こんにちは、トイアンナです。
常々「休職という選択肢」について、日系企業と外資系企業で受けるイメージが大きく異なるのを感じます。
外資系企業では休職が選択肢として成立している
外資系企業では、休職が「よくあること」と認識されています。特に米系外資ではそうです。というのも、外資では毎年成果を出すことを要求されるがために、一定程度燃え尽きる人が出てくるからです。そこで疲れ果てる前に転職を選ぶ人もいれば、ある日ばったり倒れる人もいる。「そういうもんだよね」という空気がどこかにあるわけです。
ですから、休職から復帰する人も多数います。そして、復活してバリバリ働き、出世する人も多い。何なら、C●Oクラスの人が休職して、その後転職先でCEOとなっていた事例もありました。「役員って休職できるんだ……」と、さすがに驚きました。
悪く言えば、ハードワークが前提とされています。良く言えば、休職がスティグマにならない。休職も産休も介護休暇も同じような扱いで、「その期間に昇格しないだけ」の待遇を受けます。もちろん、全く同じポストが復職後に保障されているとは限りません。そこまで甘い世界ではない。しかし、休職してもチャンスがそのまま残されているというのは、大きな希望です。
私自身、外資系企業で働きながら「休職しても復活すればいいんだ」と、お気楽に思っていました。だからこそ、プロジェクトで全力疾走したとも言えます。もちろん、いきなりぶっ倒れると仕事に穴を開けてしまうので、倒れるときは徐々にダメそうな雰囲気を出したいな……とは思っていましたが、いざ燃え尽きるときはそんなことを言っていられないというのも、倒れ行く人々の中で感じておりました。
そして、実際に上司との関係で適応障害になりかけたときも、「休職すればなんとかなるか」と考えていました。そのタイミングで夫の転勤があって同行するための退職を選びましたが、もし転勤がなければ普通に休職し、復帰していたと思います。
日系企業では、休職が「最後の道」に思われている
他方、日系企業、特にJTCで働く人にとって、休職は「最後の道」くらいに思われている節があります。適応障害が重くなり、どうしても起き上がれなくなって、それでも自社を辞められない事情がある人だけが取る道……くらいに思っている方もいるのではないでしょうか。
株式会社ベターオプションズの調査によると、日系大手企業のメンタル起因による休職率は1%前後。IT業界と金融業界でやや多い傾向があるものの、1.2%と誤差の範囲にとどまっています。一方、アクサの調査では日本で心の健康が「不調」と回答した方は13%もおり、メンタルに課題を抱えている人の多くが、休めない状況が見て取れます。
なぜ、日本で休職が選択肢として選ばれにくいのか。そこには、休職時の企業の対応力不足が挙げられます。
株式会社KiteRaの調査では、休職を申し出た方の36.7%に退職勧奨があったとレポートされています。さらに、制度そのものへの説明がなかったり、産業医の意見を軽視されたり、「甘え」扱いなど不適切な言動が見られたといった報告も見られました。
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