1. SAPジャパンの企業紹介
1-1. 企業概要
SAPジャパンは、ドイツの大手エンタープライズソフトウェア企業SAP SEの日本法人として1992年に設立されました。主に企業向けのERPで高いシェアを誇り、近年はクラウドサービスやデジタルトランスフォーメーション(DX)にも注力。日本市場に合わせたローカライズや国内パートナー企業との連携を強化して、事業を拡大しています。
1-2. 詳細・特徴
ERPはEnterprise Resource Planning(エンタープライズ・リソース・プランニング)の略で、企業の財務会計、人事、生産管理、販売管理など部門をまたいだ業務を一元管理できるのが特徴です。業務効率化やデータ活用に有用であることからニーズが高まっています。
SAPは1973年に世界初のERPを開発し、現在も市場においてトップクラスのシェアを誇ります。日本でもERPの普及が進んだことを背景に、1992年設立のSAPジャパンが日本市場での製品販売、導入支援をリードしてきました。
ERPは近年、インターネット経由で利用するクラウド型に移行しており、SAPもクラウドへのシフトを進めています。また、AIを活用した機能開発にも取り組むなど、企業の業務プロセスのさらなる効率化を推進しています。
1-3. ミッション、ビジョン
SAPジャパンは2012年に創立20周年を迎えたことに伴い、次の20年を見据えた長期ビジョンを策定しています。メインメッセージは「ニッポンの『未来』を現実にする 〜世界の叡智と革新性をもって、変革を目指す全ての人と共により良い明日を創る〜」です。この長期的なゴールに向けて3カ年計画を策定しています。
最新計画のJapan2026が掲げるビジョンは 「Bloom with Japan~世界に誇れる仲間と共に、ニッポンの未来を咲かせよう。さあ、No.1クラウドカンパニーへ」です。SAPジャパンの事業成長を通じて、世界における日本のプレゼンスを高めることを目指しています。
2. SAPジャパンの組織・部門構成と主な職種一覧
2-1. 各部門の特徴
SAPのERPにはさまざまな機能があり、顧客の規模や業種も幅広いです。日本市場でも同様の傾向にあり、SAPジャパンの組織は多数の部門や職種で構成されています。
そのため、ここでは主な事業領域、部門に絞って説明します。
営業・カスタマーサクセス領域
顧客との最初の接点から契約まで、顧客のサービス利用をトータルで支援します。顧客課題の特定とソリューションの提案を行う営業部門は、業種別(製造、金融など)、規模別(大手、中堅・中小など)のチームや、特定のソリューション(人事、経費精算など)を専門とするチームに分かれています。契約締結後は、カスタマーサクセスが顧客体験の向上に努め、契約継続を目指します。
コンサルティング領域
SAPソリューションの導入プロジェクトを直接実行し、顧客のシステム構築を技術的に実現する専門部隊です。 SAP製品の導入コンサルティング、プロジェクト管理、技術支援などを行うため、他社のITコンサルティングファームが競合となるケースがあります。
パートナーアライアンス領域
SIerやコンサルティングファームといったパートナー企業との連携を強化し、エコシステム全体で顧客に価値を提供する部門です。パートナー企業との協業戦略の立案・実行や、実際のプロジェクトを通じた顧客満足度の向上などを担います。
製品・ソリューション事業領域
日本市場における製品のマーケティング、販売推進を統括する部門で、営業やプリセールス部門と密に連携して活動します。事業計画の策定やグローバル戦略のローカライズなどSAPジャパンの中核を担っています。
コーポレート部門 (Corporate Functions)
人事、財務、法務、広報など会社全体の運営を支える管理部門です。
2-2. 職種
SAPジャパンはどの職種でも「お客様の価値創出」を主軸に据えて仕事が進められています。 ここでは、直接的に事業・売上に貢献している職種を中心に紹介します。
アカウントエグゼクティブ(営業)
顧客の経営課題に対し、SAPソリューションを提案・販売する外勤営業です。経営層へのアプローチから契約までを主導し、社内外の専門家と連携してプロジェクトの起点を作ります。
ソリューションスペシャリスト(プリセールス)
営業と連携し、技術的知見から最適なソリューションを設計・提案する技術者です。製品デモやシステム構成の策定を通じ、顧客の課題解決の具体像を描き、契約を後押しします。
カスタマーサクセスパートナー (CSP)
契約後の顧客を支援し、製品価値の最大化を追求する伴走者。顧客満足度を高め、長期的なビジネス関係を築く重要な役割を担っています。
ITコンサルタント
顧客の業務要件を分析し、SAPの機能を用いた課題解決に取り組みます。最適な業務プロセスを設計し、それを実現するための導入プロジェクトを策定することで、顧客の業務改革を推進します。
プロジェクトマネージャー
SAP導入プロジェクト全体の責任者。予算・納期・品質・スコープを管理し、多様な関係者をまとめ、プロジェクトを成功に導きます。強力なリーダーシップと管理能力が求められます。
テクニカルコンサルタント(エンジニア)
SAPシステムの技術的な実装を担うエンジニア。標準機能で不足する要件をアドオン開発で補ったり、外部システムとの連携プログラムを開発したりします。
クラウドアーキテクト(エンジニア)
顧客のDX実現に向け、クラウド基盤のシステム全体の技術設計を担うエンジニアです。
AI/データサイエンス関連職
AIやデータ分析ソリューションを専門とし、顧客に提案したり、技術的な実現を支援したりします。
パートナー・ビジネス・マネージャー
SIerなどのパートナー企業との協業を推進し、ビジネスエコシステムを拡大させるポジションです。共同ビジネスプランの策定や営業支援を通じ、パートナーの成功と自社の成長を両立させます。
3.SAPジャパンの実際の社員の声
ONE CAREER PLUSにはSAPジャパンで働いた経験のある方のクチコミが投稿されています。仕事内容だけではなく、それを通じた成長、働き方、カルチャー、年収・福利厚生などさまざまな観点から企業理解が深まるよう、ピックアップしていきます。
仕事のやりがい・成長機会
年収・福利厚生
評価によってはRSUを割り当てられることがあり、成果が収入につながることがあった。インセンティブの比率が高い営業職との給与には大きな開きがあるという点を認識しておくべき(カスタマーサクセス/新卒入社)
4.SAPジャパンへの転職を考えている方へ
SAPジャパンは、グローバルで支持されているERPを強みに顧客を獲得し、近年はクラウドやAIを取り入れてサービスをアップデートしています。最先端の技術やグローバルな事業に関心があり、外資IT業界を志望する人には選択肢の1つになるでしょう。
▼SAPジャパンへの転職事例
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