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出社回帰の流れで判明した「リモートで使えない人材」

こんにちは、トイアンナです。


アクセンチュア、アマゾン、LINEヤフーといった名だたる企業で出社回帰のトレンドが発生してはや半年。前へならえと、日本企業も急激に原則出社を命じ、コロナ禍を過去のものとしつつあります。


他方、外資系企業の出社回帰と、日系のそれでは背景事情が異なります。そしてその裏には、制度以上に深刻な「個人のスキル格差」という問題が隠れています。




チャットが日常の外資と、対面が本番だった日系企業


もともと外資ではリモート勤務の環境が整っており、「子供が急に発熱したので、横に子供を寝かせながらリモートで会議入る」といった働き方が、当たり前の光景でした。


社員はチャットツールでのやりとりに2000年代後半には順応。アジアのトップを説得する会議中に「役員がこんなこと言ってるけどどうする?」と対策をチャットで練ったのも懐かしい思い出です。


一方、日系企業の多くにとって「リモート勤務」は新しい習慣でした。初めてのZoom、 Teams、 Google Meet。使い方がわからないと教わろうにも、コロナで出社禁止。仕方がないので電話した……なんて笑い話もよく聞かれました。用語ひとつにしても、在宅勤務、テレワーク、リモートと定まらなかったのがわずか数年前のできごとです。


そして、「外部から働ける環境整備とは、すなわちオンラインで会議に入れる設備を整えることだ」と考えていた日系企業は「2週目の壁」にぶち当たります。


社員が、働かなくなったのです。






サボりが通用しない外資、サボっても「雰囲気」で許される日系


外資系企業でなぜ、リモート勤務が盛んなのか。


その理由は、どんな場所にいようとも働かざるをえないからです。特に米系企業においては、社員の仕事ぶりが厳密に数字で査定され、目標数値を超えれば昇給、あまりに下回ればPIP(リストラ)対象と、シンプルな判断が下されます。


こう書くと、チームワークは一切無視していると思われがちですが、チームワークすら数字で判断するのが外資です。

極端な例ではありますが、私が新卒で入ったP&Gでは、宴会芸を披露した後に満足度調査が実施され、それが目標スコアを上回るかどうかで貢献度を査定されるということがありました。「さすがにやりすぎだろう」とツッコミは入れましたが、フェアすぎるほど明確な人事評価基準に納得したものです。


一方、日系企業の人事評価はもう少し曖昧です。「今年は数字がいかなかったけれども、この子は伸びしろがある」「頑張ってはいるけれど、まだ成果を出せていない」といった方も、優秀だと判断されます。そして、こうした努力を数値で表すことはしません。上司や同僚のコメントが重視されるのです。


この評価制度が、どういう差を生むか。外資では、世界中のどこで働いていようが、数字で成果を出さねばならないのでサボることができません。しかし、日系企業であれば、サボっていても「それっぽく」見せていればバレないのです。







「努力しているか」を知りたければ監視するしかない


それこそが、日系企業の問題でした。「あの人、リモート勤務になってからサボってるよね」「でも、人事評価は変わらないんだって」と噂になれば、全員の士気が下がります。どうせ人事評価が同じなら、人の分まで働くなんてバカらしい。だったら、私もサボってしまおう……と考えるのが普通です。


そこで、誰もがサボり始めるとさすがに部署・企業単位での成果に差が出ます。経営陣はそこで「何かがおかしい」と気づくわけです。しかし、数字で厳密に社員の業績を測っているわけでもない以上、何とかして「社員の努力」を査定せねばならなくなります


結果、生まれたのが「社員がパソコンから一定時間以上離席するとアラートが鳴るシステム」だったり、「社員をウェブカメラで監視するシステム」でした。滑稽に見えますが、日系企業の査定基準を考えれば合理的な判断とも言えます。


そうして、リモート勤務の方がかえって監視されていると感じる方も増え、社員からも「出社したい」という声が上がり始めるのです。






対面時代のコミュ強が、テキスト文化で「使えない人材」になる


そして、もうひとつ日系企業が事前に想定できなかったのが「テキスト文化に適応できない社員が一定数生まれる」ことでした。


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トイアンナ

P&G→LVMH→ライター・会社経営。得意分野は法人様の人事・採用インタビュー、キャリア記事。女性のキャリアと結婚を支援する婚活予備校「魔女のサバト」の主宰も。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、小説『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。 連絡先:http://werite.info/inquiry

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