コンサル業界において、BIG4とは世界4大会計監査法人のグループファームである「デロイト、PwC、EY、KPMG」の4社を指します。各社ともに世界的な規模で幅広いプロフェッショナルサービスを提供し業界内で高いプレゼンスを示しており、コンサル業界を志す人なら一度は耳にしたことがある企業群でしょう。
本記事では、コンサル業界への転職を検討する人に向けて、コンサルBIG4各社の特徴、年収、選考情報など、知っておきたい基礎知識を、ONE CAREER PLUSの独自調査やクチコミデータをもとに徹底解説します。
1.BIG4とは?定義と成り立ち
1-1.世界4大監査法人グループとしてのBIG4
「コンサルBIG4」の起源は世界4大監査法人のBIG4に遡ります。具体的には、Deloiite(デロイト)、PwC(プライスウォーターハウスクーパース)、EY(アーンスト・アンド・ヤング)、KPMG(ケーピーエムジー)の4社です。
これらは世界的に監査法人としての長い歴史を持ち、会計監査を基盤としながらコンサルティングサービスへと事業を拡大してきました。
例えばPwCは170年の歴史を持ち、1849年にロンドンで前身となる会計事務所が発足しました。日本でも1949年に事務所を立ち上げ、2016年には日本におけるコンサルティング部門を集結させたPwCコンサルティング合同会社が設立されています。
1-2.総合コンサルとしてのBIG4
監査法人をルーツに持つBIG4は、企業経営における多様なニーズに応える過程で、現在では会計監査だけでなく、幅広いコンサルティングサービスを提供する「総合コンサルティングファーム」として発展しています。
他のコンサルティングファームの中には、戦略コンサル、ITコンサル、組織・人事コンサルなど、解決する顧客の特定の課題に特化したサービス提供を行う会社もありますが、BIG4の4社は戦略、IT、組織・人事、業務、財務など幅広い領域でプロフェッショナルサービスを提供しています。
そのため、BIG4の4社は「総合コンサル」とも分類されます。BIG4の特徴は、戦略立案から実行支援まで一つのファーム内でワンストップでサービスを提供できる点です。
ただし、ファームが幅広い案件に対応しているからといって、いちコンサルタントが経験できる案件の幅も広いとは限りません。BIG4では、新人期間を終えるとソリューション×インダストリーで配属先が決まり、その中で自身の専門性を磨くことになります。
実際に入社を検討する場合は、入社後にどのような案件に配属される可能性があるのかをよく理解することが、キャリアを戦略的に構築する上で重要と言えます。
1-3.アクセンチュアはBIG4に入る?
コンサル業界においてBIG4と並んで存在感を示すのがアクセンチュアです。
アクセンチュアは元々アーサー・アンダーセンというBIG5時代の監査法人のコンサルティング部門でしたが、2001年に独立し現在の形になりました。厳密にはBIG4には含まれませんが、規模や影響力からコンサル業界では同等の位置づけとして見られることも多々あります。
BIG4とアクセンチュアはともに総合コンサルティングファームとしての特徴を持ちますが、ルーツの違いから企業文化や得意分野に差異があります。アクセンチュアはITコンサルティングに強みを持つ一方、BIG4は会計・監査のバックグラウンドを活かした財務・会計面での専門性が特徴です。
(参考)ワンキャリア 業界研究(総合コンサル)、ワンキャリア 合格の秘訣(デロイト/PwC/KPMG/EY)、各社沿革(PwC/デロイト/KPMG/EY)
2.コンサルBIG4各社紹介
2-1.デロイト トーマツ コンサルティング
デロイト トーマツ コンサルティングは、BIG4の中でも規模や売上高の点で特に高いプレゼンスを発揮しています。2024年度のグループ全体の業務収入は、前年比8%増の3,627億5百万円となっており、同年度のPwCグループの業務収入が2,542億円、EY Japanの業務収入が、2,548億円であることを鑑みても、BIG4の中でも売上高で群を抜いていると言えます。
さらに・・・