はじめに
ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが、皆様のお悩みや一般的な疑問にお答えする連載企画。
今回は、「事業開発って、結局どんなお仕事を指すんでしょうか?」という相談者さんからのご相談です。
事業開発はどのような経験・スキルが求められる職種なのか。
キャリアデータを知り尽くすキャリアアナリスト佐賀が、率直にお答えします。
本コンテンツは、Podcastまたは記事のお好きな方法でお楽しみいただけます。
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本日のお便り
お世話になっております、ONE CAREER PLUSの佐賀です。
キャリアアナリストである私佐賀が、キャリアのお悩みに答えていくこの企画。
これまでONE CAREER PLUSに寄せられた相談や、一般的に皆さんが悩むであろうテーマを取り上げ、ラジオ形式で解決していく、シンプルなコーナーでございます。
さて、本日のお便りはこちら。
ラジオネーム「休日はシェフ」さんからのお便りです。
「新卒4年目の『休日はシェフ』です。はじめまして。
事業開発、いわゆるBizDevへの憧れから、事業開発の求人を眺める日々です。
ところが、事業開発と一口で言っても、各社仕事内容が違いすぎて困惑しています。
事業開発って、具体的にどんな仕事のことを指すのでしょうか?
どんな経験がないとなれない職種なのでしょうか?」
この質問は、キャリア面談にお越しいただく方の中でもかなり多いです。
私も現在、ワンキャリアのONE CAREER PLUS事業の中で事業開発に取り組んでいるのですが、この職種を理解するのは非常に難解でした。
事業開発は、その企業のビジネスモデルや事業フェーズ、その事業の中にいる人の強み・弱みによって、求められる役割が変わってきます。
例えば、BtoB企業でSaaS事業を営んでいる事業開発と、BtoC企業で広告領域の事業を行っている事業開発では、事業内容が全く違います。
だからこそ、今回のご回答の中では、
- そもそも「事業開発」という仕事とは
- どういった業務・スキルが求められるのか
- 事業開発に至るまでのキャリアパス
についてお話させていただきます。
▼「未経験から事業開発職」を目指すためのキャリア面談はこちら
事業開発を理解するには”プロダクトマネジメントトライアングル”
「事業開発」について理解する前に、一度「プロダクトマネジメントトライアングル」と検索してみていただきたいです。
これは、2010年代後半に海外の方が書いた記事内で紹介をされていたもので、プロダクトマネージャー(以下、PdM)という職種において、プロダクトを作る中で求められる役割や、存在する業務を図示していて、とてもわかりやすいものになっています。
そのため、PdMや事業開発の業務内容や役割を整理をする際に、「プロダクトマネジメントトライアングル」を活用してみてください。
その中を見てみると、プロダクトを中心に
- 開発(ディベロップメント)
- 顧客(カスタマー)
- ビジネス(Bizサイドやビジネスモデルなど)
というものがあり、それぞれの間に業務が落ちているということが語られています。
例えば、
顧客とビジネスの領域の間には、顧客を収集し、マネタイズしていくマーケティングやパートナーシップ、事業ビジネスモデルを作るようなビジネスディベロップメントの業務が発生してきます。
ビジネスと開発の領域の間には、プロダクト仕様の決定やプロジェクトマネジメントの実施などの業務が発生します。
顧客と開発の領域の間には、データ分析やデザインなどの業務が発生してきます。
このように見ていくと、プロダクトを作る過程で存在する業務への理解が深まるので、ぜひ見ていただきたいです。
“求められる役割”と”自身の経験”が合致する領域の事業開発へ
上記のような、「間に落ちている業務」を推進していくのが、事業開発という仕事です。
具体的な業務内容は、冒頭にもご説明させていただいた通り、ビジネスモデルや求められる仕事によってかなり異なってきますが、大きく分けると
- 営業職
- 企画職 (マーケ・事業企画・企画推進)
- プロダクト系の職種(PdMやプロダクト企画など)
の3つのタイプに分類できると思います。
この3つのタイプの中から、現在までの経験やバックグラウンドによって、転職できるタイプの職種とできない職種に分けることができます。
ここまでの話を整理すると、「事業開発」と言っても、事業フェーズやビジネスモデルによって求められる役割はかなり変わりますが、プロダクトを作る過程の中に存在する仕事や役割だという点に関しては共通しています。
そのため、プロダクトマネジメントトライアングルの概念図を用いて理解しましょう。
そして今から求人を探して、受けようと思っている場合は、その企業のビジネスモデルや事業フェーズに自身の経験やスキルを照らし合わせて、事業開発に求められる役割や、自身の経験でチャレンジすることが可能なのかを理解しましょう。
ご相談者さんが営業出身の場合だと、toB向けの顧客とビジネスモデルを成り立たせるというバックグラウンドから、事業開発セールスなどのような営業的要素を持った事業開発にチャレンジできる可能性があります。
【営業から事業開発への転職事例】
▼事業開発セールスについての解説記事はこちら
一方で、プロジェクト側の事業開発へのチャレンジは難しいと思います。
プロダクトを磨き込んだり、作りこんだりする役割が求められるため、これまでのご経験からはかなり距離感がある業務です。
そのため、プロダクト側の事業開発へのチャレンジが難しいと思います。
▼PdMへの転職・キャリアパスについての解説記事はこちら
また、マーケ要素が強い事業開発の場合は、BtoBマーケティングの位置づけが求められる事業開発であれば、営業でtoBのクライアントと向き合ってきた経験を生かすことができる点で、チャレンジは可能ではあると思います。
このように
- その会社の事業開発で求められる役割
- 自分が培ってきた経験
によって、チャレンジできるかどうかがかなり変わってくる職種になります。
事業開発への転職は、事業フェーズが若い企業・事業へ
大前提として、事業開発の求人が存在するのは、事業フェーズが若い企業に多いです。
事業の磨き込みや更なる改善が必要というのは、まだ事業が固まりきっていないアーリーフェーズ・ミドルフェーズのスタートアップ/事業フェーズの企業に限られてきます。
【スタートアップの事業開発への転職事例】
既に事業の勝ち筋が定まっており、再現性の段階に入っている事業領域の場合は、プロダクトを売ることが求められるため、そういった企業の求人は事業開発の要素がないマーケティングや営業関連の職種のみになってきます。
このような背景から、事業開発への転職は選択肢が
- アーリーフェーズのスタートアップ
- 上場企業の新規事業
などのような、若い事業フェーズに絞られてくるため、このあたりの求人を探してみると良いのではないかと思います。
▼事業開発/事業企画への転職・キャリアパスはこちら
さいごに
さあ、いかがでしたでしょうか。
このコーナーでは、皆様からのお便りを大募集しています。
詳細欄のURLの部分から、キャリアに関する疑問やお悩みをどしどしとお寄せください。
また、佐賀や他のキャリアアナリストと直接話してみたいという方は、無料のキャリア面談も受け付けております。
こちらもお気軽にご応募ください。
それでは、また次のラジオコーナーでお会いしましょう。
さようなら!