はじめに
ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが、皆様のお悩みや一般的な疑問にお答えする連載企画。
今回は、「新興コンサルから、有名ファームに負けないキャリアを作りたいです」という相談者さんからのご相談です。
有名ファームに負けないキャリアを歩むためには、どのような経験を積み、ネクストキャリアに活かしていけば良いのでしょうか ?
キャリアデータを知り尽くすキャリアアナリスト佐賀が、率直にお答えします。
本コンテンツは、Podcastまたは記事のお好きな方法でお楽しみいただけます。
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本日のお便り
お世話になっております、ONE CAREER PLUSの佐賀です。
キャリアアナリストである私佐賀が、キャリアのお悩みに答えていくこの企画。
これまでONE CAREER PLUSに寄せられた相談や、一般的に皆さんが悩むであろうテーマを取り上げ、ラジオ形式で解決していく、シンプルなコーナーでございます。
今回は普段と異なり、現役の大学生の方からキャリアのご相談をいただきました。
ラジオネームおさかな研究所さんからのお便りです。
「現在大学院2年生のおさかな研究所です。
就活を終えて来年春から働き始める予定です。
理系の大学院に通う私は、研究室がとても忙しく、就活はかなり絞って、志望していたテレビキー局のみを受けていました。
ところが、ふたを開けてみると結果は全滅……
そこから急いで転職可能性の高いコンサル各社を受けたのですが、そこもなかなかうまくいかず、小さな新興系のコンサルティングファームへの入社が決まりました。
もちろん1社目も全力で頑張りたいと思っていますが、年齢ももう24歳なので、キャリアに対する焦りを感じています。
新興系のコンサルティングファームからでも、転職時に戦略コンサルやBig4出身の方々と張り合うことはできるのでしょうか?
転職を見据えて、どのようにファーストキャリアをつくっていけばいいか、お聞きしたいです。」
というご相談をいただきました。
お便りをお寄せいただきありがとうございます。
キャリアのお悩みは、社会人のみが意識するものではありません。
大学生の皆さんも、ファーストキャリアの選択に際して、入社前から様々な不安を抱えられていると思います。
現在のご相談者さんの状況は、
- 元々テレビ局志望をしていたものの、望んだ結果が得られず、最終的に新興系のコンサルティングファームに就職が決定した。
- 今後は1社目のファームを経由して、テレビ局や他の産業へ転職するキャリアパスを思い描いている。
と認識いたしました。
その上で、「新興系のファームで経験を積んだ先に、戦略ファームや『Big4』と呼ばれるファームに在籍する方々に負けないキャリアを形成することができるのか ? 」というご相談をいただきました。
本記事では、新興系のファームで積むことができる経験の中でも、特にキャリアアップを果たす上で重要となる経験を整理し、上記の質問にお答えいたします。
新興系ファームでの経験が、有名ファームにおいても十分に通用する理由とは?
私の考えとして、「大手ファームに在籍されている方々と十分に張り合えるため、ご安心ください 」と回答させていただきます。
なぜなら、大手ファーム・新興系ファームにはそれぞれの良さがあるからです。
具体的には、大手ファームにおいては、規模が大きいが故、オリジナルな案件が舞い込んできます。
また、クライアント企業が、大手ファームの実績や持ち合わせるソリューションの幅の広さに期待して、案件を依頼するケースも多くなります。
つまり、大手ファームに優良案件が集まりやすい側面は否定できないため、こうした案件を担当することでしか得られないスキルや経験は、大手ファームに在籍する一つのメリットであると言えます。
一方で、現在、大手戦略ファームや総合ファームが軒並み案件の裾野を広げているため、状況は変化しつつあります。
具体的には、戦略ファームの代表格であるマッキンゼー、ベインのようなファームにおいても、システム導入等の実行に近い案件を担当することが増えてきました。
つまり、以前であれば、上流工程の戦略部分のみ支援していた状況から、下流工程の実行まで手がけるようになり、案件の幅が広がってきています。
そのため、実行に近い案件を社内で完遂するために、ITやデジタルのスキルを持つ人材が求められるようになりました。
以上を踏まえると、戦略ファームであっても必ずしも戦略案件のみに携わるわけではないため、戦略ファームへの転職難易度が高いと過度に思い込む必要はないと思います。
実際、Big4出身者やITコンサルタントとしてのバックグラウンドを持つ方々が、戦略ファームに採用されるケースも存在します。
【Big4やITコンサルタントから戦略コンサルタントに転職した事例はこちら】
そのため、ご相談者さんが新興系のファームで経験を積み、その経験をもとにもう一度戦略ファームにチャレンジをして、そこで経験を積み直す。
そして、1社目では得られなかった経験を武器にさらなるキャリアアップを図る選択肢も取りうるため、キャリアアップの選択肢は広がっていると思います。
【戦略コンサルタントへの転職について詳しく知りたい方はこちら】
さて、「そもそも転職時において、戦略ファームに新卒で入社した方々と張り合えるのか? 」という今回のご質問から少し離れてしまったので、本題の回答に戻らせていただきます。
上記のご質問に対しても、改めて「戦略ファームに新卒で入社した方々に十分張り合うことができる」と回答させていただきます。
所属先以上に重要な、キャリアの武器となる経験とは?
先ほど述べさせていただいた通り、戦略ファームにおいても案件の幅が広がり、総合ファームとの線引きが曖昧になってきています。
そのため、在籍するファームが戦略ファームであるか総合ファームであるかという区分け以上に、ファーム内でアサインされてきたプロジェクトの内容や担った役割の重要度が増してきています。
もちろん、在籍していたこと自体が、キャリアにおける武器となる場合もあります。
しかしそれ以上に、在籍するファームにおいてアサインされてきたプロジェクトの内容が今後のキャリアを左右する重要な要素になります。
例えば、一括りにITコンサルタントと言えど、セキュリティ関連の案件を担当している場合と、DX化を目的としたシステム構築を担当している場合では、獲得できる知見や経験は異なるため、その後のキャリアパスにも違いが生まれます。
同様に、在籍するファームが新興系のファームであるか否かという点に関しても、結局のところ、プロジェクトの種類や担ってきた役割、クライアントの属性、積み上げてきた経験やスキルが重要になります。
新興系ファームでは、規模が大きくないからこそ、社内で担当する業務の融通が利きやすかったり、自身の働きかけによってプロジェクトに対して影響力を及ぼしやすい可能性があります。
そのため、まずは将来を見据えて磨きたい強みや専門性を検討しておくことが必要になります。
その上で、目指す将来像から逆算して、必要な経験を積むことができるプロジェクトへのアサインを掴み取り、スキルや経験を積み重ねていくことが重要であると思います。
まずは、新興系のファームでキャリアをスタートさせることに関して、今後のキャリアの形成上全く問題ないということを念頭に置き、安心して働き始めていただければよいのではないかと考えています。
働き始めてから再度軌道修正が必要な場合や、「 本当にこのままでいいのかな? 」と思い悩んだ場合には、キャリアの健康診断という位置付けで、エージェントへの相談をぜひご活用下さい。
さいごに
さあ、いかがでしたでしょうか。
このコーナーでは、皆様からのお便りを大募集しています。
詳細欄のURLの部分から、キャリアに関する疑問やお悩みをどしどしとお寄せください。
また、佐賀や他のキャリアアナリストと直接話してみたいという方は、無料のキャリア面談も受け付けております。
こちらもお気軽にご応募ください。
それでは、また次のラジオコーナーでお会いしましょう。
さようなら!