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未経験でも外資IT企業への転職は可能? 選考突破のポイントを解説

グローバルに働ける環境や最先端技術に触れる機会があり、高収入も魅力の外資IT業界。しかし、人気の業界であるため採用のハードルも高く「未経験だと難しいのではないか」と挑戦を躊躇する方もいるのではないでしょうか。


本記事では、ONE CAREER PLUSに寄せられた転職経験者の声や実例をもとに、未経験からでも外資IT企業への転職は可能なのか、そして成功するためのポイントを解説します。求められるスキルや実際の転職事例、選考突破の秘訣まで、外資IT転職を考える上で押さえておくべきポイントをお伝えします。






1. 未経験でも外資IT企業に転職できる

結論からいえば、未経験からでも外資IT企業への転職は可能です。外資IT企業は多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用しており、特定のスキルや経験に限定せず、ポテンシャルを重視して採用するケースはあります。


ただし、全ての企業・職種で未経験者を採用しているわけではないため、興味のある企業のクチコミなどで下調べをしておく必要はあるでしょう。


例えば、NTT DATA(NTTデータグループ・NTTデータ・NTT DATA, Inc.)のSEからAWSのソフトウェアエンジニアに転職した20代男性の体験談には、以下のようなコメントがあります。



未経験も歓迎しており、社内リソースでスキルアップをできる環境が整っていることから、市場価値を上げるためにもいい環境だと思った。


また、セールスフォース・ジャパン(旧:セールスフォース・ドットコム)には次のようなクチコミが投稿されています。



事業拡大に伴い社員数を猛スピードで増やしていることから、新しい人が入って来る体制・研修が出来上がっている。「一人で勝つな、一人で負けるな」と言われており、何事も共有する文化がある(インサイドセールス・内勤営業/女性


セールスフォース・ジャパンのように組織を拡大している企業では、その分人手が必要になるため、IT業界が未経験でもポテンシャルを評価して採用する可能性は高くなるといえるでしょう。






2. 外資IT企業に未経験から転職するポイント


未経験から外資IT企業への転職を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。これらを事前に把握することが、選考突破の鍵です。



2-1. スキルや経験の再現性


外資IT企業の選考では、あなたの前職での経験やスキルがどれだけ転用可能か、つまり「再現性」が重視されます


セールスフォース・ジャパンの面接では「なぜ高い成果を残すことができたのでしょうか?」という質問が出されることがあります。また、HubSpotの選考でも「これまでの実績について教えてください」という質問をし、その実績が再現性のあるものかどうかを見極めています。


▼参考記事▼



未経験で転職する場合、以前の経験で得たスキルや知識が新しい役割でどのように生かせるかを明確に説明することが重要です。自身の強みやスキルを言語化し、具体的なエピソードと数値で示せるようにしましょう。




2-2. 語学力


外資IT企業では、英語力が求められることが多いですが、その必要度は職種や役職によって異なります。

AWSの公式HPでは、職種ごとに求められる英語力について説明があります。


AWS:テクニカルカスタマーソリューションマネージャー(CSM)


職種によって海外チームとのやりとりが多い事もありますが、少なくとも英語のドキュメントを読めたり、社内生成 AI ツールなどを使って翻訳しながら英文メールのやりとりができる事は求められます。頻度は様々ですが、日常的には日本語で生活していると考えて問題ありません。もちろん、英語を活かして仕事をしたいというご希望があれば、そういったチャンスはたくさんあります。


AWS:ソリューションアーキテクト


ポジションによって海外チームとのやりとりが多い事もありますが、最低限のラインとして英語のドキュメントを読めたり、辞書を引きながら英文メールのやりとりができる事は求められます。頻度は様々ですが、日常的には日本語で生活していると考えて大きなズレはありません。もちろん、英語を生かして仕事をしたいというご希望があれば、そういったチャンスはたくさんあります。


また、日本マイクロソフトの公式HPでは「開発職以外では、採用時の必須条件にはなっていませんが、求められる英語力は職種によって異なり、米国本社や他国と連携をとりながら仕事をするような場合は、相応のレベルが求められます」との説明があります。


職種によって求められる英語力が異なるということは、別の見方をすれば、語学力が重要なため未経験でも採用されやすい職種・ポジションがあるともいえます。その見極めをするためには、各社の求人やクチコミを調べておくとよいでしょう。



2-3. 年齢

外資IT企業にかかわらず「年齢は若い方が新しい知識・スキルを吸収しやすい」という考えから、20代の人材をポテンシャル採用する企業はあります。年齢に関してはスキル・経験とは異なり、自分で変えることが難しいですが、「選考時に自分がどう見られるか」を考える参考指標にはなるでしょう。





3. 外資ITの業界と転職難易度


外資IT業界は多様な企業が存在し、それぞれに特色があります。未経験からの転職を考える場合、まずは以下の3つの大きな分類で業界を捉えるとよいでしょう。


1. GAFAMに代表される大手テック企業

2. クラウドサービス専業企業

3. コンサルティングファームのIT部門



1. GAFAMなどの大手テック企業

GAFAM(Google・Apple・Facebook(現:Meta)・Amazon・Microsoft)などの大手テック企業は世界的な知名度と豊富な経営資源をもち、最先端の技術開発と多様なプロジェクトを手掛けています。高年収と充実した福利厚生が魅力です。


2. クラウドサービス専業企業

特定分野での高い専門性を持つことが特徴であり、成長産業のため、キャリアの伸びしろが大きいとされています。組織構造は比較的フラットです。


3. コンサルティングファームのIT部門

ビジネスとITの両面の視点をもち、幅広い業界知識の習得が可能です。コンサルタントへのキャリアチェンジの観点で転職を検討される方もいます。

(参考:ONE CAREER「外資系企業とは?【71社ランキング】大手有名企業一覧と日系との違い」)


未経験からの転職を考える場合、まずは比較的参入障壁が低い職種や、成長分野で採用を強化している企業を狙うとよいでしょう。





4. 未経験からの外資ITへの転職パターン


では、実際にはどのような転職が可能なのでしょうか。ONE CAREER PLUSに寄せられた転職事例から、主なパターンを紹介します。


1. 国内IT企業→外資IT企業の未経験職種

前職での技術スキルやプロジェクト経験を活かすことで、外資IT業界が未経験でも転職できるケースがあります。



IT知識に明るいことは、武器になった。特に倉庫勤務の同僚は、IT知識に乏しく、手作業で分析している人間も多い。開発環境がなくてもインタプリタを使用して一定の業務改善はできる。(富士ソフト
のSE(制御・組み込み系)からアマゾンジャパンの倉庫管理・配車管理に転職した30代男性


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 2. コンサルティングファーム→外資IT企業

論理的思考能力、構造化力といったビジネスの基礎力が身に付くコンサル経験者は、どの業界にも転職しやすい傾向にあり、外資IT企業に行くパターンもあります。



コンサルタントとして実際に働いてみて、自分が今後伸ばしていきたいスキルや領域が明確になった。また、よりグローバルな環境で仕事をしてみたいと思った (A.T.カーニーの戦略コンサルタントからGoogleのインサイドセールス・内勤営業に転職した20代男性


▼その他の転職事例

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3. 国内企業の非営業職→外資IT企業の営業職

 外資ITの中でも、営業未経験からの営業職に転職するケースはあります。自身の経験・スキルを再現性のある形でアピールできるかが鍵となりそうです。



インサイドセールスは未経験だったが、前職で培った①アーキテクチャ全体を最適化することを前提とした提案力と②LTV最大化の目線を入れた長期的視野の2つを多分に役立てられていると思う(delyのプロダクトマネージャーからセールスフォース・ジャパンのインサイドセールス・内勤営業に転職した30代男性


▼その他の転職事例





5. 未経験でも外資ITに向いている人は?


未経験からでも外資IT企業に転職できる可能性はありますが、向いている人の特徴には一定のパターンがあります。以下の特性を持つ人は、外資IT企業での活躍が期待できるでしょう。


1. チャレンジ精神と学習意欲が高い人

外資IT企業は変化のスピードが速く、常に新しい技術や知識を習得する必要があります。好奇心旺盛で積極的にチャレンジできる人の方がよいでしょう。


2. 成果主義に適応できる人

多くの外資IT企業は年功序列ではなく成果主義の評価制度を採用しています。上昇志向が強く、結果を出すためのプレッシャーに耐え、成果を出し続けることができる人が向いています。

 

3. 英語でのコミュニケーションに抵抗がない人

完璧でなくても、英語でコミュニケーションを取ることに積極的な姿勢を持つ人の方が、国内業務にとどまらないチャンスを得やすいでしょう。






6. 外資ITの選考突破のコツ


未経験からの外資IT転職は決して容易ではありませんが、適切な準備と戦略で可能性は大いに広がります。選考を突破するためのコツをまとめました。


1. 自己分析を徹底する

自分のスキルと経験を客観的に分析し、5年後・10年後のビジョンやキャリアゴールを明確にしましょう。未経験で挑戦したい理由に説得力が増すでしょう。


2. 前職での成果を数値で整理する

「売上を○%向上させた」「プロジェクトの期間を○カ月短縮した」など、具体的な数値を盛り込み、成果を客観的に示しましょう。


3. 企業研究で逆質問に備える

面接の最後には、応募者からの質問の時間が設けられることがあります。企業や職種に対する理解を深めるだけでなく、入社意欲を示すためにも、質の高い質問を複数用意しておきたいところ。企業の経営・事業課題や理念、カルチャーなどを調べ、準備を怠らないでおきましょう。


4. 英語面接への対策を怠らない

英語面接が選考にある場合、基本的なビジネス英会話のフレーズを習得し、自分の言葉で話せるように練習しましょう。また、応募する職種に関連する専門用語や業界知識についても英語で理解しておく必要があります。





7. 未経験から外資IT企業への転職は「情報」が重要


今回の記事では未経験から外資IT企業への転職について説明しました。未経験でも可能性はあるため、業界や職種、企業に関する情報を入手して、自身が望むキャリアを照らし合わせることが重要です。


シリーズ企画「外資IT転職:完全攻略ロードマップ」では、外資IT企業を目指す人に向けて転職活動の際に押さえておきたいポイントを全5回にわたり解説しています。


キャリアアップを目指す若手エンジニアや、将来的な外資IT転職を視野に入れているビジネスパーソンの方々は、ぜひご活用ください。











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