こんにちは、トイアンナです。
若手社会人から話を聞くと、よく「30歳で年収1,000万あれば……」といった希望を聞きます。転職でも同様で、やはり「1本」と大台に乗った意味で呼ばれる年収1,000万円を、目指したいという声は多いものです。
しかし、実際に都内で年収1,000万円を稼いでいる方はごく一部ですし、何なら「30歳で800万円」だって難しいぞ、という話をさせてください。
平均年収は532万円のシビアな現実
まずは、データから見てみましょう。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、都内・30~34歳の平均年収は532万円。男性に限定しても579万円と、600万円にすら届きません。
しかも、こうしたデータは年収が0円、つまり無職の方や学生は含みません。となると、平均値が下に引っ張られるということもないのです。現実はシビアです。
前提として「人口の半分は中卒・高卒・専門卒で働き始める」ということを、エリート層は忘れがちです。周りは稼いでいる人間ばかりだ、という方は、周囲の層が偏っていないかを今一度考えていただきたいと思います。
私も慶應卒の端くれとして、周囲はきらびやかなキャリアを築いている人にあふれていますが、それが「当たり前」だなんて思ったら、とんでもないという話です。何でしたら、私が卒業した2012年はリーマン・ショックの真っただ中でしたから、正規職に就けなかった同級生もちらほらいます。
高学歴だからといって、就職が確約されていたわけでもなかった。そんな背景を鑑みれば、平均がどうなるかは察しがつくものです。
東京の大学へ出て、東京の会社に勤めて……ライフプランが崩れたのは30歳だった
Hさん(仮名)のもくろみが外れたのも、彼が30歳になったころでした。
Hさんは2015年に大学を卒業。世間がリーマン・ショックからようやく脱したころです。採用も売り手市場に変わり、大卒なら複数内定を取るのが当たり前の時代が始まっていました。
Hさんは、もともと中国地方の出身。地元から離れて東京へ出たのには、少なからず憧れがあったと言います。
今ならXやインスタでいくらでも情報が手に入りますけれども、大学進学のときはやっとこういうSNSが伸び始めた時期だったかなと。東京ってまだ未知の部分がたくさんあって、ミーハーな動機で上京したいと考えた人も多いと思いますよ。
実際、京大、阪大、神戸大、関関同立とトップレベルの学校がより近隣にあったにもかかわらず、Hさんは東京へ進学。中堅〜トップレベルの大学であることも幸いし、そこまで就職に困らなかったと言います。複数内定したのち、Hさんはとある有名ベンチャー企業へ就職。順風満帆の人生かに見えました。
しかし問題は、給与でした。
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