コンサルキャリアで最も特筆すべきことは、「ネクストキャリアを見越した入社」の方が多いことでしょう。
そして、コンサルに入社した方の多くが直面するのが、以下のような問いです。
・いつファームを去るべきか
・コンサルを経由したからこそ行けるネクストキャリアはどこか
・年収の増減をどう捉えるか
本シリーズでは、実際にコンサルを卒業してネクストキャリアを歩まれる方々にインタビューをし、ポストコンサルキャリアの実録を集めていきます。
今回の実録:デロイトから急成長中ITベンチャー
今回お話を伺ったのは、急成長中のITベンチャーで経営企画部長を務めるSさん。
大学を卒業後、SIerやマーケティング支援会社での経験を経て、中途でデロイト トーマツ コンサルティングに入社。ファイナンス領域を主軸に、財務マネジメント支援や中期経営計画策定の支援に従事してきました。
コンサルティングファームから事業会社に出戻りされたSさんに、コンサルと事業会社のリアルな差分や意思決定の経緯を聞きました。
ベンチャーからの転職。入社1年目から感じた違和感
Sさんがコンサルへの転職を考えたのは、2社目のベンチャー在籍年数が10年に差し掛かるころでした。
長い間一つのベンチャー企業にいたことから、自分が市場で通用するのかを試す意味でデロイトに入社します。
「もう一度IPOにチャレンジしたい。スモール上場ではなく大きなバリュエーションを。」
コンサル転職前に所属していたベンチャー企業でIPOを見届けることができなかったSさんは、コンサル後のキャリアはリベンジして別の会社でのIPOを見据えていました。
ただ、事業会社での経験とコンサルでの日々にも入社1年目から違和感を感じていました。
具体的にはコンサルでの上司からのレビューでの一場面。
事業会社での経営企画経験のない上司が「経営企画のいろは」をクライアントへの資料に盛り込もうとすることに対して、Sさんは「経営企画のプロに対して『いろは』を改めて講ずる必要はない」と口論になったそうです。
また、前職とはスピード感が異なるクライアントの大企業、手広さが求められるベンチャーとは裏腹にニッチな領域で培われるスキルなど、IPOという夢と逆行するコンサルの仕事にやりがいを感じなくなっていきました。
その他、パートナー昇進にあたって苦手とする英語が求められるなどの背景もあり、マネージャーになって1年、コンサル入社から約4年半後のタイミングで転職を考え始めました。
年収やポジションより事業内容を重視
さらに・・・



