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外資IT営業の転職完全ガイド|仕事内容・年収・キャリアパス・必須スキルを解説

外資IT企業の中でも高収入な職種である営業職。ONE CAREER PLUSに多くのクチコミが寄せられており、人気であることがうかがえます。


本記事では、外資IT企業の営業職経験者の声や転職データをもとに、外資IT営業の仕事内容や職種、年収、求められるスキル、キャリアパスについて徹底解説します。転職活動の参考になれば幸いです。



目次





1. 外資系IT企業の営業職とは? 日系企業との違いは?


1-1. 外資系IT営業職の種類


外資系IT企業の営業職は、主に以下のような種類に分けられます。企業によって呼称や詳細な役割は異なりますが、基本的な職務内容は共通しています。




アカウントエグゼクティブ(AE)

顧客企業に直接訪問し、製品・サービスの提案や契約交渉を行う外勤営業です。企業によってはアカウントマネージャーとも呼びます。担当顧客(アカウント)に対して、自社製品・サービスを通じた課題解決を提案することが主な業務であり、高い売上目標が課されることが多いです。


特にエンタープライズ企業を担当するエンタープライズ アカウント エグゼクティブ(エンタープライズAE)は目標金額も高い分、収入も高くなります。



セールスデベロップメントレプレゼンタティブ(SDR)

顧客を訪問せずに内勤での営業活動を行う「インサイドセールス」の職種の1つです。SDRは問い合わせのあった見込み顧客への対応がメインです。イベントやWebコンテンツを通じて問い合わせてきた企業に対して、電話やメールでアプローチし、商談化してAEに引き継ぐ役割を担います。



ビジネスデベロップメントレプレゼンタティブ(BDR)

SDRと同じくインサイドセールスの一種ですが、アプローチ方法が異なります。SDRが問い合わせに対応する「反響型」なのに対し、BDRは「新規開拓型」とされ、自ら連絡を取りに行きます。戦略的に定めた対象企業に絞って提案活動を行うため、AEとタッグを組み二人三脚で提案内容や戦略を練ることもあります。



プリセールス

技術的な専門知識を活かし、AEと協力して顧客の課題解決のための技術提案を行うエンジニアです。AEと商談に向かうこともあります。ソリューションエンジニアとも呼ばれます。



カスタマーサクセス(CS)

製品・サービス購入後の顧客を支援し、解約防止や追加契約の促進を目指します。SaaS企業を中心に、サブスクリプションモデルが普及したことで、この数年で採用ニーズが高まっています。



セールスオペレーション

営業目標の達成のため、チームのパフォーマンスを最大化するための裏方。技術的なサポートや組織の効率化を行います。



1-2. 仕事内容の特徴


外資IT企業の営業職の仕事内容は、職種によって異なりますが、共通する特徴として以下が挙げられます。


成果主義

年功序列型が多い日系企業に対して、外資ITの営業職は成果主義です。例えばセールスフォース・ジャパンの昇格やインセンティブの決定は基本的にKPI達成率に基づいており、KPI達成率以外の要素はほとんど評価の対象にはなりません。


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高い裁量権

ONE CAREER PLUSに投稿されたクチコミを見ると、多くの外資IT企業では、成果さえ出せば働き方や時間の使い方に関しては自由度が高いようです。



時間、場所はまったく選ばない。KPIを達成していれば、働き方は快適そのもの(セールスフォース・ジャパンの法人営業


チームでの連携

一人で全てを担当するのではなく、外資ITではAE、BDR、プリセールス、CSと異なる役割を持つメンバーが連携してプロジェクトを進行させます。

セールスフォース・ジャパンに投稿されたクチコミを見てもチームワークを重視していることがうかがえます。



事業拡大に伴い社員数を猛スピードで増やしていることから、新しい人が入ってくる体制・研修が出来上がっている。「一人で勝つな、一人で負けるな」と言われており、何事も共有する文化がある(インサイドセールス・内勤営業/女性





2. 外資ITの営業職は年収2000万円? 年収情報と報酬体系を解説


外資IT企業の営業職は高年収が期待できると言われていますが、実際はどうなのでしょうか。ここでは、職種別の年収相場や報酬体系の特徴について解説します。


2-1.高年収が期待できる職種は?


外資IT企業の営業職の年収は、職種によって大きく異なります。管理職を除いた場合、高年収が期待できるのは、インセンティブが高額になりやすいAEです。年収相場は800万〜1,500万円程度とされ、エンタープライズAEになると2,000万円以上も可能です。


2-2.報酬体系の特徴


外資IT企業の営業職の報酬体系には、いくつかの特徴があります。


OTE(On-Target Earnings)方式

多くの外資IT企業では、目標達成率が100%の際の理論年収(OTE)で雇用契約を行います。基本給(固定給)とインセンティブ(変動給)の比率は、企業や職種、支給時の成績によって異なりますが、以下のクチコミのように営業職はインセンティブの金額が年収に大きく影響を与えます。



営業の給与は60%が基本給、40%がインセンティブとなります。インセンティブは自分の数字目標への達成度で決まります。ただコロナの様な社会情勢が厳しいタイミングではインセンティブが2倍でるケースなどもあり、非常に給与面は充実しております。また昇給などもしっかり見込めるため、給与への納得度は高いです(セールスフォース・ジャパン/法人営業/新卒



インセンティブにより結構年収が変動する。担当している領域によってもインセンティブの取りやすさが変わってくると思う(日本IBM/法人営業/中途



アクセラレーター

多くの企業では、目標達成率に応じてインセンティブが支払われ、特に目標を超えた場合には通常よりもインセンティブの支給割合が高くなります。


この仕組みはアクセラレーターと呼ばれ、大幅な収入増につながることもあります。高い成果を出したハイパフォーマーほど、年収も高くなるといえるでしょう。



株式報酬(RSU・ストックオプション)

Googleなどの大手テック企業では、基本給と業績賞与に加えて株式報酬(RSUなど)が付与されることも多く、これが総報酬の重要な部分を占めることがあります。


これらの特徴をまとめると、外資ITの営業職の年収は主に「固定給+インセンティブ+株式報酬」の3つで構成されます。年収2000万円を狙うなら、高額なインセンティブが狙えるエンタープライズAEを目指すのがよいでしょう。


ただし、いきなりエンタープライズAEの職種で外資IT企業に転職するのはハードルが高いです。別職種で入社して、エンタープライズAEへのキャリアアップを狙うなど、中長期でのキャリア設計が必要でしょう。





3. 転職体験談から分かる外資ITの営業職のキャリアパス


では、ONE CAREER PLUSに寄せられた転職体験談をもとに、実際にどのようなキャリアパスで外資IT企業の営業職に転職しているのか、代表的なパターンを紹介します。


3-1.日系企業→外資ITのインサイドセールス


外資ITのインサイドセールスは、外資ITの営業職の中でも未経験から入社しているケースが多いです。転職前の職種もインサイドセールスだけではなく、法人営業や個人営業、数は少ないですが非営業職もあり、幅広いです。


日系企業から外資ITの営業職を目指すなら、まずはインサイドセールスとして入社し、社内でAEに昇進するか、他の外資IT企業にAEとして転職するといったキャリアチェンジが考えられます。


▼転職体験談



日系IT企業の法人営業→外資ITのAE


日系企業の中でもIT業界で法人営業として働いていた場合は経験や知見をそのまま生かしやすいため、外資ITのAEに転職できる可能性も高まります。具体的には、SaaS企業やSIer、外資ITの製品・サービスを取り扱う代理店などが考えられます。


外資ITのAEは高い目標が設定されるため、前職で圧倒的な実績を残した結果などをアピールする必要が出てきます。


▼転職体験談



外資系非IT企業→外資ITの営業職


外資系企業のメーカーなどから外資ITに転職するケースです。「グローバル環境での経験を活かしつつ、より成長産業であるIT業界でキャリアを築きたい」といった理由での転職などがあります。企業側としても外資のカルチャーを理解しているという点で、採用しやすいメリットがあります。


▼転職体験談

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4. 外資IT営業に求められる人物像・スキル


4-1. 必須スキルや経験


外資IT企業の営業職に転職する際、求められる主なスキルや経験は以下の通りです。


目標達成意欲と実績

設定されたKPIに対する達成率が重視されるため、高い目標達成意欲と過去の営業実績が重要視されます。


顧客理解力と提案力

顧客のビジネス課題を深く理解し、最適なソリューションを提案する能力が不可欠です。特にIT製品の場合、技術的な理解と顧客のビジネス課題を結びつける力が求められます。


コミュニケーション能力と交渉力

顧客との良好な関係構築や、価格交渉を有利に進めるための高いコミュニケーション能力と交渉力が重要です。


自己管理能力と主体性

外資IT企業では個人の裁量が大きい反面、自律的に行動し成果を出すことが求められます。


製品・技術への理解

販売する製品やサービスに関する深い理解は必須です。特にプリセールスやソリューションエンジニアでは、より専門的な技術知識が求められます。


学習意欲と適応力

テクノロジーの進化が速いIT業界では、新しい知識やスキルを素早く習得し、変化に適応できる能力が重視されます。



4-2. 英語力は必要?


外資IT企業の営業職における英語力の必要性は、職種や企業、ポジションによって異なります。


日本国内の顧客を担当する営業職では、日常業務で英語を使う機会は限定的な場合が多いです。特に入社時点での英語力は必ずしも必須条件ではないケースが多いようです。


しかし、グローバルチームとの協働が多いポジションや、昇進を目指す場合には、より高いレベルの英語力が必要になります。企業によっても異なるので、自身のキャリアプランと照らし合わせて英語力を養う必要があります。



4-3. 転職でアピールできるポイント

外資IT企業の営業職への転職で評価されやすいポイントとして、以下が挙げられます。


数値で示せる営業実績

「売上を20%増加させた」「目標達成率120%を達成」など、具体的な数値で示せる営業実績は強力なアピールポイントになります。転職先でも再現性があることとセットでアピールしましょう。


業界知識やドメイン経験

特定の業界(金融、製造、小売など)での経験や知識は、その業界に強みを持つ営業チームで評価されます。


提案力とプレゼンテーションスキル

顧客のニーズを把握し、適切なソリューションを提案できる力や、分かりやすく説得力のあるプレゼンテーションスキルは、営業職において非常に重要です。





5. 外資IT営業で働くメリット・デメリット


外資IT企業の営業職で働くことには、さまざまなメリットとデメリットがあります。転職を検討する際は、これらをしっかりと理解し、自分のキャリア志向や価値観に合っているかを見極めることが重要です。


5-1.メリット


高い年収と成果に応じた報酬

外資IT企業の営業職は日系企業と比較して高年収の傾向があり、特に成果を上げれば大幅な収入アップも期待できます。


スピーディなキャリア成長

年功序列ではなく、実力や成果次第で早期の昇進やポジションアップが可能です。若いうちから大きな責任ある仕事を任されることもあります。


グローバルなキャリア機会

企業の規模や組織体制にもよりますが、海外オフィスへの異動や、グローバルチームでの協働など、国際的なキャリアを築く機会があります。


先進的な技術やビジネスモデルに関われる

IT業界の最前線で、革新的な技術やビジネスモデルに携わることができ、市場価値の高いスキルや経験を得られます。


柔軟な働き方

多くの外資IT企業では、リモートワークやフレックスタイム制などを導入しており、働き方の自由度が高い傾向にあります。


5-2.デメリット


高いプレッシャーと厳しいノルマ

成果主義の反面、常に高い成果を求められるプレッシャーがあり、目標未達の場合は厳しい評価を受けてしまいます。


レイオフのリスク

特に業績不振時には、日本の事業が好調でも、グローバル全体のレイオフの影響を受ける可能性があります。


業績変動による収入の不安定さ

インセンティブの割合が大きい報酬体系の場合、業績によって収入が大きく変動する可能性があります。





6. まとめ:外資ITの営業職に挑戦するなら、仕事内容と働き方を理解しておこう


外資IT企業の営業職は、高年収や成長機会など、多くの魅力があります。特に日系企業からのキャリアチェンジを考えている方にとっては、大きなキャリアアップのチャンスとなり得るでしょう。


一方で、厳しい成果主義や高いプレッシャー、レイオフのリスクなど、日系企業とは異なる環境に適応する必要もあります。転職を成功させるためには、単に憧れだけで飛び込むのではなく、自分に合った企業・職種を選ぶことが重要です。


ONE CAREER PLUSでは、外資IT企業への転職を検討する人に向けて、実際に外資IT企業で働く人のクチコミや、業界理解・企業理解に役立つ記事コンテンツを多数発信しています。


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