優秀な人材が集まり、高い報酬と多様なキャリアパスが魅力のコンサルティング業界。中でもBIG4(デロイト トーマツ、PwC、EY、KPMG)は、グローバルでの高い知名度と幅広い案件経験から、多くの転職希望者が目指す人気企業群です。
本記事では、ONE CAREER PLUSに集まる転職データと体験談をもとに、BIG4への転職動向や選考対策について詳しく解説します。
1. BIG4への転職難易度は高い
BIG4への転職は、市場での高い人気と求められる人材要件の高さから、転職難易度は高いと言えます。
BIG4の4社はコンサル業界の中でも、知名度やブランド力が高いファームです。実際に就職市場においては、東大・京大生の人気企業ランキングコンサル部門において、BIG4全社が上位10位内にランクインしており(*)、優秀層から厚い人気を誇る企業と言って差し支えないでしょう。転職市場における人気度も、同様に高いことが考えられます。
また、学歴、社歴、資格などで応募時に制限をかけている会社はありませんが、ONE CAREER PLUSの転職体験談を見ると、実際にBIG4へ転職する人のボリュームゾーンは「アクセンチュアやBIG4といったTierの近いコンサルファームの在籍者」または「業界大手企業で経験を積んだ20代半ば〜30代前半の人材」となっています。
もちろん、転職難易度は各社の採用状況や時期といった変数によっても異なりますが、BIG4への転職のハードルは高いと考えてよいでしょう。
(*)「ワンキャリア就活人気企業ランキング【東大・京大編】26卒本選考期速報」を発表 | ONE CAREER
2. BIG4の最新の採用動向
BIG4各社の最新の採用動向について見てみましょう。ONE CAREER PLUSの独自調査によると、2025年現在、BIG4各社ではシニアコンサルタント(シニアアソシエイト、コンサルタント)クラスでの採用が中心となっています。
BIG4各社、新卒採用で優秀な人材が確保できていることから、現在はある程度特定の業回で社会人経験を積んでて、入社後すぐにプロジェクトワークを一人前にこなせるポテンシャルの人材を積極的に採用しているようです。
3. BIG4の選考情報と対策
3-1.選考プロセス
ここからは、BIG4への中途入社を考える人へ、選考や転職に関する情報をお届けします。ONE CAREER PLUSに集まった700件超えのBIG4の選考データによると、BIG4の選考プロセスは一般的に以下のようなフローで進みます。
3-2.面接の詳細
面接は、基本的に1対1または1対2の形式で行われることが多いです。
面接官は主にマネージャークラスやシニアマネージャーが担当し、実際に配属される可能性のある部署の担当者が面接を行うケースが見られます。最近は中途入社の面接官も増えているようです。また、デロイトの1次面接は約30分程度と短い時間で行われるようです。
<面接での質問>
BIG4の面接では、主に以下のような質問が共通して聞かれる傾向がありました。
- 志望動機・転職理由:なぜコンサル業界なのか、なぜその企業なのかという点が深掘りされます
- 職務経歴の詳細:これまでの経験や成果、担当業務について具体的な質問があります
- 自己PR・強み:自分の強みやそれを活かせる理由について説明を求められます
- ケース面接:多くの場合、簡単なケース面接やフェルミ推定が出題されます
<面接の雰囲気>
全体的に、BIG4の面接はカジュアルで和やかな雰囲気で行われることが多いようです。「カジュアルな雰囲気です」「カジュアルで話しやすかった」といった声が多く見受けられます。ただし、質問自体は鋭く、日常に近い会話の中で、論理的思考力や問題解決能力を見極めようとする傾向があります。
3-3. 選考対策のポイント
BIG4の選考体験談をまとめると、面接を突破するためには、以下のポイントが重要であることがわかりました。
- 職務経験の棚卸し:自分の経験を整理し、論理的に説明できるようにする
- 志望動機の明確化:なぜコンサルタントになりたいのか、コンサルの中でもなぜその企業を選んだのかを論理的に説明でいるようにする
- ケース面接対策:フェルミ推定やケース面接の基本的な対策を行う
面接での質疑応答で、論理的なコミュニケーションができるかはしっかりみられているので頻出の面接質問やケース面接・フェルミ推定は必ず対策しましょう。
▼各社の面接で対策必須の質問はこちら
▼ケース面接の対策はこちら
4. そもそもBIG4とは?
「コンサルBIG4」とは、世界4大監査法人グループが展開するコンサルティングファームを指します。具体的には以下の4社です。
- デロイト トーマツ コンサルティング
- PwCコンサルティング
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- KPMGコンサルティング
これらのファームは元々、会計監査を主な業務としていましたが、時代とともに企業の多様なニーズに応えるべく、コンサルティングサービスへと事業領域を拡大してきました。
現在では戦略、IT、組織・人事、業務、財務など幅広い分野でのプロフェッショナルサービスを提供する「総合コンサルティングファーム」として位置づけられています。BIG4の特徴は、戦略立案から実行支援まで一つのファーム内でワンストップでサービスを提供できる点にあります。
5. BIG4の仕事内容
先述の通りBIG4は、総合コンサルとして、戦略、IT、組織・人事、業務、財務など多様なサービスラインを持っています。そのため、入社後どのような仕事を行うかは入るプロジェクトによって全く異なります。
ただ多くの場合、サービス(解決する課題)×インダストリー(特定の業界)で組織が構成されており、配属が決まると、その領域で自らの専門性を高める形となります。
例えば、デロイトの組織は以下のように、Industry(業界)とOffering(課題)のマトリクスで構成されています。
(参考)【事業会社とコンサルファーム】成長したいならどっちを選ぶ?DTCコンサルタントから紐解く成長論
▼コンサルティングの具体的な仕事の進め方・仕事内容を詳しく知りたい方はこちら
6. BIG4への転職で求められるスキル・資格
6-1. 求められるスキル
BIG4の選考体験談を分析すると、選考では以下のようなスキルがあるかどうかを見極められているようです。
- 論理的思考力:複雑な問題を整理し、解決策を導き出す能力
- コミュニケーション能力:クライアントや社内メンバーとの円滑なコミュニケーション能力
- 問題解決能力:ビジネス上の課題を特定し、解決策を提案・実行する能力
- プロジェクトマネジメントスキル:複数のタスクを同時に進行させる能力
- 分析力:データを収集・分析し、ビジネス上の洞察を得る能力
▼コンサルタントに求められるスキルについて詳しく知りたい方はこちら
6-2. 資格
BIG4への転職において、資格や英語力は入口時点ではマスト要件ではありません。(一部ポジションによっては異なる場合があります。)ただし、MBA、公認会計士の資格や高い英語力(TOEIC800以上)を持っている場合はそれが高く評価されるケースもあります。
7. BIG4への転職体験談・転職事例
実際にBIG4へ転職した方々の体験談をいくつか紹介します。BIG4各社での仕事内容の大差はないため、コンサル未経験からBIG4へ転職する場合は、カルチャーや年収、各ファームが得意とする領域などの観点で4社の中でどのファームを選ぶか最終的に決める人が多くなります。
コサル経験者の場合であれば、「年収を上げたい」「現在のファームでは経験できない、特定の領域・テーマのプロジェクトに挑戦したい」などの理由での転職が多く見受けられました。
<デロイトへの転職事例>
様々な種類のプロジェクトにおいて短期間でハイレベルなキャッチアップを求められる環境としてコンサルタントを志望し、その中でもグローバルで年収水準の高いデロイト社を選んだ。真面目でハードワークな方が多い印象もあり、厳しい環境の中で成長したいという想いがあった。(20代女性/組織・人事コンサルタント)
<PwCへの転職事例>
コンサルタントとして成長するためには、まずは大きなファームに入り新卒と同じプログラムを受け、基礎力を磨くことが必要と考えた。そのため新卒が多く入るBig4とアクセンチュア、その中でもセキュリティ案件が多いPwCとアクセンチュアが最も自分のキャリアアップに繋がるとの方針を立てた。(20代男性/セキュリティコンサルタント)
<KPMGへの転職事例>
厳しいコンサルティング業界で自分が生き残っていけることを重視し、人柄や社風に注目していた。KPMGコンサルティングは、人柄が良いという話を説明会、面接官、転職エージェント、インターネットから判断した。
(30代男性/戦略コンサルタント)
<EYSCへの転職事例>
ONE CAREER PLUSのご紹介
ONE CAREER PLUSは「次のキャリアが見える」転職サイトです。これまで可視化されていなかったキャリアに関するクチコミデータが25,000件以上掲載されています。
どの企業からどの企業へ転職したのかという転職体験談や、転職の面接で実際に聞かれた質問がわかる選考体験談、企業ごとの年収や福利厚生に関するクチコミなど、転職時の情報収集から面接対策までONE CAREER PLUSだけで行うことができます。