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勝てる場所を探して。銀行、営業、BIG4を経て見えたアンラーニングできる強さ|未経験コンサル転職実録集 vol.05

一般的に、コンサルティングファームへ転職し、活躍するまでには高いハードルがあるといわれます。一方、コンサルタントとしてのキャリアだけではなく、ファームを卒業してからもコンサル経験がキャリアの機会を広げている事例は多く存在します。


未経験からコンサルに入社した方の多くが直面するのが、以下のような問いです。


・どのように準備し、コンサルティングファームに入社するのか


・つまずきがちなポイントをどう把握し、どう価値発揮するのか


・年収はどのように変化するのか


本シリーズでは、実際に未経験からコンサルタントに転職して、キャリアを歩まれる方々にインタビューをし、未経験からのコンサルキャリアの実録を集めていきます。



実録:環境が変わるたびに、鍛え直してきたキャリア


新卒で三井住友銀行に入行し、社会人としての基礎を叩き込まれたKさん。


体育会系のカルチャーの中で「愚直にやること」の大切さを学びつつも、自分の強みを活かしきれないもどかしさを感じていました。


その後ソリューション営業として営業力を極限まで磨き上げたKさん。会社員ながら個人商店的な働き方を行い、24時間気を張り続ける日々を経て、体調を崩したことが次の転機となります。


もう一度、知識を積み上げる仕事がしたい


そうして選んだのはBIG4コンサルティングファームでした。


環境が変わるたびに、自分を鍛え直し、次のステージへと挑み続けてきたKさん。


銀行、営業、コンサルという異なる世界を渡り歩いた経験から見えてきたのは、キャリアの根幹にある立て直しの力でした。






三井住友銀行で学んだ「社会人の基礎」と愚直になることの大切さ


2015年に大学を卒業したKさんは、三井住友銀行に入行しました。


配属は地方都市の比較的大きな支店。入行当初はカウンター業務や窓口対応を担当し、2年目以降は法人営業として中小企業を中心に、年商100億円規模までの企業を相手に融資営業や審査に必要な事務などを手がけました。



業務はハードでしたが、若いうちから経営者と向き合うことができる環境は刺激的でもありました。ただ、その環境は想像以上に体育会系。「大きな声であいさつをする」「羽目をはずすときは全力で一発芸をする」といった文化が徹底されており、最初のうちは「社会人らしく鍛えられている」と感じていたKさんも、次第に違和感を覚えるようになります。


『銀行員のABC』ができなかったんです。A=あたりまえのことを、B=ばかになって、C=ちゃんとやる、という意味なんですが、それができなかった。どこかで斜に構えてしまっていたし、プライドが高かったんだと思います


2支店目は、東京の大きな支店に異動することになりましたが、学歴主義的な空気もあり、同期には海外大学や東大出身者が多く、「自分はハード面で劣っている」と感じることも少なくありませんでした。やがて管轄の出張所へ異動となり、カルチャーが合わない疑念は確信に変わります。組織に適応しきれず、銀行を離れる決断をしました。


当時は『意味がない』と思っていた体育会的なカルチャーも、今ならその意味がわかります。愚直にやることの大切さをあの環境で教わったのだと思います


そう振り返るKさん。しかし、厳しさと挫折の中に、後のキャリアの礎が確かに育まれていたのでした。






勝てる場所を探して。銀行員から営業マンへの転職とアンラーニング


銀行を離れたKさんは、「自分の強みを活かせる場所で再挑戦したい」と考えるように、金融機関向けのソリューション営業職に転職しました。


銀行での債権回収は、相手が弱い立場にあることも多く、精神的にきつかった。もっとフラットに、企業と向き合える仕事をしたいと思いました


また、当時は3年で離職したため、銀行で大失敗したという思いがあり、もう一度勝負したい、という気持ちが強かったです。数万の行員の中で戦うことは厳しくとも、もう少し規模の小さい会社なら、今度こそ勝てると思ったんです。何より、一度挫折しているからこそ逃げだしたり、JOBホッパーにはなりたくなかった


地銀や信金出身者が多い中、メガバンクでの経験は大きな武器になりました。アクセンチュアなど外資系ファームからも内定を得ていましたが、「知見を活かして即成果を出せる」と考え、あえて営業の仕事を選びました


入社後、財務領域のソリューションパッケージを扱う部署に配属。

「想像以上に成果主義でしたね。数字をつくる力が問われる環境。ロジカルさはもとより、どれだけ契約を取れるかが重視されていた」と振り返ります。



それでも「メガバンクは『仕事がなぜこの仕組みで動いているのか』を構造的に教えてくれる会社だった。そのため制度設計の背景をわかりやすく経営者に伝える力は、転職した後で自分の強みになりました。辞めてから会社の良さがわかるとは皮肉なものですが、本当に丁寧に教えてもらっていたんだな、と気づきましたね」と当時を振り返ります。


このように銀行で得た金融知識を活かし、経営者に寄り添うスタイルを磨くうちに、少しずつ成果が出始めます。


お客様は中小企業の経営者。最初の三か月くらいで『小難しい詳細な仕組みの話なんて求めていない』と気づいたことが大きな転機でした。提案するソリューションでどれくらい資金調達が円滑にできるのか、なぜ融資を受けられないか、など目下の問題を説明し、それを解決できる営業マンが信頼される。知識を噛み砕いて、わかる言葉で伝えることが大事なんです


この経験を通じてKさんは、銀行で必要な仕事の能力をアンラーニングし、営業として自らを鍛え直していきました。


銀行では金融に関するあらゆる知識を蓄えましたが、営業ではなんでも仕事にする力、を身につけたと思います。こんなのもビジネスになるんだ、という発見を積み重ねることがクセづいていきました



▼営業職からコンサルティングファームへの転職体験談






限界と転機。BIG4コンサルティングファームへ再転職


営業として成果を出し、昇格も果たしたKさんでしたが、充実と同時に心身の限界を感じていました。


24時間、常に自身の売上実績を上げることを考えていました。年間数千万円の売上をつくるプレッシャーは本当に大きかった。やりがいや自信はあったし、実際に仕事は楽しかったけど、ずっと気を張っていました


 やがて体調を崩し、4か月間の休職に入ります。休職中にKさんは、自分のキャリアを見つめ直しました。


確実に営業力は身についたと思いましたが、中小企業向けの支援では知識よりも”その場の馬力”のようなものが求められ、銀行時代に得られたようなハードスキルが磨かれない感覚がありました。30代に突入するにあたり、他人に語れる専門性を磨くべきタイミングが来たと思いました。


そこで目を向けたのが、より専門性を磨けるBIG4コンサルティングファームでした。


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ワンキャリア転職編集部

次のキャリアが見える転職サイト「ワンキャリア転職」の編集・リサーチチームです。 ▼公式X:https://x.com/ocTenshoku

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