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【100人の激白/1万字】未上場スタートアップ経験者が伝える「お金とキャリアの話」


──キャリアを賭ける「運命の1社」と出会うには。


次のキャリアが見える、転職サイト「ONE CAREER PLUS」がお届けする、特集「スタートアップ転職と報酬」。


#3のテーマは、「未上場スタートアップへの転職と報酬」だ。スタートアップ転職の外観にも触れた#0~2の記事公開後、スタートアップの経営者や採用をリードされる方々からもSNSで早速反応いただいた。



※出典:LayerX 執行役員 石黒氏、ユーグレナCEO 永田氏、令和トラベル CHRO 田村氏、のTwitterを参照


この方々も最前線に立つ、未上場スタートアップの採用市場は、競争が激化する一方だ。両名のように経験豊富な経営レベルのリーダーが旗を振り、企業成長を牽引する人材採用に熱を入れる企業が多数存在する。未上場スタートアップの採用は、1人、1ポジションの採用に対する本気度が高い


一方、個人から見たスタートアップ転職は、カジュアル化が進む。YOUTRUSTやMeetyなどカジュアルにスタートアップで働く社員とコミュニケーションを取れるサービスが増え、気軽に情報収集できる時代になった。だからこそ、「スタートアップ転職のリテラシー」は一層問われる時代になったといえる。


転職前の自分が、『知っておけばよかったこと』は何か?

過去の自分がもし転職するなら、どのフェーズを勧めるか?


未上場スタートアップへの転職経験者100人への独自調査では、ひとくちに未上場スタートアップといっても、人それぞれ違う経験談が集まった。


忠告、激励、後悔、期待。


さまざまな感情が入り混じった100人の激白とデータから、未上場スタートアップのお金とキャリアの話をフェーズ別に紐解いていく。


※1on1での相談希望の方は、こちらよりキャリア面談をお申し込みも可能です

情報不足で失敗しないために。スタートアップ転職向けキャリア面談 |ONE CAREER PLUS
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未上場フェーズ、お金とキャリアの外観


未上場フェーズのお金とキャリアの外観は、反響をいただいた特集#1でも触れた通りだ。




特に未上場フェーズは、シード/アーリー、ミドル、レイターとフェーズが変わるとお金やキャリアの得られるものが大きく変わる。だからからこそ、「(大企業ではない)スタートアップ」と一括りで粗く理解することの危うさをお伝えした。



※参考:本特集#1で触れたフェーズ別のキャリアとお金の比較表


この#3では、未上場フェーズ別にさらに踏み込んでお金とキャリアの話をお届けする。



・「ミドルでの年収ダウンは妥当?」外せない3つのポイント



まずは「スタートアップ転職を通じて昇給したか?」を、#1のデータからおさらいしたい。


調査データの後半を見ると、回答者全体での年収アップが54%に対して、ミドルフェーズのスタートアップ転職経験がある回答者に絞ると、全体の38%(全体比▲16pt)という数値が出ている




逆にいうと、半分以上の方が年収を下げてミドルフェーズへのスタートアップへ飛び込んだ、というわけだ。


ようやく漕ぎつけた志望のスタートアップからのオファーが、給与ダウンの提示だった場合、どう捉えるべきか。


こればかりはその方によるのが正直なところだが、この事象を解釈・対処するうえで「外してはいけないポイント」は3つだ。




・Point①:売る転職か/買う転職かのスタンス明確化


キャリアはポジショニングである。


今の自身の経験と、オファー先のスタートアップのニーズを勘案した時、以下の図だとどのゾーンに入るだろうか。




もし仮にゾーン①に入っている場合は、企業ごとの投資方針次第でオファー金額が上がる可能性もある。


ただミドルフェーズに限ると、事業拡大・組織拡大のタイミングで、限られた数億〜20億程度の調達資金を、広告宣伝/開発人員/営業人員の増加など、多くのことに振り分けないといけない。


堅実な経営を心がけるほど、オファー年収がシビアになるという点もある。


そこに、市況感、採用競合とのオファー条件の競り合いなどの細かなポイントも踏まえ、オファー金額の提示につながるため、ゾーン①だとしても入社一時金やSO付与などで調整されるケースもあるのが実情だ。


いわんやゾーン②で、一気に採用を強化するポジションだと、オファー年収は抑制される傾向になるのは想像に難くない。


「売る転職か、買う転職か」の考え方は、『Work in Tech!』著者であり、ビズリーチ/メルカリ/スマートニュースなど急成長の未上場〜上場フェーズのスタートアップでキャリアの先端を走る森山氏の音声コンテンツも参考にして欲しい。


※参考:たいろー(森山大朗)氏のVoicy 「#457 経験を「売る」転職と「買う」転職」



・Point②:昇給スピード/金額を現職ベースで捉えない


ただ、ミドルフェーズにも、3つの側面から希望がある。


1つ目は、人事評価/報酬制度が構築途上ゆえの柔軟性があるケースだ。


このフェーズだと一般的には、人事評価/報酬の制度がまだ最低限しかない、まだまだ発展途上の会社が多く、逆に柔軟なオファーを行うことも可能なフェーズでもあるケースもある。


2つ目は、「スタートアップだから下がる」という常識と戦う会社の存在だ。


実際、一昔前の「スタートアップだから年収が下がって当たり前」ではなく、社員のスキルや実績を市場価値ベースで評価をして相応なオファーを出すケースも増えている。極端な話、コンサル業界で年収ベースで1,000万を超える市場価値の方に、年収1,000万ラインに近いオファーを出すスタートアップも存在する(逆もしかりだが)


優秀なタレントを惹きつける魅力的な仕事と報酬があるからこそ、事業成長⇄組織拡大の良いサイクルが実現する。そして、企業利益やメンバーの報酬に跳ね返るわけだ。


「半期で平均+●●万円昇給しました」

「等級別の報酬水準はこれです(=●●●万円を貰ってる人が全体の●●%存在)」


この結果、目を見張る昇給実績を発表する未上場スタートアップは、確かに存在する

※例はコミューン社、10X社


出典:コミューン社の会社説明資料より
出典:10X社の会社説明資料より


3つ目が、短期的な金銭報酬の毀損を補ってあまりある「経験・実績」が積めるケースだ。


入社後、成長フェーズの事業開発や組織づくりに携わることで、結果として市場価値が上がる。「どの時間軸でどのぐらいの報酬を取りに行くか?」というのが、ミドルフェーズのスタートアップキャリアの本質の論点だ。(だからといって年収ダウンが当たり前かは、2つ目のような会社の存在が否定している点が、時代の進歩を感じる。)


ただ、こうしたケースを知らない場合、現職の昇給スピードの期待値で、オファーを過小評価してしまう


特に日系大企業→未上場スタートアップ転職では、市場の相場とのギャップを理解しないまま判断するケースが目立つ。もちろん「今の年収がいくらか?」は大切だ。「年収を下げてまで挑戦はできない」こともあるだろう。また、「経営のバランスを踏まえた際に、入社時のオファー条件としては、満足のいく提示ができない」、「想定していた昇給スピードにならなかった」という変数はつきものだ。


それでも、現職の昇給金額やスピードのイメージだけで判断せず、「入社後活躍を見据え、その時の昇給スピードはどうか?」というポイントは大事にすべきだ。



・Point③:それでも納得できない場合の「意思表明」


Point①②の観点で見直した際に、「いや、それでもこのダウン提示は納得できない」というケースはあるだろう。実際のミドルフェーズのスタートアップ転職の経験者からも、こんなアドバイスがあった。


「アーリー〜ミドルのベンチャーは給与テーブルや相場感というものがあまり固まっていません。入社後は会社の状況によって出し渋ったり、革新的な成果を上げないと昇給しない場合が往々にしてあるので入社時の交渉が最も重要だとみんなが口を揃えていっていた。最初が肝心。
(20代/女性/大手IT企業 → ミドルフェーズのAIスタートアップに転職)


対応としては、なるべく「売る転職」であるゾーン①に近づける材料を企業側に提示して、できればオファー金額が出る前の希望条件を伝えるタイミングですり合わせ行うべきというのがリアルなところだ。


貢献や成果への期待を語らずに、ただ「オファー年収をあげたい」が通るほど、未上場のスタートアップは甘くはない。印象面で逆効果になることすらある点は理解しておくことをおすすめする。



・ストックオプション、経験者はどう考えた?


特集#1でも、ストックオプション(SO)の付与についてはどうだろうか。入社時・入社後合わせると平均して50%以上の方がSO付与を受けているが、「宝くじであり、適切な期待値で」とお伝えした。


(参考)特集#1の未上場フェーズのストックオプション付与状況アンケート



実際の経験者の声で見ても、先ほどの年収やSOに対する考え方として以下の声もあった。


「入り口の年収を落としてもIPO前後の3〜5年を過ごす覚悟があれば投資対効果があり。ただ20代に関しては年収アップ目的というより、成長ファーストで投資できる環境か否かの見極めが最も重要で、ストックオプションを含む年収の見返りは求めないほうが良い。」
(20代/女性/日系大手メーカー→ミドルフェーズのスタートアップに転職)
「給与を優先するかSOを優先するかも大きな課題で経営者含めてしっかり価値観を合わせて入社前に認識を合わせるのがベター。入社後に思ってたのと違う、となるとかなり不幸。」
(20代/男性/メガベンチャー→アーリーフェーズのスタートアップに転職)


SOについて絞ると、企業のフェーズや調達タイミング、付与方針によって、転職・オファー時に付与があるケース/ないケースがあるのがリアルなところだ。経験者のアドバイスを踏まえても「内定フェーズに来た段階で、中長期での資本政策の中でのSO付与方針」を聞いて、ギャップを極小化するのが良いだろう。


※近年の国内スタートアップのSOに対する変化は、#1の「フェーズとお金の関係性」でも触れているので参考にされたい。

 

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経験者100人の告白から見えた「8つの留意点」




ここからは独自調査で集まった「未上場スタートアップへの転職経験者100人の告白」から見えた、フェーズ別、8つの留意点はこうだった。


【シード・アーリー】

(1)報酬は、経営者とトコトン対話

(2)入社前に働き方のすり合わせを

(3)役割に固執すると終わり

【ミドル】

(4)高い年収が出る意味を経営視点でも理解する

(5)働き方のペースは緩まることも

(6)まだまだ組織は固まってないフェーズ

【レイター】

(7)上場前タイミングでの発生事象の理解を(予算プレッシャー/ラストのSO付与…)

(8)働き方が「コミットより効率性」で評価されるケース増


ここからは、実際の声を交えてお届けする。


・シード・アーリー:対話と柔軟性で乗り切る覚悟はあるか?




未上場スタートアップらしいハードシングスもあるフェーズにおいて、集まった声を見るとポイントはこうだ。


(1)報酬は、経営者とトコトン対話

(2)入社前に働き方のすり合わせを

(3)役割に固執すると終わり


もちろん他フェーズにも共通するものもあるが、そのリアリティ・切迫感はシード・アーリーが一番ではないだろうか。対話や柔軟性を持って、何もないフェーズを乗り切る覚悟があるか?ということが総意ではないか。実際の声を紹介する。


【(1)シード・アーリーでの報酬は、経営者とトコトン対話】


・30代/男性/外資系IT→アーリーのスタートアップへ転職

「シード・アーリーのフェーズはとにかく事業が生き延びることが優先。経営者が決めの問題で、自社の事業状況を踏まえオファー年収を決めるケースも多い。市況や相場感ない経営者の場合は、他社オファーより著しく低くSOで補填するケースもある。他社オファーなどファクトを持って交渉することが大事」


・20代/女性/アーリー→アーリーのスタートアップ間での転職

「スタートアップだから報酬に期待はできないと考えて、提示額が自分の評価である、という感覚よりも、いくらは欲しいことをまずは伝える必要がある」


・30代/男性/上場ベンチャー→アーリーのスタートアップへ転職

「入社前に聞きづらかったが、可能であれば率直に役員とコミュニケーションをしておいたほうが楽だったかもとは思う。」


・20代/女性/マーケ支援→アーリーフェーズのスタートアップへ転職

「後からなかなか言い出しにくいため、最初の年収交渉がとても大事。お互いのために納得できる金額まで話し合い、決まれば責務を全うする。ストックオプションについても自社では聞くに聞けない空気が流れている(いかにも日本らしい)が、聞けるなら聞いた方が良い。」


・20代/女性/マーケ支援→アーリーフェーズのスタートアップへ転職

「前職で整備された大企業にいる人は特に、スタートアップで昇給やボーナスなど同等レベルを求めるのは非常に難しいからこそ、どう解釈するか」


【(2)入社前に働き方のすり合わせを】


・30代/男性/戦略コンサル→10名規模のスタートアップへ転職

「どのような働き方を望み、望まれているのか、双方の事前にすり合わせがすべて。私自身、入社から半年位は土日も無いような働き方でした。一方で最近は会社も大きくなってきたので大企業と同じような働き加減になった。どちらが自分に合っている、かだと思う」


・20代/女性/メガベンチャー→シードのスタートアップ(当時30名規模)へ転職

「大手より確実に働きやすいと感じる。フルフレックス・フルリモートなど場所や時間の自由度が担保されているケースが多く、どんな家庭環境の方でも受け入れられやすい。働き方に対してどのような制度や考え方を持つ会社かは、面接時に確認した方が良い」


・20代/男性/上場ベンチャー→アーリーのスタートアップへ転職

「想定よりもはるかに大変。子供がいる場合などは特に家庭のバランスが崩れうるので要注意」


【(3)役割に固執すると終わり】


・30代/男性/大手IT企業→アーリーの金融系スタートアップへ転職

「50名未満なら、人生を捧げるぐらいで取り組むべき。評価の正確な指標も無い事が多いので、がんばっているだけで一定以上の評価がもらえ、仕事がやりやすくなる。」


・20代/男性/アドテクベンチャー→アーリーの教育系スタートアップへ転職

「入社当初は、必要部署もまだ立ち上がっていない状態でしたので、〇〇をやった方がいいよね。という話になった時に、マーケティング関係ないのにマーケティング部署にタスクが割り振られる、というようなことは当然存在。なんでもかんでも業務が降ってくる。それが人数が増えてくるごとに、業務範囲が明確になっていくのが成長企業でのフェーズごとの働き方」


・30代/女性/メディア系上場ベンチャー→アーリーのスタートアップへ転職

「年収や前職での待遇、時間の余裕など、何かしらのものを捨てて、よりチャレンジングな場所に入社するときは(スタートアップのフェーズをよりアーリーの場所を選ぶ際は)自分で環境を何とかする覚悟と意思、そして実行力を持って入らないと苦しむのは自分。こんなはずじゃなかったのには環境のせいではない。」



・ミドル:早いと捉えるか遅いと捉えるか。




どんどん人が増えて、事業成長と組織成長のサイクルが回り出す、ミドルフェーズならではのポイントがこちらだ。


(4)高い年収が出る意味を経営視点でも理解する

(5)働き方のペースは緩まることも

(6)まだまだ組織は固まってないフェーズ


実際の声も、ミドルをまだまだ早いフェーズと捉える声と、よりレイター寄りに近く捉える声に別れており、一番解釈に幅が出るフェーズである。また、報酬については論じた通りで、やはり事業を見る視点が大事だというアドバイスが大半を閉めた。声は以下の通りだ。


【(4)高い年収が出る意味を経営視点でも理解する】


・30代/男性/メガベンチャー→コマース系スタートアップへ転職

「査定時に昇給ができるかどうかは、その人のアウトプットだけではない。会社としてその給料が払えるかが重要。特にミドルフェーズでは、市場にサービス認知を取る必要性から広告宣伝を優先するようなケースもあり、成果を出しても昇給させるだけのしないという事象はよく起きるが、それは評価体制や上司に文句を言っても仕方なく、会社として昇給させられる資本力/企業体力が、その時点でないだけである。」


・20代/女性/ミドルフェーズ→上場スタートアップへ転職(※前職経験に関するコメント)

「やみくもに高い年収提示で人を集めるのではなく、ちゃんと会社なりの評価の物差しをもってコミュニケーションしないと建設的な経営ができない。結果として、社員を裏切ることになり見放され、立ち行かなくなることをケースを通じて学んだ。」


・30代/男性/組織コンサル→スタートアップへ転職

「過去に関わってきた「業界」「企業フェーズ」「商材」「顧客」「仕事内容」などと、会社の内容が一致する要素が多く、結果を残していればいるほど、即戦力とみなし入社時に高い報酬が設定される。」


・20代/男性/人材大手→HRTechのスタートアップへ転職

「IPOが近づくにつれ給与の上がり幅は狭まるため、転職先の企業のフェーズに応じ年収ダウンは慎重になる必要がある」


・30代/男性/組織コンサル→スタートアップへ転職

「近年、給与UPの重要性が日本全体で叫ばれるようになってきて、かつスタートアップに資金が入ってきている。だからこそ給与を出せる企業が増えたが、まだまだ企業フェーズによる差などを中心にスタートアップの企業間で、支払える給与に差がある。レイターステージやIPO前後のスタートアップは売上や調達金額の関係で、給与がより出せる企業も出てきたが、一方でシード、アーリー、ミドルステージは、まだまだ給与を多く出せない企業も多いことは事実」


【(5)働き方のペースは緩まることも】


・30代/男性/財務系ファーム→スタートアップ

「プロファームからだと、働き方に戸惑うかと思う(ミドルレイターのスタートアップは思ったより働かないので)。そのため、「前職はこうだった」的なことを発言しがちだが、パワハラになりかねないので絶対にしないこと」


・20代/男性/トップメーカー→SNS系のスタートアップ

「(単純に前職と比較して)もっとハードな環境かと思っていた。」


(6)まだまだ組織は固まってないフェーズ】


・20代/女性/メガベンチャー → ミドルのAIスタートアップに転職

「アーリー〜ミドル時の入社ですが、ビジネスのピボットが頻繁に起こる場合があり、その度に組織が割と入れ替わる。そのタイミングで、新規ビジネスに共感できない/ついていけないと感じたら、そこでのキャリアは限界を迎えたと捉えるのがいいと思います。」


・30代/男性/メーカー→ミドルのAIスタートアップに転職

「入ってからも制度が変わることは多いので、入社時の制度にこだわる必要はない。」



・レイター:組織のルールが変わるタイミング?




上場フェーズとの違いがなくなってくるフェーズ。レイターならではのポイントがこちらだ。


(7)上場前タイミングでの発生事象の理解を(予算プレッシャー/ラストのSO付与…)

(8)働き方が「コミットより効率性」で評価されるケース増


実際の声も、レイターになると組織で評価される人や評価のルールが変わることに起因する声があげられた。例えば、上場審査を見据えて予算達成への厳しさが増したり、労務管理を本格化するなかで、昼夜問わずコミットできる人材だけでなく、生産性が高い人材への評価がうつるなどだ。実際の声はこうだ。


【(7)上場前タイミングでの発生事象の理解を(予算プレッシャー/ラストのSO付与…)


・20代/男性/教育大手→上場直前のベンチャーに転職

「上場前となると売上を上げ続けることが絶対となるため、必然的に売上にはシビアになる。その分、働き方にも大きく影響が出るため勤怠を切った後も働かなくてはいけない状況が続く。そのためワークライフバランスは全く整わないため仕事に没頭し続けることになる。」


・20代/男性/旅行代理店→レイターの大型スタートアップに転職

「自分の入社月がその期の評価対象になるのかは、面接時にチェックしておくべき。評価対象外だと、昇給やSO付与がないため、数ヶ月のがんばりに対する見返りがなくモチベーションがあがらないケースもある。特に即戦力で、入社間もなく会社へ貢献できるメンバーであれば尚更です。」


【(8)働き方が「コミットより効率性」で評価されるケース増】


・20代/男性/人材ベンチャー→レイターの大型スタートアップに転職

「150名前後だったが、残業に関しては45時間を超えないように注意されており、平均だと20時間〜ほどだったと記憶。時間をかけて結果を出すことにフォーカスすることも大事だが、ある程度の規模になったら効率的な働き方にシフトすべき。」


・20代/女性/大手IT→レイターのメディア系スタートアップに転職(※逆説的なコメント)

「100人以上の規模になり、IPOを見据えたフェーズにならない限りは残業時間・業務量の改善はなかなかされないと思った方がいいかと思います。(結婚や出産によるキャリアを考える人は特に。)一方で50〜100人規模のフェーズで入社するからこそ、業務上でのチャレンジの回数や裁量、濃いカルチャーの理解・体現・創造ができると思うので、何を得たいかによるかなと。いずれにせよ、特に大企業からのスタートアップへの転職をする場合はある程度腹を決めて転職することをすすめます」



おわりに:「100人の激白」のバトンをつなぐ




1万字にも及ぶ本記事では、決して一言で綺麗に片付けられない「未上場スタートアップのお金とキャリアのリアルな側面」を届けるべく、情報をまとめてきた。


その元になったのは、独自調査により集まった「未上場フェーズ経験者100人の激白」だ。


編集担当の私自身も、ワンキャリアに4人目の社員として入社。アーリーフェーズへのスタートアップ転職を経験してきたひとりとして、1人1人のコメントを目にして、当時知りたかったことをなるべく拾うように心がけた。


この価値あるバトンを、これから未上場スタートアップに挑戦する全ての方に届けたい。そんな想いの記事なので、どうかキャリア選択の一助になれば幸いだ。


特集の#4は、ジャフコグループ新代表の三好氏とワンキャリア取締役 北野の対談コンテンツをお届けする。お楽しみに。




・記事特集「スタートアップ転職と報酬」





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【編集:長谷川 嵩明】



ワンキャリアプラス編集部

次のキャリアが見える転職サイト「ONE CAREER PLUS」の編集・リサーチチームです。 ▼最新イベント:https://plus.onecareer.jp/events ▼公式Twitter:https://twitter.com/onecareerplus

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