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【プロンプト例付き】転職の成功率を上げる!生成AIとの壁打ち思考術

こんにちは、トイアンナです。


転職エージェントに「どんな条件を希望されますか?」と聞かれ


「今の会社の人間関係がギスギスしていて嫌なので、いい人が多い会社がいいです……」


と、答えた経験はありませんか?


実は、「○○が嫌だから転職したい」は、転職で最も失敗しやすい思考法です。


転職市場では「現職への不満」を転職理由として語る人が圧倒的多数を占めています。


しかし、不満だけでは転職の成功条件にはなりません。なぜなら、それは「○○がない状態がいい」と言っているだけで、「○○がほしい」という必要条件を出せていないからです。


この先で、もう少し詳しく解説していきましょう。





「○○がない職場へ行きたい」が転職条件にならない理由


転職相談でよく聞くのが「○○がない職場へ行きたい」という声です。たとえば、「人間関係が悪くない職場へ行きたい」「年功序列ではない場所へ行きたい」「転勤がない職場へ行きたい」といったリクエストですね。


これらは一見、もっともな希望に聞こえます。しかし、転職の思考法としてはダメなのです。


なぜなら「○○がない職場に行きたい」と言うだけなら、どんなにエクストリームな条件でも理論的には満たしてしまうからです。たとえば「人間関係は悪くないが、一切昇給しないルーティンワークだけの低賃金な職場」をあっせんされたり、「年功序列ではないけれど、社長のお気に入りだけが出世・昇給する職場」になったりするかもしれません。


極端な話「軟禁されたくない」「月300時間残業したくない」といった例でも「○○がない状態」としては成立してしまいます。つまり、否定形で転職条件を決めてしまうと、自分の理想ではなく「別の不快な要素がある職場」へ行く可能性が出てくる

のです。



実際に「○○さえなければ」と否定形で条件を決め、転職に失敗した例


実際に私が相談を受けたケースでは「上司が部下をいじめるクセがある。気に入らない人間に資料を渡さないで会議で恥をかかせて、喜ぶような人間だ。こういう人間がいない職場がいい」と、転職先の条件を出した方がいました。


結果として、その方は非常に仲の良い人間関係に恵まれた職場に転職されました。しかし、実はその「仲良し」は、ご飯はほぼ毎日職場のメンバーで行き、週末も同僚と遊びに行くような密着型の組織だったのです。転職から半年後、「ウェットすぎる人間関係に疲れ果てて、適応障害になってしまった」というご相談を、同じ方からいただくことになりました。


「○○がない職場がいい」という条件は、別ジャンルの地獄を引き寄せます。しかし、追い詰められているときほど、人は「今の状況さえなければなんでもいい!」と、安易に転職を決めてしまうのです。




生成AIを活用した自己分析の新手法


では、自分が本当に求める転職条件をどう見つければよいのでしょうか?

ここで活用したいのが生成AIです。




生成AIは「○○について教えて」とリクエストするだけでなく、対話形式での壁打ちもやってくれます。実際に、対話形式で自分に向いている職場の条件を洗い出す、プロンプトの例を見てみましょう。


あなたはプロの転職エージェントです。
私は転職を考えています。ただし、自分が本当に求める職場の条件がはっきりしません。現職では○○(具体的な不満)に悩んでいます。対話形式で、私に合う職場の条件を一緒に見つけてもらえませんか? まずは私に質問してください。

実際に試してみると、生成AIからこのような回答が届きました。参考までに、今回は Gemini を利用しています。


生成AIまず、あなたが一日の中で最もエネルギーを感じる瞬間はいつですか?それは人と関わっているときですか、それとも一人で集中しているときですか?


ユーザー 私は、一人で資料作成に没頭しているときが一番集中できて楽しいです。でも、チームでブレストするのも嫌いじゃないです。


生成AI なるほど。では、現職で「人間関係がギスギスしている」と感じるのは、具体的にはどのような場面でしょうか?


ユーザー 会議で意見が対立したときに、個人攻撃になってしまうことが多いんです。建設的な議論ができないんです。


生成AI つまり、人間関係が穏やかなことよりも、「建設的な議論ができる環境」の方が重要かもしれませんね。では、過去に「この議論は有意義だった」と感じた経験はありますか?


ユーザー 前職で、みんながデータを持ち寄って冷静に議論できたプロジェクトがありました。感情的にならずに、事実ベースで話し合えたのが良かったです。


生成AI それは素晴らしい気づきですね。あなたが求めているのは「論理的で建設的な議論ができる文化」「データや事実を重視する環境」かもしれません。


このように、生成AIと対話を重ねることで、単なる「ギスギスしない職場」ではなく、より具体的な条件が見えてきます。





転職条件の優先順位を決める重要性


生成AIとの対話で条件が見えてきたら、次は「望む転職先の条件」へ優先順位をつけましょう。できれば、3つの条件を明確に順位づけして、リストアップできるようになってください。


例えば、先ほどの対話を生成AIと続けて、こんな条件が出てきたとしましょう。

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トイアンナ

P&G→LVMH→ライター・会社経営。得意分野は法人様の人事・採用インタビュー、キャリア記事。女性のキャリアと結婚を支援する婚活予備校「魔女のサバト」の主宰も。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、小説『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。 連絡先:http://werite.info/inquiry

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