野村総合研究所(NRI)への転職、特に第二新卒での挑戦は可能か、難易度はどの程度か、気になる方は多いでしょう。国内トップクラスのシンクタンク・コンサルティングファームであるNRIは、優秀な人材が集まることでも知られています。
本記事では、ワンキャリア転職に寄せられた現役社員や元社員の豊富なクチコミ、公式の採用情報をもとに、NRIの第二新卒転職の実態を徹底解説します。事業内容やカルチャーから、具体的な選考フロー、面接対策、入社後のリアルな働き方、年収水準まで、データに基づいて詳しくご紹介しますので、転職活動の参考にしてください。
1. NRIってどんな会社?第二新卒が知るべき特徴まとめ
野村総合研究所(NRI)は、コンサルティングサービスとITソリューションを両輪で提供する企業です。 売り上げの多くをシステム部隊が占めていますが、経営コンサルティング部隊も存在します。金融業界をはじめ、様々な業界の日本を代表する企業を顧客に持ち、社会インフラを支える大規模なシステム開発に強みを持っています。
若手の働き方やカルチャーについては、論理性を重んじる風土が特徴です。年次に関わらず論理的に妥当性があれば意見が受け入れられる一方で、感情論や論理の破綻は通用しない、良い意味での実力主義な側面があります。
社員からは以下のような声が寄せられています。
責任感のある社員が多く、なんとしてでもやり抜くプロフェッショナル性があります。事業内容的にも緊急対応や長時間勤務することがしばしばあるのですが、それを苦とする社員はほとんど見ませんでした。(新卒入社/アプリケーションエンジニア)
また、部署によって文化が大きく異なるとの声も多く、IT部門とコンサル部門は「別会社と思った方がよい」という意見も見られます。
2. NRIに第二新卒で転職できる?
結論として、NRIに第二新卒で転職することは可能です。NRIでは中途採用を積極的に行っており、経験者だけでなくポテンシャル重視の採用も行っています。
2025年12月時点の公式採用情報によると、経営コンサルタント職で「職務経験期間6ヶ月以上3年未満対象」の募集があり、これは第二新卒を対象とした枠と考えられます。
【募集要項(経営コンサルタント)】
応募締切: 2026年1月6日12:00
入社日: 2026年5月1日
職務内容:
・企業や官公庁等に対する経営戦略・事業戦略・新規事業立案、海外進出支援、DX、および各種戦略の実行
・実現を支援するコンサルティング業務
登録資格:
・応募時点で、職務経験が6ヶ月以上3年未満の方(コンサル経験の有無は問いません)
・2026年5月1日に入社可能な方
・下記の選考日に参加可能な方
1次面接(2026年1月24日or1月25日、オンライン)
2次面接・グループディスカッション(2026年1月31日or 2月1日、オンライン)
3次面接~(2026年2月中下旬の平日夜、対面1回・オンライン2回)
勤務地: 東京都
(出典:【若手採用】経営コンサルタント)
また、ワンキャリア転職に寄せられた転職体験談からも、実際に第二新卒でNRIに転職している事例が複数確認できます。
前職業界・職種の例:
これらの事例から、業界や職種を問わず、第二新卒での転職が実現していることが分かります。
(参考)NRI career
3. NRIの第二新卒の転職難易度は?
NRI(野村総合研究所)への第二新卒での転職難易度は「高い」と言えます。
なぜNRIへの入社が狭き門となるのか、その主な理由は以下の3点に集約されます。
- 高い論理的思考力の要求:面接の場では、回答に対して「なぜそう考えたのか?」「具体的にはどういうことか?」といった容赦のない深掘りが行われます。表面的な回答ではなく、本質を突いた論理性が求められるため、徹底した思考の準備が必要です。
- 優秀な人材との競争:NRIは非常に人気のある企業であり、応募者の多くは地頭が良く、高いポテンシャルを持った人材ばかりです。ハイレベルなライバルたちとの競争を勝ち抜く必要がある点も、難易度を高める要因となっています。
- 若手にも求められる「専門性」:第二新卒という若手の区分であっても、単なるポテンシャル採用ではありません。前職で培った一定の実務経験や専門スキルがしっかりと評価対象となるため、即戦力に近い素養を示す必要があります。
このようにハードルは高いのが現実で、事前準備が転職成功の鍵をにぎります。
4. NRIの(第二新卒転職の)選考フローと通過のポイント
選考フロー
公式採用情報によると、選考は以下のプロセスで進みます。
1. 書類選考
2. 面接 (複数回)
3. 筆記試験
4. 適性検査
5. 内定
選考体験談の分析によると、面接は3回程度行われることが多いようです。
面接でよく聞かれる質問
ワンキャリア転職に集まる選考体験談をみると、面接では、オーソドックスな質問に対して「なぜ?」を繰り返す厳しい深掘りが行われるのが特徴です。
- 経歴・自己PRの深掘り: これまでの業務経験や苦労した経験、自身の強みや不足しているスキルについて、具体的なエピソードを交えて詳細に質問されます。
- 志望動機・キャリア観の徹底確認: 「なぜコンサル業界か」「なぜNRIか」「競合ではなくNRIである理由」を徹底的に問われます。入社後のキャリアビジョンも明確に語る必要があります。
<実際に受けた人の声>
内定者からは、準備の徹底が何よりも重要だというアドバイスが寄せられています。
- 「Why NRI」の言語化: 企業研究を徹底し、なぜNRIでなければならないのかを自分の言葉で深く語れるように準備することが不可欠です。
- 自己分析の徹底: 厳しい深掘りに耐えられるよう、自己PRや志望動機は「当たり前のこと」を深く語れるレベルまで突き詰めておく必要があります。
- キャリアの一貫性の説明: 新卒時の就職活動から今回の転職に至るまで、思考が一貫しているかどうかが厳しく見られます。ロジカルに説明できるよう準備しましょう。
- 最終面接まで油断しない: 最終面接が意思確認の場とは限らず、矛盾があれば落ちる可能性もあるため、最後まで気を抜かずに臨むべきです。
Why コンサル、Why NRI、というところを突っ込んで聞かれます。NRIのコンサル事業の方はSI事業と異なりなかなか「評判」という形で見ることがないこともあり、しっかりと選考企業の理解を深めておくような事前準備をしておかないと受け答えが苦しくなります。”(2021年8月内定/ICTメディアコンサルティング部)
5. NRIで働く第二新卒のリアル
入社後の研修・フォロー制度
NRIでは中途入社者向けの研修が1週間ほど用意されており、企業のルーツや組織体制を学び、同期とのネットワークを築く機会があります。
しかし、複数のクチコミからは、新卒社員への手厚いフォローに比べ、中途入社者、特に若手の場合は現場でのOJTが中心となり、自らキャッチアップしていく姿勢が求められることがうかがえます。
新卒社員に対しては極めて面倒見が良い会社だが、中途社員には打ち解けるのが難しい会社であったと感じます。理由の一端としては、経営コンサルタントに占める高い新卒入社率が挙げられるかと思います。(中途入社/経営コンサルタント)
第二新卒社員のキャリアパス
若手であっても大規模なプロジェクトや難易度の高い仕事に携わる機会が多く、成長環境は整っているのがNRIの特徴です。 大規模プロジェクトマネジメントのスキルや、論理的思考力、プレゼン能力などが実践を通じて鍛えられます。
優秀な同僚に囲まれて働くことで市場価値が高まり、転職市場での選択肢も広がります。転職先としては、外資系コンサルティングファームや、事業会社のIT部門や企画職、ベンチャー企業などが挙げられます。
<NRIからの転職先の事例>
6. NRIへの第二新卒の転職後の年収
NRIの年収は業界水準でも高いことで知られていますが、第二新卒層の場合は新卒同様にメンバー等級からスタートし、年収は450万円程度となります。
それ以外の中途入社はアソシエイト〜エキスパート等級での入社が多いです。入社後にアソシエイトに昇格すれば年収は732万円程度、シニアアソシエイトに昇格すれば1000万円程度の年収も見込めます。
(出典)野村総合研究所(NRI)、平均年収は1,321万円!
評価制度については、年功序列の側面が強いと感じる社員がいる一方で、近年は成果主義への移行も見られ、降格や飛び級での昇格も実際にあるようです。
(参考)年収や評価制度、キャリア入社の事情については以下の記事でも詳しく解説しています。
7. NRIへの第二新卒の転職で注意すべきポイント
NRIへの転職を検討する際には、入社後のギャップを避けるため、いくつかの点に注意が必要です。ワンキャリア転職のクチコミからは、特に以下の3つのポイントが挙げられます。
1. ITコンサル部門でのイメージとの違い
最先端のDX案件を期待して入社したものの、実際にはレガシーシステムの維持保守業務が中心だったことにギャップを感じた、という声があります。
ITを活用して働く人を支える仕組み作りをしたいと考えた為。しかし、実際入社してみるとITが手段ではなく目的化していたと感じた。ITを使って仕事をするのではなく、「ITの仕事」をしていたという感覚。
既存システムの維持保守が8割であり、その維持保守とは過去の経緯の知識や経験値に大きく左右され、学生が思い描く「チャレンジング」とはまた異なるという事。(新卒入社/アプリケーションエンジニア)
2. 想像以上のハードワーク
給与水準が高い一方で、労働時間も長く、ハードワークであることは覚悟しておく必要があります。「一般的な会社の1.5倍働いて、1.3倍の給料を得る。そんなイメージ」というリアルな声も寄せられています。
3. 中途入社者の立ち位置
新卒入社の社員が多く、面倒見が良い文化がある反面、中途入社者は自ら積極的に動かないと人間関係の構築に苦労することがあるようです。
(同僚との関係性は)ほとんどない。新卒からいるメンバ同士はプライベートでのかかわりがあるみたいだが、中途社員はリモートということもありなかなかにプライベートの関わりはない状態。(中途入社/プロジェクトマネージャー)
これらのギャップを避けるためにも、面接の場などを活用し、配属予定の部署の具体的な業務内容、チームの雰囲気、働き方について詳細に確認することが重要と言えます。
_(11).jpg)




