執り、阪急の黄金時代を築いた上田利治(元阪急・オリックス、日本ハム監督)のような例もあるが、近年就任する監督を見ても基本的には現役時代に実績がある人物ばかりである。
一般企業においても、管理職としてマネジメントを任されるためには、プレイヤーとしてしっかり結果を残す必要があるはずで、この点に関しては野球界とも共通している部分と言えそうだ。
成功の「十分条件」を探る:名選手が必ずしも名監督になれない理由
ただ、野球界には昔から『名選手、名監督にあらず』という格言があるように、現役時代に成績を残した人物が監督として必ずしも成功するというわけではない。
実際近年でも、現役時代に球団歴代最多となる通算2480安打を記録し、“ミスタードラゴンズ”と呼ばれた立浪和義(元・中日)が2022年から監督に就任したが、3年連続で最下位に沈んで退任するなど全く結果を残すことができなかった。
そういう意味では現役時代の実績というのは、監督になるうえでの必要条件ではあっても、成功するための十分条件ではないことは確かだろう。
では監督として結果を残している人物にはどんな共通点があるのだろうか。過去10年間にリーグ優勝を達成した11人の監督について経歴などを表2にまとめた。
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