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【1,000件超の転職事例から分析】コンサルに入社できる人の特徴|コンサル転職:完全攻略ロードマップNo.4

ONE CAREER PLUSがコンサル転職に必要な知識・ノウハウを丸ごと解説するシリーズ「コンサル転職:完全攻略ロードマップ」第4回となる本記事では、コンサル転職を検討している方に向けてコンサルタントに求められる基本的な資質をご紹介します。さらに、ONE CAREER PLUSに集まる1,000件以上の転職体験談データをもとに、転職しやすい業界・経験をご紹介します。


近年、コンサル業界の採用枠拡大やスキル多様化により、これまで以上に多様な経歴を持つ人材にチャンスが広がっています。あなたのバックグラウンドはコンサル転職で活かせるのか?可能性を探っていきましょう。


目次



コンサルタントとして成功するために必要な4つの資質


コンサルタントという職業は究極のジェネラリストと言われますが、多くのコンサルティングファームでは、どのような資質を持った人材が求められているのでしょうか。コンサルに求められる資質は大きく4つのカテゴリーに分類できます。


1. マインドセット:困難を楽しめる強靭な精神力


コンサルタントとして成功するためには、強靭なマインドセットが不可欠です。特に以下の3つの要素が重要とされています。


レジリエンス(困難への適応力)

  • どのような条件下でも同じパフォーマンスを発揮できる能力
  • フィードバックを浴びることを喜び、落ち込まない姿勢
  •  過酷な労働時間や人間関係、複雑な仕事内容を楽しめる適応力

オーナーシップ

  • 誰もがやりたがらない必要な仕事を率先して拾える姿勢
  • 成長や成果を人任せにせず、自ら積極的にコーチングを求める主体性

停滞を恐れる気持ち

  • 常に成長を求められる環境に適応できる姿勢
  • 自身やチームメンバーの停滞を許さない探究心


コンサルタントには「コンサルに入れば成長できそう」という受け身な姿勢ではなく、常に上からも下からもプレッシャーを感じる環境に適応できる強さが求められます。




2. 思考力:迅速に問題の本質を捉える分析力


コンサルタントの核となるスキルが思考力です。以下の要素が特に重視されます。


理解する力

  • 業界や会社の構造、問題発生の背景など複雑な情報を即座に理解する能力
  • 必要な情報全てが説明されることはほとんどないため、「1聞いて10理解できる」感性

問いを立てる力・解く力

  • 考えうる仮説や解決策を網羅的に検討する力
  • 膨大な選択肢から最適な解決策を選び出す判断力
  • 問題解決の最短ルートを構造化して整理する能力

リサーチ力・論理立てる力

  • 必要な情報を確実に入手するための調査能力と情報源の見極め
  • 収集した断片的な情報を一本の論理に統合する能力


これらの思考力を高めるには日常的なトレーニングが必要であり、コンサルティングファームは採用時にケース面接などを通じてこうした能力を厳しく評価します。




3. 対人力:相手の心を開かせる信頼構築能力


クライアントの課題を解決するためには、単に優れた解決策を提示するだけでは不十分です。その提案を実行に移してもらうための対人力が必要です。


誰にでも好かれる力

  • どんなに優れた提案でも、クライアントが聞く耳を持たなければ意味がない
  • クライアントからすると「コンサルが来ると仕事が増える」というマイナス面もあるため、協力を得られる人間性が重要

話を聞き出す力

  • 通常のヒアリングでは見えてこない潜在課題を引き出せる信頼関係構築能力
  • 成果を出してはじめて得られる信頼関係の構築力

空気を読む力

  • 社内では積極的に意見を述べつつ、クライアントとの議論では場の空気を読める二面性
  • 「○○さんだから話すけど…」と教えてもらった潜在課題の適切な扱い方


コンサルタントは「空気を読まない発言で信頼を地に落とす」リスクを常に意識する必要があります。クライアントとの信頼関係構築は成功の鍵を握っています。




4. 裏方力:他者の成功を自分のものとして喜べる謙虚さ


コンサルタントの仕事は、最終的にはクライアントの成果として表れます。そのため「裏方」としての姿勢が重要です。


人の成功のために努力できる力

  • クライアントの業績向上のために自分を削れる姿勢
  • 自分の名前で功績を残せないことに不満を持たない謙虚さ
  • クライアント第一を基本とし、自己のスキルアップも目的化しない価値観

自分より相手を優先する力

  • 自分が正しいと思う選択肢と異なる意思決定をクライアントがした場合でも、その決断を尊重できる姿勢
  • クライアントが非協力的だったり、スキルレベルが高くなかったりしても、価値提供を続けられる忍耐力


元コンサルタントの多くが「裏方力」の重要性を強調しており、特に転職を考える際は、こうした資質が自分に備わっているか、またこれを求められる環境で働くことにワクワクできるかを自問することが大切です。


コンサル業界の採用担当者によれば、「これらの必要条件を満たしており、かつ仕事においてこれらを求められることにワクワクを感じる人が、コンサルタントに向いている」とされています。自分の強みや弱みを客観的に分析し、コンサルとしてのキャリアが本当に合っているかを見極めることが重要です。






転職しやすい前職はあるのか?転職体験談分析


コンサル業界への転職において、どのような前職や経験があると有利になるのでしょうか。ONE CAREER PLUSに寄せられた転職体験談の分析から浮かび上がる実態をご紹介します。


コンサルに転職しやすい業界・経験まとめ


ONE CAREER PLUSに集まる、コンサル・シンクタンクへの転職体験談全1,170件のデータを詳細に見ていきましょう。



転職前の出身業界は、同業界であるコンサルが23.2%、IT・通信が20.9%、メーカーが19.1%、金融が15.9%、商社が4.7%、人材・教育が4.1%でした。同業界からの転職は全体の4分の1程度に止まり、IT・通信、金融、メーカーといった日系大手企業からの異業種からの転職事例が多く見受けられました。


また、転職時の社会人歴は3年未満が25.0%、3~5年が33.6%、5~10年が30.9%、10~15年が7.4%、15~20年2.1%となり、社会人歴5年以内の若手社会人の転職が半分以上を占めていることがわかります。


従来は経験者中心の業界と思われていましたが、このデータからもコンサル業界に未経験者や若手など多様な人が転職していることがわかるでしょう。注目の転職パターンである「未経験」「若手」「女性」の転職パターンについてもう少し詳しく見てみましょう。




注目の転職パターン(1)未経験(異業界)からの転職


未経験(異業界)からコンサルティングファームへの転職は、従来は難易度が高いとされてきましたが、近年はデジタル化の加速やコンサル業界の採用枠拡大により、チャンスが広がっています。


特にコンサルティングファームのクライアントとなる日系大手企業に在籍経験があり、特定の業界の深い知見があることや、日系大手ならではの社内の意思決定フローの仕組み等を理解していることが評価されるポイントのひとつとなっています。


年収変動を見ると、事業会社からコンサルへの転職では平均して20〜40%のアップが見られます。特に外資系戦略ファームへの転職では50%以上の年収アップも珍しくありません。


転職理由としては、「スキルアップと市場価値の向上」「キャリアの選択肢を広げたい」「成果に応じた評価を求める」という3点が多く挙げられています。


・年収を上げる為に転職活動を考えました。転職前企業の場合、次の昇進までの年次制限など、インターバルを長く感じた為、将来的なキャリアアップを目指しました。・転職前企業の組織経営に不透明さや将来性の不安を感じ、転職を視野に入れました。(エス・ビー・エスからアビームコンサルティングへ/社会人3~5年)


大和ハウスでの経験を通じて、建設業界やプロジェクト管理のスキルを身につけましたが、より幅広い業界や課題に取り組むことで自身の視野を広げたいという思いが強くなり、ベイカレントコンサルティングでは、戦略立案や業務改善、デジタル化推進など、多様なプロジェクトに関与することができるため、コンサルティングスキルを磨いていき、自身の市場価値をあげたいと思った。(大和ハウス工業からベイカレントへ/社会人3~5年)


法人営業から事業開発・企画へのキャリアチェンジを実現するにおいて、年収が下がらない(むしろ上がる)選択肢を検討した際、コンサルがベストと考えたため。(Sansanからアクセンチュアへ/社会人5~10年)


生命保険業界自体が斜陽産業であり、業界自体に限界を感じた点。人口減少や大手セカンドブランドの台頭など様々な背景があり、シェアを伸ばしていくことが難しいと感じた。また、東京海上Gのリソースを上手く活用できていない点に限界を感じたため。また、幅広い業務を経験したいという新たなモチベーションが見つかった点。保険業界はある意味狭い業界であり、経験出来る業務も限られているため、今後の自身の成長のために転職を決意した。(東京海上日動あんしん生命保険からベイカレントへ/社会人歴5~10年)




注目の転職パターン(2)第二新卒でコンサル


入社後数年以内の若手層である第二新卒のコンサル転職では、「将来のキャリアパスを広げたい」「早期からビジネススキルを磨きたい」という理由が多く見うけられました。


第二新卒であっても、コンサルタントに求められるロジカルシンキング・ロジカルコミュニケーションといった素養があれば十分に挑戦することが可能であるとわかります。


さらに年収面では、社会人歴3年未満でコンサルへ転職した人の転職体験談全293件のうち、約60%が「年収アップ」、約25%が「年収ステイ」と回答していました。経験の浅い若手であっても高い給与が得られるのが魅力と言えるでしょう。

さらに成果次第で年次を問わず評価されるコンサル業界の特性から、早期からのキャリアチェンジが将来的に大きなリターンをもたらす可能性があります。


会社としての将来性に不安があり、ロールモデルとなるような社員がいなかった。若手の時期をこの会社で消費することに不安を覚えた。穏やかで優しい方ばかりだったが、もっと前のめりに働きたいという気持ちが大きく、1年目に表彰を受けたことでできることはやり遂げたと感じたため。(三菱UFJニコスからアクセンチュアへ/社会人歴3年未満)


現職で、自分が望む成長ができないこと、また企業文化の良くない側面が自社の競争力を下げていることを感じたため。上記の悩みを、コンサル企業で働く友人に相談したところ、友人はそのような悩みを抱えておらず、コンサル企業を中心に転職活動をしようと思った。(富士通からKPMGコンサルティングへ/社会人歴3年未満)


第二新卒では、将来的なキャリア形成を見据えた転職が主流であることがわかります。「年功序列ではない評価制度」への期待が大きいことも特徴と言えるでしょう。




注目の転職パターン(3) 女性のコンサル転職


女性の採用強化というトレンドも見逃せません。コンサルティング業界は、女性にとっても魅力的なキャリアオプションとなっています。


近年、企業経営においてD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)が重視されるようになり、2016年には女性活躍推進に関する責務を定めた「女性活躍推進法」も施行されました。こうした社会背景からコンサル各社が、各社女性採用や女性リーダーの育成に力を入れています。


主要ファームの中でも、女性の採用比率や管理職比率の目標を公表している企業もあります。


ボストン コンサルティング グループ:
女性採用・育成強化を公式明言。世界全体で女性比率約4割。エグゼクティブ層女性比率3分の1。(参考:BCG Diversityページ

ベイン・アンド・カンパニー:
女性向け選考支援プログラムあり。公式数値目標あり。2025年までに新卒・中途合わせて女性採用比率50%を目標とする。(参考:ベイン公式D&I紹介ページ

デロイト トーマツ コンサルティング:
女性管理職比率向上計画あり。女性パートナー/MD比率10.6%、女性管理職比率23.7%を目標。(参考:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社における女性活躍推進の取り組みについて)

アビームコンサルティング:中途も含め女性比率向上を公式明言。2025年度までに女性社員比率30%以上目標。(参考:アビーム公式D&Iページ


女性であれば、こうした女性活躍の指標を確認したうえで、戦略的にファームを選ぶことでよりキャリアアップを目指しやすくなると言えます。




依然として多くある「横移動」経験者の転職パターン


コンサル経験者の転職内訳の4分の1は同業界からの転職であり、キャリアアップやより専門性の高い分野へのシフトを目的とした「横移動」も多くあることがわかります。


特に総合系ファームから戦略系ファーム、もしくは特定業界・テーマに特化したブティックファームへの転職が目立ちます。


年収面では、同じコンサル業界内の転職であっても20〜30%のアップが見られるケースが多く、特に外資系戦略ファームへの転職では40%以上の年収アップも珍しくありません


転職理由としては、「希望する案件に携わりたい」「特定業界・テーマに特化したい」「ワークライフバランスを改善したい」という3つが主流です。


自身の中で明確に挑戦したい業種ができた。現職ではその業種へのチャレンジ機会もなく、強みもない。このまま現職にいてはそのチャレンジどころか専門性も磨けないと思った。今後コンサルとしてその業種を選考していくことを見据え、その業種にチャレンジできる会社への転職を検討した(アビームコンサルティングからPwCコンサルティングへ/社会人歴5~10年)


・客先常駐での業務が多く、担当クライアントによって働き方が変わることを忌避したため。・自身が希望するクロスボーダーのプロジェクトのアサイン機会が少なかったため。(ベイカレントからアクセンチュアへ/社会人歴5~10年)


前職ではクライアント企業のDXを推進することを目的としたコンサルティング業務に従事していましたが、業務プロセスのコンサルティングがメインでしたので、より上流のマーケティング戦略立案を支援したいと思い、転職を決意しました。(ライズ・コンサルティング・グループからEYストラテジー・アンド・コンサルティングへ/社会人歴10~15年)


これらのクチコミからは、単なる年収アップだけでなく「仕事の質」を重視した転職の実態が浮かび上がります。

経験者からの転職では、これまでの実績とそれを通じて身につけたスキル・専門性が重要な評価ポイントになることが明らかです。




コンサル入社に学歴や資格は必要か?


最後に、コンサルティングファームへの入社において、学歴や資格はどの程度重要なのでしょうか。

従来、特に戦略ファームでは東京一工や早慶上位学部出身者が主流を占めていましたが、近年は「学歴の多様化」という顕著なトレンドが見られます。


戦略ファームでも旧帝大やMARCH上位層の採用が増えており、総合ファームではさらに幅広い大学出身者にチャンスが広がっています。「面接で高いパフォーマンスを出せれば内定する」という実力主義の傾向が強まっています。


資格については、特定の領域に特化したコンサルティングを行う場合を除き、必須とされるものは少ないと言えるでしょう。ただし、財務・会計コンサルティングでは公認会計士資格、ITコンサルティングではIT関連の資格が評価されるケースがあります。


重要なのは、資格そのものよりも「論理的思考力」「問題解決能力」「コミュニケーション力」といった基本的なスキルと、前職での具体的な実績です。特に経験者採用では「何を経験したか」「どのような価値を提供したか」が重視されます。






まとめ:


コンサルティングファームへの転職は、単なる「年収アップ」「ステータス」だけでなく、将来のキャリアオプションを広げるための戦略的選択であるということが、これらの分析から見えてきます。


特に近年は、多様なバックグラウンドを持つ人材にもチャンスが広がっており、自身の強みをどう活かせるかが転職成功のカギとなっています。


次回、「コンサル転職:完全攻略ロードマップNo.5」では実践編として、コンサル転職の流れを具体的に解説していきます。



【参考情報】

ONE CAREER PLUSの転職体験談

【図解】コンサルキャリアまるわかり講座 Section 4 コンサルタントに求められる資質

【分析】あの業界からなぜコンサル転職?:経験者の声600件超まとめ

【コンサル転職 2023予測】データから見えた「4つのトレンド」


【コンサル転職:完全攻略ロードマップ、他のシリーズはこちら】






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