特集「スタートアップ転職と報酬」。
ONE CAREER PLUSでは、スタートアップの転職と報酬にまつわる考えをアップデートできるよう、連日コンテンツ配信を予定している。
なぜ、このテーマを取り上げるのか。
予告編となる#0の本記事では、
背景にある「今のスタートアップの市況感」を整理してお届けしたい。
上がる給与水準。国も本腰のスタートアップ
ここ最近、日本経済新聞ではこんなトピックが話題をさらった。
スタートアップ・ベンチャーへの転職は、年々当たり前になりつつあり、報酬水準が大手企業とも肩を並べる時代がきた、というニュースだ。
「楽観的なデータだ」といった声も少なからずある。それでも一昔前の印象を覆す話題のデータになった。
3月中旬には、経団連は「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して」を公表。
DeNA会長であり、経団連の南場智子副会長は、日本におけるスタートアップの数や質を増やしていく重要性を、日本経済の重要アジェンダとして示した。
冬の訪れに揺れた?資金調達環境の今
一方、22年に入り、スタートアップ/ベンチャーの金融市場、資金調達環境は、一気に冬の訪れたとも言われ、揺れている。
上場ベンチャーの中でも、一時的に時価総額が半減した話題のSaaS企業もあった。
「厳冬の東証マザーズ、春はまだか 復活シグナル3条件は」
出典:日本経済新聞社
未上場スタートアップの資金調達環境に目を移すと、どうか。
これまで、国内スタートアップの資金調達の総額は伸び続けてきた。
特に2021年は、「国内スタートアップの歴史的ゲームチェンジ」を予期させる象徴的な資金調達が続いた。
これまでにない規模の大型調達と、それを実現する海外投資家の参入だ。
例えば、キャディ80.3億調達を筆頭に、atama plus51億調達、コミューン19.3億円、FLUX10億円などが記憶に新しい。
一方、22年は、資金調達環境が変わったようだ。
多くのVC、ファンドが積極的な投資は続けており、22年にも大型調達のケース自体は出ている。
しかし、「これまでの2~3年の資金調達環境はボーナスタイムだった」との声も出ており、短期での先行きは不透明な点もある。
これまでのような資金調達環境とは全く異なる可能性がある。
特に、シニフィアン株式会社 共同代表の村上誠典氏のnoteでは、多くの業界関係者の中で話題になった。
このような「スタートアップの二極化の声」が存在する。当該noteでは以下のように触れられている。
「また未上場スタートアップでもSmartHRのように2020-2021年の相場を活用し超大型の資金調達を実現したスタートアップも優位に事業を進められることでしょう。
そして、今後はそれらの資本力のある先行するスタートアップと、よりアーリーなスタートアップは競争を迫られるのです。そして、そこにはもうボーナスタイムはありません。」
出典:村上誠典氏のnote「株式市場の調整がもたらすスタートアップへの影響」
スタートアップ転職の問いに、データと生声を。
短期では、スタートアップを取り巻く環境は混沌としてきている。
一方で中長期で見ると、日本経済の成長の重要な鍵を握っていることは変わらない。スタートアップ市場の広がりは、国も本腰で取り組むイシューだ。
問題は、個人やキャリアや転職、どう解釈するべきか?、という点だ。
ONE CAREER PLUSがお届けする、特集「スタートアップ転職と報酬」では、
話題のスタートアップ転職にまつわる問いに答えるべく、経験者への独自調査を実施。
スタートアップ/ベンチャー転職の経験者169名が、全60項目以上に渡る独自アンケート調査に回答いただいた。
回答者の属性は以下の通りで、未上場スタートアップ〜上場ベンチャーに20代中盤〜30代前半で挑戦された多くの方にご協力いただいた。
どれも取りあげたいと思う、非常に丁寧な回答で、未来の挑戦者のためにとご協力いただいた方々には、この場で感謝の意をお伝えしたい。
【回答者の年代】 U-35の80%以上
【スタートアップに転職した年次】 20代前半(〜03年目の第二新卒)での転職が40%、20代後半での転職が40%、30代以上での転職が20%
【転職前のポジション】 メンバー〜リーダークラスが80%、マネージャー/役員など管理職クラスが20%
【転職先のフェーズ】 1. シード&アーリー/2. ミドル/3. レイター&上場フェーズの3つそれぞれ30%前後
【異業種からの転職】 IT以外の異業種からの転職者が65%
本特集では、独自調査に加えて、サービスに集まった4,000件以上の転職体験談の生声、ゲストを招いた有識者との対話も交えて、「今のスタートアップを、個人やキャリアや転職、どう解釈するべきか?」という問いに向き合っていく。
スタートアップの転職と報酬にまつわる考えをアップデートできるよう、5つのコンテンツを配信予定です。お楽しみに。
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【執筆:長谷川 嵩明】