本記事では、ONE CAREER PLUSの独自調査をもとに、以下についてまとめています。
・SIer各社のうち、最速で1,000万を実現できる企業はどこなのか?年次別の年収テーブルや、評価制度の特徴、高評価を得る人に共通していることとは?
・SIer未経験でも間口が広い企業、転職に有利な業界や経験など、各社のキャリア入社者の傾向まとめ (実例データあり)
・NTTデータ (NTT DATA)、富士通など、SIer各社への転職成功者のクチコミから紐解く選考対策
1. 最速1,000万はどこ?SIerの年収まとめ
ここからは、SIer4社の年収テーブルや高評価を獲得する人の特徴を解説します。
【本記事内で解説するSIer】
・NTTデータ (NTT DATA)
・富士通
・SCSK
・大塚商会
1-a. NTTデータ (NTT DATA)
●事業内容
NTTデータは、データ通信やシステム構築事業を行っている日本のシステムインテグレータであり、情報サービス事業で業界最大手の企業です。
「情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する。」の企業理念の下、多くの業界や膨大な人々との接点を持ち、人やビジネスを結びつけることで、1000を越える大小様々なプロジェクトをリードしています。
システムインテグレーション事業、ネットワークシステムサービス事業を中心に事業を展開しています。また、NTTデータは、新興国を中心としたビジネスの可能性にも目を向け、世界42カ国、180の都市にも及ぶ顧客や社会の多様なニーズに対応し、グローバルにも注力しています。海外事業の拡大もあり、2023年度のグループ全体の売上高は4兆円、グループ全体の社員は約20万人という規模になっています。
参考:https://www.nttdata.com/global/ja/recruit/uptodata/articles/2778/
●NTTデータ (NTT DATA)の等級(役職)・年代・職種別年収まとめ
年収は基本給・賞与・残業代で構成されますが、残業代は等級によって支給方法が異なります。G6からG5までは実働に応じて残業代が支給されますが、G4以降になると固定残業代制の選択が可能で、G2以降は残業代がなくなります。
そのため非管理職層においては残業の有無で総年収にばらつきが生まれます。残業時間は部署によって大きく違い、営業やコーポレート職種の場合月20~30時間程度ですが、開発・コンサルタント・データサイエンティスト職では残業が多くなります。
部門ごとにも働き方は異なり、公共部門や金融部門はその他と比べてハードに働く傾向があるようです。
キャリア入社は、即戦力としての期待で採用され、G4 (主任)、G3 (課長代理)、FG7といった等級からの入社が多いようです。管理職スタートのキャリア入社社員も一部存在します。
その場合はいきなり年収1,000万に到達することも夢ではありません。
また、キャリア入社でG4やG3等級からスタートし、FG7(課長職)へ昇格するケースもあり、課長への昇格判断はプロパー/キャリア社員の垣根なくフラットに実力を見られているといえます。ただ、部長クラスに相当するFG9以降のポジションについてはプロパー出身社員で占められているのが現状です。
●NTTデータ (NTT DATA)の評価基準・評価フロー
【評価の流れ】
期初に1年分の目標を設定し、半期ごとに課長との面談を通じて目標到達度合いを確認します。半期ごとの評点は年2回の賞与額に影響し、前期の業績評価と年間の総合評価によって決定されます。
評価項目は大きく業績目標と行動目標の2つに分かれています。
業績目標は2〜3つの項目からなり、課長が持つミッションがカスケードダウンされて各メンバーの役職や等級に応じた目標の原案が与えられます。その上で、最終的には各自の裁量で具体的な目標を決定します。
行動目標については、課の方針に応じて個人の行動目標を2~3個決めます。例えば、管理職を目指す場合、派遣社員のマネジメントに挑戦するなど。行動目標は定量的な指標で設定されることが多いですが、場合によっては定性的な内容になることもあります。
これらの目標に対して、評価は5段階で行われます。まず自己評価を行い、その後上司とのすり合わせを経て、最終評価も5段階で評点がつきます。上半期は半期の評価、期末は1年の総合評価となります。
期末の評価前には目標の調整も行うことができます。最終評価者は直属の課長であり、基本的には課長との面談で決定されますが、実態としては部や課の状況によって相対評価的な要素も含まれています。
【賞与の決定ロジック】
賞与は「等級に応じた基準額×個人の評価点数に応じた係数」で決定します。係数は「3」を100%とし、評価が「1」なら60%、評価が「2」なら80%、評価が「4」なら120%、評価が「5」なら140%という具合です。
個人の評価によって差が生じるものの、年間の賞与支給額は月給の5.5~7ヶ月分が目安となります。
【昇格について】
昇格の機会は年に1回、年度末の総合評価の結果で決まります。等級が切り替わるタイミングにはベース給与もアップします。G6からG2までは総合評価の結果をもとに決定されますが、それ以降の昇格には条件が増えます。
まず、FG7への昇格には、「プロフェッショナルCDPでシニア等級を取得」「総合評価」「管理職試験の合格」が関係します。管理職試験にはNTTデータの事業内容に関するデータを基にした試験があり、準備に1年ほどかかると言われています。
TGに昇格する際には、プロフェッショナルCDPでシニアを取得し、業績評価をクリアすることが必要です。この場合、試験はなく、所属部署の上長の推薦が必要です。
FG8以降の昇格については詳細が明らかになっていませんが、同様の面談があると考えられます。TGレベル1からレベル2へのステップアップ要件には、プロフェッショナルCDPの等級や面談での推薦が必要で、面談を通過すれば昇格が決まります。
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