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リモートワークはなぜJTCで消えたのか?「怠ける日本人」の裏にある現実

こんにちは、トイアンナです。


2025年4月時点で「リモートワークをまったく実施していない/実施予定はない」と回答した日本企業は22.6%。コロナ禍中 (2020年4月~2022年)から10ポイントも増加しました(※1)。リモートワーク完全廃止・縮小を進める企業も増えており、特に中小企業や地方企業での減少傾向が顕著です(※2)。


「コロナが終わったから当然でしょう?」と思われるかもしれません。しかし、ここには日本企業特有の構造的な問題が潜んでいるのです。今回は、なぜ日本でリモートワークが消えつつあるのか、その真の理由を探ってみましょう。


(※1)Gartner、日本企業におけるリモートワークの実施状況を発表

(※2)総務省「テレワークの普及状況及び 普及・定着に向けた取組方針」





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外資系企業の出社回帰は「人員削減」が真の目的


まず、アマゾンやアクセンチュアなど、米系の外資系企業でも出社回帰の流れがあったのは事実です。




しかし、日系企業と米系の外資系企業では、出社を求める理由が根本的に異なります。


まず、外資系IT企業での出社回帰は、「人員削減」の隠れた手法でもあります。コロナ禍でリモートワークを推進した外資系企業の多くは、同時にオフィススペースを大幅に縮小していました。結果として、「物理的に存在する座席数」よりも社員数の方が多い状況が生まれたのです。


ただし『リモートワークを撤回すれば何割が辞めるか』を概算できていれば、状況は変わります。もともとリモートワークが浸透していた外資系企業でわざわざ出社を促したのは、強制することで自己都合退職を促し、人員調整を行うというもくろみがあった……と、外資系企業で働いたことのある人ならば、誰でも考えたでしょう。


なお、外資でもコンサルティングファームやセールス(営業)では別の事情があるため、留意が必要です。リモートワークが制度上当然認められる外資であっても、クライアントワークで対面での説得が必要となりやすい職種であれば、リモートで成果を出せません。「成果を出すなら先方と対面会議はするものでしょう」となるのは、日系・外資を問わないのです。




JTCが直面した「怠ける社員」問題の正体


一方、JTC(=Japanese Traditional Company、伝統的な日本企業)の社員から筆者への相談で最も多かったのは「リモートワークを実施してみたところ、社員の中にリモートワークに適さない人材が多く見られたため、業務に支障が生じた」というものでした。


当時は「同僚が怠けている」「自分がうっかりサボってしまう」といった相談をよくいただいたものですが、話を詳しく聞くと、実は問題の根源は別のところにありました。それは、そもそも「成果で評価される制度がない」ことです。


JTCの一部企業では「手を抜いても、本気で取り組んでも同じ給与になる仕組み」が根強く残っています。名目上のKPIはあっても、それが努力や態度でひっくり返せる仕組みになっているのです。米系外資であれば、手を抜こうが本気で取り組もうが、数字で成果を出せば同じ年収をもらえます。極端な話、1日何時間かサボって寝ていても、数字さえ出せばとやかく言われにくい環境にあります。


しかし日本企業では、数字で成果を測定するより「態度」や「姿勢」が重視される傾向があります。つまり、「怠けている」こと自体が課題なのではなく、怠けている「態度」で評価する制度があるからこそ、業務へ向かう姿勢が課題になったのでした。




成果主義導入の落とし穴


「だったら、リモートワークが機能するよう、成果でKPIを設定すれば万事解決じゃないか」と思われるかもしれません。しかし、これもそう単純な話ではありません。


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トイアンナ

P&G→LVMH→ライター・会社経営。得意分野は法人様の人事・採用インタビュー、キャリア記事。女性のキャリアと結婚を支援する婚活予備校「魔女のサバト」の主宰も。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、小説『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。 連絡先:http://werite.info/inquiry

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