転職活動で必要になる職務経歴書。その中でも、自身の強みや経験をアピールする「自己PR」の項目は、採用担当者が応募者の活躍イメージを持つための重要な要素です。しかし、「何をどのように書けば良いかわからない」「自己PRの例文やテンプレートを参考にしたい」という方も少なくありません。
そこで本記事では、ワンキャリア転職に掲載された職種別の職務経歴書マニュアルから、自己PRの書き方のコツと職種別の自己PR例文・テンプレートをまとめてご紹介します。
職務経歴書全体のフォーマットや基本的な書き方から確認したい方はこちらの記事もご覧ください。
1.職務経歴書の自己PRの書き方|採用担当が見ている3つのポイント
自己PRは、応募先企業に自身の特徴や強みをプラスアルファで伝えるチャンスです。職務経歴書の「自己PR欄」から、採用担当者は「環境が変わっても成果を出せるか」という再現性や、自社で活躍できるポテンシャルを読み取ろうとしています。以下の3つのポイントを押さえることで、より伝わりやすい自己PRを作成できます。
1. 「結論→根拠→具体的なエピソード」の構造で書く
最初に「私の強みは〇〇です」と結論を述べ、次にその強みの根拠を示し、最後に具体的なエピソードで裏付ける構成を意識しましょう。この構造で整理することで、読み手に内容が伝わりやすくなります。
2. 定量的な表現を心がける
実績や成果を伝える際は、具体的な数字を用いて定量的に表現しましょう。「売上を向上させた」ではなく、「売上を前年比で30%増加させた」のように記載することで、客観性と説得力が増します。
3. 応募先に合わせて内容をチューニングする
複数のアピールポイントがある場合、すべてを羅列するのではなく、応募先の業界や職種、企業が求める人物像に合わせてアピールする強みを絞り込みましょう。企業研究を行い、自身の経験がどのように貢献できるかを具体的に示すことが重要です。
2.【職種別】職務経歴書の自己PR例文とテンプレート一覧
ここからは、職種別に自己PRの例文をご紹介します。ご自身の経験やキャリアプランに合ったものを参考にしてください。
2-1. 人材・HR系職種の自己PR例文|キャリアアドバイザー/RA/人事
人材業界系の職種では、対人コミュニケーション能力や目標達成へのコミットメントがアピールポイントになります。
▪️キャリアアドバイザー
キャリアアドバイザーの職務経歴書の自己PRでは求職者との信頼関係を構築するコミュニケーション力や、目標達成に向けてやり切る力を示すことがポイントです。
例文1:信頼関係構築力
どんな相手でも初対面で信頼関係を構築できるコミュニケーション力に強みがあります。キャリアアドバイザーとして年間300名以上の求職者と面談をする中で、相手のタイプに合わせたコミュニケーションの使い分けや、傾聴の姿勢、プロとしての本質的なキャリア提案を意識しています。実際に求職者からは「複数お会いしたエージェントの中で一番信頼できる」といったお声をいただくことも多く、過去3年間の面談満足度(NPS)は部署平均の6.8点に対して、8点以上をとり続けています。
例文2:数値目標達成に向けてやり切る力
目標達成に向けて、自分にできるアクションを全てやり切ることができます。キャリアアドバイザーのプレーヤーとしての3年間は毎年目標を120%以上達成し続けました。個人として高い成果を創出するために、当たり前の基準を高くもち、社内外の関係者へのスピーディーな情報連携を工夫していました。また自分1人で決定に導くことが難しい求職者については、積極的にRAやシニアCAを巻き込みながら目標達成に向けてとりうるアクションを全てやり切ることを心がけていました。そうしたアクションの結果、2020年度には同期100人の中でMVPにも選出されました。
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▪️リクルーティングアドバイザー(RA)
リクルーティングアドバイザーの職務経歴書の自己PRではデータに基づいた企画提案力や、顧客との信頼関係を構築するコミュニケーション力がアピールポイントになります。
例文1:企画提案力
私の強みは、データに基づいた企画提案力です。仮説を立て、客観的なデータを用いて採用手法の改善提案を行うことで、顧客の採用目標達成に貢献してきました。具体的には、ある顧客の過去の選考データを分析し、離脱率が高いフェーズを特定、選考フローの短縮と迅速なフィードバックの仕組みの導入を提案しました。その結果、内定承諾率を前年比130%に増加させ、顧客から高い評価をいただき、前年比120%のアップセルを実現しました。
例文2:信頼関係構築力
担当者との信頼関係を構築するコミュニケーション力には自信があります。無形商材を扱う人材紹介業界では、契約基準が営業の対応や熱意に大きく依存します。そのため私は、レスポンスの速さと、担当者の本音を引き出す一歩踏み込んだコミュニケーションを重視し、信頼を得ることに注力してきました。実際に顧客からは「XXさんだからお任せしたい」という声をいただくことも多く、過去3年間の担当顧客の契約継続率は、部署平均の70%に対し、90%以上を維持しています。
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▪️人事(採用)
人事の職務経歴書の自己PRでは候補者やチームメンバーとの信頼関係を築くスキルや、マネジメント能力をアピールすることが有効です。
例文1:信頼関係構築スキル
私は、候補者との信頼関係を築くコミュニケーション力に自信があります。自社の魅力だけでなく課題も正直に伝え、誠実で透明性のある情報提供を行うことや、自社選考の枠を越え、長期的なキャリアを見据えたフィードバックを意識的に行うことで、候補者からは「あなたと話して選考に進みたいと思った」との声を多くいただきました。その結果、過去1年間でカジュアル面談から面接への希望率が30%向上し、面談後のNPSも平均7.0から9.0に改善しました。
例文2:マネジメントスキル
私のもう一つの強みはマネジメントスキルです。3年目から新卒採用チームのリーダーとして3名の部下をマネジメントし、チーム全員の目標達成を実現しました。リーダー就任当初は、自ら成果を出して模範となることに注力しましたが、それだけでは十分ではないことに気付きました。そこで、メンバー一人ひとりの強みや悩みを理解し、それに応じた支援を行うことに重点を置き、週1回の1on1ミーティングを導入。個別化したコミュニケーションを行った結果、目標達成に加え、メンバーのモチベーション向上にも繋がり、エンゲージメントスコアも70%から90%に改善しました。
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▪️関連職種の職務経歴書解説・テンプレートはこちら
2-2. 法人営業の自己PR例文|インサイドセールス/フィールドセールス/銀行・証券
法人営業では、顧客の課題を的確に捉え、解決策を提示する能力が求められます。
▪️インサイドセールス
インサイドセールスの職務経歴書の自己PRでは、限られた情報から顧客課題を抽出し、仮説検証を重ねて提案につなげるヒアリング能力や、関係部署との連携力をアピールしましょう。
例文1:顧客課題を抽出する精緻なヒアリング能力
顧客とのMTGという限られた時間内にて、徹底的に顧客のヒアリングに注力し、顧客の課題を言語化することで、納得感をもってアプリケーションを導入いただけるように心がけてきました。1回のMTGではわからなかったことでも、過去の顧客とのやり取りを振り返り、CRMツールと連動したデータ活用によって顧客課題の仮説を立て、その検証をMTGで行っていくことで課題を絞りこみ、課題を特定したうえでソリューション提案に繋げてまいりました。
例文2:関係部署と連携した提案活動
セールス目標の達成のため、現状を分析し、必要な行動を部署の垣根を超えて周囲を巻き込みながら実行することができます。見込み顧客の拡大のためには、アプリケーションの認知、興味獲得が必要だと考えました。そこで、マーケティング部と連携し、セミナーを企画。年X回のセミナーを実施した結果、昨年同時期比較でXX倍の見込み顧客を獲得することに成功。この実績により、同年社長賞も獲得いたしました。
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▪️フィールドセールス
フィールドセールスの職務経歴書の自己PRでは、説得力のある提案力や、スピード感を持って業務を効率的に進める力をアピールすることが効果的です。
例文1:納得度の高い提案力
営業として説得力の高い提案を行うことが強みです。これまでの3年間、フィールドセールスとして年間240件以上の商談を行う中で、適切な提案を行うために事前のマーケット調査・課題の仮説立て、商談内での検証、チューニングを丁寧に行ってきました。その結果、商談からの受注率は3年間続けて60%以上(社内平均:53%)をキープしています。
例文2:スピード感を重視し、徹底的な業務効率化を実施
従業員10名以下のSMBから1,000名以上の上場企業まで、規模の異なるお客様に営業を行ってきた経験から、スピード感を持って進行することを常に心がけてきました。営業戦略を立てるにあたって、他部署との連動が必要になる・顧客ニーズが十分に高まった瞬間に商談を仕掛ける必要があるなど、想定外の事態にも対応できるように、日頃から効率よく仕事を進め、業務においても仮説検証を素早く回しています。
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▪️法人営業(銀行・証券)
法人営業(銀行・証券)の職務経歴書の自己PRでは、財務分析力や、多数の関係者を巻き込みながらプロジェクトを推進するマネジメント力が強みになります。
例文1:財務分析力
4年間の法人営業経験の中で、中小企業から東証プライム上場企業まで、多様な企業に対する融資・資金調達の提案を行ってきました。この経験を通じて、高い財務分析力を培うことができました。例えば、ある中小企業に対する融資提案では、キャッシュフローと業界の成長性を詳細に分析し、通常の融資枠を超える提案を実現し、お客様からも高い評価をいただきました。また最初の2年間は中小企業への提案が中心でしたが、社内外で分析力を評価いただき、同期100人中3名しか配属されないプライム上場企業向けの提案チームに配属され、ある大手製薬企業の海外進出時の資金調達の提案も行いました。
例文2:プロジェクトマネジメント力
複雑で関係者の多いプロジェクトを着実に進行するプロジェクトマネジメント力に強みがあります。金融の法人営業という仕事柄、一人で完結する仕事がなく、関わるステークホルダーは社内外含めて20人以上、取り扱う金額は100~1,000億円単位のプロジェクトを複数進行してきました。自身の目標達成のためだけでなく、関係者の利害を常に意識し、顧客のフロント担当者とその上司、社内の関係者それぞれが同じ方向を向いて課題解決ができるようなコミュニケーションを心がけることで、円滑なプロジェクト進行に繋がったと考えています。
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2-3. リテール(個人)営業の自己PR例文
リテール営業では、顧客一人ひとりに寄り添い、信頼関係を築く力が不可欠です。
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