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コンサルタントの具体的な仕事内容とは?独自調査とクチコミでわかる働き方の実態

転職市場で高い人気を誇るコンサルティング業界。高い年収や成長環境、多様なキャリアパスを求めて、コンサルティングファームへの転職を検討している人は少なくありません。しかし、漠然と「コンサルタントになりたい」と考えるだけでは、自分に適したキャリア選択かどうかの判断は難しいでしょう。


本記事では、ONE CAREER PLUSに集まるキャリアデータや編集部の独自調査をもとに、コンサルタントの具体的な仕事例、働き方のリアルを解説します。コンサル転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。




1. そもそも、コンサルとはどんな仕事?


1-1. コンサルティングファームの役割


コンサルティングファームとは、企業や政府などのクライアントが抱える課題に対して解決策を提示し、その実行を支援する専門企業です。コンサルティング業務を行う人を「コンサルタント」と呼びます。コンサルタントは「企業のお医者さん」とも例えられ、クライアントの課題をヒアリングし、分析を行い、最適な解決策を提案・実行します。


コンサルティングファームのビジネスモデルは、形あるモノを売るのではなく、課題解決というサービスを提供することでクライアントからフィーを得る形となっています。近年は「課題解決の提案から実行へ」という流れで業務領域が拡大し、クライアントと一緒に現場に入って実行支援を行うケースも増えています。


コンサルではプロジェクト型の働き方が特徴で、案件受注ごとにファーム内でチームが組成され、クライアントの課題解決に向けた成果を出すことが求められます。プロジェクトの期間は短ければ2-3ヶ月、長ければ2-3年と様々です。




1-2. コンサルティング業界の種類


コンサルティングファームは、扱う課題の種類や特徴によってさまざまな分類があります。主な種類と代表的な企業を見ていきましょう。


<戦略コンサル>

戦略コンサルの仕事内容は企業の経営課題を解決し、さらなる成長戦略を提案するというものです。具体的なサービス領域は経営戦略や事業戦略の立案、M&A、新規事業創出などが挙げられます。

代表的な企業例:

  • マッキンゼー・アンド・カンパニー
  • ボストン コンサルティンググループ
  • ベイン・アンド・カンパニー


<総合コンサル>

総合コンサルとは、戦略、IT、組織人事、業務支援など幅広い領域でクライアントの課題解決を行うファームのことを指します。総合コンサルはどのファームも自社で解決できるサービスのラインナップやリソースが豊富で、戦略から施策の実行まで自社のリソースで提案できるという特徴があります。

代表的な企業例:

  • アクセンチュア
  • デロイトトーマツコンサルティング
  • PwCコンサルティング
  • KPMGコンサルティング
  • EYストラテジー・アンド・コンサルティング


<組織・人事コンサル>

組織・人事コンサルは、企業の人材戦略や組織設計、人事制度の構築などを専門とするコンサルティングファームです。従業員のエンゲージメント向上や人材育成、組織変革など、企業の「人」に関わる課題解決を支援します。

代表的な企業例:

  • マーサージャパン
  • コーン・フェリー・ジャパン
  • リクルートマネジメントソリューションズ


その他にも、ITコンサル、事業再生系コンサル、FAS系コンサル、中堅・中小企業向けコンサル、AI系コンサルなど様々な種類があります。

(参考)どのようなコンサル企業があるのか、もっと詳しく知りたい方はこちら






2. コンサルタントの具体的な仕事内容


2-1. コンサル種類別の代表的な仕事内容


コンサルティングファームの種類によって、取り扱う課題や提供するサービスは異なります。以下に主なコンサルの種類と代表的な業務内容を紹介します。


戦略コンサル

  • 経営戦略や事業戦略の立案
  • M&A戦略の策定と実行支援
  • 新規事業創出
  • 市場調査と競合分析
  • 中長期的な成長戦略の提案


総合コンサル

  • 経営戦略から業務改善まで幅広い領域での支援
  • 組織設計・人事制度改革
  • IT戦略立案とシステム導入
  • 業務プロセスの改善
  • 事業再生や組織変革


ITコンサル

  • システム開発と導入支援
  • IT戦略の策定
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)推進
  • セキュリティ体制の見直し
  • クラウド移行戦略の立案と実行


シンクタンク

  • 政策立案や制度設計の支援
  • 市場調査と将来予測
  • 経済分析や産業分析
  • 社会課題解決のための提言
  • 学術的研究と報告書作成


組織・人事コンサル

  • 人事制度の設計と導入
  • 組織改革と変革マネジメント
  • 人材育成プログラムの開発
  • エンゲージメント向上施策の立案
  • 組織診断と改善提案




2-2. コンサルティングファームのプロジェクト・業務の進め方


コンサルティングファームの仕事内容は、取り扱う企業の課題の種類によって様々ですが、コンサルタントの働き方の流れは概ねどのファームでも共通しており、主に以下の4つのフェーズで進行します。


1. 提案・コンペ(営業フェーズ)

クライアントの課題に対して最適な解決策とその価格を提案します。ここでの営業活動は通常、パートナーが担当し、コンペで選ばれることがプロジェクト受注の第一歩です。プロジェクトが受注されると、チームが編成され、マネージャーがリーダーを務めることが一般的です。なお、リピート受注や紹介など、コンペではない形で案件を獲得するケースもあります。


2. 情報収集・施策の作成

キックオフミーティングでプロジェクト全体の方針が共有されます。アナリストは現場のヒアリングや資料分析を通じてデータを集め、仮説を構築します。これを検証し、最終的な施策候補を複数作成します。リーダーの承認を得た後、提案資料を作成します。


3. 施策の実行

クライアントに施策を提案し、承認を得た後に具体的な実行に移ります。新商品開発やシステム開発など、案件ごとに異なる内容が展開されます。


4. 評価・フォロー

施策の効果測定や問題対応を行います。この段階で新たな課題が見つかることもあり、次のプロジェクトにつながることも多いです。




2-3. コンサルタントの役職別の代表的な仕事内容


コンサルティングファームの組織は、一般的に役職によって階層化されており、パートナー、マネージャー、コンサルタント、アナリストといった役職構成となっています。役職の呼称と期待役割はファームごとにも異なりますが、概ね以下のような役割を担います。


<アナリスト>

  • 上長に指示されたタスクを期限内でこなす
  • データ収集と分析作業
  • 資料作成の補助
  • 上長への報連相やクライアントとのコミュニケーション
  • コンサルタントとしての基礎力を身につける


<コンサルタント>

  • クライアントと適切なコミュニケーションをとる
  • 必要な資料の設計と作成
  • プロジェクトの一部を担当
  • 小規模チーム(2-5人程度)のリーダー
  • 提案書の作成


シニアコンサルタント>

  • プロジェクトの特定領域の責任者
  • 複数メンバーのマネジメント
  • クライアントとの信頼関係構築
  • 成果物の品質管理
  • チーム全体のタスク管理


<マネージャー>

  • プロジェクト全体の設計や進行管理
  • チーム全体のマネジメント
  • クライアントとの折衝
  • 提案活動への参加
  • 品質管理と納期遵守


シニアマネージャー/ディレクター>

  • 複数案件のマネジメント
  • 営業活動と売上責任
  • クライアントの経営層との関係構築
  • 複数チームの統括
  • 新規クライアント開拓


<パートナー>

  • 複数プロジェクトの統括責任者
  • 新規クライアント開拓と維持
  • 経営層とのリレーション構築
  • 組織マネジメント
  • 企業の成長戦略策定


アナリストなど、若手のうちはリサーチや資料作成の仕事がメインとなり、コンサルタント・シニアコンサルタントと中堅社員になるとクライアントとやりとりをしながらプロジェクトの中心を担うようになります。


マネージャー以上の役職になると、プロジェクト全体の質の管理や人材マネジメント、さらには新規案件が獲得できるかどうか、が重要になってきます。


なお、ONE CAREER PLUSでは現役コンサルタントへの独自調査をもとに戦略コンサルタントの若手の仕事内容も解説しています。コンサルの若手の仕事についてもっと知りたい方はぜひご参考ください。







3. コンサルタントの仕事に向いている人


コンサルティングファームで活躍するためには、特定の資質や能力が求められます。ONE CAREER PLUSの独自調査やデータをもとに、コンサルタントに向く人の特徴を以下6つの観点で整理しました。


1. 論理的思考力が高く、思考することが好き

複雑な課題を構造化し、本質を見抜く思考力が不可欠です。単にフレームワークを使いこなすだけでなく、思考すること自体を楽しめる知的資質が求められます。


2. 深層を引き出し、半歩先をゆくコミュニケーション

クライアントの表層的な発言から本質的な課題を抽出し、信頼関係を構築できる対人能力が重要です。社内外で使い分けられる柔軟なコミュニケーションスキルも必須となります。


3. 知的好奇心が高く、学び続けることが苦にならない

様々な業界・企業の課題に触れる機会が多いため、幅広い分野への関心と学習意欲が不可欠です。停滞を恐れ、常に成長を追求する姿勢が求められます。


4. レジリエンスが高く、柔軟な思考ができる

長時間労働や厳しいクライアント対応などのストレス環境下でも、一定のパフォーマンスを発揮し続けられる精神的強さが必要です。


5. スキルアップへの向上心がある

受動的な姿勢ではなく、自ら成長機会を求め、必要な仕事を率先して担える主体性が重要です。


6. クライアントの成果を第一に考える、裏方力がある

自身の功績や評価よりも、クライアントの成果を最優先できる謙虚さと使命感を持ち合わせていることが求められます。






4. コンサルタントに求められるスキルや資質


コンサルタントとして成功するためには、以下のようなスキルや資質が求められます。


1. 論理的思考力・問題解決能力

複雑な課題を構造化し、本質的な問題を特定した上で、適切な解決策を導き出す能力が必要です。MESEやピラミッドストラクチャーなどのフレームワークを使いこなせることも重要です。


2. コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力

クライアントや社内のステークホルダーに対して、複雑な内容をわかりやすく伝え、信頼関係を構築する能力が求められます。また、提案内容を説得力を持って伝えるプレゼンテーション能力も重要です。


3. 分析力・情報収集能力

膨大なデータや情報から重要なポイントを抽出し、意味のある洞察を導き出す能力が必要です。また、必要な情報を効率的に収集するスキルも欠かせません。


4. プロジェクトマネジメント能力

複数のタスクを同時に進行させながら、期限内に質の高い成果物を提出するためのスケジュール管理やリソース配分のスキルが求められます。


5. ビジネス知識・業界知識

クライアントのビジネスや業界特有の課題を理解するための基礎知識が必要です。また、常に最新のトレンドや技術動向をキャッチアップする姿勢も重要です。


6. 対人関係構築能力

クライアントや社内のさまざまな立場の人と良好な関係を築き、チームとして効果的に働くための能力が求められます。


7. 忍耐力・ストレス耐性

長時間労働や締め切りのプレッシャー、クライアントからの厳しい要求などに対応できる精神的な強さが必要です。


8. 学習意欲・適応力

常に新しい知識やスキルを吸収し、変化する環境や要求に柔軟に対応できる姿勢が求められます。



(参考)コンサルに求められるスキルや向いている人について詳しく知りたい方はこちら






5. コンサルタントの働き方についてよくある質問


5-1. ワークライフバランスは取れるのか?


コンサルティングファームのワークライフバランスについては、プロジェクトの種類や所属するファーム、役職によって大きく異なります。ONE CAREER PLUSには以下のような声が寄せられていました。



裁量労働制のため、アウトプットさえ担保すれば非常に柔軟な働き方ができる。ただし、暇そうに見られたりすると、余計な仕事が増えたり、いつも忙しそうにしていると容量が悪く見られる為、ほどよい働き方を自身で見つけることができれば、働き方についてはストレスは非常に低い(デロイト トーマツ コンサルティング/中途)



プロジェクト毎に働き方は全く違うので、その点は考慮しておく必要がある。ずっとホワイトな働き方をしたい人には向いていないと思う。(アクセンチュア/中途)



基本的にプロジェクト期間中の(働き方の)調整は難しく、ハードワークが求められる。(ボストン コンサルティング グループ/中途



かなりハードワークをするイメージをもっていたが、逆にかなりホワイト企業で働き方も整備されているし、厳しくもない。リモートワークはプロジェクトによる。(デロイト トーマツ コンサルティング/中途


一般的に、戦略コンサルやシステム開発案件などでは、納期前の繁忙期には夜遅くまで働くことが多く、ワークライフバランスが取りにくい傾向があります。一方で、中長期的なプロジェクトや一部のファームでは、比較的規則正しい勤務時間で働けるケースもあります。


また、コロナ禍以降はリモートワークが普及したことで、通勤時間の削減や柔軟な働き方が可能になったという声もあります。ただし、最近ではアクセンチュアの週5出社方針など、出社回帰の動きも見られます。


(参考)アクセンチュアの出社回帰について、詳しくしりたい方はこちら




5-2. 大変なところはどんなところ?


コンサルタントの仕事で大変だと感じる点について、クチコミデータからは以下のような声が集まっています。



自分でスキルを高めていかないと仕事がもらえない環境のため、日々勉強していく必要がある点。与えられるのではなく、とにかく自分で学習していく必要があることを認識しておく。自分の強みがあればある程、仕事を与えられる印象。(PwCコンサルティング/中途)



未経験で中途入社すると、プロジェクトを選ぶ立場には全くないこと。ただ、自身の自己研鑽によっては道は開ける。(ベイカレント/中途)



事前に色々基礎スキルを身につける努力をしておけば良かったと思う。入ってからのキャッチアップでも対応出来なくはないが、精神衛生上良くない。(デロイトトーマツコンサルティング/中途)






6. コンサルタントへの転職を考える方へ


ONE CAREER PLUSでは、コンサルティングファームへの転職を検討する人に向けて、実際にコンサルキャリアを歩んだ人のクチコミや、業界理解・企業理解に役立つ記事コンテンツを多数発信しています。


シリーズ企画「コンサル転職:完全攻略ロードマップ」では、未経験からコンサル転職を目指す人に向けた転職成功の方法を全7回にわたり解説しています。具体的にコンサル転職を考えている方はまず、ここからご活用ください。



<導入編>


<業界理解編>



<実践編>



<入社後活躍編>


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