どうも、外資系うさぎのちょこさんです。
ここ数年、既存の事業会社やIT企業が、新たにコンサル子会社を立ち上げたり、コンサル色を前面に出した組織再編を行ったりする動きが目立ってきています。
富士通
2020年、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを実現する新会社として「Ridgelinez(リッジラインズ)」を設立
(参考)DXを推進する富⼠通の新会社「Ridgelinez」の全貌に迫る
シンプレクス
2021年、デジタルトランスフォーメーションを支援する総合コンサルティングファームとして、「Xspear Consulting(クロスピア コンサルティング)」を設立
(参考)営業開始のお知らせ | ニュース | Xspear Consulting株式会社
丸紅
2021年、総合商社の事業資産と、戦略・デジタルのコンサルティング知見を組み合わせ、顧客企業の成長力・競争力の向上に寄与する「DOLBIX CONSULTING(ドルビックス コンサルティング)」を設立
(参考)DX支援を担う新会社「ドルビックスコンサルティング」の設立について
NTT東日本
2022年、DXコンサルティング・プラットフォームビジネス分野における新会社として「NTT DXパートナー」を設立
(参考)DXコンサルティング・プラットフォームビジネス分野における新会社「NTT DXパートナー」の設立について~企業や自治体の事業変革を強力に支援~ | お知らせ・報道発表 | 企業情報 | NTT東日本
クオンツ総研HD(旧:M&A総研HD)
2023年、M&A仲介事業で培った、DX推進、業務改善や多岐にわたるプロジェクトを遂行・浸透させるPMO機能、採用・育成力に関する知見を活用した課題解決を行う「クオンツ・コンサルティング」を設立
(参考)子会社設立及びコンサルティング事業開始に関するお知らせ |株式会社M&A総研ホールディングス
電通
2024年、「システムインテグレーション」「コンサルティング」「シンクタンク」の3 つの機能をコアに、コーポレートブランドの再構築とリポジショニングを目指すとして、ISID(電通国際情報サービス)他グループ会社2社を統合し、「電通総研」へと商号変更
(参考)ISID、商号変更に伴う新ブランドロゴを制定 | プレスリリース | 電通総研
といった感じで、毎年のように事業会社によるコンサル業界への新規参入が相次いでいます。
以前の記事では、大手コンサルファームなどの出身者が独立し新規のコンサルファームを設立する「新興系コンサルファーム」について触れましたが、今回はこのような「事業会社がコンサル子会社を設立/再編する」ケースについて、その背景などをいくつか解説していこうと思います。
1.事業会社がコンサル事業を強化し始めた理由
1-1.DX・AI時代の「上流争奪戦」
かつては、企業変革のプロジェクトでは、戦略立案や実行計画の策定などはコンサルファーム、実装や運用はSIerやクライアント企業自身が担うという役割分担が比較的明確になっていました。
その後、DXや業務改革の需要拡大に伴いコンサル市場が急速に拡大し、大手戦略系/総合系ファームを中心に、構想と実装でプレイヤーを分けるのではなくひとつの企業が一気通貫での支援を行い大きな利益を上げることを目指すスタイルが主流となります。
さらに、近年のDX/AIを前提とした変革ニーズの高まりを受け、DX/AIの上流フェーズを起点とする新規ビジネスの拡大を目指し、事業会社がコンサル子会社を設立/再編しコンサル業界に参入してくるケースが増えている、というわけです。
DXやAIの導入では、戦略立案・業務改革・IT実装が地続きの取り組みとして密接に結びつくため、上流フェーズを担う企業がプロジェクト全体を俯瞰し、下流フェーズの関与も獲得しやすい構造となっています。
特に、富士通やNTTなど、システム開発やITインフラに強みをもつ企業からすると、「これからさらに拡大していくDX/AIビジネスを、コンサル会社に根本から抑えられてはかなわない」という想いも強いことでしょう。
1-2.「コンサル子会社」という組織形態
ひとつ面白いのが、多くの企業が既存部門を強化するのではなく、別会社としてコンサル組織を立ち上げている、という点です。
コンサルファームの報酬水準やコンサル人材の働き方は、大手の日本企業とは大きく異なり、既存の組織体系のままでは外部から優秀なコンサル人材を採用しづらい、というのが大きな背景となります。
先ほど例に挙げた各社は、大手企業グループに属するということもあり、設立当初からアクセンチュアやBig4といった大手総合系コンサルファームと遜色ない年収水準での採用活動を強力に行っています。
私も某大手ファームでシニアマネージャーとして働いていた頃にそのうち何社かのお話を伺ったことがあるのですが、漏れなく現職の待遇を上回る報酬レンジを用意されているとのことで、それはとても驚いたものです。
拡大するコンサル業界の中で埋もれてしまわず、一定のプレゼンスを獲得するためには、優秀な人材を早期に獲得し、プロジェクトの実績を急ピッチで積み上げていく必要があります。
そのためにも、既存の社内制度・組織体系とは異なる新会社を設立する意義は大きいのです。
2.転職先として見るときの判断ポイント
同じような「コンサル」という看板を掲げていても、やはり独立してコンサル事業を営む従来ながらのコンサルファームとは性質が異なる面も多くあるため、これらの事業会社系新設コンサル子会社を転職先候補として見る場合に注意しておきたいポイントもいくつかあります。
2-1.親会社案件と外販案件の比率
まず典型的なものとして、受注する案件として、親会社やグループ会社から紹介されるものが多いのか、それとも外販として独自に獲得してくるものが多いのか、という外販案件の比率があります。
これは特に新設の事業会社系コンサル子会社に限ったことではなく、既存の大手企業グループの1社として存在するコンサルファームについても同様の点を気にしておく必要があります。
グループ内からの紹介案件が多い場合、そのグループが得意とするテーマのプロジェクト経験を積めるメリットがある一方、新規クライアント獲得に向けた営業活動や提案書作成のスキルを磨きづらいというデメリットもあります。
このような情報はあまり外部に公開されているものでもないため、カジュアル面談や選考の場で、どのような案件が多いのか、グループ会社との連携はどの程度活発に行われているか、など質問しながら見極めていくことが大事です。
2-2.経営陣・人材のバックグラウンド
もうひとつ、パートナー/ディレクターなど立ち上げ時のコアメンバーとして、どんなバックグラウンドの人材が集まっているのか、も注視していきましょう。
グループ内から異動してきた方が多いのか、大手戦略系/総合系ファームのシニア人材を経営メンバーとして迎え入れているのかによって、組織文化の醸成やプロジェクトの進め方、案件獲得の手法など、大きく変わってきます。
特に未経験やスタッフクラスでの転職を考える場合、自らキャッチアップしていく姿勢が重要なのは前提としても、大手ファームで十分な実績がある方がリードする組織でチャレンジを始めた方が、コンサルタントとしての立ち上がりには有利となります。
逆に、自身が既に大手ファームでのデリバリーや提案の実績が十分にある場合、グループ会社出身者が多くこれまでとは違ったカルチャーの中で新しい働き方のスタイルを身につけていく、といったことができるかもしれません。
自分はどのような環境で次のキャリアを築きたいのか、次の環境ではどのような経験が得られそうか、も転職先の検討にあたって重要なポイントです。
2-3.プロジェクトのカバー範囲
立ち上げ間もないフェーズではまだ実績として挙がってきているものは少ないことが想定されますが、今後のビジネス目標として、どの領域/フェーズのプロジェクトをどんな割合で獲得していきたいか、も意識しておきたいところです。
今回取り上げている事業会社系コンサル子会社はいずれも、DXをひとつの軸としているようですが、ひとことでDXと言っても戦略、組織IT、オペレーションなど、どの領域に対する変革に重きをおくのか、金融機関や製造業などどの業界のクライアントをターゲットとするのか、など専門性は分かれていきます。
自分が得意とするテーマや業界はどこなのか、今後強化していきたい経験はどのようなものか、それらのバランスを取りつつ、高いパフォーマンスを発揮し成長を続けていけそうな環境か、見極めていくことが大事です。
おわりに: まだまだ広がるコンサル転職の選択肢
コンサル転職というと、これまでは外資戦略ファームやBig4など、昔ながらの「コンサルファーム」が主流で、最近は大手ファーム出身者がスピンオフ的に設立した新興系ファームも盛り上がりを見せています。
ここからさらに、事業会社発のコンサル子会社という新たなプレイヤーが市場に参入する動きも活発となり、今後も同様の新会社設立の流れは続いていくものと思います。
こうした企業は、従来のコンサルファームとは異なる強みやカルチャーを持つことも多く、転職先としてみたときの選択肢は確実に広がっています。
コンサル専業のファームかどうか、という事業形態だけで判断するのではなく、その企業がどんな強みを持ち、どんな案件を扱い、どんな人材が集まっているのか、そうした点を丁寧に見ていくことが、これからのコンサル業界で良いキャリアを築き上げていくうえで、ますます重要になっていくはずです。
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