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【図解】20代成長キャリア:スタートアップで目指す「デジタル時代の事業家人材」

特集「図解:20代成長キャリア」


新卒・中途サービスを展開するワンキャリアが、20代が成長キャリアを歩むための思考法や、各社で得られるキャリアパターンの特徴を、ゲスト企業も交えて解説・議論する本特集。


今回のテーマは「スタートアップで目指すべきデジタル時代の事業家人材」。注目が集まる急成長中のスタートアップのキャリアのなかでも、「20代若手」「事業家人材」にフォーカスします。


ゲストに迎えるのは、SaaSとして国内最速クラスの事業成長と言われるスタートアップ「FLUX」。創業からまだ5期目にも関わらず、AIで顧客のオンライン収益を最大化するプロダクトを矢継ぎ早に生み出すFLUX DXP (Digital Experience Platform)を展開。経営陣を見るとタレント揃いですが、若手採用・登用にも積極的。現在は上場準備も進めているといいます。




そんなFLUXから、戦略コンサル出身の代表取締役CEO 永井氏を招き、スタートアップ各社と意見を交わしてきたONE CAREER PLUS キャリアアナリスト 佐賀とともに、20代がスタートアップで事業開発に挑戦するキャリアの好事例を紐解きます。 


 



20代の成長キャリアとして選ぶ「スタートアップ」の意味


ワンキャリア 佐賀(以下、佐賀):今回のテーマは20代が「スタートアップで目指すデジタル時代の事業家人材」。そもそもなぜ、スタートアップには20代が急成長できる環境があるのかについては、ワンキャリア取締役である北野の累計20万部以上のベストセラー『転職の思考法』で解説しています。





本書では、業界・企業規模に限らず伸びる市場・事業に身を置く重要性を一貫して伝えており、スタートアップはまさに、事業成長と共に広がる自身の成長機会や、若手抜擢が発生しやすいメカニズムの典型例に当てはまります。ちなみにFLUXの場合、どれぐらいのスピード感で企業が急成長したのでしょうか。



永井 元治 氏 / 株式会社FLUX 代表取締役CEO : 慶応義塾大学法学部法律学科卒。戦略コンサルティングファーム ベイン・アンド・カンパニーにて、大手通信キャリアの戦略立案・投資ファンドのデューデリジェンス・商社のM&A 案件などに従事。その後、18年5月に株式会社FLUXを創業。AIで顧客のオンライン収益を最大化するプロダクトを矢継ぎ早に生み出すFLUX DXP (Digital Experience Platform)を展開。



FLUX永井(以下、永井):FLUXは創業5期目ですが、2022年現在、国内のSaaS系スタートアップの括りの中では最速クラスのスピードで成長して来ることができました



市場の選び方に出るスタートアップの「色」:創業チームの強みは何か?


佐賀:デジタルマーケティング市場への参入は、やはり市場の成長性で選ばれたのでしょうか?

 

永井:確かにデジタルマーケティング領域はさまざまなSaaSツールが生まれ、成長市場であることは明白でした。しかし、この市場を選んだ理由は、創業メンバーである平田と李、そして私のキャリア特性によるものが大きいです。





平田が抱いていた課題に、私も業界を深く調べるなかで大いに共感しました。日本の各業界はジョブローテーションが基本なので、複雑なCRMツールを使いこなすデジタルマーケティングの実現はまだまだハードルが高いです。だからこそ、デジタルメディア領域の課題に答える、ヘッダービディングの事業から始めました。

 

佐賀:FLUXは、デジタルマーケティングのSaaS企業というより、顧客課題を整理・客観視して、テクノロジーでアプローチするスタートアップという見方が正しいのですね。



20代未経験で「事業家人材」へ:2つの挑戦ケース


佐賀:20代のキャリアにおけるニーズとして、成長機会に加え、「事業や経営に挑戦したい、上流から携わりたい」など、事業を作る人材(=事業家人材)への意欲を伺う機会は多いです。

 

少し振り切った議論ですが、20代未経験でスタートアップの事業家人材になれる、代表的なパターンを次の2つと整理しています。


・Case1:

「ドメイン知見が活かせる企業」での挑戦

・Case2:

「複数事業を生み出す仕組みやカルチャーがある企業」での挑戦





永井:確かにこれらは代表的なケースですね。


FLUXでいうと、「Case2:複数事業を生み出す仕組みやカルチャーがある企業での挑戦」が当てはまります。


デジタルマーケティング領域の経験者からすると、事業の性質上「Case1:ドメイン知見が活かせる企業での挑戦」とも捉えることができます。

 

大型資金調達した未上場スタートアップを除くと、新規事業・複数プロダクトに続々と挑戦するスタートアップは一部に限られます


なぜなら、BtoBプロダクトはBtoCと違い、顧客の反応を集めることに時間がかかるため、事業の立ち上げ速度もその分落ちるからです。


そのなかでもFLUXは、創業5期で大きく2つのプロダクト、小さな機能も入れるとそれ以上リリースしてきたことは、投資家にも驚かれることが多いですね。

 

佐賀:創業間もないチームで、プロダクト開発のスピードをどのように担保したのでしょう?





永井:我々は、MVP(Minimum Viable Product)を作る際の考え方やアプローチがはっきりしています。


顧客のコアな課題だけを徹底的にあぶり出すのです。


その課題がノーコードで簡単に解決できれば、顧客に対価をお支払いいただけるのか? という点に論点を絞り、それ以外の機能はなるべく盛り込まない。

 

このコアな課題特定とそれに対するMVPを検証するプロセスを経て、スピーディーに機能開発を行ってきました。


もちろん、李のような技術のキャッチアップが早い仲間がいたからこそ取れた戦略でした。

 

佐賀:永井さんと李さんだけでは、限界が来ませんか?

 

永井:メンバーが増えていくなかで、ボトムアップ的に「そのアイデアであれば、こういうアプローチの方がいいと思います」という声が出るようになりました。そうして、新規事業・プロダクトの仮説検証を進めるサイクルはより回りやすくなってきました。


顧客理解があるメンバーだからこそ、仮説が彼らからも出てくる。逆にそのようなチームでないと、事業をスケールさせ続けることは難しいです。そこからFLUXの5つのバリューも図のように設計しています。




※FLUXの組織やキャリアパスをデータで解説する後編も合わせてご覧ください



デジタル時代の事業家人材への「3+1」の論点


佐賀:たくさんのスタートアップがある中で、事業開発の経験と一口に言っても、どんなドメインで、どんな事業戦略・プロダクト戦略の会社で事業開発をするかによって、その後のキャリアの選択肢は変わってきます


ここでは、「デジタル時代の事業家人材」に近づくためのスタートアップ選びの視点を、次のように整理してみました。





永井:面白い整理ですね。1つ私の方で踏み込んで、コメントさせていただくとしたら、特に視点の3つ目のマーケットと向き合ってプロダクトを作り、事業化した経験についてです。


この部分は、ソフトウェアの開発が絡む点を理解しないといけない。


市場にニーズのないものを作ったり、ある特定の顧客には刺さるが、それ以上の市場がなく、セールスしても全然売れない、などの点は、よくやりがちな失敗ではないでしょうか。


そうしたソフトウェアビジネス、言わば「デジタル時代の事業家人材」としては、「仮説検証スキル」と「プロダクト設計スキル(=検証した仮説をソフトウェア+オペレーションに落とす力)」が重要だと感じます。





これらのスキルを持つ人は、今の時代の事業開発人材としては引っ張りだこなのではないでしょうか。


やはり、私のようなコンサル出身の方や、それ以外の大手などで事業開発をされてきた方も、なかなかこうした経験を積む機会がない方が多いと思います。


こうした背景から、スタートアップにおける事業開発や、プロダクトマネージャーという職種に注目が集まり、経験者の市場価値が高まっているのではないでしょうか。


佐賀:一方、ソフトウェアの事業開発未経験でも、FLUXで活躍されている方がいると聞きます。なぜ、そのような活躍ができるんでしょうか?

 

永井「事業開発チームの再現性」を突き詰めているからです。


例えば、FLUXは、「仮説検証」を重視します。極端ですが、仮説が検証できれば、失敗でも許容するカルチャーです。

 

その背景には、事業開発における再現性の背景やプロセス、未経験でも活躍するために必要な組織カルチャーについて突き詰めて会社を運営していることが挙げられます。

 

佐賀:なるほど、再現性を担保する運営方針や組織カルチャーの有無は、企業選びのポイントですね。




+1の意味:事業戦略とデータ活用・AIの関係性


佐賀:加えて+1にあるデータ活用。近年のスタートアップを見ると、データからMoat(壁)を築くような事業戦略を構想し、かたちにしている企業が多いようです。


永井:我々も創業から5期目となり、広告収益やコンバージョン数を最大化するFLUX DXPのプロダクトを出版社やテレビ局のWebサービスなど大手メディアを中心に1,000社以上で展開し、独自のデータが蓄積されてきました。そのデータを活用することによってプロダクト価値向上のサイクルが見えつつあります。

 

このサイクルは、データ収集の新技術「id」により集まった膨大なデータとAIを元に、プロダクトの自動化/効率化を行うというもの。FLUX DXPの事業戦略を実現する1つの鍵になります。





佐賀:データとAIの活用から事業の競争優位性を獲得しようとしていると。こうしたデータ活用領域にも近いプロダクトに携わりながら、事業開発の経験を積めるのは、FLUXならではですね。



FLUX DXP の持つ構想=デジタル時代の事業家輩出の構想?





佐賀:改めて、20代が急成長できるキャリアを歩む先としてFLUXを選ぶ理由を教えてください。

 

永井誤解を恐れずにお伝えすると、デジタル時代の事業家人材を輩出できるフィールドがあるスタートアップだからだと考えています。


我々のコアプロダクトであるFLUX DXP事業の急成長が、組織の中でさまざまな挑戦できる環に反映されるからこそ、断言できる点です。

 

佐賀:成長企業の典型例である、事業成長が組織成長にダイレクトに反映されているのですね。では、改めて、FLUX DXPの事業構想を教えていただけますでしょうか?

 

永井:前提として、まずこれまでの事業展開の話もさせてください。これまでは、スタートアップにおける市場の独占という基本戦略を徹底して、メディアの収益化などマーケティング支援のSaaSから急成長してきました。


佐賀:PayPal創業者で著書「Zero to One」で有名なピーター・ティールの格言「Monopoly is the condition of every successful business.(独占は、すべての成功するビジネスの条件である)」を地でいかれていたのですね。

 

永井:まさにです。その上で「テクノロジーを、カンタンに。経済価値を最大化する。」というミッションから、より大きな市場を狙うために掲げたのが、ここまでのお話でも何度か出てきた「FLUX DXPの構想」です。

 




この構想の実現度は、まだまだ理想の1%にも届きませんが、だからこその挑戦環境があります。


FLUX DXPのプロダクトのフェーズは0→1から、1→10、10→100の成熟期に差し掛かるものまで、で本当に幅広い。


そして、挑戦してきた経営陣も複数います。つまり、活躍可能なフェーズからスタートして、前後のフェーズへの挑戦も含め模索がしやすい環境なんです。


一方で、事業や組織を共に作り上げる人材はまだまだ足りていません。だからこそ、若手抜擢も含めた挑戦の機会があります。

 

佐賀:20代で業界未経験の方が、複数のプロダクトを次々と生み出しながら、事業開発人材を目指せるスタートアップはそう多くないです。そのなかでFLUXは、組織のバリューやカルチャーに、若手の挑戦機会を創出する思想があることを、よく理解できました。ありがとうございました。


 


おわりに


スタートアップで目指す「デジタル時代の事業家人材」について、解説いただいた今回の記事は、いかがだったでしょうか。続く後編の記事では、「キャリアパス大解剖」と題して、転職実例のデータ解説も踏まえながら、デジタル時代の事業家人材として歩み始めたFLUX社員の方々の声に迫ります。




また、今回の記事テーマに関連した「特別ウェビナー」を開催予定です。本記事のテーマでもある点について、実際にFLUXさんのケースも含めながら徹底解説。「スタートアップ転職」に少しでも興味がある方なら、意義のあるコンテンツになっております。ぜひ、ご参加ください。


※イベントは終了しましたが、イベントレポートを公開しました。




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