外資IT企業への転職は、キャリアアップや年収向上を目指す若手ハイクラス層にとって魅力的な選択肢の一つです。しかし、その選考プロセスは独特で、日系企業とは異なる対策が求められます。
本記事では、外資IT企業の選考プロセス、職種別に評価されるスキル、英語力のリアル、そして選考で差がつく準備の質について、具体的なクチコミやデータを交えながら徹底解説します。アマゾン、セールスフォース・ジャパン、Google、HubSpotといった人気企業の面接対策も紹介するので、外資IT転職を成功させたい方はぜひ参考にしてください。
- 1.外資IT企業の選考プロセスとは?【全体像を把握】
- 1-1.職種別(営業・マーケ・エンジニア):選考の特色
- 1-2.選考にかかる期間とステップ数の目安
- 2.職種別:評価されるスキル・素養とは?
- 2-1.エンジニア・PM職
- 2-2.営業職(Account Executive / Inside Sales)
- 2-3.マーケティング職
- 3.選考で問われる“英語力”のリアル
- 3-1.TOEICスコアだけでは測れない“実践力”
- 3-2.英語面接の質問例と対策
- 4.選考で差がつく「準備の質」とは?
- 4-1.書類選考:実績ベースで伝えるレジュメが基本
- 4-2.面接対策:過去質問リスト&想定問答の準備
- 4-3.“カルチャーフィット”も合否を左右する
- 5.【企業別】中途面接で聞かれる質問と対策 (Amazon, セールスフォースジャパン、Google、Hubspot)
- 5-1.Amazon編
- 5-2.セールスフォースジャパン編
- 5-3.Google編
- 5-4.Hubspot編
- 6.まとめ:外資ITの選考を突破するには“逆算”と“準備力”
1.外資IT企業の選考プロセスとは?【全体像を把握】
外資IT企業への転職活動を始めるにあたり、まずは選考プロセス全体の流れを理解することが重要です。企業や職種によって詳細は異なりますが、一般的なステップと期間の目安を把握しておきましょう。
職種ごとの特色はあるものの、選考フローについては「書類選考」→「面接(複数回)」→「内定」という流れが一般的です。
公式HPの情報によると、日本マイクロソフトのキャリア入社の選考フローは「書類選考」→「面接(3~5回)」→「内定」、日本IBMのキャリア入社の選考フローは「書類選考」→「(オンラインアセスメント)」→「面接(複数回)」→「内定」とされています。
また、日本マイクロソフトの選考体験談では、次のような声がありました。事前に面接官の情報を収集することも有効な対策の一つと言えるでしょう。
日本マイクロソフトの方はだいたいLinkedinに登録されています。
人事から面接官の名前を事前に告知いただけるので面接官の過去の職歴を
確認しておくと共通の話題や関心事など推察できるかもしれません。(法人営業/2022年8月内定)
次に、職種別に選考における特色を見ていきましょう。
1-1.職種別(営業・マーケ・エンジニア):選考の特色
外資IT企業の選考プロセスは、応募する職種によって内容や重視されるポイントが異なります。一般的に、書類選考、複数回の面接(オンライン・対面)、場合によっては課題やテストが課されることがあります。
<営業職>
書類選考後、リクルーターや現場マネージャーとの面接が数回行われるケースが複数見受けられます。過去の営業実績や目標達成能力、コミュニケーション能力などが問われます。
例えばセールスフォース・ジャパンではKPI達成率を重視しているため、なぜ高い成果を残せたのか・入社後のキャリア展望・過去の失敗経験など、成果主義への適応力や粘り強さを見極める質問がなされる傾向があります。
▼参考記事▼
また、HubSpot Japanの選考では、実際の営業ロープレが実施され、フィードバックを踏まえて再度ロープレを行う形式が取られることがあります。
▼参考記事▼
<マーケティング職>
書類選考後、過去のキャンペーン実績やデータ分析スキル、戦略的思考力を問う面接が行われる企業が複数見受けられました。ケーススタディやプレゼンテーションを求められることもあります。
Googleでは、「グーグリネスがあるか」という観点から、オフィスリニューアル担当になった場合のプロジェクト企画を問うような、ユニークな質問が出されたり、CVスペシャリストのポジションでは、具体的なプロジェクト企画力が問われることもあります。
▼参考記事▼
<エンジニア職>
書類選考後に技術力を測る目的でコーディングテストやテクニカルインタビュー、システムデザインに関する課題が選考に含まれることが特徴的です。
AWSでは、オンラインテスト(技術課題)が実施されたのちに面接にてテストの内容に関する深掘りが行われたり、顧客の要件に基づいたシステム概要図の作成を求められる技術面接が行われることもあります。
オンラインテスト(技術課題)の深掘りと、事前に用意させられるプレゼンの実施とそれに対する深掘りをされた。かなり詳しい内容まで掘り下げて質問される。(httpsの仕組みやwebサーバーの挙動など)
オンラインテスト後に面接に向けた課題が提示され、面接の場でプレゼンをした。
ポイントから三段階くらいは掘り下げられるため、課題はしっかり取り組み、面談に向けて情報を整理しておくことが必要。(ソフトウェアエンジニア/2023年10月内定)
また、マネージャーやチームメンバーとの複数回の面接を経て、カルチャーフィットや問題解決能力が評価されます。
なお、Googleのように、GCA(一般的/総合的認知能力、問題解決力や理解力、思考力など、新しい状況を学び、それに適応できる力を指す)を重視する企業もあります。
1-2.選考にかかる期間とステップ数の目安
選考にかかる期間は、企業やポジション、応募者の状況によって大きく異なりますが、一般的には1ヶ月〜3ヶ月程度を見込むと良いでしょう。ステップ数としては、書類選考後、2〜5回程度の面接が行われるケースが多いようです。
日本マイクロソフトのキャリア入社の選考フローは、「書類選考」→「面接(3~5回)」→「内定」とされており、実際にONE CAREER PLUSに寄せられた選考体験談では、2~4回の面接で内定に至っている事例が多く見受けられました。
(参考:日本マイクロソフトの選考体験談)
Googleの選考フローでは1次〜3次面接・最終面接(英語面接)と複数回の面接が行われ、それぞれ異なる側面から評価されるプロセスが取られているようです。(法人営業/2018年10月内定)
また、1日で複数回の面接が行われることもあるようです。
アマゾンウェブサービスジャパン(AWS)では、「Loop面接」と呼ばれる、1対1の面接を異なる面接官と4回実施する形式が取られることもあります。
Loop面接といい、1対1の面接を4回(各面接は別の面接官)実施した。
それぞれの面接では共通して以下の内容である。
●志望動機
●職務経歴
●AmazonOLPに沿ったエピソード
(プリセールスエンジニア/2021年1月内定)
選考期間やステップ数はあくまで目安であり、企業の採用状況や選考の進捗によって変わるため、リクルーターや企業の採用担当者からの情報を確認しながら、焦らずに対応していくことが大切です。
結果通知までの期間も、即日連絡がある場合もあれば、数週間かかる場合もあるため、選考結果を待つ間も次の準備を進めておくなど、計画的に転職活動を進めましょう。
2.職種別:評価されるスキル・素養とは?
外資IT企業が中途採用で求めるスキルや素養は、職種によって大きく異なります。ここでは、主要な職種であるエンジニア・PM職、営業職、マーケティング職について、それぞれどのような点が評価されるのかを解説します。
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