2025年は、企業の初任給引き上げのニュースが相次いだ。大卒初任給では、大和ハウス工業が35万円に、三井住友銀行や三菱UFJ銀行が30万円へと引き上げるなど、これまで「20万円台前半」が相場であった水準は過去のものとなりつつある。中には、サイボウズのように初任給40万円を提示する企業も現れた。
こうした動きは、近年活発になっている賃上げの動きと、激化する人材獲得競争を背景にしている。学生にとっては喜ばしいニュースである一方、転職を考える若手ビジネスパーソンの中には、ふと疑問を抱く人もいるのではないだろうか。
「これは新卒だけの優遇措置ではないのか?」
「既存社員との給与逆転は起きないのか? 転職組は損をするのでは?」
そこで本記事では、ワンキャリア転職に寄せられた企業の年収・評価制度に関するデータや社員のクチコミをもとに、初任給引き上げ企業の「その後の年収ルート」を徹底調査した。
1. 初任給は30万円台が当たり前の時代に
2025年、初任給が30万円を超える引き上げを行なった、もしくは引き上げの計画を発表した主な企業は以下の通りだ。業界を問わず、ベースラインが大きく切り上がっていることがわかる。
(参考)
伊藤忠商事会長「学生さんは初任給で(企業を)選びがち」各社で入社式、人手不足などを背景に初任給の高額化進む | TBS CROSS DIG with Bloomberg
給与水準の改定および初任給の引き上げに関するお知らせ|大和ハウス工業のリリース
サイボウズ、新卒の初任給40万円へ。既存社員「自分たちの給料も上がりますか?」
2025年4月1日入社の新卒社員初任給 「33万円/月」から「36万円/月」へ
セガ、基本給平均10%引き上げ 大卒初任給は33万円 - 日本経済新聞
塩野義製薬、大卒初任給30万円 26年春に4万5000円上げ
金融の初任給30万円時代 住信SBIは33万円、3年で5割増 デジタル人材、獲得競争 - 日本経済新聞
東京海上日動の初任給、最大41万円に…転居を伴う転勤への同意など条件
このように入り口の金額は高い水準で横並びになりつつあるが、その後の「昇給カーブ」は企業によって全く異なる景色を見せる。
2. 初任給引き上げ後の年収ルートと、クチコミから見る注目ポイント
有価証券報告書のデータと社員クチコミを分析すると、企業の給与体系とキャリアの選択ポイントは、大きく以下の3パターンに分類できる。
① 超高年収維持(総合商社など)
さらに・・・




