経団連が発表した2025年夏のボーナス調査では、大手企業の平均支給額は99万848円となり、比較可能な1981年以降の最高額となった。過去最高額を更新するのは4年連続で、大手企業ではボーナスが増えていくことが当たり前になりつつある。
大手企業のボーナス増額の背景には、何があるのか。本記事では、ワンキャリア転職に蓄積された年収データをもとに、ボーナス上位企業や業界の実際の年収事情と働く環境を詳しく分析していく。見えてきたのは、企業が好調な業績をどのように従業員に還元するのかという人事戦略の違いだ。
(参考)大手企業 夏のボーナス 平均99万848円 1981年以降で最高に | NHK
1. 2025年夏のボーナスの傾向
1-1. ボーナスは3種類に分かれる
企業のボーナス制度は大きく分けて「基本給連動型賞与」「業績連動型賞与」「決算賞与」の3つに分類される。
「決算賞与」は好決算の場合に企業が支給する臨時ボーナスで、支給されない場合も多い。今回のボーナス上昇には「基本給連動型賞与」「業績連動型賞与」が深く関連している。
「基本給連動型賞与」は「基本給×3か月分」のように基本給と連動して額を決める。この数年の賃上げトレンドで基本給が大手企業で上がっているため、ボーナスの平均額も過去最高を更新している構図となっている。
一方、「業績連動型賞与」は企業業績や個人業績を連動させて支給額を算出する。そのため、今回ボーナス額が特に高かった企業・業界に関しては、業績連動型賞与が深く関連している。
1-2. 業種別ボーナス支給額一覧
経団連の発表によると、業種別のボーナス支給額(1次集計)は以下のような結果となった。
出典:2025年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)
(※)原則として従業員500人以上、主要22業種大手244社を対象に経団連が調査し、1次集計として107社分の結果を7月3日に発表。
(※)運輸と機械金属は集計社数が2社に満たないため、金額は非公表。平均値の算出には含まれる
最も多かった業種は建設で126万9893円。増加率は化学の28.99%が最大だった。
業績不振の企業があった自動車などは前年を下回ったが、18業種のうち13業種でボーナスが前年から増えるなど、幅広い業種でボーナスが増加していることが分かる。
2. 最高額は527万⁉︎ ボーナスが高かった企業の年収事情
ここからはボーナスの金額が大きかった企業の年収について見ていく。経団連の発表では個別の企業のボーナスについては確認できないため、報道機関のニュースなどを参考に注目企業をピックアップした。
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