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「頑張って会社に合わせると、ジョブホッパーになります」過剰適応とは

転職時の挨拶の定番といえば、こういったものだろう。


「本日付けで入社しました、◯◯と申します。慣れるまでご迷惑をおかけすることもありますが、精一杯頑張りますので、よろしくお願いいたします」


だが、この挨拶をする人は「ジョブホッパー」になりやすい。というのも、真面目に適応しようとする人ほど、ジョブホッパーになりやすいからだ。





ジョブホッパーへの誤解





あなたは、どんな人がジョブホッパーになりやすいと思うだろうか。偏見として良く聞くのは、こんな特徴である。


・飽きっぽく、一社に留まれない

・メンタルが弱く、すぐ体調不良になって辞める

・出世競争に負けたから社外に活路を求めた


かなりひどい書きぶりだが、X(旧Twitter)でジョブホッパーについての論調を見る限り、この偏見は強く残っている。


だが、私がこれまでに転職相談を聞いてきた経験から申し上げると、ジョブホッパーはこのどれにも当てはまらない人が多い。


飽きっぽい人はプロジェクトがコロコロ変わる仕事に転職すれば落ち着くし、メンタルが弱い人は働き方が柔軟な会社に転職して幸せをつかめる。出世競争に負けた人は、2社目で勝敗が確定するまで踏ん張ることが多い。


では、ジョブホッパーに共通する性質とは何か。答えは、「適応しようと頑張りすぎて、バーンアウトする人」である。



頑張りすぎてバーンアウト、38歳で11社目になった彼女


38歳の清水さん(仮名)は、これまでに11社を経験してきた。1社あたりの平均在籍期間は1.4年と、極端に短い。だが、これだけ転職を重ねられるのには理由があった。実は、清水さんは在籍した会社のいずれにおいても、素晴らしい成果を上げていたのだ。


個人情報なのでぼかして書くが、清水さんはこれまでに以下の実績を残してきた。


・現在、誰もが知っている製品のローンチを成功させる

・ある企業のIPOに売上面で大きく貢献する

・チームで1番の営業成績をあげる

・その会社で過去最高のトップライン(売上高)を記録する


とてつもなく優秀である。そして、高い成果を出すために、清水さんは死にものぐるいで努力する人だった。入社後半年は睡眠時間を削ってでも業界知識を深めた。成果を出している先輩の鞄持ちを率先して行い、できる人の振る舞いを模倣した。


クライアントに「ここまで弊社のことを考えてくれる人は、社内にもいない」と言わしめるほど研究したうえで、製品を売り込んだ。だから、彼女の職務経歴書は輝かしい。途中で外資系企業へ入り、TOEICの点数も500点台から890点まで伸ばした。


ただ……彼女は1年で燃え尽きてしまうのだ。ある日、体が動かなくなる。そして、会社へ行くのがしんどくなる。このままだと倒れる。あるいは、本当に倒れたこともある。


自律神経失調症、貧血、睡眠障害など、どれも疲労からくる症状に悩まされた。そして、このままだと本当に倒れてしまうと考え、休職する。休職期間に元気を取り戻してから転職活動を行い、次の職場へ……。といった調子で、彼女は立派なジョブホッパーになっていたのである。



ジョブホッパーを引き起こす「過剰適応」とは




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トイアンナ

P&G→LVMH→ライター・会社経営。得意分野は法人様の人事・採用インタビュー、キャリア記事。女性のキャリアと結婚を支援する婚活予備校「魔女のサバト」の主宰も。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、小説『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。 連絡先:http://werite.info/inquiry

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