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外資IT企業の女性の働き方とは? 外資系特有の「きつい」を乗り越えキャリアを築くポイント

外資IT企業と聞くと、高い報酬やグローバルな環境といった華やかなイメージがある一方で、「成果主義で常にプレッシャーがかかり、きついのでは?」と感じる人も少なくないでしょう。


本記事では、ワンキャリア転職の独自データや現役社員のクチコミをもとに、外資IT企業で働く女性が直面する「きつさ」の実態と、それを乗り越えキャリアを築くためのポイントを徹底解説します。





外資IT企業で女性が感じる「きつさ」とは?


外資IT企業への転職を考える女性が抱く不安の一つが「育児や介護と両立できるか」という点です。男性も育児や介護をすることが当たり前という考え方も広まってはいますが、依然として女性がメインの家庭も多いでしょう。ここでは、特有の成果主義がもたらすプレッシャーや、職種・部署によって異なる環境の実態について解説します。


外資IT特有の成果主義のプレッシャー


外資IT企業の多くは、個人の実績が年収に直結する「成果主義」を採用しています。 そのため、常に高い目標達成へのプレッシャーが伴います。


例えば、セールスフォース・ジャパンでは、昇格やインセンティブの決定は基本的にKPI達成率に基づいており、それ以外の要素はほとんど評価の対象になりません。 同様にHubSpot Japanの営業職の評価も、定量目標であるMRR(月次経常収益)の目標達成率が対象となります。通常でも高い目標設定であり、さらに育児や介護と両立させる必要がある場合は、非常に負担が大きくなるでしょう。


クチコミからも、営業職の目標達成の厳しさがうかがえます。


会社全体で見ると女性の働きやすい環境が整っていると言える。しかし営業職で育児との両立をすることは大変難しいように感じられる(セールスフォース/アカウントエグゼクティブ

女性も数多く在籍していたと思います。女性マネージャーもいました。が、かなりのハードワークなので子育てをしながらやるには相当のやる気がないと厳しいかもしれません(セールスフォース/インサイドセールス・内勤営業


一方で、日本マイクロソフトのように、個人目標に対する定量的な評価だけでなく、他者への貢献といった定性的な側面も評価対象となる企業もあります


このように、企業によって成果主義の度合いや評価の尺度は異なりますが、常に成果を求められる環境であることは、外資IT企業で働く上で向き合うべき現実と言えるでしょう。



職種・部署ごとの環境差とその背景


「きつさ」の度合いは、企業全体だけでなく、所属する職種や部署によっても大きく異なります。特に顧客と直接向き合うフロント業務は、多忙になりがちです。


制度は充実しているが、クライアントワークの場合適用することは難しい(ほぼ無理)。そのため、産休・育休明けで時短をする場合は働き続けるためにプロジェクト、もしくは部門を変える必要がある。(日本IBM/プロジェクトマネージャー


営業職はハードワークのため実績が重要。(セールスフォース・ジャパン/法人営業


アマゾンジャパンでは、物流拠点の現場職のように夜勤が発生する部署もあり、子育てとの両立には家族の協力が不可欠という声もあります。


夜勤などがあり、子育てしながら働くには家族の協力が不可欠で、現状働きやすいとは言えない(アマゾンジャパン/物流企画・ロジスティクス


一方で、バックオフィス系の職種や、個人の裁量で業務を進めやすいインサイドセールスなどは、比較的ワークライフバランスを保ちやすい傾向にあるようです。 転職を検討する際は、企業名だけでなく、希望する職種や部署の働き方の実態を具体的にリサーチすることが重要です。





柔軟な働き方と制度の現状


外資IT企業は、厳しい成果主義の一方で、社員がパフォーマンスを最大限に発揮できるよう、柔軟な働き方や手厚いサポート制度を導入している点も特徴です。


フレックスタイムやリモート勤務の活用例


多くの外資IT企業では、フレックスタイム制やリモートワークが浸透しており、社員は個々の状況に合わせて働く場所や時間を選択できます。


日本マイクロソフトの社員からは、その自由度の高さを評価する声が多数寄せられています。


フルリモートも可能だし、出社もできる。一番効率の良い方法を自分で選んで取り入れるスタイル(法人営業/新卒入社


Googleでも、個人の自由を尊重する制度設計がされており、ライフステージに合わせた働き方の調整が可能だと評価されています。



育児やライフイベントとの両立支援


多くの外資IT企業は、ダイバーシティ&インクルージョン(DEI)を重視しており、育児や介護といったライフイベントと仕事の両立を支援する制度を積極的に導入しています。


詳しくはこちらの記事をご覧ください





女性管理職の現状とキャリアアップの課題


柔軟な制度が整う一方で、女性が管理職としてキャリアアップしていくためには、どのような現状と課題があるのでしょうか。


女性リーダーの割合と成功事例


近年、外資IT企業では女性リーダーの登用が積極的に進められています。日本マイクロソフトでは、代表取締役社長の津坂美樹氏をはじめ、多くの女性社員が活躍しています。


セールスフォース・ジャパンでは、キーエンス初の女性営業としてキャリアをスタートし、現在は執行役員を務める大平宏美氏のようなロールモデルが存在します。


アマゾンジャパンでも、女性ディレクターによるパネルディスカッションが開催されるなど、女性リーダーが自身の経験を共有し、後進を勇気づける取り組みが行われています。


Googleも、女性のリーダーシップ推進を支援するプログラム「Women Will」を提供するなど、社会全体での女性活躍を後押ししています。


こうした成功事例は、後に続く女性たちにとって大きな励みとなり、キャリアパスを描く上での道しるべとなるでしょう。



昇進に必要なスキルと社内評価の実情


外資IT企業で昇進を果たすためには、性別に関わらず、各社が定める評価基準をクリアする必要があります。アマゾンジャパンでは「Our Leadership Principles (OLP)」と呼ばれる行動指針の体現度が、日本マイクロソフトでは個人成果と「グロースマインドセット」に基づく貢献度が評価されます。


セールスフォースで働く社員は、活躍する女性の共通点を次のように語ります。


芯があって自立心の強い女性、つまり『家庭もキャリアも諦めたくない』『両方きちんと実現したい』という意志を持った方が多いです。負けず嫌いで、自分の目標・価値観がはっきりしているタイプがうまくマッチしています。『自分の人生を主体的に切り拓く』という姿勢を持った人が目立ちます





転職体験談から学ぶ外資ITでの女性の働き方


最後に、実際に外資IT企業へ転職した女性たちの体験談から、成功のポイントを探ります。


実際の成功例と失敗例


ワンキャリア転職に寄せられた転職体験談を見ると、多くの女性がキャリアアップや働きやすさを求めて外資IT企業への転職を実現しています。


【事例1】日本IBM → アマゾンウェブサービスジャパン(AWS

  • 転職者:社会人5〜10年目、法人営業
  • 転職理由:在籍していた企業の営業方針が大きく変更になり、これまで行っており自分がやりたいと思っていたお客様と直接面する営業活動ができなくなると感じたため
  • 重視したポイント:子どもがいるような状況でも働きやすいかは最も重視していた。周りに実際に子育てを行なっているメンバーがいるか、男性でも送り迎えなどの調整を行なっているメンバーがいるかは自分の働き方の具体的イメージにつながった」


【事例2】アマゾンジャパン → Uber Japan

  • 転職者:女性、5〜10年目、法人営業
  • 転職理由:前職の環境に慣れてきたため、新しい環境で視野を広げてチャレンジしたくなった。なかなかプロモーションが出来ない環境だったり、チームメンバーの相次ぐ退職なども重なり、上司への不信感も要因となった
  • 重視したポイント:前職より年収を上げること。自分のスキルを活かしつつ、新しいことも学べる環境。ワークライフバランスを重視していること



これらの成功例は、自身のキャリアにおける優先順位を明確にし、それに合致する企業を戦略的に選んだ結果と言えるでしょう。



転職活動で押さえるべきポイント


外資IT企業への転職を成功させるためには、入念な準備が不可欠です。特に女性がキャリアを築いていく上では、以下の点が重要になります。


1. カルチャーフィットの見極め

企業のコアバリューを理解し、自身の価値観と合致するかを確認することが大切です。面接では、「御社で活躍されている社員の方に共通する特徴は?」といった質問を通じて、企業のカルチャーを探りましょう。


2. 働き方の実態を確認

求人票の情報だけでなく、クチコミサイトや社員訪問を通じて、残業時間の実態や休暇制度の利用実績などを確認しましょう。


3. ライフイベントとの両立支援制度をチェック

育休・産休制度はもちろん、復帰後のサポート体制や、時短勤務の実績、男性の育休取得率なども、働きやすさを測る重要な指標です。





まとめ|外資ITで女性がキャリアを築くには


外資IT企業で女性が働くことは、成果主義のプレッシャーや職種による環境差など、「きつい」と感じる側面があるのは事実です。しかし、その一方で、多くの企業が柔軟な働き方や手厚い両立支援制度を導入し、女性が長期的にキャリアを築ける環境を整えようと積極的に取り組んでいます。


重要なのは、企業や職種ごとのカルチャーや働き方の実態を深く理解し、自身の価値観やライフプランに合った環境を見極めることです。そして、与えられた環境を最大限に活用し、「自分の人生を主体的に切り拓く」という意志を持って、キャリアをデザインしていく姿勢が求められます。


外資IT企業への転職に関してさらに詳しく知りたい方は、ワンキャリア転職の「外資IT転職:完全攻略ロードマップ」シリーズもぜひご覧ください。











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ワンキャリア転職編集部

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