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【入社後】キャリア形成の秘訣。コンサルタントとして活躍するために|コンサル転職:完全攻略ロードマップNo.7

ONE CAREER PLUSがコンサル転職に必要な知識・ノウハウを丸ごと解説するシリーズ「コンサル転職:完全攻略ロードマップ」No.1~No.6では業界理解・仕事理解から実践的な選考対策まで解説してきました。


コンサルティングファームへの転職を果たした後、真の勝負はむしろこれからです。業界の門を叩いた多くの人材が、入社後にどのように活躍し、評価され、キャリアを形成していくのか。特に中途入社の場合、最初の1年間での見極め期間をいかに乗り越え、組織内での「レピュテーション」を確立するかが重要なポイントとなります。


シリーズ最終回となる本記事では、コンサル転職を成功させた後のキャリア形成について、クチコミデータをもとに解説します。転職してからが本当の意味での挑戦の始まりと考え、戦略的にキャリアを築くための道標としてご活用ください。


目次



成功するコンサルタントの共通項 - 評価される要素とは


評価される資質・働き方・姿勢


コンサルティングファームでは多くの場合、各役職に求められる役割が明確にされており、評価制度においても「どのような要件を満たせば、次のランクにキャリアアップできるのか」が明文化されていることが多いです。(※役職ごとの期待役割の詳細はこちらから)


そのため、高い評価を受けるには早い段階から、上の等級で求められる役割を意識して動くことが重要と言えます。ロジカルシンキングやプレゼンテーション能力といった技術的スキルはもちろん、特定の働き方や姿勢も高く評価されます。ONE CAREER PLUSの独自調査によると、ファーム別に見ると、以下のような特徴があります。


<アクセンチュア:詳細はこちら

二方面への働きかけが重要です。キャリア面での上司にあたるPeople Leadに自分の業績や実績を的確に伝えることが必須であり、さらに上の階層からの推薦を得ることが昇進には欠かせません。同時に、プロジェクト側からも高い評価を得るために、現場の上司との密なコミュニケーションを取る必要があります。


<PwCコンサルティング:詳細はこちら

シニアアソシエイトまでは納期を守り、フィードバックに迅速に対応するという基本的な姿勢が重視されます。マネージャー以上になると、チームのパフォーマンスを引き出すリーダーシップやクライアントとの関係構築能力が評価の中心となります。


<デロイト トーマツ コンサルティング:詳細はこちら

デロイトでは、メンバー層であれば任されたタスクを正確かつ精度高くこなすことが求められます。次のグレードを見据えた行動ができると高評価につながり、定型業務だけでなく、骨子からの資料作成や論点設定など、抽象度の高い業務に積極的に取り組む姿勢が評価されます。


<マッキンゼー:詳細はこちら

プロジェクトを問わず一貫して高いパフォーマンスを出せることが重要です。「スポンサー」と呼ばれる自分を優先的にプロジェクトに引き入れてくれる関係値のあるパートナーの存在が、キャリア形成において大きな影響を持ちます。高い評価を継続して得るには、地頭の良さに加え、マッキンゼーのコンサルタントとしての基準値を常に体現するスタンスが求められます。


ファームごとに微妙な差異はあるものの、求められる姿勢として以下の点はどのファームにおいても共通していることがわかりました。


▼アナリスト〜コンサルタントクラス(メンバー)

プロジェクトワークの中で、確実にプロジェクトの上位者のメンバーや、クライアントから信頼を獲得することが重要です。そのためには、ロジカルシンキングやプレゼンテーション能力といった基本的な技術スキルを早期に身につけましょう。


また、ファームごとの評価制度をみていると、「メンターなど自身の評価者となる人」「自身をプロジェクトの引き立ててくれる人」といった上位者との関係構築も重要であることがわかります。


▼マネージャー以上

マネージャー、シニアマネージャー以上、特に営業力が求められるように、売上予算が目標として課されるケースも多くなります。

そのため、クライアントの経営陣に対してのリレーション構築力など、メンバー層ではあまり求められない「営業力」や「コミュニケーション力」でより顕著に差がつくようになります。




中途入社後、理想的なキャリアアップパターンとは


中途入社の場合、多くのファームでは最初の1年が「見極め期間」となります。この期間内にいかに自分の価値を示し、良いレピュテーションを構築するかがその後のキャリアを左右します。


特に各ファームが拡大基調にある近年では、新卒ではジュニア期間(マネージャー未満)で実質的にはほとんど「out」がない一方、中途ではより厳しい評価が行われる傾向があります。


中途ならではの強みにあぐらをかくのではなく、まずはコンサルの基本動作を身に着けることに注力し、その上で自分の専門性を活かすアプローチが成功への鍵と言えるでしょう。


中途コンサルタントの活躍パターンのモデルケースは以下の通りです。ご自身のキャラプランの参考にしてみてください。

1. アナリスト期(入社~3年): コンサルならではの考え方や仕事の仕方への順応に苦戦するも、3年程度でアソシエイト相当の役職に昇進

2. アソシエイト相当期(3~5年): 出身業界が所属するファームにとって人材が手薄な領域であれば、アソシエイトのランクながら提案活動に積極的に参画し、平均より早いペースでマネージャーに昇進

3. マネージャー期(5~7年): 特定のクライアントとの強固な関係を構築でき、自分起点の売上が立つようになると、約3年弱でシニア職に昇進






クチコミデータからみる、オンボーディングの実態


コンサルティングファームの入社後の支援体制は、転職成功の重要な要素です。クチコミデータから見える各社のオンボーディング・研修制度の特徴を見ていきましょう。


中途は数週間程度の研修+OJTでキャッチアップが基本


コンサル業界のオンボーディングは総じて手厚い傾向にありますが、会社や部署によって支援の質や量にはばらつきがあります。特に中途入社の場合、即戦力として現場に投入されることも少なくありません。


多くのコンサルティングファームでは、新卒採用者には長期間かつ体系的な研修を提供する一方、中途採用者には比較的短期間の研修を実施する傾向が見られます。


例えばデロイト トーマツ コンサルティングでは、新卒向けに「ブートキャンプ」と呼ばれる2〜3ヶ月の研修期間が設けられていますが、中途入社者は1〜2週間程度の研修にとどまっています


新卒入社に対しては極めて丁寧な研修プログラムが用意されている。全社を挙げて研修に取り組んでいる印象。中途社員に対しては1週間程度の研修に留まるため、研修後の1stアサインでどのように立ち回り、どうスキルを高めるかが重要(デロイト トーマツ コンサルティング/2017年新卒入社)


他のファームでも、外資系を中心に体系的な研修後は現場での「OJT」が中心である旨のクチコミが多くみられました。ExcelやPowerPointでの資料作成や、ロジカルシンキングといった基礎スキルは最初の研修の後に、自らプロジェクトの中でキャッチアップする必要があると言えそうです。


様々なユニットに同期がいることが大きかった。研修では最低限の知識だけ学ぶ形になっており、OJT中心の職場のため、同期と毎日連絡をとり、助け合っていた。(KPMGコンサルティング/2019年中途入社)


必要最低限の事務的なオンボーディング支援は行われているものの、コンサルタントとしての基礎スキルのインプットといった研修的なサポートはほとんど行われていない点は残念に感じる。特に他業界からの転職組に対しては、より手厚い支援が行われるべきと考える(EYストラテジー・アンド・コンサルティング/2019年中途入社)


オンボーディングについてはしっかりしていると思いますが、丁寧に教えてくれるわけではないのである程度のキャッチアップは大事。(マッキンゼー/2015年中途入社)




月単位の研修期間を設ける、研修が手厚いファームも


数は多くありませんでしたが、中途社員に対して他社と比較して長期間の研修を設けてるファームもいくつか見受けられました。


1か月程度研修期間を用意していただいたため、その期間に経費申請等の雑務含め処理方法を学ぶ機会とすることができ、助かった。(PwCコンサルティング/2020年中途入社)


・1か月の研修が準備されている ・OJT期間中は実際のPJTにアサインされて、チームメンバー(マネージャー以外も含めて)から様々なFBをもらえる(A.T. カーニー/2019年中途入社)


なお、アビームコンサルティングのでは比較的長期の研修を提供しているだけでなく、アサイン待ちの社員に対するスキルアップ体制があるなど手厚いサポート体制があるようです。


中途社員であっても研修期間が約一か月あり、同業他社よりも長い(アビームコンサルティング/2020年中途入社)


人を育てる文化があり、研修がとても充実している。PJが閑散期およびアベイラブル(アサイン待ち)時にスキルアップする体制が充実している。(アビームコンサルティング/2019年中途入社)




入社後のキャリアサポート:多くのファームがメンター制度を導入


多くのファームでは、メンター制度やバディ制度、カウンセラー制度など、新入社員をサポートする仕組みが充実しています。

これらの制度は、業務上の悩みだけでなく、キャリア形成や職場環境への適応をスムーズにする上で重要な役割を果たしています。


同じような職階の人が自分の面倒見役としてアサインされる「バディ」や、目上の職階の人がキャリアの相談役等を担当してくれる「カウンセラー」がアサインされる。それぞれが開いてくれるランチ会は会社の人を知るためには良い機会だった。(EYストラテジー・アンド・コンサルティング/2021年中途入社)


若手の育成に非常に注力しており、入社前からメンターが相談に乗ってくれるなど手厚い体制。また、メンターが半年近くついて手取り足取りサポートしてくれるため外資系のドライなイメージを全く感じさせない。(ローランド・ベルガー/2021年中途入社)






活躍のカギを握る - クチコミデータから見えるリアルな現場


実際にコンサルティングファームで働いている社員のクチコミから、入社後に直面する現実と成功のヒントを探ります。


コンサル転職者が「入社前に知っておきたかったこと」とは?


コンサルティングファームへの転職後に感じるギャップについて、クチコミデータを分析すると、いくつかの共通点が浮かび上がります。


まず、特に多くあげられた声は「プロジェクトのポートフォリオ」「アサインの仕組み」「実際に入社したらどんなプロジェクトに配属されるのかを事前に確認すればよかった」といった、プロジェクトアサインに関する話でした。中には「入社前に想定していた希望の仕事ができなかった」という旨の声もいくつかみられました。


プロジェクト毎に働き方は全く違うので、その点は考慮しておく必要がある。ずっとホワイトな働き方をしたい人には向いていないと思う。(アクセンチュア/2021年入社)


案件のポートフォリオ・アサインの仕組み。私自身はStrategyにアサインとなったので良かったが、現在は半分以上がシステム関連のプロジェクトにアサインされるイメージ。一度システム関連のプロジェクトに入るとなかなか出れないので、その辺りのリスクは入社前に知っておいた方が良いと思う。(デロイト トーマツ コンサルティング/2015年入社)


また「基礎スキルの重要性」も多く挙げられており、特にExcelやPowerPointなどの基本的なスキルが想像以上に重要であること、そしてそれらを高速で使いこなすレベルが求められることへの驚きが語られています。


EXCEL知識としてVLOOKは勿論、他機能を使いこなすことがアサイン後は求められている。(研修で扱ったもの以上を求められることもある)(アクセンチュア/2024年入社)


ビジネスマンとしての基本的なWord、Excel、PPTなどはできることが前提なので、苦手であれば入社前にしっかりと準備する必要性を感じた。(アクセンチュア/2022年入社)


資料作成等基礎的なスキルは自身で勉強しておけばよかったなと入社後感じました。(ベイカレント・コンサルティング/2021年入社)


事前に色々基礎スキルを身につける努力をしておけば良かったと思う。入ってからのキャッチアップでも対応出来なくはないが、精神衛生上良くない。(デロイト トーマツ コンサルティング/2020年入社)




入社前に覚悟すべきこと:プロフェッショナルとして常に学び続ける覚悟


コンサルティングファームへの転職を検討する際に、あらかじめ覚悟しておくべきポイントも明らかになりました。


「常に学び続ける覚悟」は最も重要です。コンサル業界では、新しい分野や業界について短期間で学び、それを価値として提供することが求められます。経験のない業界や専門分野に関わることも多く、常に新しい知識を吸収し続ける必要があります。


未経験で中途入社すると、プロジェクトを選ぶ立場には全くないこと。 ただ、自身の自己研鑽によっては道は開ける。(ベイカレント/2023年入社)


人によっては、業務時間がどのくらいになるのか?自己研鑽も含めてどのくらい時間があるのかは確認することをおすすめします(特に未経験者)(ドリームインキュベータ/2016年入社)


自分でスキルを高めていかないと仕事がもらえない環境のため、日々勉強していく環必要がある点。与えられるのではなく、とにかく自分で学習していく必要があることを認識しておく。自分の強みがあればある程、仕事を与えられる印象。(PwCコンサルティング/2020入社)






コンサルキャリアの先にある可能性 - 多様化するキャリアパス



ポストコンサルのキャリアパスの実態


コンサルティングファームでの経験は、その後のキャリアにどのような影響を与えるのでしょうか。キャリアパスの実態と活用法を見ていきます。コンサルティングファームからの主なキャリアパスとしては、以下のようなパターンが一般的です。


<戦略コンサルタントからのキャリアパス:詳細はこちら


  • 事業会社(経営企画・事業企画)
  • 投資ファンド(PE・VC)
  • スタートアップ(創業・参画)
  • 他コンサルティングファーム


総合コンサルタントからのキャリアパス:詳細はこちら


  • 他の総合コンサルティングファーム
  • 戦略コンサルティングファーム
  • 事業会社(企画職)
  • 外資系IT企業
  • メガベンチャー、スタートアップ


<ITコンサルタントからのキャリアパス:詳細はこちら

  • 総合コンサルティングファーム
  • 戦略コンサルティングファーム
  • ベンチャー・スタートアップ(SaaS系)
  • 日系大手企業
  • SIer


特に総合コンサルタントからのキャリアパスでは、「同じ職種で会社を変えていく」傾向が見られます。コンサルタント業界は「Up or Out」と言われており、昇進するか、それができない場合は退職を選ぶという文化があります。


マネージャー以上の役職になると「自分で契約をとってくる必要がある」ため、専門的な領域やクライアントとの関係から案件を創出する力、営業力が求められます。そのため、マネージャーになるまでに専門領域を築くことができないと、パフォーマンスを発揮することが難しくなります。




コンサル経験者は市場から、どう見られるのか?


コンサルティングファームでの経験は、その後のキャリアにおいてさまざまな形で活かされます。主に以下のような点でコンサル経験が他社でも通用するスキルとして評価されています。


  • 論理的思考力と問題解決能力:コンサルティングファームで培った構造化された思考法や課題解決アプローチは、どのような業界・職種でも高く評価されます。
  • プレゼンテーション・コミュニケーション能力:クライアントへの提案やチーム内でのコミュニケーションで鍛えられたスキルは、事業会社でも重宝されます。
  • 業界・業務知識の幅広さ:多様なプロジェクトを通じて得た知見は、事業会社の企画職などで特に価値を発揮します。
  • プロジェクトマネジメント経験:複数のステークホルダーを巻き込みながらプロジェクトを進める経験は、事業会社でのマネジメント職に直結します。
  • ネットワーク:コンサルティングファームで構築した人脈やクライアント関係は、キャリアチェンジ後も貴重な資産となります。




先輩の事例から、ポストコンサルについて考える:「辞めコン」実例集

ここまでお伝えした通り、コンサルキャリアを考える上でポストコンサルの選択肢のイメージを持っておくことも欠かせません。


コンサルティングファームを経験した人はその後、どのようなキャリアパスを辿っているのでしょうか?ONE CAREER PLUSでは、実際にコンサルを卒業した社会人のキャリアの軌跡をインタビューしました。ご自身のキャリアを描く参考にしてください。


<コンサル間の転職>



<事業会社への転職>



<起業・独立>






まとめ:コンサル転職後のキャリア戦略


コンサルティングファームへの転職を果たした後、真の勝負はむしろ入社してからが始まります。最初の1年間で確固たるレピュテーションを築き、その後の昇進やキャリア形成につなげることが重要です。


ファームごとに評価基準や研修制度、サポート体制は異なりますが、共通して求められるのは「自ら学び続けること」は非常に重要です。特に中途入社の場合は、前職での経験や専門性を活かしつつも、コンサルタントとしての基本動作をしっかりと身につけることが成功の鍵となります。


また、コンサル経験はその後のキャリアにおいても大きな武器となります。戦略コンサルタント、ITコンサルタント、総合コンサルタントなど、職種によって進むキャリアパスは若干異なりますが、いずれも事業会社の企画職、スタートアップ、投資ファンドなど多様な選択肢が広がっています。


コンサルティングファームでの経験を最大限に活かすためには、入社後から出口戦略も意識したキャリア形成を心がけることが大切です。自分が今後どのような方向に進みたいのかを見据えながら、専門性を築き、人脈を広げ、実績を積み重ねていきましょう。



【コンサル転職:完全攻略ロードマップ、他の記事はこちら】






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