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銀行員の転職先はどこが多い?転職体験談311件から見えた業界・職種の傾向

「銀行を辞めて転職したいが、自分のスキルがどの業界で通用するかわからない」——そう感じている銀行員の方は少なくありません。


ワンキャリア転職には、銀行出身者の転職体験談が300件超(2026年6月時点)蓄積されています。それらを業界別・職種別に分析すると、転職先は大きく3つの分野に集中しており、しかも「前職でどんな職種だったか」によって、転職先の分布がはっきりと異なることがわかります。


本記事では、転職体験談データをもとに、銀行員が実際にどこへ転職しているか、何が評価されているかを解説します。


目次


1. 銀行員の主な転職先:3分野への集中


1-1. 転職先業界の内訳


ワンキャリア転職に寄せられた、銀行出身者(メガバンク・地方銀行・信託銀行・ネット銀行等)の転職体験談311件を業界別に集計すると、以下の分布になります。


転職先業界

件数

金融(証券・外資銀行・投資銀行・保険等)

84件

コンサル・専門サービス

82件

IT・テクノロジー・スタートアップ

67件

メーカー・商社・その他事業会社

26件

人材・教育

16件

サービス業

12件

官公庁・政策系金融機関

7件

その他

17件


出典:ワンキャリア転職 転職体験談データ(2026年6月時点)


「金融同業」と「コンサル」がほぼ同件数で拮抗しており、それぞれ全体の約27%・約26%を占めています。さらにIT・テクノロジー系も全体の約22%と、銀行員の転職先が「金融に閉じていない」実態が浮かび上がります。


銀行員の持つ「財務分析力」「顧客折衝力」「問題解決力」は、コンサルやIT営業・事業企画など、金融以外の領域でも評価されやすいスキルです。転職先の候補が特定の業界に限られているとお感じの方は、一度視野を広げて検討することをおすすめします。




1-2. 転職先職種ランキング


転職後の職種として最も多いのは「法人営業」(69件)です。銀行の法人営業経験者が異業種の法人営業へ移るケースが多く、次いでコンサルタント職が続きます。


転職先職種

件数

法人営業

69件

戦略コンサルタント

29件

財務・会計コンサルタント

14件

業務プロセスコンサルタント

13件

キャリアコンサルタント・人材紹介

10件

新規事業企画・事業開発

8件

金融事務(業務・管理)

7件

M&A・ストラクチャードファイナンス

5件


出典:ワンキャリア転職 転職体験談データ(2026年6月時点)






2. コンサル・専門サービスへの転職


2-1. 主な転職先企業と件数


コンサル・専門サービスへの転職は82件と、金融同業に匹敵する件数です。企業別の件数は以下の通りです。


  1. アクセンチュア:12件
  2. ベイカレント・コンサルティング:11件
  3. デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA):5件
  4. KPMG FAS:5件
  5. PwCコンサルティング:4件
  6. EYストラテジー・アンド・コンサルティング:3件
  7. 日本M&Aセンター:3件


アクセンチュアとベイカレントへの集中が目立ちます。どちらも日本国内に大規模な採用需要があり、銀行出身者を「業務知識(ドメイン知識)+ロジカルシンキング力」の組み合わせとして評価する傾向があります。




2-2. 転職体験談:転職理由と評価されたスキル


コンサル転職を果たした銀行員が、転職の動機としてよく語るのが「長く活躍できる専門性の獲得」です。

三菱UFJ銀行の法人営業経験者がEYストラテジー・アンド・コンサルティングへ転職した際の転職体験談には、次のように記されています。


50歳を超えた時に、体調を考慮しつつも、世の中に必要とされるビジネスパーソナルであるべく、専門性を身に付けたかった。また、商業銀行で上場企業や大企業向けの営業をやっていると、取引先が日々、難題に取り組んでいることが分かる。その中で、自分自身は取引先の意思決定に入ることはほぼ無く、債権者として距離を取られ、深く経営支援できている実感を持てなくなった。その為、経営判断に深く関与できるような専門性を身に付けたいと思うようになった。(三菱UFJ銀行→EYストラテジー・アンド・コンサルティング


「経営支援への参画」への意識が転職動機になっているケースです。同様の傾向は、みずほ銀行からアクセンチュアへ転職した体験談にも見られます。


みずほ銀行の事業企画・事業統括経験者が、アクセンチュアへ転職した背景についてはこのように語られています。


①人生100年時代と言われる中、役員にならない限り50才過ぎでファーストキャリアが終わるという銀行で働くことはあまりに旬が短いと感じたこと ②在職中、若手社員を対象とした大幅な処遇の改悪があり、大企業でも何が起きるか分からないと痛感したことをきっかけに、勤め先という箱に頼らず生きられるスキルをつける必要があると考えたこと(みずほ銀行→アクセンチュア


また、地方銀行からコンサルへの転職も一定数あります。静岡銀行の法人営業経験者がベイカレント・コンサルティングへ転職した体験談では、転職の動機として以下が語られています。


法人営業だけではないロジカルシンキング等のビジネススキル、IT・DXに関する業務経験が将来に必ず必要になると考え、そうした経験をなるべく同僚のスキルが高い組織で複数得たいと考えたため(静岡銀行→ベイカレント・コンサルティング






3. 金融同業への転職


3-1. 主な転職先


金融同業への転職(84件)の主な転職先として、以下の企業が挙がっています。


  1. 野村證券・モルガン・スタンレー・ゴールドマン・サックスなどの証券・外資系金融
  2. DBJ(日本政策投資銀行):4件
  3. 農林中央金庫:3件
  4. 国際協力銀行(JBIC):3件
  5. プルデンシャル生命保険:5件


「銀行から証券・外資系金融」へのステップアップが多く、M&A・プロジェクトファイナンス・投資銀行業務といった、より専門性の高い領域への移行が目立ちます。政策金融機関(DBJ・農林中金・JBIC)への転職も、金融知識を活かしながら「公益性の高い仕事がしたい」という動機から選ばれる傾向があります。




3-2. 転職体験談:「より高い専門性」を求めて


三菱UFJ銀行の法人営業経験者がモルガン・スタンレーへ転職した体験談では、転職の背景として海外・グローバルへの志向が語られています。


三菱UFJ銀行で6年半法人営業を行なっていたが国内営業のみに止まっており海外での仕事を経験したことがなかった。しかし、今後グローバルな世の中になるにつれて、社会人の一般スキルとして海外での仕事や海外の人との英語での仕事経験が重要になってくることを感じ、上記の海外というアングルで転職を考えようと思いました。 (三菱UFJ銀行→モルガン・スタンレー






4. IT・テクノロジー・スタートアップへの転職


4-1. 主な転職先と件数


IT・テクノロジー系への転職(67件)の主な転職先は以下の通りです。


  1. リクルート:11件(最多)
  2. NTTデータ:4件
  3. その他フィンテック系スタートアップ(UPSIDER、助太刀等)


リクルートが最多である点が注目されます。リクルートは法人営業職を大規模に採用しており、銀行の法人営業経験者が「顧客折衝力・営業力」で評価されるパターンが多いためです。




4-2. 転職体験談:「新しい技術・自律性」を求めて


銀行からIT系・スタートアップへ転職した体験談には、「大組織の制約からの脱出」「新技術への渇望」という共通の動機が見られます。


住信SBIネット銀行の経営企画・経営戦略部門からディー・エヌ・エーへ転職した体験談では、動機として以下が語られています。


経営会議等の意思決定を通じて、金融機関特有の、安定しているが少し古い技術ではなく、新しい技術に触れたい気持ちが強くなったため。また、社内政治ではなく、シンプルにシステムの機能や人材のスキルで物事を推進できる環境に魅力を感じ始めたため。(住信SBIネット銀行→ディー・エヌ・エー


また、三菱UFJ銀行の経営企画・経営戦略部門からフィンテックスタートアップのUPSIDERへ転職した体験談では、自律的な働き方への指向が語られています。


①海外赴任を経験して、組織の大小に拘らず自律的に動ける状態であることと、そういった志向の人たちに囲まれた環境に身を置きたくなった。②自分の興味がある金融業界が変わるフロンティアを経験したい。(三菱UFJ銀行→UPSIDER


三菱UFJ銀行の事業企画・事業統括部門からスタートアップの助太刀(建設業向けプラットフォーム)へPdMとして転職した体験談では、「専門性を深める環境」を求めた動機が記されています。


当時の仕事にやりがいは感じていましたが、大手ではスピード感や自由度、そして専門性を磨くことに限界があると感じたからです。特に専門性の観点で言えば、メガバンクは短くて2年、長くても5年程で異動のタイミングとなってしまう(その度に職種が変わる可能性もあり、かつ自分の意志では選択できない)為、企画業務としての専門性を高めていきたいという自分のキャリアを実現することは難しいと思いました。(三菱UFJ銀行→助太刀






5. 職種別に見た転職パターン


5-1. 法人営業出身者


転職体験談の中で最も多い前職職種が「法人営業」です。転職先は、異業界の法人営業・コンサル・IT営業など幅広いですが、「業界を変えて同職種(営業)で続ける」パターンと「コンサル・企画職にシフト」するパターンの両方があります。


「顧客折衝力」「財務分析力」「マルチタスク対応力」が評価される場面が多く、法人営業経験者は転職市場での汎用性が高いと言えます。


三菱UFJ銀行の法人営業経験者がリクルートへ転職した体験談には、銀行での経験が新しい職場でどう活かされているかが記されています。


財務面の知識は十分学べました。人生100年時代なので、動けるうちに他の業種にもチャレンジしたいと思い転職活動を開始。異動も重なり、自分がイメージしていた異動ではなかったので、タイミング的にもいい話を頂き転職を決意しました。(三菱UFJ銀行→リクルート




5-2. 個人営業・リテール出身者


個人営業(窓口・リテール営業)出身者は、保険会社・人材業界・サービス業への転職が目立ちます。「顧客の課題を丁寧にヒアリングし、解決策を提案する力」が評価される職種を選ぶ傾向があります。


みずほ銀行からJAC Recruitmentへ転職した体験談では、転職動機として以下が語られています。


前職の業務が身体的・精神的にも非常に負荷の大きいものであったと感じ、転職を考えるようになった。元々興味のあった人材業界を見てみたいと考え、具体的に転職活動を開始した。(みずほ銀行→ジェイ エイ シー リクルートメント




5-3. 企画・経営戦略出身者


経営企画・事業企画出身者は、コンサル・スタートアップ・外資系金融への転職が目立ちます。「戦略立案・数値分析・社内横断プロジェクト推進の経験」が、コンサルや事業開発職で評価されやすいためです。


ただし、三菱UFJ信託銀行の個人営業出身者がベイカレント・コンサルティングへ転職した事例のように、職種の「壁」を超えてコンサルへ転職するケースも一定数あります。その場合、「地頭の良さ」と「論理的思考力」をアピールできるかどうかが鍵になります。


20代のうちにどの業界、どの会社でも活躍できるコアスキルを身に付けたいと考えていました。具体的には、ドキュメンテーション力、論理的思考力、スピード感です。(三菱UFJ信託銀行→ベイカレント・コンサルティング






6. 転職先を選ぶ際の判断軸


転職体験談311件を分析すると、転職先決定の判断軸として繰り返し語られるのは以下の3点です。


  1. 「専門性を深めたいか、広げたいか」:コンサル・外資系金融・フィンテックを選ぶ人の多くは「専門性の深掘り」を優先し、リクルートや人材業界を選ぶ人の多くは「多様な経験・自由度」を重視しています。
  2. 「大組織か、自律性の高い環境か」:メガバンクでの2〜5年サイクルの異動に不満を持ち、「自分の意志でキャリアを選択できる環境」を求めてスタートアップや外資へ移る体験談が複数見られます。
  3. 「年収よりもキャリア設計を優先する」:コンサルやスタートアップへの転職では、年収が一時的に下がるケースも散見されます。それでも転職を決断している体験談の多くは、「今後10〜20年を見据えたスキル獲得」を優先した動機を語っています。


一方で、外資系金融(証券・投資銀行)への転職では年収を維持・改善しているケースが多く、転職先業界によって年収の変化傾向は異なります。転職先を比較する際は、「希望する働き方・スキル獲得」と「年収の変化見込み」をセットで検討することをおすすめします。






よくある質問


Q. 銀行員がコンサルに転職するのは難しいですか?


ワンキャリア転職の転職体験談では、アクセンチュア(12件)・ベイカレント(11件)・デロイトTF(5件)等への転職実績があります。法人営業・企画職出身者が評価されやすい傾向があり、「難しい転職」ではなく「一定の対策が必要な転職」と捉えると現実的です。転職先企業・時期によって選考難易度は異なります。



Q. 地方銀行出身者でもメガバンク出身者と同じ転職先を狙えますか?


ワンキャリア転職の転職体験談には、地方銀行出身者がコンサル(ベイカレント等)や人材業界へ転職した事例が確認できます。採用する企業は「前職の規模」よりも「経験・スキル・地頭」を重視する場合が多く、地方銀行出身であることが直接的なハードルになるケースは限定的です。



Q. 銀行員の転職で年収は下がりますか?


転職先業界によって異なります。外資系金融・コンサルでは年収維持・上昇のケースが多く見られます。一方、スタートアップや異業種への初期転職では一時的に年収が下がる体験談も一定数あります。






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