生成AIの普及が進み、クライアントの期待値も変化しつつあるコンサルティング業界。こうした転換期において、ファーム各社はどのように価値を定義し直しているのか。そこで働く人たちは何を考えてキャリアを描くべきなのか。
そのような疑問に答えるため、今回はコンサル業界に強い転職エージェントや業界関係者らに「2026年コンサル業界予測」と題したインタビューやアンケート調査を実施。前後編にわたって、「コンサルでのキャリアにおける今年の論点」を提示していく。
- Q1.2026年、コンサル業界の「注目ポイント」は何ですか?
- AIで価値提供の仕方が変わる「元年」に(Wayout Strategic Partners)
- 戦略は「大手の規模化と特化型ファームの台頭」。総合・ITは「実行支援への決定的なシフト」(プロフェッショナルエージェンツ)
- クライアントからの期待値が先鋭化・細分化されていく(外資系うさぎのちょこさん)
- Q2.2026年、最も「伸びる」領域・ファームはどこだと思いますか?
- 戦略は「AI案件の火消し」、総合は「伴走支援の加速・拡大」(Wayout Strategic Partners)
- 戦略は二極化。総合は「AIの実装・定着」と「圧倒的な専門性」(プロフェッショナルエージェンツ)
- リーズナブルな実行支援を各社が強化する(外資系うさぎのちょこさん)
- Q3.2026年、コンサル業界でレイオフは起きると思いますか?
- 日本では「考えにくい」(Wayout Strategic Partners)
- 日本国内においては「まず起きない」(プロフェッショナルエージェンツ)
- 日本では、当面は見られない(外資系うさぎのちょこさん)
- コンサルのキャリアについて、プロに相談する
Q1.2026年、コンサル業界の「注目ポイント」は何ですか?
AIで価値提供の仕方が変わる「元年」に(Wayout Strategic Partners)
2026年は、コンサルティングファームの価値提供の仕方が変わる「元年」になると予測されます。
象徴的だったのが、年明け早々にアクセンチュアが発表した、英国のAIスタートアップ「ファカルティ」の買収です。2025年は企業のAI導入をファームが支援するという側面が大きかったですが、今年はファーム側もAIを活用した「一気通貫のアウトプット」を生み出し、クライアントに貢献することが求められます。
ただ、AIが台頭してもコンサルタントに求められる最低限のスキル(リサーチ、ドキュメンテーション)は残ります。こうした「基本OS」を鍛えつつ、トレンドを踏まえた動きが求職者にとっては重要となるでしょう。
(参考)アクセンチュア、英新興ファカルティ買収 AI技術をコンサルに活用 - 日本経済新聞
戦略は「大手の規模化と特化型ファームの台頭」。総合・ITは「実行支援への決定的なシフト」(プロフェッショナルエージェンツ)
【戦略領域:大手の規模化と特化型ファームの台頭】
戦略領域では現在、「大手ファームのさらなる規模化」と「領域特化型ファームの台頭」という二極化が進んでいます。かつての大手戦略ファームは、「最上流で経営の絵を描くこと」に強みを持っていましたが、現在ではそれだけではクライアントの期待に応えきれなくなっています。純粋な経営戦略にとどまらず、AIをはじめとした最新テクノロジーを掛け合わせた事業戦略の立案や、実行フェーズまで踏み込んだ組織改革・変革支援が強く求められるようになっているためです。
こうした幅広いニーズに対応するには、多様な専門性を持つ人材を内部に抱える必要があり、その結果として大手ファームの規模化は一層加速しています。
一方で、領域特化型ファームの存在感も急速に高まっています。コンサルティング活用が日本企業に浸透するにつれ、クライアントは複数のコンサルティング会社と並行してプロジェクトを進め、比較検討を行うようになりました。その結果、単なるブランド力ではなく、費用対効果や明確な強みがより厳しく問われるようになっています。
こうした環境下では、高い専門性や分かりやすい差別化軸を持つファームが選ばれやすくなります。そのため、BDD(ビジネス・デューデリジェンス)やAI×新規事業といった機能軸、あるいはスポーツ、エンタメ、金融といった業界軸で独自性を打ち出すファームが増えているのです。
【総合・IT領域:「実行支援」への決定的なシフト】
総合・IT領域では、「実行支援」へのシフトがさらに決定的なものになります 。近年、ベイカレント・コンサルティングに代表されるような「現場密着型」のモデルが急成長していますが、これは非常に象徴的な動きです 。彼らは文字通り現場の課題をクライアントと一緒に整理し、泥臭く解決していくスタイルで結果を出しています 。
戦略ファームが言う実行支援は、プロジェクトが実行段階に入った後も「参謀」として支援を続けるニュアンスが強いですが、今伸びている総合ファームの実行支援は、文字通り「実行そのもの」を現場で肩代わりすることを指しています 。これに対抗してBig4などの大手総合ファームも実行支援領域をさらに強化しており、採用ボリュームと競争が激化しています 。
併せて、AIの台頭に伴うDXやセキュリティ、リスク、組織変革といったプロジェクトがかつてない盛り上がりを見せています 。
クライアントからの期待値が先鋭化・細分化されていく(外資系うさぎのちょこさん)
ただでさえコンサル経験者が転職市場に溢れている中、生成系AIで調査や分析だけでなく資料作成も一定担えるようになりました。これまでコンサルを起用していたような課題解決も「これくらいなら自社で対応できる」というクライアントが増えてくるはずです。
そのような環境のなかでは、クライアントのニーズは複雑化する課題の中でも「ここは自社だけではできない」という領域に集中していきます。コンサル側は「自分たちにしか出せない価値とは何なのか」を常に考え、クライアントに強く訴求していかなくてはなりません。
今後さらに生成系AIの機能が高度化していくことも想定し、コンサルがやるべきこと、クライアントがやるべきこと、そしてAIに任せるべきこと、まで含め、課題解決の在り方をアップデートしていく。これが2026年のコンサル業界の大きな課題となるはずです。
Q2.2026年、最も「伸びる」領域・ファームはどこだと思いますか?
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