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50件超のデータでわかる。SaaS注目企業とキャリアパス解説【トレンドテーマ別企業紹介シリーズ#05】

ONE CAREER PLUSがお送りする「トレンドテーマ別企業紹介シリーズ」第5回はSaaSです。かつてパッケージとして提供されてきたERPは、今次々とSaaSに塗り替えられています。コロナ禍におけるテレワーク拡大も相まって、急拡大してきたSaaS市場はどこに向かうのでしょうか?


ここでは、SaaSの現状とこれからの展望、またSaaS領域における注目企業をご紹介します。



目次



SaaSとは?





SaaS(Software as a Service)とは、クラウド上で提供されるソフトウェアやアプリケーションを指します。


かつて企業のERPなどのシステムは、SIerと呼ばれるシステムインテグレーションを一貫して行う事業者によって設計・開発・運用されてきました。しかし、こうしたパッケージ化されたシステムでは、ビジネスや市場の変化に伴って機能をアップデートすることが困難だったのです。


2000年代になってクラウドが登場すると、企業のシステムはオンプレミスからSaaSへと切り替わっていきました。日本でも「SaaS元年」と呼ばれた2018年あたりから急速に普及しはじめます。ガートナージャパンの調査によれば、2021年の日本企業のSaaS利用率は39%。大企業ではSaaSの導入が進む一方、中小企業ではSaaSの認知度、普及率はまだ伸び悩んでいるのが現状です。


SaaSは大きく「バーティカルSaaS」と「ホリゾンタルSaaS」に分けられます。前者は特定の業界・業種に特化した垂直方向に深掘りしていくSaaSであり、後者はビジネスチャットや会計、労務管理など、全業界・業種に水平方向に広がっていくSaaSです。



なぜSaaSが注目されているのか?


SaaSが注目されているのは、開発して提供するベンダーにとっても、製品を使用するユーザーにとっても低コストで扱いやすい点が挙げられます。


従来のパッケージ型ソフトウェアの場合、ベンダー側が顧客のニーズを理解したうえでシステムを開発・販売し、さらに保守運用し続けるのには多大なコストがかかりました。しかも、顧客企業がシステムを実際に導入し、使用を始めたあとに「こんなはずじゃなかった」と言われてもすぐに作り変えることは不可能でした。しかし、SaaSであれば、そうした悩みを一気に解決できます。


富士キメラ総研によると、国内SaaS市場規模は2022年に1.09兆円に達し、2023年には前年比13.7%増の1.24兆円になる見込みです。さらに国内SaaSスタートアップの資金調達額は2022年に2,063億円と過去最高を記録しました。近年の特徴として、バーティカルSaaSがホリゾンタルSaaSを上回る勢いで資金調達を実施しており、市場を牽引している点が挙げられます。



企業一覧&キャリアパターン解説





Sansan:「クラウド名刺管理」から「営業DXサービス」へ


#SaaS #DX

#名刺管理 #働き方改革 #マーケティング


■どんな事業内容?


・2007年設立、働き方を変えるDXサービスの企画や開発、提供。

・主軸サービスとして、営業DXサービス「Sansan」、名刺アプリ「Eight」、インボイス管理サービス「Bill one」、契約DXサービス「Contract One」。


■なぜ注目?


Sansanの強みは、名刺管理サービスにおいてマーケットシェアの81.6%を占め、10年連続シェアNo.1という不動の地位を確立していることです。一方で、2022年からSansanは、「クラウド名刺管理サービス」から「営業DXサービス」にプロダクトを刷新しました。顧客とのあらゆる接点を可視化することで、個人や組織の営業力強化とデータドリブンの実現を目指しています。


■この企業への転職事例は?





SmartHR:人事労務で圧倒的なシェアを誇る成長企業


#DX #人事労務

#SaaS #クラウド #大型資金調達


■どんな事業内容?


・2013年設立、労務業務の効率化に欠かせない、クラウド人事労務ソフトの企画や開発、運営、販売が主な事業。

・2023年10月には登録者数60,000社を突破し、労務管理クラウド分野では5年連続シェアNo.1。


■なぜ注目?


今後もSmartHRに注目が集まる理由は、日本の労働市場が直面する課題と同社が提供しようとしているソリューションが見事に合致しているからです。


また、SmartHRのARR(年間経常収益)はすでに100億円を突破しており、前述のようにSmartHRの労務管理市場におけるシェアは圧倒的です。一方、日本企業の労務管理市場でのクラウド浸透率はいまだ3.1%と推定されています。つまり、まだまだ市場の成長余地が高いことが伺えます。


■この企業への転職事例は?





ラクス:さらなる高みに挑戦し続けるベンチャー企業


#クラウド #SaaS

#バックオフィス #楽楽 #働きがい


■どんな事業内容?


・2000年に設立したラクスの事業内容は、大きく「クラウド事業」と「IT人材事業」。

・クラウド事業においては、経費精算や販売管理などのバックオフィス業務から顧客対応やフロントオフィス業務までさまざまなサービスを展開。


■なぜ注目?


ラクスはSaaS企業の中では2000年設立と、すでに20年にわたって実績を積み上げてきました。そのため、十分なリソースとノウハウがあり、収益性の高い主力プロダクトである「楽楽精算」にあぐらをかくことなく、新しいフェーズに向かってどんどん挑戦できる環境があるといえます。


■この企業への転職事例は?





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カミナシ:製造現場を変革するホリゾンタルSaaS


#SaaS #ホリゾンタル

#ノンデスクワーカー #製造現場 #ノーコード


■どんな事業内容?


・2016年設立、カミナシの主な顧客は日本全国の現場で働く約3,900万人のノンデスクワーカー。

・多様な現場のDXを推進するために「ホリゾンタルSaaS」のビジネスモデルを採用し、現場担当者が自社の業務フローに合わせてノーコードで簡単にアプリをカスタマイズできるように設計。


■なぜ注目?


注目されている背景には、多くのSaaSがデスクワークを前提にして作られているのに対し、カミナシはノンデスクワーカーの現場作業の課題解決を目指していることが挙げられます。日本の就業人口の58%はノンデスクワーカーによって占められています。つまり、カミナシが相手にするマーケットには、それだけ多くのポテンシャルがあるのです。


■この企業への転職事例は?




hacomono:フィットネス業界を根幹から変えるバーティカルSaaS


#SaaS #フィットネス

#バーティカル #ジム #予防医療


■どんな事業内容?


・2013年設立、ウェルネス・運動施設向けのオールインワン・マネジメントシステム「hacomono」を提供するバーティカルSaaS企業。

・デザイン性や使いやすいUI/UXがユーザーと店舗双方から高く評価され、ルネサンスやコナミスポーツ、スポーツクラブNASなど大手のフィットネス企業にも導入。


■なぜ注目?


hacomonoはバーティカルSaaS企業ですが、決してニッチな領域にアプローチしている訳ではありません。テクノロジーでフィットネス業界に切り込むことにより、生活圏に魅力あふれる店舗を増やし、社会全体に彩りと笑顔を増やそうとしています。そうした取り組みが評価され、2023年12月時点で契約店舗数は5,000店舗に達し、毎月50~100店舗のペースで導入数が増加しています。


■この企業への転職事例は?




サイボウズ:圧倒的なシェア率を誇る、国内SaaS企業の先駆者


#SaaS #チームワーク

#グループウェア #kintone #多様な働き方


■どんな事業内容?


・1997年設立、グループウェアの開発、販売、運用。チームワーク強化メソッドの開発、販売、提供を事業内容とする。

・主力製品は「kintone」「サイボウズOffice」「Garoon」「メールワイズ」など。


■なぜ注目?


国内SaaS企業の先駆者ともいうべき企業であり、導入企業は「kintone」が約30,000社、「サイボウズOffice」が70,000社以上、「Garoon」が約7,000社、「メールワイズ」が約13,000社に上ります。国内で圧倒的なシェアを誇り、アジアやアメリカにも海外展開しています。


■この企業への転職事例は?




Appier Group:台湾発のAIで顧客課題を解決するSaaS企業


#SaaS #台湾

#海外展開 #マーケティング #AI


■どんな事業内容?


・2012年台湾で設立、AIを活用して顧客のマーケティング課題を解決するSaaS企業。

・BtoC企業を対象に「AIでROIを向上させる」ことをミッションに掲げ、専門知識がなくても誰でも簡単にAIを使えるサービスを提供することを目指す。


■なぜ注目?


2014年にアジア地域からグローバル展開をスタートし、現在では欧米も含め世界17都市に拠点を持ち、1400社以上の企業のDXをサポートしています。2021年に東証マザーズ上場、2022年には東証プライム市場に移行した、成長企業です。



freee:スモールビジネスの本質的価値を追求するSaaS企業


#SaaS #スモールビジネス

#プラットフォーム #ユニコーン企業 #クラウドERP


■どんな事業内容?


・2012年設立、従業員数は連結会社も含めて1,299人(2023年6月末時点)。

・「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに、統合型経営プラットフォームを開発・提供し、だれもが自由に経営できるビジネス環境の創出を目指す。


■なぜ注目?


freeeは未上場で時価総額1,000億円を超えるユニコーン企業として上場し、その後も成長を続けています。freeeの独自性は大企業のバックオフィス業務を効率化することではなく、スモールビジネスをしている人たちが輝ける世界を作りたいと、ユーザーにとっての「マジ価値(本質的な価値)」を追求するカルチャーも特徴的です。


■この企業への転職事例は?




弁護士ドットコム:企業の法務サービスDXを推進


#SaaS #弁護士

#クラウドサイン #DX #税理士ドットコム


■どんな事業内容?


2005年に設立。事業内容はポータルサイトである「弁護士ドットコム」「税理士ドットコム」の開発、運営、Web完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」などの法務サービスの開発、運営。


■なぜ注目?


コロナ禍もあり、2020年以降導入が進んだ「クラウドサイン」。単なる電子契約サービスではなく、契約プロセス全体を革新的に変化させるDXの基盤づくりとして注目されています。


■この企業への転職事例は?




プレイド:SaaSでCXを最大化する


#SaaS #CX #プラットフォーム

#デジタル広告 #デジタルマーケティング


■どんな事業内容?


・2011年設立。ミッションは「データによって人の価値を最大化する」。

・CXプラットフォーム「KARTE」などの開発運営。KARTEはエンドユーザーの行動をユーザー単位でリアルタイムに解析し、それぞれによって最適な体験を提供するSaaS。


■なぜ注目?


現在のデジタルマーケティングにおいてCXに注力するべきことはいうまでもありません。プレイドは「KARTE」を主軸としつつ、2022年にはデジタル広告領域向けの「KARTE Signals」、行動データを分析して顧客サポートを行う「KARTE RightSupport」もリリースし、より精緻なサービスを提供しています。


■この企業への転職事例は?




Chatwork:ビジネスチャットで圧倒的なシェアと存在感


#SaaS #ビジネスチャット

#アジャイル #コミュニケーション #電話


■どんな事業内容?


・2004年設立、国内最大級のビジネスチャット「Chatwork」を軸に複数のサービスを開発、提供。

・「Chatwork」の導入者数は約40万社で、ビジネスチャット市場では圧倒的なシェア。


■なぜ注目?


2019年にマザーズ上場時、従業員は107名でしたが、2023年3月には379人に。3年で約3倍に増加させるために「アジャイル型採用手法」を導入。エンジニア人材の取り合い環境でも

スピーディーに高い開発力を維持しています。


■この企業への転職事例は?




まとめ





SaaS企業が生み出すプロダクトには、ほかにもまだまだ魅力的なものがたくさんあります。今後も企業規模や業界に関わりなく、SaaSの導入はますます進むでしょう。それが確実だと思えるのは、SaaSがどこまでも顧客視点でデザインされているからです。オンプレミス型のシステムと異なり、サブスクリプションで提供されるSaaSの導入の壁は低く、顧客のニーズに合わせてアップデート、カスタマイズが自由にできます。


プロダクトは異なれども、SaaSで成し遂げられるのは効率化や自動化です。SaaSは今後も日本社会の労働人口の減少や高齢化という課題に対するソリューションを提供していくことでしょう。

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