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コンサルの離職率が高いのはなぜ?やめる人の理由とネクストキャリアとは

コンサルティングファームは、若手ハイクラス層にとって魅力的なキャリアの一つですが、一方で「離職率が高い」「勤続年数が短い」といった声も聞かれます。ハードワークのイメージが強いコンサル業界ですが、実際に働く人々はどのような理由で転職を決意するのでしょうか。また、コンサルタントとしての経験はその後のキャリアにどう活かされるのでしょうか。


本記事では、ワンキャリア転職に集まった職データや、実際の転職者の声をもとに、コンサルタントが転職を選ぶリアルな理由と、その後のキャリアパス「ポストコンサル」の実態を徹底解説します。


目次



1. なぜコンサルは「離職率が高い」「勤続年数が短い」と言われるのか?


1-1. 離職率が高い背景には「”Up or Out”文化」が関係している


コンサル業界が「離職率が高い」と言われる背景には、特有のカルチャーや働き方が関係しています。


その一つが「Up or Out」と呼ばれる文化です。これは、昇進(Up)し続けるか、それができなければ退職(Out)を選ぶという考え方を指します。


1-2. コンサル業界からの離職はポジティブな選択が多い


実際、総合コンサルティングファームで働くマネジャークラスからは「マネジャー以上の役職では、自分で契約をとってくる必要がある」といった声も聞かれ、役職が上がるにつれて営業力や案件を創出する力が求められるようになります。こうした環境下で、昇進の見込みが薄いと感じた際に、新たなキャリアを模索するケースは少なくありません



定められた期間内での昇進の見込みが薄く、更に様々な負荷の大きいプロジェクトを短期間でかわるがわる経験することにより専門性が確立できないことにリスクを感じた。腰を据えて、業務外の自己研鑽も含めて専門性をつけるためにじっくりと仕事がしたかった。”(ボストン コンサルティング グループ→野村證券)


また、昇進を重ねることで管理業務が増え、現場のプロジェクトに専念したいという思いや、事業会社に携わりたいなどの思いから転職を選ぶ人もいます。このように、コンサル業界からの離職は、必ずしもネガティブな理由だけでなく、自身のキャリアプランに基づいたポジティブな選択である場合も多いのが実情です。


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2.【リアル】コンサルタントが語る“離職の本音”とは


では、コンサルタントは具体的にどのような理由で転職を決意するのでしょうか。ワンキャリア転職のクチコミデータから見えてきた主な理由を解説します。


2-1. キャリアアップ志向(事業会社・スタートアップ・独立等)


最も多く見られたのが、自身のキャリアやスキル成長を目的としたポジティブな転職理由です。コンサルタントとして培ったスキルを活かし、より専門性を深めたい、事業の当事者として深く関与したい、といった動機が中心です。



・SE、ITコンサルタントの経験を通じてテクノロジー領域の専門性は曲がりなりにもエッジがついたと思い、今後のキャリアとして業務の専門性に特化したビジネスコンサルタントの経験を積み、業務×ITの専門性を兼ね備えたゼネラリストコンサルタントとしてクライアントの幅広い課題の解決に対応できる人材に成長したいと考えたため。(アクセンチュア→PwCコンサルティング)



折角数々のインフラプロジェクト案件、物流領域での事業SXに関わったのだから、事業会社でそれを統括する立場になりたかったことが理由。(KPMGコンサルティング→日立製作所)




2-2. 激務・ワークライフバランスの難しさ


次に多いのが、ワークライフバランスの改善を求める声です。コンサル業界特有のハードワークから、自身のライフスタイルに合った働き方を求めて転職するケースも少なくありません。



前職は社風マッチしており、大好きな先輩や同期もたくさんいました。しかし、以下の理由で転職を考えました。
・不運にも私は炎上案件にアサインとなり、残業80h〜100hで休日は寝ているだけの生活となった。当時独身でこのような生活続くのもどうかと感じた。(ベイン・アンド・カンパニー→Ubie)



ハードワーク過多にすっかり参ってしまい、報酬が高いこともあってストレス解消のため金銭感覚が狂ってしまった。M&A関連のスキルはしっかりと身に着けたので、自分の慣れた環境に戻り生活を整えるべく転職を決意した。(KPMG FAS→日本生命保険相互会社)




2-3. 専門性/仕事内容や企業文化とのミスマッチ


希望する専門領域の案件に携われなかったり、入社前に聞いていた業務内容とのギャップを感じたりすることも、転職の引き金となります。



新卒で入社したが、業務内容がSIerのそれと大差がなかった。もとよりIT志望ではなく、入社時にもその意向を伝えていたがIT案件しかアサインされず、PJ変更の希望も通らなかった。

またPJも基本激務でプライベートな時間がなく、IT以外の知識をインプットする余裕がなかったため、自身のキャリアが狭まっていくことを感じた。(アクセンチュア→アビームコンサルティング)



戦略チームに配属されたにもかかわらず、DX推進における構想策定や、政策形成・戦略構築のためのリサーチ業務など、本来の戦略コンサルティングから離れた案件ばかりに関わるようになり、成長性や部署の将来性に不安を感じたため。戦略コンサル出身のメンバーも他社に転職していき、自分自身も他社に行ったほうがより成長できると感じました。(KPMGコンサルティング→デロイト トーマツ コンサルティング)


また、企業のカルチャーが自身の価値観と合わないと感じ、よりフィットする環境を求めて転職する人もいます。



知識欲が高く短期間でPJを大量にこなす働き方、それを良しとするカルチャーが自分に合わないと感じた。

一つの会社にしっかりと寄り添い、長い目で会社のあるべき姿、事業ポートフォリオ、戦略を考える仕事がしたいと思い、今までのコンサル経験を活かすためにも事業会社の戦略企画部門への転職を決断した。ちょうど自分自身の疲労もピークにあり、バーンアウトが近いと思っていた。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング→ニトリ)




2-4. “UP or OUT”文化の今 ― クチコミで分かる最新動向


前述の「Up or Out」文化は、コンサルタントのキャリアに大きな影響を与えています。昇進できないことが直接の解雇につながるわけではないものの、周囲が昇格していく中でプレッシャーを感じ、自ら退職を選ぶケースが見られます。



忙しく案件をこなしながら営業や組織貢献等もしないと昇進ができず、自分自身の働き方ややりたいこととのズレを強く感じたから。

元々、PPPやコンセッションなどのインフラ事業のビジネスサイドでの経験を積むためにコンサルタントになっており一時的なキャリアチェンジであったため、自分が本来長く続けたいと思う仕事に戻ることにした。(PwCコンサルティング→三菱重工業)




2-5.「3年で辞める」は本当?年次・役職の傾向


社会人歴3年未満の若手層では、スキルの早期習得や幅広い経験を求める傾向が強く見られます。


一方で、社会人3〜5年目になると、キャリアの方向性が明確になり、より自身の専門性を高められる環境や、事業への関与を求める声が増えてきます。この時期は、コンサルタントとしての基礎体力がつき、次のキャリアを具体的に考え始めるタイミングと言えるでしょう。






3. コンサル業界からの転職者は“市場価値が高い”


コンサル業界からの転職が多い背景には、そこで得られるスキルの市場価値の高さがあります。


コンサルティングファームでは、問題解決能力、戦略立案力、論理的思考力、プロジェクトマネジメント力といったポータブルスキルが徹底的に鍛えられます。企業からは「即戦力」「経営人材候補」として高く評価される傾向にあり、経営層に近い仕事に携わる機会も多くなります。


そのため、コンサルで培ったスキルは、多様なフィールドで活かされています。例えば、大手事業会社の経営企画や新規事業開発職は、代表的な転職パターンの一つです。また近年では、スタートアップへの転職も注目されています。経営層での参画から、メンバー層まで様々な職種で活躍しています。


▼コンサルからのネクストキャリアについて詳しく知りたい方はこちら




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