はじめに
ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが、皆様のお悩みや一般的な疑問にお答えする連載企画。
今回は、「証券のリテール営業からのネクストキャリアが知りたいです」という相談者さんからのご相談です。
証券リテール営業ではどのようなスキルが身につき、それをどの業界・職種で活かすことができるのでしょうか。
キャリアデータを知り尽くすキャリアアナリスト佐賀が、率直にお答えします。
本コンテンツは、Podcastまたは記事のお好きな方法でお楽しみいただけます。
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本日のお便り
お世話になっております、ONE CAREER PLUSの佐賀です。
キャリアアナリストである私佐賀が、キャリアのお悩みに答えていくこの企画。
これまでONE CAREER PLUSに寄せられた相談や、一般的に皆さんが悩むであろうテーマを取り上げ、ラジオ形式で解決していく、シンプルなコーナーでございます。
さて、本日のお便りはこちら。
ラジオネーム「積立お兄さん」さんからのお便りです。
「佐賀さん、こんにちは。
大学4年生の積立お兄さんと申します。
就活中に将来やりたいことを決めきれず、様々な業界の選考を受けていましたが、苦戦続きでした。
そんな中、証券のリテール営業として内定をいただいたため、就職を決めましたが、どこかのタイミングで転職をしたいと考えています。
証券のリテール営業ではどんなスキルが身につくのか、どこに転職できるのか、教えてほしいです。」
今の就活生の決め手は「つぶしがきく業界・職種」
就職活動期間中では、どこの企業に入るのか、自分が一生やっていきたいことは何かを見つけられなかった方も多いと思います。
就活生の方々から聞く情報では、「つぶしがきく業界・職種」として就職先を決める方も多いそうです。
そういった理由もあり、相談者さんは営業という職種を選んだと思いますが、ファーストキャリアで証券のリテール営業を選んだのは素晴らしい意思決定だと思います。
そこで今回は
- 証券のリテール営業で身に付くスキル
- 証券のリテール営業からのキャリアパス
について説明していきます。
証券企業で働いたことがない人の方々のためにも、証券の営業スタイルについて簡単に説明します。
証券のリテール営業の業務は、個人の顧客に対して金融商品をお勧めし、資産形成をサポートすることです。
顧客はビジネスパーソンから富裕層まで様々であり、お問い合わせをしてくれた方や店舗に足を運んでくれた方を担当します。
そして、今後のマーケットの動きなどに鑑みて、自社で取り扱うことができる金融商品をお勧めし、投資の結果に応じて顧客の資産形成をサポートします。
このような業務であることから、証券のリテール営業は
- 個人向けに営業を行う
- マーケットの動きを読み解く必要がある
- 売上に対する意識が高い
という3点が特徴として挙げられます。
どの業界でも通用する「目標達成へのマインドセット」
証券のリテール営業を経験することで身に付くスキルや、転職活動時に評価される部分について説明していきます。
1つ目は、目標達成への圧倒的なマインドセットです。
就職活動時に、「証券のリテール営業はノルマが厳しい」というイメージを持っている方もいると思います。
しかし、ノルマというよりも「目標をどう達成するか」に対して厳しくもあり、愛のあるフィードバックを頂く業界だと思います。
そのため、証券のリテール営業を経験された方々は、目標達成に向けてどう行動すべきかを考える習慣が身につきます。
「大変そう」という印象を抱くかもしれませんが、社会人の第一歩目として、このマインドセットが身に付くことは大きな財産です。
どんな職種や業界で働くとしても、掲げられた目標を達成することは、自身の年収を上げることや社内でキャリアを作ることには最低限必要な要素です。
この要素が当たり前のものとして身に付くことは大きな財産になりますし、在籍企業での成果から目標達成へのマインドセットが評価されます。
例えば、「野村證券で目標に対して100%以上を達成していました」という成果があれば、転職マーケットではセールスパーソンとしての間違いないスキル・マインドセットを持った方であると判断されます。
このように、「目標達成のために何をすべきか」を突き詰める業界・職種です。
そのため、数字への意識も高まります。
売上を上げるために「売上=声がけしたお客様の数×受注率×平均単価」のような形で因数分解をし、それぞれの項目に基準を設定した上で、目標達成までの計画を立てるという営業スタイルを取っているかと思います。
こういった数字への意識は、今後営業職以外にキャリアチェンジした際にも大きな武器になるため、ファーストキャリアで身につけられることは大きな財産となります。
何気ない「習慣」が転職時の武器に!?
2つ目は、新たな知見をインプットする習慣が身につくことです。
証券のリテール営業の方々は、新聞を読む習慣が身についている方々がとても多いです。
その理由は、顧客となるお客様の中には経済状況に対するアンテナを貼っている方々が多くいるためです。
そのため、野村證券を始めとした大手の証券企業では、出社したら新聞を読むことを新卒1年目の間に習慣づけるスタイルを取っている企業も多いです。
常に情報をインプットし、それをお客様にプレゼンテーションできるレベルに頭の中で整理する、というPDCAサイクルを高速で毎日続けます。
このような経験を積むことで、新しい物事に対するキャッチアップや情報の取捨選択の力がかなり身に付くと思います。
インプットの能力や習慣は、証券のリテール営業での業務だけでなく、異なる業界や職種に転職する際にも活きる能力になります。
企業側からすると、異業種からの転職を受け入れるのには一定のリスクがあります。
現職の証券企業で、金融商品の個人向け営業で成果を出したことがわかっていても、
- 顧客:個人→法人
- 商材:金融商品→ソフトウェア
- 職種:営業→人事・マーケティング
などのように変わった場合、現職通りの成果を上げられるかは採用してみないとわかりません。
ただ、未知の物事に対するキャッチアップ能力やインプットの習慣がある方には一定の安心感があります。
そのため、証券のリテール営業は異業種への転職が比較的チャレンジしやすい職種だと思います。
このように、証券のリテール営業の方々にとって習慣化されていることが、転職時に評価されることもあると思っていただければと思います。
上記のようなスキル・経験以外にも、無形商材を扱う経験やそもそもの営業スキルなどもあります。
実際にこのスキルがどのように活かせるかが気になる方は、転職活動の際などにエージェントに相談をしてみていただければと思います。
▼キャリアの棚卸しをしたい方はこちら▼
「無形商材×営業力」を活かせる業界・職種へ
「証券のリテール営業からどこに転職できるか」については、大前提として、営業職へ転職される方々が多いです。
特に、リテール営業から法人営業へのキャリアチェンジのケースが多いです。
金融業界は無形商材を扱う業界であるため、商材を変えた転職は非常にしやすいです。
その中でも多いのは、IT・広告・人材などの領域です。
同じ無形商材である点や、伸びている業界である点から、SaaSやソフトウェアなどのIT系企業へ転職する方々が多くなっています。
▼証券リテール営業からIT業界への転職事例▼
▼証券リテール営業から広告業界への転職事例▼
▼証券リテール営業から人材業界への転職事例▼
また、最近の転職市場で非常に多くなっているのはコンサルティングファームへの転職です。
証券のリテール営業の方の場合、法人営業をしていない点はシビアに見られることはあると思います。
しかし、先ほど挙げたキャッチアップ能力やインプットの習慣、プレゼンテーション力などはコンサルティングファームでも活かせるスキルです。
そのため、そういったスキルや経験をアピールできるのであれば、チャレンジ可能な職種だと思います。
▼証券リテール営業からコンサルティング業界への転職事例▼
▼証券リテール営業からのキャリアパス記事はこちら▼
さいごに
さあ、いかがでしたでしょうか。
このコーナーでは、皆様からのお便りを大募集しています。
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また、佐賀や他のキャリアアナリストと直接話してみたいという方は、無料のキャリア面談も受け付けております。
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それでは、また次のラジオコーナーでお会いしましょう。
さようなら!