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プリンシパルとは?コンサル業界での役割・年収・昇進ルートを解説

コンサルティング業界でキャリアを積み重ねる際、多くの方が目指すポジションの一つが「プリンシパル」です。しかし、プリンシパルの具体的な役割や年収、昇進ルートについて詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか。


本記事では、ONE CAREER PLUSが独自調査を行った有名ファームの年収・評価情報をもとに、プリンシパルのポジションについて解説します。



1. プリンシパルとは?コンサル業界における定義


1-1. プリンシパルのポジション・序列


プリンシパルは、コンサルティングファームにおいて一般的にマネージャーなどの管理職層と、パートナーなどの最上位経営層の間に位置する上級職です。


例えば、著名な戦略コンサルティングファームであるアーサー・ディ・リトル(ADL)は以下のように、マネージャーとパートナーの間にプリンシパルが位置付けられています。


組織序列としては、一般的にアナリスト→コンサルタント→シニアコンサルタント→マネージャー→シニアマネージャー→プリンシパル→パートナーという昇進ルートをたどります。


ただし、ファームによっては「ディレクター」や「マネージングディレクター」といった階層が存在するケースや、そもそも「プリンシパル」という役職を使わない企業もあります。


<プリンシパル役職があるファームの例>

ボストン コンサルティング グループ、アーサー・ディ・リトル、アビームコンサルティング、シグマクシス、クニエ、アクセンチュア

<プリンシパル役職がないファームの例>

デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ベイン・アンド・カンパニー、ベイカレント


また、アビームコンサルティングでは、パートナーという役職がなくプリンシパル/ディレクターがファームの最高責任者として位置付けられています。このようにコンサルティングファームによって、階層構造や役職名は異なるため、具体的なキャリアパスは入社前に確認するのが良いでしょう。




1-2. 他役職(マネージャー・パートナー等)との違い


プリンシパルとマネージャーの大きな違いは、売上責任の有無です。一般的に、マネージャークラスから、セールス活動に関与する機会が増えますが、プリンシパルになると明確に売上に責任を持ちます。


例えば、ADLでは、マネージャーの主な役割が「ケースリーダーとして、コンサルタント以下を取りまとめながらプロジェクト運営を行うこと」である一方、プリンシパルになると本格的な売上責任を担います。


また、シグマクシスでは、プリンシパルは数千万円のプロジェクトの受注を安定して行えるような人材と位置付けられています。


パートナーとの違いは、顧客規模やファームの経営責任にあります。例えばADLでは、プリンシパルがより複数のプロジェクトを並行して担当するのに対し、パートナーは最高経営層との関係構築と大型案件の創出が主な役割となります。






2. プリンシパルの主な役割・仕事内容


2-1. 案件開拓・営業活動


プリンシパルの最重要業務の一つが案件開拓・営業活動です。単なる既存案件の管理ではなく、新規顧客の獲得や既存顧客との関係深化による案件拡大が重要ミッションであると言えます。


実際に、クニエのプリンシパルには「より大きな案件を獲得することや、クニエだからこそ頼みたいと言われるサービスやソリューションを提供すること」が期待される役割として挙げられています。


2-2. 複数のプロジェクトの統括・マネジメント


プリンシパルは、マネージャーなどの下位役職を束ねて複数のプロジェクトを同時並行で統括する役割を担うことも多いです。

マネージャーレベルでは単一案件への深い関与が求められる一方で、プリンシパルになると、複数案件の品質管理を同時並行で行いながら、顧客との信頼関係構築を通じて提案活動も行うという、高度なマネジメントスキルが必要となることが伺えます。


2-3. 高い専門性の発揮


マネージャー以降のキャリアパスが、スペシャリスト育成とマネージャー育成に複線化している企業の場合、プリンシパルにはスペシャリストとしての役割が強く求められる場合があります。


例えばアクセンチュアでは、シニアマネージャー以降の役職がアソシエイトディレクターとプリンシパルディレクターに分かれています。アソシエイトディレクターが営業責任やデリバリー責任を担うのに対し、プリンシパルディレクターには、特定領域の深い専門性と、スペシャリストとしての社外広報の役割が求められます。






3. プリンシパルの年収・待遇


3-1. プリンシパルの目安年収


プリンシパルの年収は、一般的に2,000万円台後半から3,000万円半ばの幅で設定されています。例えば、ADLでは、プリンシパル1では2,700-2,800万円、プリンシパル2では3,000-3,100万円、プリンシパル3では3,200-3,400万円となっており、細分化されたランク制により段階的な昇給構造が設けられています。


年収構成は基本給与と業績連動賞与により構成され、セールス成果や案件収益性により大きく変動する特徴があります。特に外資系ファームでは成果報酬の比重が高くなっているようです。




3-2. ファーム別の目安年収


ONE CAREER PLUSの独自調査によると、主要コンサルティングファームのプリンシパルの目安年収は以下の通りです。


  • ボストン コンサルティング グループ(BCG):3,000~3,500万円
  • アーサー・ディ・リトル(ADL): 2,700~3,400万円
  • アビームコンサルティング: 2,500万円~
  • クニエ:  3,000万円~


外資系戦略ファームの方が日系総合ファームより高い年収水準が設定されていることがわかります。






4. プリンシパルになるには?キャリアパスと昇進ルート


4-1. プリンシパルに求められるスキル


プリンシパルへの昇進には、複合的なスキルセットが要求されます。論理的思考力、問題解決能力、プロジェクトマネジメント能力といった基礎的なコンサルタントスキルに加え、営業力、リーダーシップ、戦略的思考、ステークホルダーマネジメント能力などの上級スキルが不可欠です。


例えば、シグマクシスではプリンシパルは「クライアントの役員クラスに対して、高い視座を持って提案を行い案件を拡張したり、ステークホルダーマネジメントが高いレベルで行える人材」と位置付けられており、ビジネスパーソンとしての総合的なスキルが高いレベルで求められることが伺えます。


4-2. プリンシパルへの昇進条件


プリンシパルへの昇進条件は、各ファームの評価制度によって異なりますが、多くの場合「売上が出せそうか」が一つ重要な点になります。


例えば、ADLではマネージャーの後半ごろからプリンシパルへの昇格に向けて「担当する顧客から新規の売上を立てられそうか」といったことが評価において明確に重視されるようになるそうです。


昇進タイミングについては、一般的にシニアマネージャーから3~5年程度の経験を積んだ後にプリンシパルへの昇進機会が訪れますが、実力次第では早期の昇格も可能です。例えば、シグマクシスでは、最速で新卒8~10年目でプリンシパルに昇格する人もいるようです。




4-3. プリンシパルからパートナーへの流れ


プリンシパルからパートナーへの昇進は、コンサルティングファームにおける最難関の関門の一つです。


パートナーになると顧客のトップマネジメント層から案件を引っ張ってこれるかどうかが期待されるため、プリンシパルでの複数案件管理能力から、さらに高次元の顧客関係構築力が求められます。


パートナー昇進には通常、年間売上数億円規模の事業責任、複数の大型クライアントとの関係構築、ファーム全体の戦略的意思決定への参画などが評価基準となります。また、社内での影響力拡大と業界での認知度向上も重要な要素として考慮されます。






5. まとめ


プリンシパルは、コンサルティング業界において戦略と実行の両面で組織を牽引する重要なポジションです。セールス責任、複数プロジェクトの統括、専門性の発揮という3つの核となる役割を担い、年収2,000万円台後半から3,000万円超という高い報酬水準が設定されています。


昇進には高度な専門性と卓越したリーダーシップが必要であり、特に営業力と人間性の両面での優秀性が重視されます。ファームごとに評価制度や年収水準に違いがあるため、自身のキャリア志向と適性を踏まえた戦略的な選択が重要です。


プリンシパルを目指す方は、現在のポジションでの着実な成果創出と、将来的なファームの経営責任を見据えたスキル開発に取り組むことが成功への近道となるでしょう。


(参考記事)








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