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ハヤカワ五味流「強い個人」で居続けるための行動原則|100 HER vol.5

女性活躍が広く語られるようになった今も、経営の意思決定やビジネスの表舞台に立つ女性は、いまだ多くはありません。

「バリキャリ」として1人で戦うことだけが道ではなく、成果を出しながら自分らしいキャリアを切り拓く女性たちが、今まさに各所で奮闘しています。


『100 HER(ハンドレッド・ハー)― 100人100通りの女性たち』では、そんな女性たちのキャリア戦略や仕事術、生き方を紹介します。キャリアに前向きに向き合うすべての人に、何か一つでもヒントが届けば嬉しい。そんな思いから「Project:F(プロジェクトエフ)」とワンキャリア転職が立ち上げた連載です。


第5回では、学生起業から2度のM&A、そして現在はメルカリでAI戦略を担当するハヤカワ五味さんに迫ります。常に時代の先を読み、領域を変えながら成果を出し続ける彼女の思考法と行動原則を株式会社Sworkers代表/Project:F主宰の坡山里帆(以下、はやまり。)が深掘りします。





起業からM&A、そして生成AI推進へ。職種を限定しないキャリア戦略


はやまり。:まずは改めて、これまでの経歴を教えてください。


ハヤカワ五味: 現在は株式会社ウツワという会社の代表取締役を継続しながら、2023年7月から株式会社メルカリで生成AI推進を担当しています。直近では中長期的な戦略やAIストラテジーチームで活動しています。


これまでのキャリアを振り返ると、10代の頃から自分でアクセサリーを作って販売していて、大学1年生の夏に立ち上げた下着ブランド「feast」がSNSでバズったことがきっかけでした。当時フォロワー500人程度だったにも関わらず、初年度で売上3000万円を達成し、2015年1月に法人化しました。


その後約10年間経営を続け、2022年に下着事業を下着のOEM会社にM&A、並行してやっていたフェムテックブランド「ILLUMINATE」もユーグレナグループにM&Aしました。2つの事業をそれぞれ別の形で譲渡し、ロックアップが終わったのが去年という流れです。


はやまり。:学生起業から2度のM&A、そして大手企業でのAI戦略と、かなり多様なキャリアを歩まれています。一貫して活躍し続けられる秘訣は何でしょうか?


ハヤカワ五味: 一番大きいのは、職種で自分を定義していないことだと思います。



私は元々ファッションデザイナーを名乗って始めましたが、途中から会社経営がメインになって、代表取締役と名乗るようになりました。今でも自分が何の仕事をしているかよく分からないんです。社内でも私の職種っておそらくないんですよ。

厳密には分類としてはビジネスデベロップメント(事業開発)になると思うんですが、「ビズデブ(BizDev)って何?」みたいな感じで。ある意味、職種がずっとない状態です。


はやまり。:職種で定義しないことで、どんなメリットがあるのでしょうか?


ハヤカワ五味: 結果的に適応力が高くなると思います。ファッションからフェムテック、そして今は生成AI推進と、領域をスライドしてこられたのは、職種で自分を縛っていないからです。


おそらく一般的には、みんな職種で自分の仕事を定義する方が多いと思います。でも私の場合は、職種で定義できずに歩いてきた結果、今のような多様なキャリアになったんだと思います。






起業家OSと会社員OSの違い。成果主義で貫く仕事術


はやまり。:メルカリで会社員として働く中で、起業家として働くのと違いを感じることはありますか?


ハヤカワ五味: 会社に入って特に感じるのは、一般的な会社員とのOS(オペレーティング・システム)の違いです。

一般的な会社の場合、結局お客様って上司だと思うんですよね。上司がどう評価するかが全てなので、実際に成果を出したかどうかより、上司がそれを見てどう思うかの方が重要になってしまいます。


でも私の場合、元々起業家だったこともあって、OSがちょっと違うと感じています。


成果を出せば過程はあんまり求められないし、自分が成果を出さなくても、例えば部下のパフォーマンスが上がって会社の売上が上がればそれでいいわけです。


はやまり。:そのような違いがある中で、今どのように仕事を進めていますか?



ハヤカワ五味: 上司の指示に対して、「本質的にはここだからこの数字を伸ばさないと目標達成されないよね」と考えるようにしています。言われた目標から何がKPIかを分解して、それをやるというのが癖になっているんです。


会社員としてはあんまり良くないかもしれませんが、結果的にそれが成果には繋がりやすいと思っています。基本的にはゲームが好きなので、数字を上げることが好きですし、ゲーム感覚で数字を伸ばすためにはどうしたらいいかをずっと考えています。


はやまり。:そのゲーム感覚というのは、どこから来ているのでしょうか?


ハヤカワ五味: 元々物販をずっとやっていたのもあって、数字、売上が見えやすいし、直接ヒットしやすいんです。だから結果的に相性が良かったなと思っています。






時代を先読みする「投資と回収」の思考法


はやまり。:現在はポッドキャストなどの活動も積極的にされていますね。


ハヤカワ五味: これは完全に「投資と回収」の考え方でやっています。今はプラマイで言うと絶対マイナスなんですよね。ポッドキャストは1円も儲かっていないし、編集を外注しているので1回更新するごとに数万円出ていきます。


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ワンキャリア転職編集部

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