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家庭にオーナーシップを持たないとキレる女性、仕事にオーナーシップがないとキレる男性

こんにちは、トイアンナです。


SNSで鉄板のネタに「夫が家事・育児をしてくれないことで妻がキレる」話があります。

下世話ではありますが、この10年絶えず話題に上ることを考えると、実際にそういう現場が多数あるのだ、と痛感せざるを得ません。


と、他人事のように書いていますが、実際に私の周りでも修羅場は多数発生しています。……というより、修羅場がなかった夫婦を見たことがないレベルです。






共働き夫婦だからこそキャリアダウンに耐えられない


厚生労働省のデータによると、夫婦のうち専業主婦の家庭は30%。2000年ごろを境に、共働き夫婦が多数派となっています。その上で、育児は「どちらかのキャリアダウンを迫る」イベントであることは確かです。子供の持病が発覚したり、進学の都合で転勤ができなくなったり。どこかでキャリアを夫婦のどちらかが妥協せざるを得なくなるシーンは発生します。


そのとき、現実として女性の方がキャリアを妥協することが多いのは、これをご覧になっている方も納得されることでしょう。もともと男性の年収が高い夫婦が多いことや、女性が「子育てを優先したい」という家庭観のもと、出産を選ぶケースが背景に挙げられます。


実は、共働き夫婦が増えていると言っても、女性はパートタイム労働者が多数。正社員女性はそこまで伸びていないのです。となれば、「どちらかが育児のためにキャリアを妥協しろ」となった場合、女性が断念する側になるのは自然な流れと言えるでしょう。



しかし、そこで女性が「ラッキー! これで労働から降りられる! 育児は任せて!」という方ばかりではありません。私が「キャリアを降りざるを得なかった」「キャリアを降りさせられた」と思っている場合は、衝突が発生するわけです。






両方がキャリアから降りない場合、妻側が苦痛を味わう


そして、問題は夫婦ともにフルタイムで働き続けた場合です。お互いにキャリアを降りたくない、経済的な事情でも正社員をやめられない……といったケースでは、仕事の時間が育児に奪われて修羅場を迎えます。


実際に、夫婦ともに総合商社で働くKさん(仮名)はこう語ります。



社内結婚で、女性活躍推進をテーマにした座談会とかに呼ばれたり、研修制度で代表ヅラして話してくれってよく言われるんですけど……。結局、重要な仕事を回されるのも、栄転につながる転勤の打診があるのも夫なんですよ。

子供が産まれてすぐに、夫は海外転勤になって。いきなりワンオペ育児確定じゃないですか。それで時短とベビーシッターでぎりぎり回して、それでもギブ(アップ)ってなったときは実家に一時帰省してリモート勤務にしてもらって。その分、私は昇進が遅れるわけですよ。

リモートになる分取引先に顔も出せないから、昇進で不利になるのは仕方ないと思ってます。なんだかんだ、対面じゃないと信頼は獲得できないですし。ただ、「なんで夫にはそういう道すら提案されず、私側が当然キャリアダウンを被る側になるのか」っていうところについてはまだ納得してないですね。私が転勤して、夫がワンオペで子供を見てもいいじゃないかって。


さらに、Kさんが許せなかったのは夫の態度だと言います。



夫はもう帰国してるんですけど、たまに保育園のお迎えへ行って、ベビーシッターさんがいる時間にリモート勤務して、それで「育児やった感」を出してくるんですよね。それに腹が立つんですよ。「いや、子供が熱を出したときにピックアップするのは誰だよ?」って。

保育参観とか、週末のちょっとしたお出かけとかに同行するだけで父親やってますって顔すんなよと。仕事でその態度だったら許されないでしょう。






職場でオーナーシップがないと批判される女性たち


一方、こうして時短勤務を選ぶ女性に対し、怒りを抱く方がいます。命をかけて働く社員です。DE&Iが進むとある大手企業に勤める社員は、こう語ります。


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トイアンナ

P&G→LVMH→ライター・会社経営。得意分野は法人様の人事・採用インタビュー、キャリア記事。女性のキャリアと結婚を支援する婚活予備校「魔女のサバト」の主宰も。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、小説『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。 連絡先:http://werite.info/inquiry

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