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【相談#33】銀行の法人営業、専門性がなく不安です


はじめに


ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが、皆様のお悩みや一般的な疑問にお答えする連載企画。

今回は、「銀行の法人営業、専門性がなく不安です」という相談者さんからのご相談です。

銀行の法人営業で得られる経験はどういったもので、その後どのようなキャリアが広がっているのでしょうか。


キャリアデータを知り尽くすキャリアアナリスト佐賀が、率直にお答えします。


本コンテンツは、Podcastまたは記事のお好きな方法でお楽しみいただけます。


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本日のお便り


さて、本日のお便りはこちら。

ラジオネームバンカーショットさんからのお便りです。


「佐賀さんこんにちは。バンカーショットと申します。

新卒で大手銀行に入社し、社会人3年目となりました。法人営業の部署に所属しており幅広い業界の企業を担当しております。


法人営業として様々な業務に携わることができているのですが、ジェネラリストになってしまうことで、今後のキャリアが狭まってしまうのではないかと不安に感じています。


銀行の法人営業で得られる経験はどういったものなのか、その後どのようなキャリアが広がっているのでしょうか?」


お便りをお寄せいただきありがとうございます。


まず、本題に入る前に申し上げますが、大手金融機関などに入社(入行)された方々のキャリア形成は、基本的にジョブローテーションを前提にしています。


いわゆる「10年3部署」と呼ばれるように、10年間で3つの部署を転々としていき、企業や業界のビジネスモデルを理解していくという体制です。


相談者さんが、自身がジェネラリストである、様々なことに取り組んでいるが専門性がないと感じている背景や、そこからどのようにキャリアを形成すればよいかという問いにお答えします。






法人営業のジェネラリスト的な側面と強みを理解する


そもそも、なぜ銀行で法人営業をやっているとジェネラリストであると感じるのでしょうか。

それは、銀行の営業スタイルに起因しています。基本的に銀行の営業スタイルはアカウントセールスと呼ばれるものです。


アカウントセールスの対極にあるのがプロダクトセールスです。

プロダクトセールスは、担当のプロダクトを持っていて、そのプロダクトをお客様にどう売り込むかというアプローチをします。

一方、アカウントセールスは担当の顧客を持ち、その顧客と折衝を続け、自社や自社グループで持っている商材やサービスを組み合わせて、課題解決の支援をする営業スタイルです。


なので、メガバンクの方々は、打ち手が非常に多いです。


例えば、本丸である銀行からの融資という打ち手もあれば、証券会社と組んで会社の資産整理を行うケースもあります。


例えば、

創業社長がいずれ子どもに事業を承継したかったが、当の子どもたちはその事業を継ぐつもりはない。自身の株や金融資産を所持したままだと、子どもに税金かかってしまうため処分してしまいたい。

といったケースが挙げられます。

上記の案件を銀行が獲得し、後日、証券の担当者と一緒に社長のもとへ足を運ぶというパターンです。

この場合、自社の持っている商材に限らず、とにかく複合的に案件を見つけ出し、提案するというスタイルになっています。


よって、最終的なサービスソリューションの提供は、その部門の専門家に依頼して、提案や納品をするという構造になりがちです。


まさに、3年目の相談者さんはこのような点に、葛藤されていたのだと思います。

銀行の法人営業担当の方々は、自分は幅広い知識を有しているが、深く精通しているわけではないと感じられるかもしれません。

しかし、専門性がついていないと感じられる一方で、実はこの営業スタイルは汎用性が非常に高いです。

むしろ、相談者さんはあらゆる商材を売っていくことができるポテンシャルを秘めている方だといえます。


反対に、プロダクトセールスの方々は、自分はこの商材に最適化されすぎているのではないか、この商材のパワーがあるから売ることができているのではないかと悩む場合があります。

それに対して、相談者さんの持っていらっしゃる営業力は、それ自体が専門性と呼べるほど、レベルの高いスキル・経験です。まずは自信をもっていただきたいです。






2つの道 ~ジェネラリストかスペシャリストか~


続いて、ここからどうキャリアを作るべきかという問いについてです。


営業としてジェネラルに突き詰めていくか、それともスペシャリティを突き詰めていくかという大きく2つの考え方があります。もちろん、営業以外の職種にチャレンジするということもありますが、今回は営業職の中でキャリアを作ることを前提にお話しさせていただきます。


1つ目のジェネラルに突き詰めていくキャリアに関してですが、これは何でも売れる状態を作ることと同義です。


相談者さんは現在、金融商品を中心に扱っていらっしゃると思いますが、

例えば、将来的に転職して、


● 人材サービスや広告業界などの無形商材でキャリアを作っていく

● 商社営業のように今までとは異なる営業スタイルを身につけていく

● SaaSソフトウェア、SIerのようにテック商材などを扱い、ソリューション提案を行う


といった様々な選択肢が考えられます。


「自分は銀行でなくても、他の商材でも売れるんだぞ」と、横に広がるキャリアを作ることも、専門性になり得ます。


何でも売れるという自信がつけば、それは営業力という専門性が身に付いてる状態といえます。その状態を目指すのが、他商材・他業界への転職パターンです。


2つ目は、スペシャリティを突き詰めていくパターンです。

「この領域なら誰にも負けない」というほど突き詰めるのも一つの手です。


例えば、銀行の中でも、特定の金融商品だけで、営業力を尖らせていくという方法があります


ただし、この場合に障壁となるのは、ジョブローテーションの存在です

相談者さんも数年後には別の領域や業種、店舗へ異動することはほぼ確実だと思います。異動を前提とした上で、自社内でスペシャリティを見出すことができるのかは見極めが必要です。


自社内で難しそうであれば、他の金融業界や、金融業界の中でも別の部門 (例えば投資銀行)へ転職するなど、様々な方法があります。このように新たなフィールドで専門性に特化したキャリアを作っていくのも一つです。






中長期的なキャリアを検討した上で決断を


これらは必ずしもどれかが正解というわけではなく、やはり相談者さんが中長期にどのようなキャリア観をお持ちであるかが重要です。


今この20代を経験にベットするのか、あるいは幅広い商材の知見獲得にベットするのか。重要視するポイントによって、どの選択が最適解であるかが変わります。


ぜひ考えてみていただければと思います。


【メガバンク法人営業からの転職事例】






さいごに


さあ、いかがでしたでしょうか。


このコーナーでは、皆様からのお便りを大募集しています。

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それでは、また次のラジオコーナーでお会いしましょう。

さようなら!




ワンキャリアプラス編集部

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