「高年収」が魅力とされる外資IT業界。しかし、実際には企業ごとに評価制度や働き方、福利厚生は多様であり、年収という数字だけで企業を単純に比較することはできません。
本記事では、ONE CAREER PLUSに寄せられた年収・給与に関するクチコミの総合満足度をもとに、社員から評価されている外資IT企業をランキング形式で紹介します。現場で働く社員のリアルな声を通じて、待遇面に優れた企業の実態を紐解きます。
2025年6月現在、ONE CAREER PLUSに集まる外資IT企業の総合満足度ランキングは、以下の通りです。
\一目で分かる!外資IT総合満足度ランキング(2025年6月時点最新版)/
※本ランキングはONE CAREER PLUSに寄せられた社員クチコミの総合満足度を元に算出しました。総合満足度は、「給与制度の納得度」「評価制度の納得度」「評価基準の明確さ」「福利厚生の充実度」「入社前の期待達成度」の5つの項目を総合して判断しています。
※なお、本ランキングは一つの目安としてご利用いただくものであり、各企業の優劣や評価を決定付けるものではありません。
1.外資IT業界クチコミ総合満足度ランキング
1位 日本マイクロソフト
栄えある第1位となったのは、日本マイクロソフトです。Windowsオペレーティングシステム(OS)や、Excel(エクセル)、Word(ワード)、PowerPoint(パワーポイント)といった業務ソフトなどを展開しており、日本におけるマイクロソフト製品の販売、サポート、マーケティングが主な業務です。
ONE CAREER PLUSの調査では、日本マイクロソフトは新卒3年目には年収が1000万円を突破する傾向にあります。投稿されたクチコミでは、ベースの給与水準の高さに加え、インセンティブや株式報酬(RSU)、福利厚生に関しても評価するコメントがありました。
一方で実力主義で結果を出して昇給できるかで給与の伸び幅も異なるとのコメントもあったため、転職検討時に環境に合うかどうかの見極めは重要になるでしょう。
営業だったのでインセンティブが大きかった。成果に応じて株ももらえる。新卒採用のスタート時点は他の会社とそこまで差はないが、頑張れば20代ですぐに1000万円は超える。頑張れば頑張るほど報われる(法人営業/新卒)
<日本マイクロソフトをもっと知りたい方はこちら>
2位 グーグル(Google)
第2位にランクインしたのは、グーグル(Google)です。世界最大の検索エンジンをはじめ、Android OS、YouTube、Gmailといった多様なサービスや製品を提供し、1位のマイクロソフトとは近年、生成AIの開発で激しい競争を繰り広げています。日本法人であるグーグル合同会社は、これらの日本市場における展開、マーケティング、サポートなどを担っています。
ONE CAREER PLUSのクチコミによれば、グーグルもまた業界トップクラスの給与水準を誇り、特に株式報酬(RSU)の比率が大きいことが総年収を押し上げる要因となっています。新卒入社でも数年で年収1000万円を超えるケースもあります。
さらに、無料の食事提供や充実した健康サポートをはじめとするユニークな福利厚生制度は非常に手厚いと評価されています。
一方で、実力主義のため昇給に関しては個人差が大きくなります。また、レイオフ(一時解雇)などにより昇給スピードが変わる可能性もあるため、注意が必要です。
外資系なので成果主義だとは思っていたが、想像以上に成果が給与に反映された。入社時と退職時(4年間弱)で、給与は1.5倍以上になった。良い意味で期待と異なったのは、福利厚生がすごくて支出が大きく減ったこと。貯金がかなり進んだ(法人営業/中途)
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3位 アマゾンウェブサービスジャパン
ランキング第3位はアマゾンウェブサービスジャパンです。アメリカのIT大手Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)のクラウド事業であるアマゾンウェブサービス(AWS)を日本で展開し、日本でも多くの企業に導入されています。
ONE CAREER PLUSのクチコミをみると、アマゾンウェブサービスジャパンの年収も「非常に高い部類に入る」といった声があります。
特にRSUや営業職のインセンティブが総年収を押し上げる要因となっています。前職から大幅な年収アップを実現したという声も聞かれ、成果を出せば若手でも高年収を得られる環境です。
一方で、昇進基準の厳しさに言及するコメントもあり、3年目くらいまでに昇進できるかで年収は大きく変わるようです。また、アマゾン・ドット・コムは2025年から週5出社を求める方針に切り替えており、柔軟な働き方を求める人には合わない可能性もあります。
思ったより最初のステップは早く昇給できた。最低限のノルマを達成できるようになればいいため大方の人は2年あれば達成できると思う。営業やコンサル部門と比べると少ないが業務のわりにはもらえていると思うので期待通りではあった。
2段階目の昇給のハードルは高めであり多くの人が停滞しがちである。安定を求めてそこにとどまるか数年で転職するかが規定路線のような気がする(インフラエンジニア/中途)
4位 セールスフォース・ジャパン(旧:セールスフォース・ドットコム)
第4位にランクインしたのはセールスフォース・ジャパンです。顧客関係管理(CRM)ソリューションを中心としたクラウドベースのソフトウェアを提供し、企業の営業活動、カスタマーサービス、マーケティングのDX(デジタルトランスフォーメーション)をグローバルで支援しています。
ONE CAREER PLUSのクチコミによれば、セールスフォース・ジャパンのインセンティブは目標達成率によって大きく変動し、営業職のトップパフォーマーは年収2000万円以上の高額な報酬を得ることも可能です。
また、ESPP(従業員株式購入プラン)といった資産形成を支援する制度も魅力の一つとされています。
一方で、目標の達成難易度が高いとのコメントもあり、大きなプレッシャーを感じながら働く覚悟は必要といえるでしょう。
期待していた以上に、実績がしっかり評価され、給与やインセンティブに直結する仕組みが整っていた。特に、目標達成率が高い場合はボーナスが大幅に増える点は想定以上だった。想定していた以上にKPIが高く設定されており、達成の難易度が高かった。特に、新規開拓やクロスセルの比重が大きく、継続的に高い成果を求められる環境だった(法人営業/中途)
<セールスフォース・ジャパンをもっと知りたい方はこちら>
5位 アバナード
第5位は、アクセンチュアとマイクロソフトの合弁会社であるアバナードです。マイクロソフトテクノロジーに特化したITコンサルティングやソリューション提供を行い、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援をグローバルで展開しています。
ONE CAREER PLUSのクチコミによれば、年収はプロモーション(昇進)によって大きく上昇する傾向にあり、若手でも高年収を得るチャンスがあります。一方で、評価に関しては上司の裁量など定性的な側面もあり、透明性に疑問を抱くコメントもありました。
若手でも主担当としてアサインされる機会が多く、実績を出せば早期に昇格・昇給できる制度は整っている。特にマネージャー層以上は外資系らしく成果主義が強く反映されており、頑張り次第で大きく評価される環境。評価は直属の上司の裁量が大きく、プロジェクトの運や配属先によって評価が左右される面があると感じた(ソフトウェアエンジニア/中途)
6位 アマゾンジャパン
第6位には、GAFAMの一角であるアマゾンジャパンがランクインしました。世界最大のEコマースプラットフォームであるAmazonの日本法人として、オンラインストアの運営に加え、デジタルコンテンツ配信、スマートデバイスなど、多岐にわたる事業を展開しています。
ONE CAREER PLUSに集まるクチコミによると、アマゾンジャパンの年収はベース給与と株式で構成され、株式の比率が高く、業績によっては年収が2000万円以上になります。
独自の報酬システムとしてはサイニングボーナス(入社ボーナス)を挙げる声もあります。入社2年目まで毎月の給与に上乗せする形で支給され、年間で100万円程度に上るため、年収の底上げにつながります。
一方で、サイニングボーナスが切れる2年目までに昇進しなければ年収が下がるリスクがあります。
また、「日系企業のような充実した福利厚生はなく、退職金もない」といったコメントもあるため、入社直後から活躍して昇進を狙わなければ高年収は難しくなるようです。
自分はちょうど2年で昇進し、基本給が約25%上がった(昇進報酬としてのストックオプションは別当)。ただ、同じ時期でサイニングボーナスが切れたため、年収はサイニングボーナス込みの時期と同等くらいだった。周りには2年以内に昇進できなかったメンバーもいるが、話を聞いてみると、毎月8-10万くらい手元に入る現金が少なくなったため、入社3年目からは節約の工夫が必要だったと言っている(物流企画・ロジスティクス/新卒)
RSUはドル建ての為、円安ドル高となると評価額がプラスとなる。また、ジョブレベルが上がると約10%のベースアップとなるケースが一般的で、そこまでの給与アップは期待していないが、実態はRSUの付与が大きく増える為、人によってはL6のVMで2000万円を超えることも可能(購買・調達/中途)
<アマゾンジャパンをもっと知りたい方はこちら>
7位 ByteDance
第7位は、「TikTok」を運営するByteDance(バイトダンス)です。ショート動画プラットフォームとして世界中で急速にユーザー数を拡大しており、日本においても若年層を中心に絶大な人気を誇ります。
ONE CAREER PLUSのクチコミによると、バイトダンスも実力主義のため、成果次第で大幅な昇給が期待できるとの声があります。
評価制度には360度評価が取り入れられており、透明性を感じるという意見がある一方で、「チームから認められなければ昇格はほぼないに等しい」「同僚からの仕事の依頼を断りにくく、疲弊してしまうことがたまにある」といった弊害を指摘する声もあります。
年収は期待通り上昇した。未経験から入社しても、試行錯誤して頭角を示せれば、1年間で10%以上上昇することはザラである。360度評価制度があるが、これはどのように自分の評価に結びついているか不明確な上、時間がかかるので合理的ではないと感じた(Trust and safety / 中途)
8位 デル・テクノロジーズ
第8位は、デル・テクノロジーズです。PCやサーバー、ストレージといったハードウェア製品から、クラウド・セキュリティサービスまで、幅広いITソリューションを提供するグローバル企業です。日本市場においても、個人向けから法人向けまで多岐にわたる製品とサービスを展開しています。
ONE CAREER PLUSのクチコミによると、外資系の成果主義な側面がある一方、日系企業的な年功序列の要素も一部見られるとの指摘があります。
また、職種によっては「社内評価に関しては成果主義であるが、給与面に関してはポストセールスではあまり変化がない」といった声もあるため、高年収を得るには職種選択が重要となるようです。
福利厚生に関しても外資系の中では充実しているとのコメントがありました。
9位 日本IBM
第9位は、日本IBMです。長年にわたり、メインフレームなどのハードウェアから、ソフトウェア、コンサルティング、ITサービスまで、幅広いソリューションをグローバルに提供してきたIT業界の巨人です。クラウド、AI(人工知能)といった先端技術にも注力しています。
ONE CAREER PLUSのクチコミによると、日本IBMの年収は「Band」と呼ばれる職階によって大きく変動し、このBandを上げることが大幅な収入アップの鍵となります。新卒の初任給は比較的高めですが、Bandが上がらない場合の年次昇給は限定的という声が多く聞かれます。また、営業などインセンティブで年収が大きく変わる職種もあります。
年の昇給率は微々たるもので、部門や年次による。ただし、BANDという職階が上がった場合には、給与は大幅に増加する(10〜20%)。社内で基準はあるが、上長である所属長との関係次第で同じように働いていても評価内容は大幅に変わる(プロジェクトマネージャー(汎用系)/新卒)
<日本IBMについてもっと知りたい方はこちら>
10位 日本ヒューレット・パッカード
第10位は、日本ヒューレット・パッカードです。サーバー・ネットワーク機器などのエンタープライズ製品からクラウドサービス)、AIソリューションまで、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する幅広いソリューションを提供しています。
ONE CAREER PLUSのクチコミによると、他の外資IT企業と同様に営業職にはインセンティブがあるものの、「新人時代は特別に給与が恵まれていると感じた部分が少なかった」との声も。住宅手当がないことを指摘するコメントもありました。
外資ではあるが新人時代は特別に給与が恵まれていると感じた部分が少なかった。(日系企業と違って寮や住宅手当がない。)。ただ営業職はバジェットを超える事ができればアクセラレーションがかかり若くても相応の収入を得ることができると思う。(法人営業/新卒)
2.ランキング上位企業の営業職の年収事情
ランキング上位の外資IT企業の営業職の特徴は、インセンティブ比率が高い点です。営業成績が良ければ良いほど年収が高くなる点で、外資ITの中でも特に成果主義が色濃い職種といえます。
ベース給与(基本給)とインセンティブに加え、企業によっては株式報酬もあるため、年収が2000万円を突破するケースもあります。
高いインセンティブが期待できる反面、目標が高く設定されており、達成が難しい、あるいは達成できる人が限られる企業もあります。
また、担当アカウントやテリトリー、チームによって目標達成の難易度が左右される「運」の要素を指摘するコメントもあり、高年収を得られる環境であるかも非常に重要となりそうです。
営業職については、達成率をどれだけ超えるかでその年の年収が変わる。実力があり、良いアカウントを引き当て、成果を発揮し、大幅な達成をすれば、年収数千万円や、年収億超えも可能。ただし、これは担当する企業のポテンシャルによる(セールスフォースセールスフォース・ジャパン(旧:セールスフォース・ドットコム)・法人営業/中途)
3.ランキング上位企業のエンジニア職の年収事情
日系企業などと比べると高い水準であるとのコメントもあった一方、営業職と比較するとインセンティブの比率が少ないこともあり、その分年収は低くなる傾向にあるようです。
一方で、昇給や株式報酬などによる年収アップは狙えるため、企業ごとの昇進・昇給システムを事前に把握することが重要です。
部門によって年収が大きく異なる。営業同期と倍くらい給与に差があると思う。テクニカルサポートはクビのリスクが少なく休みが取りやすい分、給与は伸びづらくプロモーション速度も遅い(セールスフォースセールスフォース・ジャパン(旧:セールスフォース・ドットコム)・SE(Web・オープン系)/新卒)
4.外資ITへの転職を成功させるには
ONE CAREER PLUSでは、外資IT企業への転職を検討する人に向けて、実際に外資IT企業で働く人のクチコミや、業界理解・企業理解に役立つ記事コンテンツを多数発信しています。
シリーズ企画「外資IT転職:完全攻略ロードマップ」では、外資IT企業を目指す人に向けて転職活動の際に押さえておきたいポイントを全5回にわたり解説しています。キャリアアップを目指す若手エンジニアや、将来的な外資IT転職を視野に入れているビジネスパーソンの方々は、ぜひご活用ください。
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