三菱電機への転職を考えるとき、「難易度はどのくらいか」は最初に気になるポイントです。この記事では、三菱電機が公表する公式情報と、「ワンキャリア転職」に寄せられた選考体験談・転職体験談・社員クチコミから、難易度の実態を見ていきます。
先に結論をお伝えすると、三菱電機の公式採用サイト上の呼称は「経験者採用」で、経験者採用比率は2023年度48%(実績)、2024年度48%(実績)、2025年度50%(2026年3月10日時点) と推移しています。2026年度は単独で経験者採用750名を計画しており、採用構成のおよそ半分が経験者採用です。
ただし経験者採用比率は採用の構成を示す数値であり、倍率や選考通過率を示すものではありません。 選考通過率は公式に公表されていません。したがって難易度の結論は、経験者採用の規模は大きい一方、選考通過率は非公表で、募集職種ごとの要件と経験・スキルの適合度によって難易度が変わるという整理になります。
公式は選考の評価方針を「職務の習熟度やスキルレベルの高さ等を評価」としており、募集は各事業所別・職種別に行われます。応募先ごとの職務要件と、自身の経験・スキルとの適合度が確認ポイントになります。
- 1. 三菱電機の難易度【結論】|採用の約半分が経験者採用
- 1-1. 公式データで見る経験者採用比率
- 1-2. 難易度に影響する2つの要素
- 2. 公式に確認できる経験者採用の枠組み
- 2-1. 全社一括ではなく事業所別・職種別の募集
- 2-2. 選考の流れと適性検査
- 2-3. 第2新卒と経験者採用の切り分け
- 2-4. 経験者採用者の入社後の処遇
- 3. 選考体験談で見える準備の中身
- 3-1. 選考体験談の分布
- 3-2. 準備内容として挙げられていること
- 3-3. 公式の評価方針との対応
- 4. 転職体験談で見える「三菱電機に入った人の前職」
- 4-1. 前職の分布
- 4-2. 職種の移り方
- 5.. 社員クチコミで見える入社後の実態
- 5-1. 経験者採用者の受け入れについての声
- 5-2. カルチャーについての声
- 5-3. 異動とキャリアパスについての声
- 5-4. 働き方についての声
- 5-5. 公式の人事制度との切り分け
- 6. 公式データで見る待遇と定着
- 6-1. 有価証券報告書の従業員データ
- 6-2. 退職率と女性管理職比率
- 6-3. 会社の規模
- よくある質問(FAQ)
- Q. 三菱電機の経験者採用の難易度はどのくらいですか。
- Q. 三菱電機の中途採用比率はどのくらいですか。
- Q. 経験者採用の選考フローはどうなっていますか。
- Q. 適性検査はありますか。
- Q. 電機メーカー以外の経験でも応募できますか。
- Q. 第2新卒と経験者採用はどう違いますか。
- 9. まとめ
- ワンキャリア転職のご紹介
1. 三菱電機の難易度【結論】|採用の約半分が経験者採用
1-1. 公式データで見る経験者採用比率
三菱電機は毎年、採用計画をニュースリリースで公表しています。2026年3月10日に公表された2026年度採用計画には、経験者採用比率が次のように記載されています。
同リリースによると、2026年度の採用計画は次のとおりです。
注意したいのは、新卒と経験者採用で集計期間の表記が異なる点です。 経験者採用の750名は「2026年度」の計画ですが、新卒(単独)の750名はリリース原文で「秋季採用(2026年10月入社)および2027年4月入社」の合計として示されています。単独では新卒750名・経験者採用750名という同数の計画ですが、両者を「同じ1年間の採用数」として並べる際は、この表記の違いを踏まえる必要があります。
注意したいのは、年度と「計画/見込/実績」の区別です。 2025年度の経験者採用については、サステナビリティの社会データでは計画1,000名と記載されている一方、2026年3月10日時点の見込は800名です。数値を引用する際は、どの時点のどの区分かを確認してください。
(出典)三菱電機 2026年度採用計画、三菱電機 サステナビリティ 社会データ2025
1-2. 難易度に影響する2つの要素
公式情報から確認できる範囲で、難易度に影響する要素は次の2点に整理できます。なお倍率などの選考通過率は公式に公表されていないため、この記事では推測しません。
- 募集が事業所別・職種別で、応募条件も職種ごとに異なる:全社一括の募集ではないため、まず「どの募集に応募するか」の判断が必要になります
- 評価方針が「職務の習熟度やスキルレベルの高さ等」:公式は、就業経験で培われた職務の習熟度やスキルレベルを評価し、自社での活用可否を判断するとしています。応募先の職務要件と自身の経験・スキルの適合度が論点になります
なお新卒採用と経験者採用は同一年度の併願が不可とされていますが、これは選考の難易度を左右する要素ではなく応募上の注意点です。「2-3. 第2新卒と経験者採用の切り分け」で説明します。
以下、それぞれを公式情報と体験談で確認していきます。
2. 公式に確認できる経験者採用の枠組み
2-1. 全社一括ではなく事業所別・職種別の募集
公式のよくある質問には、経験者採用は「各事業所別・職種別に募集」していると記載されています。応募条件についても「以下のエントリーボタンを押下の上、募集職種毎に詳細をご確認ください」とされており、全社共通の応募資格は公式に明示されていません。
経験者採用のトップページには、募集を行っている事業所等の専用採用ページとして、空調冷熱システム/FAシステム/自動車機器/研究開発部門/エネルギーシステム/交通・社会インフラ/防衛・宇宙システムの7つが掲載されています。またサイト上の事業分野は12区分(ビル/産業・FA/公共/エネルギー/交通/自動車機器/防衛・宇宙/通信/半導体・電子デバイス/空調・冷熱/ホームエレクトロニクス/ITソリューション)で示されています。
応募については「電機メーカー以外での経験であっても応募可能」「他業界からの入社実績も多く、活躍事例も多い」とも記載されています。同一事業所・同一職種への再応募は不可、他事業所・他職種は可という運用です。
(出典)三菱電機 経験者採用 よくある質問、三菱電機 経験者採用
2-2. 選考の流れと適性検査
公式のよくある質問では、選考の流れについて「基本的な流れは以下のとおりです。(詳細は各事業所にご確認願います。)」と記載されています。具体的な段階は同ページの図に「採用サイトよりエントリー → 書類選考 → 1次面接 → 2次面接 → 内定」として示されていますが、ページの本文テキストには面接の回数が記載されていません。 実際の回数や流れは事業所ごとに確認が必要です。
適性検査については、次のように記載されています。
※1次面接前までに、Webテスト(SPI+適正検査)をご受検いただく場合がございます。
※「適正検査」は公式ページの表記どおりです。
面接は「ご都合に合わせて『オンライン』又は『対面』にて実施」とされ、面接時期は求人ごとに異なり、募集元の事業所から個別に連絡・日程調整が行われます。選考結果の連絡時期についても「求人や選考段階等により異なります」とされています。
2-3. 第2新卒と経験者採用の切り分け
公式ページによると、第2新卒は「技術系総合職」または「事務系総合職」で受け付けられ、初任給等は新卒と同条件です。新卒採用の応募条件を満たす場合は、第2新卒採用または経験者採用を選択できます。
そして新卒採用と経験者採用は、同一年度の併願が不可とされています(翌年度以降は可)。これは選考の難易度を左右するものではありませんが、応募区分をどちらにするかは応募前に判断しておく必要があります。
経験者採用の評価方針については、次のように記載されています。
これまでの就業経験で培われた職務の習熟度やスキルレベルの高さ等を評価し、弊社におけるそれらの活用可否等を判断の上、採用させていただきます
処遇は「経験・能力を十分に考慮の上、弊社規定により決定」、入社時期は「内定後、概ね2〜3か月以内」とされています。
2-4. 経験者採用者の入社後の処遇
公式のよくある質問には、入社後の処遇について次のように記載されています。
- 「入社後の初任給は、これまでのご経験やスキル等を総合的に勘案しながら決定」
- 「処遇や研修の受講、管理職への登用等、経験者採用であることをもって不利になることはありません」
教育については、入社時の基礎教育と職場でのOJTを経て、その後は他の社員と同様に各種研修制度を活用できるとされています。
3. 選考体験談で見える準備の中身
3-1. 選考体験談の分布
ワンキャリア転職に寄せられた三菱電機の選考体験談は、2026年4月13日時点で29件です。この29件の職種は20区分に分かれています。法人営業、営業企画、情報システムエンジニア、ソフトウェアエンジニア、機械設計、研究開発/R&Dエンジニア、回路・実装設計、購買・調達、経理(財務会計)、品質保証、生産技術、総務など、技術系と事務系の双方にわたります。
3-2. 準備内容として挙げられていること
「なぜ三菱電機なのか」を語れるようにする
2024年に営業企画(選考時点で事業部・部門は未定)の選考を受けた応募者は、選考対策として次のように述べています。
なぜ三菱電機なのかを説得するための企業理解と志望理由の作り込み。また、将来的に取り組んでいきたいといった目標設定を用意しておくことが必要(三菱電機/営業企画/内定)
2025年に営業部の営業企画の選考を受けた応募者は、より具体的に述べています。
なぜ三菱電機なのかはしっかり対策しておく必要がある。三菱電機の他の製作所を以前受けた際はかなり突っ込まれ、それを答えられず落ちた。(三菱電機/営業企画/営業部/内定)
転職理由と志望動機を一貫させる
2024年に防衛・宇宙領域の法人営業の選考を受けた応募者は、次のように述べています。
応募先の部署と自分のスキルを結びつける
2021年にレーザシステム部の機械設計の選考を受けた応募者は、次のように述べています。
自分自身のその部署に活かせるスキルを確認し、採用部署との結び付きを把握した。また、何故その部署に志望したい理由をちゃんと考えて、聞かれたら、すぐに納得させる。(三菱電機/機械設計/レーザシステム部/内定)
2025年に情報システムエンジニア(選考時点で事業部・部門は未定)の選考を受けた応募者は、職種の幅について述べています。
・エンジニアといえど職種の幅は広いので、どの工程でどのように働くか具体的にイメージして選考に挑んだ方がよい。(三菱電機/情報システムエンジニア/内定)
Webテストへの言及
2023年に鉄道事業部の法人営業の選考を受けた応募者は、テストについて次のように述べています。
なぜこの会社でなければいけないのかを論理的に話せるように準備した方がいい。またテストに関しては足ギリではなく加点要素なためできる限りいい点数を取れるようにした方がいい(三菱電機/法人営業/鉄道事業部/最終選考落選)
前述のとおり、公式には「1次面接前までに、Webテスト(SPI+適正検査)をご受検いただく場合がございます」と記載されています。テストの位置づけをどう受け取るかは投稿者の見方であり、公式に説明されているものではありません。
公式サイトの活用
2024年に電力システム製作所の機械設計の選考を受けた応募者は、準備として次のように述べています。
・オンライン面接時は人柄を伝えにくいため、カメラの後ろにライトをつけておくのがオススメ。顔が明るいと印象も良くなる。
・会社のホームページを見て、使えそうな部分をメモしておく。例えば、経験者採用ページの「働く人の声」はとても参考になる。「こんな思いで御社で働いたい」と伝える時、具体性が上がる。(三菱電機/機械設計/電力システム製作所/内定)
3-3. 公式の評価方針との対応
公式の評価方針は「これまでの就業経験で培われた職務の習熟度やスキルレベルの高さ等を評価し、弊社におけるそれらの活用可否等を判断の上、採用させていただきます」です。
一方、選考体験談では、応募先と自身のスキルを結びつける準備が挙げられています。 この準備内容は方針の後半(活用可否の判断)と方向性が近いように見えます。ただし両者が同じものであるとは確認できません。 公式の方針と個別の受け止めは、分けて読む必要があります。
4. 転職体験談で見える「三菱電機に入った人の前職」
ワンキャリア転職には、三菱電機に入社した人の転職体験談も寄せられています。2026年4月13日時点で19件です。以下は寄せられている範囲の分布であり、三菱電機の採用実績全体の傾向を示すものではありません。
4-1. 前職の分布
19件の前職として記録されているのは、次の企業です。
メーカーから入社した事例が19件中10件で、コンサルティングファーム、ITプラットフォーム、飲料メーカー、公的機関から入社した事例も確認できます。 公式FAQの「電機メーカー以外での経験であっても応募可能」「他業界からの入社実績も多く、活躍事例も多い」という記載と方向性は一致します。
4-2. 職種の移り方
職種については、19件のうち8件が前職と同じ職種名で入社しています。
- 法人営業→法人営業(東芝/住友理工)
- 機械設計→機械設計(AAC Technologies Japan R&D Center)
- 研究開発/R&Dエンジニア→研究開発/R&Dエンジニア(シャープ)
- 海外営業→海外営業(豊田通商)
- 購買・調達→購買・調達(キャリア)
- プロダクトマネージャー→プロダクトマネージャー(富士通)
- 研究・開発→研究・開発(パナソニックグループ)
一方で、職種を変えた例も11件記録されています。
- 生産技術→機構設計(YKKグループ)/生産技術→機械設計(ブルドックソース)
- 経理(財務会計)→海外営業(コマツ)
- リサーチ・データ分析→情報システムエンジニア(アマゾンジャパン)
- 戦略コンサルタント→経営企画・経営戦略(ローランド・ベルガー)
- 財務・会計コンサルタント→管理会計(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)
- 研究・開発→生産技術(カネカ)/研究・開発→プリセールス・技術営業(IHI)
- 法人営業→営業企画(ダイドードリンコ)/法人営業→代理店営業・アライアンス(三谷商事)
- 団体職員→事業企画・事業統括(JETRO)
募集が職種別である公式の仕組みと、19件中8件が同職種名だったという体験談の分布は並べて読めますが、因果関係として断定できるものではありません。 職種を変えて入社した事例も11件あるため、応募可能性は募集職種ごとの要件で確認してください。
5.. 社員クチコミで見える入社後の実態
以下は「ワンキャリア転職」に寄せられた社員クチコミです。いずれも個別の社員が投稿時点で感じたことであり、公式の説明ではありません。 また複数のクチコミで、部署・事業所による違いへの言及が確認できます。
5-1. 経験者採用者の受け入れについての声
やりがい・成長実感のカテゴリに寄せられたクチコミには、次のような記述があります。
中途採用だからといって差別はなく、平等に接してくれる雰囲気はあります。積極的に他社の経験について、リスペクトを持って接して頂いております。部署によると思いますが。(三菱電機/生産技術/中途)
投稿者自身が「部署によると思いますが」と留保を付けている点も含めて読む必要があります。 前述の公式FAQには「経験者採用であることをもって不利になることはありません」と記載されており、制度上の位置づけと現場の受け止めは分けて理解しておきたい部分です。
5-2. カルチャーについての声
企業文化・社風のカテゴリでは、入社前の想像と入社後の受け止めの差が語られています。
予想に反して、ボトムアップの風潮があり、現場が集めた情報をもとにこうしたいという提案を上にあげて、それが理に適っていれば、上にそのまま上げてくれる風潮がある。(三菱電機/ 新規事業企画・事業開発/新卒)
一方で、同じカテゴリの別のクチコミでは横の連携についての受け止めも語られています。
横の連携が少なく、事業本部内だけでビジネスが簡潔するトラディショナルな部署の人は社内交流が少ない。自分から積極的にネットワーキングをしようとする意志がある人は、社内イベント等でそれができるが、そうではない人は自部門内のみのネットワークとなりがち。一方で、新規事業開発などに関わる人は、他事業本部との連携がとても多く、仕事や飲み会で一緒になるケースが多々ある。(三菱電機/新規事業企画・事業開発/新卒)
5-3. 異動とキャリアパスについての声
キャリアパス・評価制度のカテゴリには、社内公募の運用についての記述があります。
・社内転職のような形で応募が可能。各事業所、製作所が求人を掲載しており、履歴書を提出、面談を行う。ルールとしては上司への報告義務はなく、決定後の報告で問題ない。自分が所属する事業所でもこの制度を活用して異動した人は珍しくない。特に本社にはこの制度で異動した人は多い印象。(三菱電機/営業企画/新卒)
同じ投稿者は、昇進についても述べています。
想像する通りの伝統的な日本企業。年功序列で若手の大抜擢というのはほぼない。(三菱電機/営業企画/新卒)
この受け止めは、公式が説明している制度方針とは方向が異なります。 有価証券報告書には「年功序列に捉われない早期抜擢」を図っているとの記載があります。制度の方針と個人の実感は切り分けて読む必要があります(6-5で詳しく扱います)。
別のクチコミでは、ローテーションの実態が部署によって異なると語られています。
総合職として3-4年程度ローテーションしていくのが基本だが、部署により異なる。また同じ職種の部署の中でも全くローテーションをしない実例もあり部署の中や勤務地によって異なるため一概には言えない部分がある。(三菱電機/経理/新卒)
5-4. 働き方についての声
残業・リモートワークのカテゴリには、部署による差についての記述があります。
部署にもよるが、基本は出社のイメージ。配属先された部署のルールに従うかたちとなる。残業時間は削減傾向にあるが、業務量は変わらないので、逆に負荷が増えている状況にある。(三菱電機/法人営業/新卒)
退職検討理由のカテゴリには、生産技術部門の働き方についての記述があります。
生産技術部門では、現場との連携が欠かせないという理由でフレックス勤務やリモートワークが認められない状況に大きな不満がある。他部門が柔軟な働き方を取り入れていく中、自分たちだけが従来の働き方に縛られているように感じ、選択肢の少なさに不公平感が募っている。設備トラブル対応やライン改善など、現場に出向く必要がある業務が多いことは理解しつつも、柔軟性のない働き方はワークライフバランスを損ない、将来的な働き方の展望も描きにくくなっている。(三菱電機/生産技術/中途)
働き方の柔軟性についても、複数のクチコミで部署・事業所による違いへの言及が確認できます。 前章の「事業所別・職種別の募集」という仕組みとあわせて、応募先を選ぶ段階で確認しておきたい点です。
5-5. 公式の人事制度との切り分け
上記のクチコミは個別の受け止めです。公式に公表されている人事制度は次のとおりで、クチコミ上の実感とは切り分けて理解する必要があります。
有価証券報告書(第155期)の「従業員給与等の決定方針」によると、三菱電機は「職務・役割の価値を基軸とし、経営への影響度、専門性、貢献度を総合的に勘案し給与を決定」しており、管理職及び高度専門職には職務価値に基づく「ジョブグレード」を、一般従業員には役割の価値を定義した「ミッショングレード」をそれぞれ適用する、ハイブリッド型のグレーディング制度を導入しています。報酬水準については外部サーベイデータを活用し「年功序列に捉われない早期抜擢」を図っているとされています。
ここは制度方針と個人の実感を明確に分けて読む必要があります。 公式制度としては年功的要素を廃し、早期抜てきを志向すると説明されています。一方、6-3で引用した「年功序列で若手の大抜擢というのはほぼない」は、1名の社員が投稿時点で述べた実感です。公式が示す制度の方針と、現場で運用された結果についての個人の受け止めは、別のものとして扱ってください。
昇給は「期初に設定した業績目標に加え、コアバリュー(かえる・つながる・ささえる)の実践度に基づく評価結果により決定」され、賞与も同じ評価結果と基本給与額等に基づき決定されます。この「かえる・つながる・ささえる」は、2024年度に導入された人事評価制度の行動評価軸です。
注意したいのは、企業理念上のCore Valuesとは別のものである点です。 公式サイト「私たちの理念」に掲載されているCore Values(行動指針)は、BE BOLD(挑戦)/CO-CREATE(共創)/WITH INTEGRITY(誠実) の3つです。有価証券報告書の評価制度の記述にある「コアバリュー(かえる・つながる・ささえる)」と、企業理念のCore Values(挑戦・共創・誠実)を、現在の同一のCore Valuesとして混同しないよう注意してください。前者は人事評価の行動評価軸、後者は企業理念の行動指針という位置づけです。
キャリア形成については、公式の採用サイトで次の制度が案内されています。
- ME Time:目標設定と上司との対話で、一人ひとりのキャリア実現と成長を支援する仕組み
- Job-Net(社内求人制度):社内公開の求人に従業員自らが手をあげて異動を実現する制度
- Career Challenge制度(社内求職制度):希望キャリアを社内システムに登録し全社の管理職に公開、求人ニーズに基づき会社からオファーする制度
- 社内副業制度:本務を維持しつつ本業以外の業務にチャレンジする制度
- キャリア支援休職制度、キャリアコンサルティング室(国家資格キャリアコンサルタントが相談対応)
- 研修:MELCOゼミナール(技術系・ビジネス系、入門〜上級で約450種類)ほか
(出典)三菱電機 有価証券報告書 第155期、三菱電機 キャリア開発
6. 公式データで見る待遇と定着
6-1. 有価証券報告書の従業員データ
有価証券報告書(第155期・2026年3月期)の「従業員の状況」には、提出会社(三菱電機単体)の数値が記載されています。基準日は2026年3月31日現在です。
従業員数については、前事業年度末に比べ1,264名減少しています。 有価証券報告書には、その理由が次のように記載されています。
従業員数が前事業年度末に比べ1,264名減少したのは、主として、2025年9月8日に公表した当社における「ネクストステージ支援制度特別措置」によるものです。
6-2. 退職率と女性管理職比率
サステナビリティの社会データ(三菱電機単体)によると、退職率は次のように推移しています。
女性管理職比率は、有価証券報告書によると2021年2.3%→2022年2.6%→2023年3.1%→2024年4.0%→2025年4.2%と推移しており、2030年度目標は12.0%とされています。あわせて男性育児休業取得率89.9%、男女賃金差異(全労働者)64.2%が記載されています。
人的資本のKPIとしては、従業員エンゲージメントスコア62.0%(2025年度/2030年度目標70.0%)、仕事と生活のバランスが取れていると回答した割合72.0%、自身のキャリア希望を当社で実現できると感じている割合53.0%、一人当たり年間人財育成・研修投資額178千円が公表されています。
(出典)三菱電機 サステナビリティ 社会データ2025、三菱電機 有価証券報告書 第155期
6-3. 会社の規模
公式の会社概要によると、三菱電機株式会社の本社は東京都千代田区丸の内2-7-3、設立は1921年1月15日、連結売上高5,894,747百万円、連結従業員数150,386人です(2026年3月末現在)。(出典)三菱電機 会社概要
よくある質問(FAQ)
Q. 三菱電機の経験者採用の難易度はどのくらいですか。
選考通過率や倍率は公式に公表されていません。公式のニュースリリースによると、経験者採用比率は2023年度48%(実績)、2024年度48%(実績)、2025年度50%(2026年3月10日時点)で、2026年度は単独で経験者採用750名を計画しています。ただしこの比率は採用の構成を示す数値であり、倍率や選考通過率を示すものではありません。 経験者採用の規模は大きい一方、選考通過率は非公表で、募集職種ごとの要件と経験・スキルの適合度によって難易度が変わります。詳細は「1. 三菱電機の難易度【結論】|採用の約半分が経験者採用」で解説しています。
Q. 三菱電機の中途採用比率はどのくらいですか。
三菱電機の公式採用サイト上の呼称は「経験者採用」で、採用計画のニュースリリースに経験者採用比率が記載されています。2023年度48%(実績)、2024年度48%(実績)、2025年度50%(2026年3月10日時点)です。2025年度の経験者採用者数800名も同じ2026年3月10日時点の見込値です。詳細は「1-1. 公式データで見る経験者採用比率」で解説しています。
Q. 経験者採用の選考フローはどうなっていますか。
公式のよくある質問では「基本的な流れは以下のとおりです。(詳細は各事業所にご確認願います。)」とされ、同ページの図にエントリー→書類選考→1次面接→2次面接→内定として示されています。ただしページの本文テキストには面接の回数が記載されておらず、実際の流れは事業所ごとに確認が必要です。詳細は「2-2. 選考の流れと適性検査」で解説しています。
Q. 適性検査はありますか。
公式のよくある質問に「※1次面接前までに、Webテスト(SPI+適正検査)をご受検いただく場合がございます」と記載されています(「適正検査」は公式の表記どおり)。詳細は「2-2. 選考の流れと適性検査」で解説しています。
Q. 電機メーカー以外の経験でも応募できますか。
公式のよくある質問には「電機メーカー以外での経験であっても応募可能」「他業界からの入社実績も多く、活躍事例も多い」と記載されています。ワンキャリア転職の転職体験談にも、コンサルティングファームやITプラットフォーム、飲料メーカー、公的機関からの入社が記録されています。ただし応募条件は募集職種ごとに異なります。詳細は「2-1. 全社一括ではなく事業所別・職種別の募集」および「4. 転職体験談で見える「三菱電機に入った人の前職」」で解説しています。
Q. 第2新卒と経験者採用はどう違いますか。
第2新卒は技術系総合職または事務系総合職で受け付けられ、初任給等は新卒と同条件です。新卒採用の応募条件を満たす場合は、第2新卒採用または経験者採用を選択できます。また新卒採用と経験者採用は同一年度の併願が不可とされています(翌年度以降は可)。詳細は「2-3. 第2新卒と経験者採用の切り分け」で解説しています。
9. まとめ
三菱電機の「難易度」を経験者採用の観点から整理すると、次のようになります。
公式データでは、経験者採用比率が2023年度48%(実績)、2024年度48%(実績)、2025年度50%(2026年3月10日時点)と推移し、2026年度は単独で経験者採用750名(2026年度)・新卒750名(2026年10月入社および2027年4月入社)を計画しています。2025年度の経験者採用者数800名も同じ2026年3月10日時点の見込値です。ただし経験者採用比率は採用の構成を示す数値であり、倍率や選考通過率を示すものではありません。
難易度の結論は、経験者採用の規模は大きい一方、選考通過率は非公表で、募集職種ごとの要件と経験・スキルの適合度によって難易度が変わるという整理です。 募集は各事業所別・職種別で、応募条件も職種ごとに異なります。公式の評価方針は「これまでの就業経験で培われた職務の習熟度やスキルレベルの高さ等を評価し、弊社におけるそれらの活用可否等を判断」というもので、応募先ごとの職務要件と自身の経験・スキルとの適合度が確認ポイントになります。選考では1次面接前までにWebテスト(SPI+適正検査)を受検する場合があります。
選考体験談(2026年4月13日時点で29件)には、「なぜ三菱電機なのか」の企業理解と志望理由の作り込み、転職理由と志望動機の一貫した説明、応募先と自身のスキルを結びつける準備、職種の幅を踏まえた働き方のイメージづくりといった内容が挙げられていました。同じ三菱電機の別の製作所の選考で志望理由を詰められた経験を述べた声もあります。
応募前に確認しておきたいのは次の3点です。
- どの事業所・どの職種の募集に応募するか(募集ごとに応募条件が異なり、志望理由もその単位で問われる場合があります)
- Webテストの実施有無と選考の流れ(公式は「詳細は各事業所にご確認願います」としています)
- 入社後の等級と評価の仕組み、配属先の働き方(ジョブグレード/ミッショングレードの適用区分、リモートワークの運用は部署によって異なると複数のクチコミで語られています)
ワンキャリア転職のご紹介
ワンキャリア転職は「次のキャリアが見える」転職サイトです。これまで可視化されていなかったキャリアに関するクチコミデータが60,000件以上掲載されています。
どの企業からどの企業へ転職したのかという転職体験談や、転職の面接で実際に聞かれた質問がわかる選考体験談、企業ごとの年収や福利厚生に関するクチコミなど、転職時の情報収集から面接対策までワンキャリア転職だけで行うことができます。
また、個別でのキャリア相談も可能です。ワンキャリア転職に集まるキャリアデータを熟知したキャリアアナリストがデータに基づいたキャリアパスの提示や求人のご紹介をいたします。面談にてご自身のキャリアを相談したい方はぜひ、以下よりお申込みください。



