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BenesseのUdemy Businessから分析する、大企業の事業開発とは?

ONE CAREER PLUSでは、次のキャリアを考えるきっかけとなるイベントを定期開催しています。今回お届けするのは、2022年7月に開催した「『未経験からの事業開発』-得られるやりがい・身に付くスキル- Udemy Business編」のイベントレポート。


スタートアップの事例を目にすることが多い事業開発ですが、大手企業の事業開発はどのような人がどのような思いで取り組んでいるのでしょうか?


今回はまさに今、BenesseでUdemy Businessを牽引されるお二人を迎え、Benesseにおける新規事業開発や、Udemyで起こっていること、そして事業開発からのキャリア形成など、さまざまな角度から大企業の事業開発についてお話を伺いました。


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事業開発はさまざまなキャリアを活かせる職種





ONE CAREER PLUS 佐賀:ラクスル株式会社COOの福島広造さんのnoteによると、事業開発(BizDev)とは、「非連続な『事業価値』を創ること」がミッションと解説しています。


事業部長や事業本部長が手がけるのは連続的な事業運営と、売り上げや利益の管理、マネジメントなどですが、事業開発は、事業を立ち上げることが仕事で、非連続な挑戦が求められます。業務内容は、大きく以下の3つに分けられます。


(1)事業を作る

(2)事業を伸ばす

(3)事業を磨く(マネタイズポイントを増やすなど)


事業開発の求人を見ると、同じ事業開発でもさまざまな業務があります。その理由は、ビジネスモデルや事業フェーズによって、やるべき業務が変わっていくからです。そのため、多くのキャリアパスがあり、活かせるバックグランドも多様です



事業開発に必要だといわれるスキル



上図は、同じくラクスル福島さんによる、事業開発に必要なスキルを図にしたものです。こちらを参考にしながら、本日お二人の話を伺っていきます。



さらなるキャリアアップを目指し、事業開発に挑戦した二人


ONE CAREER PLUS 喜多(以下、喜多):ここから司会を担当するONE CAREER PLUS事業開発担当の喜多と申します。それではまず、お二人の自己紹介をお願いします。


Benesse 田村(以下、田村):Benesseコーポレーション社会人教育事業部の事業企画推進課の田村友宏と申します。2015年に新卒でBenesseの小中学校事業部に入り、自治体向けの教育コンサルタントをしていました。2021年から現職で、行政事業における新規事業開発等を推進しています。


Benesse 山口(以下、山口):Benesseコーポレーションの社会人教育事業部法人営業2課の山口と申します。2017年に入社し、学校事業における学校営業コンサルタントを経て、現在は、Udemy Businessの導入企業を支援するカスタマーサクセスとして、業務に従事しています。Udemy Businessにおけるカスタマーサクセスは、企業の人財育成を支援する人材開発コンサルタントという位置づけです。





喜多:お二人の経歴から、事業開発は大きなキャリアチェンジだと感じました。どうしてこのような挑戦に至ったのでしょうか?


田村:自治体のコンサル事業を7年間担当しており、2019年から始まった全国の児童・生徒1人に1台のタブレットを整備する「GIGAスクール構想」で、自治体向けのコンサルタントを担当しておりました。このプロジェクトがひと段落し、次は自分の想いを事業にしたいという思いが芽生えたんです。そのとき、ちょうど行政関連の新事業立ち上げのタイミングがあり、そちらへ異動し、Udemyの事業開発を進めることになりました。


喜多:先日、田村さんのインタビュー記事を公開したのですが、取材の過程で「(事業開発は)少数精鋭で、自由なアイデアが描ける可能性があった」というお話があって。実際に事業開発へキャリアチェンジして、率直にどう思われましたか?


田村:私が事業開発に異動したとき、上長を含めて3名だけで、事業を伸ばす方針も考えて良いという、ある種“真っ白なキャンバス”をいただいた状態でしたので、「これはやってやるぞ」と前向きに事業を作ってきました。


コンサルの仕事は、目の前の顧客の課題を見つけ、解決していくものです。大きなビジョンを描き、それを実現する事業開発は、なかなか分からないところがありました。だからこそ上長の進め方を見ながら会得したり、Udemyで事業開発やプロジェクトマネジメントについて学習していきながら、事業を作っていきましたね。





山口:以前は高校のコンサルタントとして教育支援をしていました。学校のコンサルタントは非常に歴史のある組織で、先輩が築いた顧客との関係や、Benesseのブランド力を軸に活動でき、守られている感覚があったんです。しかしあるとき「ここから出たら、自分は活躍できるんだろうか」と思ったんです。自分を見つめた結果、それは厳しいと感じて、違うフィールドでも活躍できる人材を目指し、事業開発に挑戦することにしました。


実際に事業開発に挑戦してみて、過去の自分は本当に恵まれていたと感じました。事業開発は基盤も併せて築く仕事なので、非常にパワーが必要です。顧客対応はもちろん、法務関連、UdemyはSaaSなのでセキュリティーのチェック、さらにイベントの企画、運営、登壇も我々でやる必要があった。この点が大きなギャップであり、苦労した分だけやりがいの大きかったところでもありました。


喜多:お話を聞くと、事業開発は分かりやすいスキルだけではなく、「学び続ける力」「何とかするマインドセット」なども必要そうですね。


山口:マインド面で大事にしていることが2つあって、1つは柔軟性。この仕事は基盤を頼りにするのではなく、0から基盤を築く必要があり、「なんでもやってやる」という姿勢は大切です。2つ目は提案力。事業開発は顧客のメリットを考えて取り組めば、その分見返りのある仕事です。なので、インパクトを考え、かたちにして伝える提案力は重要だと思っています。


田村:「学ぶ力が必要」と言うのは、まさにそのとおり。義務感からではなく、自分の好奇心から学び続けられるところがすごく重要ですね。


喜多:学びが必要なのは間違いない事実ですが、全部がゼロだとやっていくのは大変ですよね。お二人にとって「これは負けない」「このスキルは活かせたな」と言えるポイントはどこですか?


田村:自治体のコンサル担当だったので、問題解決力や課題設定力には自信を持っていました。あとは高い目標に対してやりきる力も培われていたと思います。


山口:学校担当の時に、先生や保護者、生徒などに向けて研修会や講演会などを毎年100本以上やってきました。そのため、プレゼンテーション力が自分の一つの強みです。現在毎月行っているオンラインセミナーでも、この強みが生きていると感じますね。



うまくいかないのは当たり前 仮説・検証を繰り返して事業を作る





喜多:一般的な事業開発からUdemy Business固有のものまで、実際に経験した苦労や、前の職場との違いついてお伺いしたいです。


山口1→10から0→1を作る仕事に変わったので、想像力や行動力、思考力はかなり苦労した分、鍛えられた気がします。


あとは、知名度のないところからどう広げるかが難しい部分でした。人材育成ツールとして企業にどれだけメリットがあるのか。Udemyは「教えたい人と学びたい人をつなぐプラットフォーム」を売りにしている反面、プロの講師が教えているわけではないので、不安をどうやって越えていくのか。顧客の要望を徹底的にヒアリングし、メリットを何度もプレゼンするかたちで乗り越えましたね。


また、前の職場では、ルート営業として決まったお客さまへのアプローチが多かったのですが、事業開発になって、市場や戦略の検討から行うことが大きな違いでした。Udemy Businessだと、技術的なスキルを求める業界や、情報優位性を必要とする業界を中心にアプローチをかけ、そこからテーマを検討する点が大きく異なりましたね。





田村:私は集客先や対象顧客、顧客課題、その解決手段の検討など、0→1のところからスタートしたので、こちらが描いた仮説をひたすら当てにいくんですが、跳ね返されることはやはり多かったです。刺さっても、市場規模の観点からビジネスモデルを変えなくてはならないフェーズもありました。


「このままだと事業貢献ができないぞ」「この事業で行政をより良くするにはどうしたらよいのか」と考え、もがきながら事業を創っていました。自治体も新しいものにハードルを感じる方が多く、それをいかに越えるかは頭を使いました。また事業開発は、顧客の市場規模やサービスコストを測れないと事業が成り立たないので、そこは意識しました。


喜多:どのようなときにやりがいを感じますか?


山口:お客さまからのフィードバックを元にサービスを改善し、ポジティブなコメントをもらったときや、コミュニケーションを取り続けるなかでお客さまの成長を感じられたとき、各企業で利用人数が増えたときです。


また、Udemy Businessスタート時は、海外と日本における学習や社会人の教育に対する考え方、社内の制度のあり方が違い、サービスもフィットしない部分が多くあったんです。カリキュラムを組んで研修を行う国内企業の傾向にならって、カリキュラムが組める機能を搭載することで、自律的な学習だけでなく、研修の代替としての立ち位置を築きました。その辺りは大きな変化でしたし、非常にやりがいを感じましたね。


田村:私は行政や中小企業の方々がお客さまとなりますので、学びを通して行政サービスの向上や、地域経済の活性化に寄与できている、と実感できるときにやりがいを感じますね。


特に中小企業支援事業が立ち上がったのはお客さまからの声がきっかけになっていることもあり、こうしてお客さまと伴走しながら新しい事業を作り上げることができることもやりがいにつながっています。


実際に、東京都様と都内中小企業の方々に向けて、DX人材に向けたリスキリングを支援する「DX人材リスキリング支援事業」のプロジェクトリーダーをしているのですが、受講者の方から「このプログラムに参加できて良かった」とのお声もいただいておりますので、この事業で多くの中小企業の方々を支援していきたいと思っています。



事業で社会貢献できることがモチベーションに





田村:「社会貢献とビジネスを両立したい」これが私の人生のテーマです。我々の事業開発によって、行政や企業、地域の方々が“学び”を通して、新しいサービスや事業を創ったり、新しい職に就くことができる……こうした変化の手触り感を感じられることが、私のモチベーションにつながっています。


山口:私は「取り組もうとしているテーマの大きさ」がモチベーションになっています。2025年までに世界で約10億人にリスキルが必要だと言われるなかで、世界で戦える企業づくりにどれだけ貢献していくことができるか。働くことが楽しく、その結果が企業価値となって返ってくる世界を築きたいです。Udemyはその一助になれると信じています。



中途入社メンバーが事業に新たな広がりを生む





喜多:貴社はプロパーの方はもちろん、中途入社の方も活躍されています。具体的にどのような方が、どうバリューを発揮されているのでしょうか?


田村:私の部署ではプロパーはもちろん、中央省庁ご出身の方が中途入社で大活躍しています。我々は行政事業がメインですので、行政視点での物事の進め方を学ばせてもらっています。


あと、求職者支援でリスキリングを行っていますが、転職支援の経験がある方がチームに入ることで求職者の真のニーズを学ぶことができます。このように、多様な経験がある人がチームに入ることは、非常にありがたいです。






山口急成長期、若干成熟期の事業をさらに広げるために、別の視点が入ることで、選択肢が増えていくことを感じています。なお、チームは現在プロパーより中途メンバーが多いです。成熟期に向かうにあたり、事業の継続を考える段階に入ってきています。それに伴って、比較的に個人が得意なこと、やりたいことをふまえアサインされるので、中途入社でも活躍しやすいと思います。





喜多:まさにイベントのテーマですが、実際に働かれてお二人はいかがですか。


山口:必要なスキルは3つあって、1つ目が課題設定力。顕在的・潜在的なものも含めて仮説を立てる力は必要です。2つ目が関係調整力。カウンターパートが多い事業開発だからこそうまく間を取り持つ力が求められます。3つ目がプロジェクト管理力。事業開発は複数のプロジェクトをかけ持ちすることが多く、スケジュールや目的に合わせて進めていくことが重要です。しかし、意識や自己管理能力がしっかりあれば、十分活躍できると思います。


田村:「カオスを楽しむ」のは大切なマインドです。整っていないことに対し「やれることがたくさんある!」といった前向きなマインドを持てると、すごく良いと思います。



人の才能を開花させる事業を動かすということ





喜多:これは非常に本質的な問いだと思うのですが、お二人はいかがでしょうか。


田村:事業を進めるには、仮説を立て、プロトタイプで見せ、お客さまの心を動かすことが必要です。提案書を作るにしても、「この課題にはこれが必要じゃないですか」と自らの仮説を突き詰めて、お客さまへの提案を繰り返していくことで、課題設定力や解決力が鍛えられるのではないでしょうか。


山口:3年前、自分のスキルにおける課題は課題設定力でした。そこで課題設定力が優れている先輩に、毎週自分が立てた仮説とその理由、お客さまへのメリットを試し打ちして、フィードバックをもらっていたんです。そのように、先輩のリソースを使うことで課題設定力を鍛えていましたね。





喜多:教育領域の事業を作る面白さとはなんでしょう?


田村:私は「どんな人でも人は才能に溢れている」と思っています。ただし、その才能をより開花させるためには「学び」が必要です。


教育業界という「人づくり」に軸足がある会社だからこそ、Udemy Businessを通して、どんな人でも、どんな環境でも、学べる環境を創りあげることで、この世界のみんなが最大限自らの才能を発揮できる世界を作りたいと思っています。


山口:私は影響力が一番大きいところだと思います。人を変えていく、人を成長させる事業は「人」が対象です。人を通して、次の価値が生まれていく。そこが非常にやりがいがあり、大儀も大きいと思っています。


喜多:最後にお二人から、皆さんにメッセージをお願いします。


山口:皆さんの明日からの活力となれば、という思いでイベントに参加しました。もしご縁があって、一緒に働けることがあれば、その日を楽しみにしています。


田村:教育は、国づくりでもあります。ぜひBenesseで一緒に働けることを楽しみにしています。



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