A.T. カーニーは、世界有数の戦略コンサルティングファームとして高い年収と成長機会を提供する転職先として注目されています。しかし、その選考プロセスは非常に厳格で、転職難易度も高いことで知られています。
本記事では、ワンキャリア転職に蓄積された実際の社員クチコミデータと選考体験談をもとに、A.T. カーニーの年収実態、転職難易度、具体的な選考対策について詳しく解説します。20代・30代のハイクラス転職を検討している方にとって、実践的な情報をお届けします。
1. A.T. カーニー(KEARNEY)とは?
1-1. 会社概要
A.T. カーニー(グローバルブランド名:Kearney)は、1926年に米国シカゴで創立された世界有数の経営コンサルティング会社です。日本では1972年に事業を開始し、金融、通信、自動車、消費財・小売など幅広い産業分野で戦略策定からオペレーション、IT変革まで一貫した高品質なサービスを提供しています。
本社を含むグローバルネットワークは世界45カ国・89拠点となり、スタッフ数は約5,700名規模に達しています。また「日本を変える、世界が変わる」というビジョンのもと、創造と変革のリーダーの育成、日本企業・社会課題への貢献を重視しています。
(参考)会社概要
1-2. 他コンサルファームとの違い・市場ポジション
A.T. カーニーは「高度な専門性」「目に見える成果の実現」「顧客企業との密接な協働作業」を主要な強みとして掲げています。
組織的には、戦略と成長(Strategy and Growth)、オペレーション・パフォーマンス、調達、デジタル、アナリティクス、サステナビリティなど多岐にわたるサービスプラクティスを有しており、産業横断的に対応できる体制が整っています。
(参考)会社概要、Strategy and Growth | Kearney
実際の社員からは以下のような評価が寄せられています。
幅広い業界で大企業を相手にコンサルをしてきた実績・経験と高待遇をもとに、優秀な人材を世界中から集められる人材採用力を持っている。
変化を恐れない優秀な人がいれば、時代の変化に合わせたビジネスを生み出すことも難しくないと思っており、実際に現在は宇宙や環境など新規テーマで案件開拓を進めている。こうした点から、今後も自在にサービスを変えながら、社会に求められるものを提供し続ける会社だと考えている(中途入社/戦略コンサルタント)
一方で、競合企業と比べた課題も指摘されています。
Tier1の競合も急激に伸びているため、人材獲得の部分で難しくなってくると、人材の質が命のため事業の伸びが鈍化していく可能性はある。
戦略コンサルとしてはIT関連への知見が不足しており、各社強化しているところだが根本的にエンジニア等がいない業種のためITを中心としたイノベーションへの挑戦は遅れがちである。 (新卒入社/戦略コンサルタント)
2. A.T. カーニーの年収はどのくらい?
ワンキャリア転職に集まるA.T. カーニーの年収データをみると、職位や経験年数によって大きな幅があります。
新卒・若手層(ビジネスアナリスト・シニアビジネスアナリスト)
- 700万円〜850万円程度
ただし、新卒・第二新卒の場合については以下の指摘もあります。
中堅層(マネージャークラス)
- 1600万円〜2200万円
年収体系の特徴として、基本的に業務ランクに給与が紐づいており、年次が上がるにつれて給与が上がる明確な仕組みがあります。
基本的に業務ランクに給与が紐づいており、能力に応じて給与が上がる明確な仕組み(パートナー等売上インセンティブがある職は除く)。ボーナスは契約上はないが会社の業績が良いとでることがある。 (新卒入社/戦略コンサルタント)
また、職位構成については「パートナー以下、プリンシパル、マネージャー、アソシエイト、シニアビジネスアナリスト、ビジネスアナリスト」の6職位となっています。
3. A.T. カーニーの選考フローから対策まで
3-1. 選考の流れと応募方法の違い
ワンキャリア転職に集まるA.T. カーニーの選考体験談によると選考プロセスは、一般的に以下のような流れになります。
基本的な選考フロー
1. 書類選考
2. 1次面接(ケース面接・ビヘイビアー面接)
3. 2次面接(フェルミ推定・ケース面接)
4. 最終面接(ケース面接・ビヘイビアー面接)
実際の選考体験談によると、各段階の特徴は以下の通りです。
1次面接の特徴
- 面接官:マネージャークラス、アソシエイト、プリンシパル、ディレクターなど
- 面接時間:1〜3時間
- 内容:フェルミ推定とケース面接が中心、ビヘイビアー質問も含む
2次面接の特徴
- 面接官:主にパートナークラス
- 面接時間:1.5時間程度
- 内容:フェルミ推定が中心
最終面接の特徴
- 面接官:パートナー、シニアパートナー
- 面接時間:1〜3時間
- 内容:ケース面接、ビヘイビアー面接、実務経験の深掘り
3-2. 面接対策|よくある質問とケース面接対策
ケース面接対策
A.T. カーニーのケース面接では、以下のようなテーマが頻出します。
- 市場規模推定(フェルミ推定)
- 企業の売上拡大戦略
- 業界分析とソリューション提案
具体的な出題例:
- ワイヤレスイヤホンの市場規模と市場拡大策
- 人材紹介業の市場規模
- ホッチキスの市場規模
- アマゾンの売上長期拡大可能性
- 日本のスマートフォン台数
ビヘイビアー面接対策
よく聞かれる質問項目:
- 志望理由・転職理由
- これまでの職務経験で発揮した価値
- キャリアビジョン・30年後の目標
- 自己認識・強み
- マネジメント経験
選考対策のアドバイス
実際の内定者からは以下のようなアドバイスが寄せられています。
ケース対策は必須。特に売上向上施策でマーケットを3Cで捉える力が非常に重要。
また、ケースがダメでもビヘイビアで通る可能性は大いにあるため逆質問を用意しディスカッションすることが大事
(2025年9月辞退/戦略コンサルタント)
コンサルタントとしての適性と能力を実践的なケース面接を通じて確かめられる。ケースは事前の対策や業界リサーチでかなり思考の精度を上げられるので、参考書を買うなどして対策を惜しまないことが重要。いい打ち手を出すためには、業界新聞などを見て、事例収集するとよい。 (2020年3月内定/戦略コンサルタント)
4. 実際にA.T. カーニーへ転職した人の事例を紹介
実際に、どのような人がどのような理由でA.T.カーニーへ転職しているのでしょうか。
ワンキャリア転職に集まる転職事例を見ていきましょう。
〈経済産業省からA.T.カーニーへ〉
退職時の職種:公務員(事務系)
入社時の職種:海外営業
転職理由:
・ライフイベントの変化(離婚)によって身軽になった。特に仕事に打ち込みたい、海外に行きたいという気持ちが強い
・今後に備えて貯金とスキルアップの両方を果たしたいと思い、年収を上げるために転職したい
重視したポイント:
・民間企業の中でも忙しく業務において高い視座、マルチタスク処理、語学力などの専門知識を求められる仕事:スキルアップにつながる
・年収が高く海外で働くチャンスがある:成長と収入の両面が得られる
〈東京海上日動火災保険からA.T.カーニーへ〉
退職時の職種:経理(財務関係)
入社時の職種:戦略コンサルタント
転職理由:
前職では入社3年目で海外赴任を経験。日本人赴任者が少数の赴任先では、若手ながら会社のコア人材として幅広い業務に従事することができ、日々自らの成長を感じることができた。一方、2年の駐在期間を終えて帰任した先では、大きな部門のあくまでも一人の若手社員として、自らが満足する裁量を与えられず、成長曲線が大幅に鈍化していることを感じたため。
重視したポイント:
若いうちから大きな裁量を与えられ、仕事を通して自らの成長を感じられると共に、自分の市場価値を高められるような環境での勤務を望んだ。
5. A.T. カーニーは激務でやばい?|労働環境と福利厚生
5-1. 激務の真実|残業?休日出勤?
A.T. カーニーは「激務」として認識されており、実際の社員からも以下のような声が寄せられています。
時短もフレックスも可能。管理職であればタスクコントロールは可能で例えば平日の夜に遊びにいくこともできるが、私の場合土日も必ずどちらかは働いており、全体としての労働時間は多いと思う。(中途入社/戦略コンサルタント)
クチコミをみると残業時間については、月30時間超〜60時間未満程度の範囲で発生していると推測されます。
5-2. 福利厚生とワークライフバランス|手厚い?薄い?口コミから徹底検証
福利厚生の実態
A.T. カーニーの福利厚生は他の大手企業と比べて手厚いものではないという評価が多数見られます。
コンサルティングファームは共通だと思うが、社宅制度以外は特にない。ただ、大学院への留学を支援してくれたり、自分が受講したい研修の費用を出してくれたりといった、人材育成への投資が他社よりも優れていると思う。 (中途入社/戦略コンサルタント)
一方で、人材育成に関する投資は充実しているという評価もあります。
基本的には年俸で必要なものを賄う考え方なので、福利厚生はあまりない。ただ、大学院への留学を支援してくれたり、自分が受講したい研修の費用を出してくれたりといった、人材育成への投資が他社よりも優れていると思う。 (中途入社/戦略コンサルタント)
ワークライフバランスの取り組み
育児支援については比較的充実しており、男女問わず育休取得が可能です。
リモートワークについても柔軟な対応が取られています。
6. コンサル転職を目指すなら
ワンキャリア転職では、コンサルティングファームへの転職を検討する人に向けて、実際にコンサルキャリアを歩んだ人のクチコミや、業界理解・企業理解に役立つ記事コンテンツを多数発信しています。
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<導入編>
<業界理解編>
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