はじめに
ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが、皆様のお悩みや一般的な疑問にお答えする連載企画。
今回は、「バックオフィスから事業サイドへキャリアチェンジできますか」という相談者さんからのご相談です。
キャリアデータを知り尽くすキャリアアナリスト佐賀が、率直にお答えします。
本コンテンツは、Podcastまたは記事のお好きな方法でお楽しみいただけます。
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本日のお便り
お世話になっております、ONE CAREER PLUSの佐賀です。
キャリアアナリストである私佐賀が、キャリアのお悩みに答えていくこの企画。
これまでONE CAREER PLUSに寄せられた相談や、一般的に皆さんが悩むであろうテーマを取り上げ、ラジオ形式で解決していく、シンプルなコーナーでございます。
さて、本日のお便りはこちら。
ラジオネーム「ショートケーリ」さんからのお便りです。
「佐賀さん、こんにちは。ショートケーリと申します。
新卒で日系企業に入社し、社会人4年目になりました。
バックオフィス業務を担当する部署に所属しており、経理や財務の業務を経験してきました。
業務や人間関係に特に不満はないのですが、新しい挑戦をしたいと思い始め、事業サイドに興味を抱いています。
そこで、バックオフィスから事業サイドへのキャリアチェンジをするにはどうすればよいのでしょうか。
また、社内異動と転職で難易度に違いはあるのでしょうか。
是非、佐賀さんの意見をお聞きしたいです。」
結論、バックオフィスから事業サイドへのキャリアチェンジはできます。
このキャリアチェンジには、大きく分けて以下の3つの選択肢があります。
- 未経験でも採用してくれる企業への転職
- 自身が経験したバックオフィス業務の課題解決を行うプロダクト会社への転職
- 事業サイドへの社内異動
2つ目に挙げているキャリアパスについては、
- 経理を経験してきた方が、マネーフォワードやラクスなどの経理向けのSaaS企業へ転職する
- 人事を経験してきた方が、リクルートやエン・ジャパンのような採用支援サービスの会社に転職する
などのケースが該当します。
▼経験したバックオフィス業務の課題解決を行う企業への転職実例▼
また、社内異動と転職については、難易度には違いはあり、基本的には社内異動を優先的に考えた方が良いと思います。
ただし、現職の異動のしやすさや、現在持っているスキルや経験、転職希望先の企業によって変わってくる点には注意が必要です。
そこで、「それぞれのキャリアにどのような人が進むべきか」、について今回は説明できればと思っています。
「業界」と「職種」を同時に変える転職にはリスクがある
キャリアチェンジを行う際は、基本的には転職より社内異動を優先的に考えた方が良いです。
その理由は、在籍する企業と職種を同時に変えると、活かせる経験が少なくなってしまい、転職マーケットで安く買い叩かれるリスクがあるためです。
転職によって業界も職務内容も変えてしまうと、自分を売り込む要素が少なくなってしまいます。
採用企業側からすると、評価できるポイントが少なくなってしまい、提示する年収も低くなる可能性があるため、注意が必要です。
▼業界・職種を同時に変えた転職事例▼
ただし、転職で職種を変えたとしても、年収が下がらないケースもあります。
私自身、転職のタイミングで職種を変えていますが、年収は下げずに入社することができています。
その理由は
- 前職と現職の企業で社員に還元する年収に大きく差がなかったため
- 業界の経験を活かしたため
の2つです。
私は前職のHR業界の企業で、新卒採用を担当していました。
そして、転職先のワンキャリアでは、イベントプロデューサーとして合同企業説明会やイベント企画運営の仕事を行なっております。
イベント業務とは、企業の人事と就活生をお客様として、マッチングするイベントを実施する仕事です。
そのため、前職での人事側の経験や学生と向き合っていた経験を評価され、職種としては未経験でも活かせる知見があるため、安く買い叩かれることはなかったです。
基本的には社内異動で経験を積むことを前提に考えていただくことが良いと思います。
しかし、活かすことができるバックグラウンドがある場合や、現職より転職先の方が年収水準が高く転職によって自動的に年収が上がる場合などは、キャリアチェンジのタイミングで転職をする選択肢もあると思います。
上記で紹介したケース以外にも、社内異動ではなく転職をした方がいいケースは存在します。
そこで、今回は以下の2つのケースについて説明します
- 20代後半〜30代の方で、現職で異動して経験を積んだ後に転職をしようと考えているケース
- 現職で積んでいる経験に汎用性がないケース
異動先で経験を積んだのに「経験が浅い」と評価されてしまうことも
1つ目の、「20代後半〜30代の方で、現職で異動して経験を積んだ後に転職をしようと考えているケース」について説明します。
このケースの方が今のタイミングで転職した方がいい理由は、転職を考え始める頃には転職市場から「年齢の割に経験が浅い」と見られてしまう危険性があるためです。
20代後半で経理から営業部門に異動し、営業経験を積んでから転職しようと考えている方を例にして説明します。
転職市場で評価される職種経験は、大体2,3年であり、大手企業では5年程の経験が求められるケースが多いです。
そこで、社内異動した先の部署で3~5年間働くと考えると、例に挙げたケースの方の場合は30代になっていると思います。
そうなると、転職市場では「年齢の割には経験が浅い」という見られ方をされてしまいます。
上記のような評価を受けてしまう危険性があるので、現職で経験を積む前に、若さを武器に未経験転職をした方が選考を通過する可能性が高いケースもあります。
そのため、今20代後半から30代で現職に長くいる意思がない方については、今このタイミングでの転職を検討してみてください。
異動先の経験に市場から評価される「汎用性」はあるのか
2つ目に挙げた「現職で積んでいる経験に汎用性がないケース」について説明します。
ある企業でバックオフィスから事業部サイドに社内異動できたものの、事業部サイドで得られる経験がマーケットから評価されづらかったり、汎用性の低かったりする業務になってしまったケースを例にします。
こういった例の場合、その企業での事業部サイドの経験を武器に転職しようとしても、多くの会社で「未経験」という評価を受けてしまう可能性があります。
こういった例に当てはまる職種として、業界特有のオペレーションや配送のロジスティックなどが挙げられます。
このような職種での業務経験は、その業界の中でしか活きない可能性があります。
そのため、現職で積んでいる経験に汎用性がない方は、このタイミングで若さを武器に転職をして、転職先の企業で経験を積んだ方が良いと言えるのではないでしょうか。
未経験での転職が良いのか、社内異動で経験を積んだ方がいいのかについては、今いる状況次第で変わってくる可能性があるため、外部の転職エージェントなどに意見を求めてみてください。
▼20代でのバックオフィスから未経験職への転職実例▼
さいごに
さあ、いかがでしたでしょうか。
このコーナーでは、皆様からのお便りを大募集しています。
詳細欄のURLの部分から、キャリアに関する疑問やお悩みをどしどしとお寄せください。
また、佐賀や他のキャリアアナリストと直接話してみたいという方は、無料のキャリア面談も受け付けております。
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それでは、また次のラジオコーナーでお会いしましょう。
さようなら!