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【2024年版】社員に聞いた | トヨタ自動車の年収と評価制度のリアル

日本を代表する企業であるトヨタ自動車。30代で年収1000万円に到達することも夢ではない、有名人気企業です。


過去は新卒社員中心のイメージがある同社も、2020年ごろからキャリア採用を積極的に行っており、2024年現在は全社員におけるキャリア採用社員の比率が50%程度に近づいています。


本記事では、2024年に実施した社員への独自インタビューやONE CAREER PLUSに寄せられた5万件以上のクチコミをもとに、トヨタの給与体系や評価制度を解説します。








トヨタ自動車ってどんな会社?


トヨタは、日本の自動車メーカーであり、毎年連結で20兆円前後の売上げを計上している単一メーカーとしては日本最大の巨大企業です。創業以来、「自動車を通じて豊かな社会づくり」を目指して、自動車生産・販売を軸とする事業活動を行ってきました。


完成車だけでなく部品やエンジン、バッテリー工場も含めると世界で60以上生産拠点を持ち、販売拠点は世界170か国を超えます。世界各地で走る自動車の品質を確保したことにより、海外におけるトヨタへの人気と信頼は絶大で、世界中で支持される自動車メーカーと言えます。






トヨタ自動車のグレード別年収と昇進スピード


トヨタの給与体系と昇進スピードは以下の通りです。



担当職は年収400万〜600万円、指導職は600万〜800万円、主任職は900万〜1100万円と、推移します。管理職クラスに相当する基幹職以上になると、年収は1100万〜1400万円、幹部職になると1400万円となります。


また、学部卒と院卒では、院卒の方が、担当職から指導職クラスにおいて、一部給与が高くなる傾向があります。


次に、昇進スピードです。新卒入社後、最初の一年目の冬までは新卒職として勤務し、その後新卒三年目までは担当事技職に分類されます。


担当職から指導職への昇格は、新卒4年目に一定の条件を満たせば一律で行われますが、主任職への昇格には個人差があります。早い人では新卒6年目で主任職に昇格することもあり、30歳前後で「ゼロセン」と呼ばれる早期昇格者になるケースもあります。同期の10〜20%が31〜32歳で主任職に昇格し、半数以上は10〜11年目で昇格します。


基幹職への昇格は新卒15年目以降が一般的ですが、早い人では11年目で昇格することもあります。40代の社員が基幹職のボリュームゾーンとなります。幹部職への昇格は新卒20年目以降が一般的で、早い人では17年目で昇格することもあります。


昇進スピードにおいて学部卒と院卒の差は便宜上ないとされていますが、実際には院卒が優遇される傾向が見られます。また、女性管理職の登用を積極的に進めているため、女性は比較的早く昇進するケースが増えています。


最後に、残業代について触れておきます。担当職から指導職までは実績に応じて残業代が支給されます。主任職は実働分の残業代支給が基本ですが、一部管理職の許可が得られた場合は月間45時間のみなし残業が認められます(FTLI制度)。基幹職以降は、残業代のみなしが年俸に含まれる形となります。






トヨタ自動車での各グレードの期待役割


次に、トヨタにおける各グレードの期待役割について説明します。グレードごとの役割は明確に社内で定義されているわけではなく、グレードと役職が一対一で対応しているわけでもありません。しかし、一般的な期待役割と昇格要件については一定の基準があります。



【担当職・担当事技職】年収400万〜600万円

新卒入社社員や第二新卒の社員は担当職・担当事技職からスタートします。このフェーズはトヨタのビジネスパーソンとしての基礎能力の習得期と位置づけられ、上長から与えられた指示に従って業務を遂行する役割が求められます。通常は4年で次のグレードに昇格します。


【指導職】年収600万〜800万円

指導職は、チーム内で新卒メンバーや後輩社員を指導するメンターとしての役割が期待されます。次のグレードへの昇格のタイミングはこれまでの評価によって異なりますが、基本的には長く勤めていれば昇格することができます。



【主任職】年収900万〜1100万円

主任職は、小集団のリーダーとしての役割が期待されます。部署によって例外は存在しますが、プロジェクトリーダーとしてチームを率いる役割を担うことが一般的です。


また、場合によっては管理職に近い役割を担うことも。主任職の年収は900万円からスタートし、残業次第で1000万円を超えることもあります。



【基幹職】年収1100万〜1400万円

基幹職には、基幹1級と基幹2級という細分化されたグレードがあります。基幹2級には部下を持つGM(General Manager)や部下なし管理職である主幹が多く存在します。


基幹1級は室長や室長のアドバイザーとしての役割を担うことが多いです。基幹職はマネージャー層に相当し、部下を持つ場合もあれば持たない場合もあります。自分の担当する室やチームのマネジメントを担うことが期待されます。



【幹部職】年収1400万円以上

幹部職は、部長クラスに相当し、経営層として担当する部の成長戦略を策定し、実行する責任が求められます。幹部職への登用は年功序列ではなく、ポジションの空き状況と評価次第で決まります。






トヨタ自動車へのキャリア入社で押さえておきたいポイント


1)新卒/キャリアにかかわらず、活躍のチャンスがある

キャリア採用でトヨタに入社する場合、年次や経験に応じたグレードからスタートし、入社以降の各グレード間における昇進スピードは新卒社員と基本的に同じです。


キャリア入社者が幹部職に就いている実例もあり、新卒プロパーだけが優遇されるというカルチャーではありません


最近では新興系や技術系(特にソフトウェア)の部署でキャリア採用を積極的に行なっており、これらの部署ではキャリア入社社員が全体の半分以上を占めることもあります。また、販促系の部署でもキャリア入社者が多く、大企業の事業会社のマーケティング職や広告代理店から4〜5年目の人材が多く集まっています。


実際にONE CAREER PLUSの転職体験談には以下のような実例が集まっていました。



一方で、営業や生産管理といった部署は新卒社員の割合が高い傾向にあります。



2)評価されるかどうかは定性要素が多いことも理解しておくべき

新卒/キャリアにかかわらず活躍のチャンスがある一方、評価制度においては定性的な要素やプロセスを重視する傾向があることがトヨタ自動車の特徴です。


これらは成果主義の企業で働いていた場合は、入社後にギャップを感じる要素となり得ます。後述する人間力評価や、業務プロセスにおけるチームへの貢献といった点が評価されることを理解したうえで自身の適性とマッチしているかどうか見極めましょう。






トヨタ自動車の評価基準・評価フロー


トヨタ自動車の評価は、賞与に影響する評価と昇格に関する評価の二つにわかれます。


【賞与に関する評価】

まず、賞与査定は半期ごとに1回、年2回行われます。評価項目は「業務内容」「人間力」「能力」の3つに大きく分かれています。


業務内容」では、営業であれば指定車種の売り上げ台数など、個人のチャレンジ目標が設定されます。「人間力」は、「周囲への貢献・謙虚さ・成長意欲・挨拶・感謝・思いやり」といった項目があります。


この評価は他の項目と違い、自己評価がなく上司からの評価のみで決まります。「能力」では、「専門性・問題解決能力・行動・実行力・人材育成」などが評価項目となります。


これらの3項目に対して、半期ごとに振り返り直属の上司と面談を行い、各項目ごとに4段階(◎○△×)の評点が付けられます。最終評価は部内調整を経て、5点満点の数字で評価されます。ただし、5点や1点がつくことはほとんどなく、実質的な最高評価は4点で、多くの社員は3点か2点の評価を受けます。


この点数とグレードに応じてベースの賞与額が決まります。例えば、指導職の場合、5点で25万円、4点で20万円、3点で15万円、2点で10万円、1点で5万円となります。


主任職では1点のレンジが8〜9万円と上がり、さらに上位グレードでは1点のレンジが上がります。このベース賞与額に加えて、組合の交渉によって基本給の数ヶ月分の賞与も合わせて最終賞与額が決定します。



【昇格に関する評価】

昇格のチャンスは年に1回あります。主任以上のグレードへの昇格は、部署や室から推薦をもらうことで昇格のチャンスを得ることができます。なお、グレードによっては「主任への推薦をもらうには前年の査定が3以上必要」といった推薦を受けるための条件が存在します。


評価者は直属の上司から始まり、部長、室長へと評価が進みます。同じ部内で同じ職位の社員が各部から与えられた点数を基に、各グループ長が部下の貢献度を他のGMと共有し、部長や室長が相対評価で各社員に割り当てます。


そのため、同じ部に同じ職位の人が少ないと点数が高めに出る傾向があります。また、不定期で360度評価も実施され、その内容も評価に含まれることがあります。



【昇格要件】

年間の評価以外にも、昇格において満たすべき要件があります。


担当職から指導職への昇格:

過去の自らの仕事をトヨタの問題解決思考に沿って振り返る課題を課され、カンパニー長/本部長/部長などの所属部署の上位者に対して発表することが求められます。また、TOEICのスコア600~650程度を獲得する必要があります。


指導職から主任職への昇格:

半年間にわたる長期研修(主任前研修)が存在します。この研修では、問題解決思考の上位版を用いて過去および未来の仕事に対する課題解決を発表します。また、TOEICスコア730以上が必要です。

基幹職以上の昇格要件は、明らかにされていませんが複数の上位役職者の推薦が必要になるなどが想定されます。






トヨタ自動車で評価が高い人の特徴



1)上位役職者と積極的にコミュニケーションが取れる

高い評価を獲得するには、評価者である上司や部長などの上位役職者の目に留まるような動きをし、上の役職者に顔と名前を覚えられることが重要です。


上司のタイプにもよりますが、新しい企画や業務の改善案を積極的に提案し、上司の上司の課題まで考えて行動し、周囲をうまく巻き込むことができる人は一目置かれる存在となります。



(2)基本的なビジネススキルが高い

トヨタにおいては、周囲の評価と実際に評価されている人が一致することが多いです。クライアントや仕入れ先と円滑にコミュニケーションを取る能力や、プロジェクトを遅滞なく進める基本的な業務遂行力の高さが評価される傾向にあります。



(3)同じ部・室内に同じ職位の人が少ない

昇格に関する評価は、相対評価となるため、同じ職位の人が少ないと相対的に点数が高くなる傾向があります。特に、新規事業や新商品など比較的新しい部署では、主任以上の役職の社員で構成されることが多く、若手が少ないため評価を得やすいといえます。


なお、同社には社内異動の公募制度があり、社内イントラネットに募集があるポジションに応募し、複数回の面接を経て合格すれば異動が可能です。このプロセスでは元の所属部署の確認プロセスを経ないため、比較的異動しやすく、戦略的に評価を得やすい部署に移ることも可能です。






トヨタ自動車の福利厚生の特徴


トヨタ自動車は社員に対して充実した福利厚生を提供しており、その内容は多岐にわたります。ここでは、特に注目すべき福利厚生の特徴について詳しく紹介します。


まず、愛知県にある社員寮です。社員寮は非常に手頃な価格で提供されており、愛知県内の寮では月額1万円程度で住むことができます。事務系総合職の社員の約6割が愛知県で勤務するため、多くの社員がこの寮の恩恵を受けています。


次に、「ウェルチョイス」という制度があります。これは、年間9万円相当のポイントを自由に使える制度です。使用用途は持株会への加入や旅行の経費、さらには社内食堂の利用費用など、多岐に渡ります。








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※本記事は、原稿作成の一部過程において生成AIを使用していますが、ONE CAREER PLUS編集部のエディターが編集・校正を行った上で公開しております。

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